玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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うろ覚え童話

今年も紫陽花が咲く。
紫陽花の花壇の向こうの道を、花のようにスカートを膨らませた少女達が、花のような傘を挿し、笑いさざめき学校へ歩いていく。
少女達が通り過ぎる家の窓から、白くて細い体に、黒くて長い髪の女の子が覗いていた。女の子は学校へ行かず締め切った部屋にこもっていたのに、窓から紫陽花を眺めようとして、学校で自分をいじめた少女達の明るい声を聞き、姿を見てしまった。いじめなんて絶対にしないような幸せで塗り固められたような少女達を見てしまった。
それから、女の子は体を壊した。真っ暗な部屋の中にこもって、お母さんがご飯を差し入れても、スープを飲むのが精一杯。声を出す事も出来なくなり、ただ、千代紙で折鶴を折っているだけ。
窓の外の紫陽花の花が終わり、部屋の中が折鶴でいっぱいになったとき、女の子は死んだ。
次の年も紫陽花は咲いた。
お母さんは窓から紫陽花の花と、一年分大きくなった少女達を見た。
死んだ女の子は、どこにもいない。部屋の中は折鶴でいっぱい。
(おわり)



これ、小学校の時に絵本か紙芝居で読んだような気がする。あるいは、小学校の時に夢で見た気がする。
どなたか、ご存知?
はてなハイクにも投下したんですけど。