玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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閃光のハサウェイ読了

いやー。トミノがこんなしっかりとしたプロットの悲劇を書けるなんてねえ。たしかに完成度は今まで読んだ中でもかなり高いな、とネット評を再確認。
もちろん、トミノらしく論理的に書こうとして余計分かりにくい持って回った言い方になっていたり、かと思うと「あゲーッ!」だったり、ちゃんと誤字脱字も校正されてなかったりとトミノクオリティーは健在だが、それがいい
なんか、高村薫っぽい雰囲気がしたのはいま郄村薫のエッセイを読んでるからだろうか?福井晴敏の好きな作家2大巨頭は富野由悠季アンド郄村薫女王です。戦国連邦軍とかできないかな?
∀ガンダムは風とともにターン!って言う感じだったね。
つーか、ハサウェイ・ノアがカッコよすぎ。顔変わりすぎ。イラスト全部顔違う。1と3巻の表紙は童顔だが

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈下〉 (角川文庫―スニーカー文庫)2巻の表紙は男らしすぎる。ケネスか?機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈中〉 (角川文庫―スニーカー文庫)でもパイロットスーツ着てるしなア。
そんでハサウェイがかっこいい。最初から最後までかっこいい。未熟だがかっこいい。逆襲のシャアだけでは全く必要の無いお邪魔キャラだったんだが、閃光のハサウェイのためならオッケーか。
話的にはベルトーチカ・チルドレンの続編なんだな。クェス・パラヤの悪夢こええ。しかし、13歳からずっとうつ病に悩まされていたわりに大学でも優秀な成績で可愛い子と同棲した上にテロ組織の頭目をやったりするハサウェイを見ると、負けていられないとか思うのだが、小説のキャラには勝てないよ、とも思う。
Ξガンダムファンネルミサイルも自由自在に操るし。ニュータイプには成れなかったというが、かなりいい線いってるのでは?実質MS戦では負けなし。
戦闘シチュエーションもいろいろあって楽しい。文章でも富野小説の戦闘は空間の広がりが感じられて良い。頭の中で映像を組み立てながら読むとものすごい空戦が楽しめるタイプの文体。戦闘妖精雪風も読まないといけないなあ。どっちがスピィディーか。
ただ、負け戦は富野作品らしい負け方だなあと。実力があって勢いもあってもどこか少しに驕りや先走りがあれば負けると言う仏教的な思想。主人公であっても。
ハサウェイの最後の命の叫びは体感として迫ってきて凄い。富野は死にかけた経験があるのだろうか?
ギギとやりたがるハサもありがちだが王道のよさがある。
そんで、ライバルのケネス大佐はハリウッド的カッコよさがあるが、どっちかと言うと映画よりもSFTVシリーズ的な深さがあるかも。ケネスとハサウェイの愛し合う代わりに鉛弾を撃ちあうような男の関係が郄村薫っぽかったぞ。
ゲーム版では立木文彦氏が声を当てているとか。碇ゲンドウかよ。
ギギ・アンダルシハの声は林原めぐみとか。綾波レイかよ。っていうか、ギギの戦闘員ではないニュータイプとしての感じ方が凄い良かった。ニュータイプとは広範な情報を正しく認識し、発想する事のできるという説。ただ、そのギギも誰か男の物に成ると言う運命が在るんだが、ラストのケネスとの会話は男女と言うよりは同じ傷を追った人どうしって言う感じだが、ケネスはメイスに行くのかどうだろうか。
んで、やっぱり、ギギって妹に似てる。あの感性の鋭さが。だとしたら、おれは妹を伯爵のように扱っているのかもしれない。
そして、いつかアデューと捨てられるのかもナ・・・。
とか泣き言を言って妹の気を引くのも私の常套手段だと知れ。
妹も閃ハサ読んだよ。そんで、一緒に泣いたよ。ちょっとだけ。んで、やっぱり好きな人は離しちゃあいけないよ、いけないねえって言う話。
なんかそう言う切なさみたいなのが在るのはどうも全体的に甘ったるいんだよなあ。
学生演劇の学園紛争モノみたいな。そういうノリみたいなのがマフティーにはあるよなあ。んで結局はそれは体制に潰されなくてはならないんだよねえ。それ以外の未来は思い描けないのだろうか?
そして、ブライトもケネスも軍を去って世捨て人になるしかない。やはりどんなに強い意志も大衆と官僚主義には勝てないんだな。それで結局は個人のそれに回帰するんだが、その個人の動きがまた地下で何がしかになるのかも知れんし、個人もまた全体の一部だよなあ。
そんでガイア・ギアに続くの?同時期だしナア。F91が始まるとは思ってもいない微妙な位置ですか?ガイア・ギアは絶賛絶版中。
サウンドシアター ガイア・ギア CD-2

サウンドシアター ガイア・ギア CD-2

これは、古本屋においてあって聞いた事があるんだけど。
アフランシーという呼び方が耳につくなあ。あふらんしー。中途半端すぎるぞ。2巻だけて。
まあ、今となってはその終局と言う儀式はターンエーガンダムで完璧に成されたからガイアギアはマジで黒歴史の尻尾切りなのかもナ。
そういう訳で4月から機動戦士ガンダムビデオマラソンをしたりしてはじまったガンダムサーガもこれで本当に一区切りと言う感じだな。この時点での作品としては割と綺麗にガンダムに落ちをつけている感じがする。
あとは、ウッソ・エヴィンがシャアのひ孫かどうかと言う話。
後はツッコミどころ。
軍と連邦の高官が同じに見えた読後感は僕の読解力のせいか?シビリアンだからかなあ?キンバレーは文官出身で・・・。
ガウマン救出はやったのに、(ペーネロペーでノコノコ出してくれたせいだが)マフティー・ナビーユ・エリンの救出はしなかったのは戦力が疲弊したせいか?目的を達成したとして地下に潜るのが優先だったのか?マフティーをメシアとして殺すためだとしたらクワック・サルヴァーは恐ろしいな。セイラ・マス説とかあるらしい。
ガウマンはどうなったんだろう?
あと、ヴァリアントの顛末とか微妙に端折られてた所はちょっと分かりにくかったぞ。時系列もいじってあったし。
あと、気になるのはやはりネーミング。
オデュッセウスガンダムは、それとして、グスタフ・カールはバズーカ砲からか、カール・グスタフ・ユングからか、カール16世グスタフ (スウェーデン王)からか?
メッサーはメッサーシュミットかなあ?
ケッサリアはインド。ギャルセゾンはしらん。

ノア・ハサウェイはわざとだよな。
では次はブッホ・コンツェルンの歴史だな。