玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダム24〜27を見た。

最近元気が無かったのでレンタルして景気付けに見た。ここらへんすきやねん。
第24話「迫撃!トリプル・ドム」
案外元気がない。マチルダさんが死ぬところで勇ましい音楽が鳴りっぱなしだったり、マッシュを真っ二つにするガンダムの手首が無かったり、色々ミスも。
ガンダム00を見慣れた目には作画がしょっぱいなあ。メカが真横からのアングルが多すぎ。
安彦良和作画監督なんだがなあ。
脚本・山本優 絵コンテ・斧谷稔 演出・関田修 作画監督安彦良和っていうゴールデンメンバーなんだが、微妙にたるい。
ジェットストリーム・アタックはカッコいいんだけど、作画と音楽がもたついてる気がした。
むしろ、冒頭のマチルダさんとの写真撮影や会話に全力を投入してる感じだなあ。こういう人間関係のひだみたいな部分はナイス。
機密服を洗浄したりって言うSF描写もいいね。
あと、マッシュを1話で使い捨てにしたのに30年も愛される三連星って言うがガンダムの敵キャラってスゲエ。


第25話「オデッサの激戦」
エルラン中将を告発するアムロが大好きなので、この巻をレンタルした。
THE ORIGIN版のエルラン中将はレビルのかませ犬になって泣いちゃってたから、テレビ版で憎憎しくウィスキーを戦場で飲んでるほうがいいな。エルラン中将が脱出しようとした所をアムロガンダムで怒るって言う機動戦士ガンダム THE ORIGIN展開も面白かったけど。
ちなみに、僕がガンダムでトップクラスに好きなキャラクターは、アムロに「がんばれよ」って言ってくれる名もない連邦士官です。アムロを信じるかどうかをアムロの行動を見るまで決めない厳しさ、アムロが行動した後に励ましてくれる暖かさ、エルランを殺さないで拘束するという冷静さ。こういう士官が居るから連邦は勝ったんだなあ。
あと、リアルじゃないって言われがちな水爆切りですけど、事前にブライトがアムロ南極条約の時に公開された水爆のデータを送って、アムロが「こ、こんな雑な分解図で役に立つんですか?」って言ってブライトが「水爆が本物ならここもやられるんだ。やるしかない、アムロ」って言う。
水爆をロボットで切るという現象自体はリアルではないけど、こういう風にキャラクターのリアクションでリアルさを補強しようって言うのがガンダムらしくて好きだなあ。
屁理屈っぽくても理屈をつけようって言う心構えがすき。
あと、テレビ版が史実で神で、ゲーム版や他のマンガは劇中劇だと思うんだが、参戦したモビルスーツは三連星とガンダムだけで、戦車と飛行機が中心。モビルスーツは虎の子です。で、キシリアが三連星を地球に下ろすのにも政治的駆け引きが必要だった。
ガンダムは兵器を量産型として描いたのが画期的でリアル」っていうのと、ボトムズの使い捨て兵器を混同したのが、ガンダム中期や非富野ガンダムの落とし穴のような気がします。だって、あんなに大きい超合金の塊は高価すぎですよ!ザク一機だって地方の前線基地では虎の子あつかいです。
あと、ゲームとプラモデルの影響でしょうね。モビルスーツをたくさん出すのは。テレビ版ファーストでは対潜哨戒機のドン・エスカルゴとかも活躍してたんですけどねえ。
1979年時点では、製品化されたロボットというモビルスーツであっても、マジンガーZのような決戦兵器でもあるっていう感じの取り扱いなんだなあ。
ア・バオア・クーでは連邦が数で押してきたし、ジオンも他の拠点が潰れまくってるからたくさん居る。


第26話「復活のシャア」
シャアが復活するのはラスト。シャアは部下の死よりも自分のプライドを優先する最低上司。
で、オデッサの激戦よりもこっちの方が富野作品らしい元気さが出てた。どーも、ガンダムって以外に地味な作品なんですね。音楽や動きやカット割も結構鈍重と言うか。ガンダム00の方がアクションとしての快感はあるよね。
で、3クール目でアクション路線にしろ!っていうてこ入れがあったらしく、今回から暫くは怪獣的な水中型モビルスーツモビルアーマーが襲ってきます。
あ、おれ、こういう怪獣映画大好きなんだわ。ゴッグズゴックが2,3匹ベルファストに上陸しただけで町は滅びました。モビルスーツはハッキリ言って怪獣ですよ。冒頭のコロニー落とし=大海嘯で人類の半分が死んでる黙示禄の世界です。
こういう巨人が市街地で戦争をするって言うことだけで、圧倒的な暴力と破壊なんだ、って言う表現はその後のガンダムではあまり見られなくなったもの。
Gガンダムではテーマとしてチョコチョコ出てきたけど。
基本的に、ファーストガンダム以降のモビルスーツは存在感や重量感が軽いんだよなあ。
イグルー2の重力戦線はどうだろうか?
あと、アムロが嬉々としてGパーツのプレゼンを行うのは思いっきり戦争狂でキモい。トリガーハッピー・アムロアムロ・レイはメカが好きな男の子なんだなあ。
それはスポンサーの要請やメカの説明をしないとアクションがやりにくいって言う必要とされた芝居では在るんだけど、そこでカイが「みんな一生この船にいるつもりかよ!」って苦しそうに吐き捨てるカットを入れるだけで人間らしさだなあ。こういうの、好きだぜ。
ここらへんが、Z以降でカイがジャーナリストになって、アムロがパイロットに復帰したって言う伏線?っていうか、性格描写がしっかりしてればそうなるか。
ヴァチカンには行かなくていいけどな。


第27話「女スパイ潜入!」
ベルファストの荒廃ぶりがひどい。でも、ガザ地区とかの映像を見ると、別にモビルスーツが来なくても戦争をしてたらそう言う風に成るかなあって感じ。
まあ、モビルスーツはミサイルと爆撃機と戦車の部隊を1機でやってしまう化け物なんだけども。こういう町の雰囲気からも戦争のしんどい感じが伝わるのはいいなあ。いや、演出として良いんであって、荒廃はダメですよ。ミハル・ラトキエの一家がかわいそう過ぎ。あー、お母さん死んでるのね・・・。
ルイス・ハレヴィの一家が釘宮理恵の気まぐれで撃たれるって言うワザとらしい展開にしなくても、モビルスーツが在るって言うだけで破壊なんだって言う風に見せる演出はできなかったんだろうか?富野監督は本当に「武器と言うのは本来、存在するだけで恐ろしいんだ」っていう感覚を書こうとしてるって言ってた。
ガンダムスローネの射程が長過ぎるから誤爆って言うのでもよかったのに。
まあ、機動戦士ガンダム00は富野ガンダムと違って、武器や世界とか、そう言う哲学よりも個性的なキャラクター同士の因縁やらキャッキャウフフを描くのが主眼の作品だからなあ。
カイとミハルの交流とか、キャラクターの個性って言うよりは「ああ、こういう状況でこういう人はこうだよねえ。ボクもそうかもねえ」っていう感覚。
アムロがカイに工具を渡したりって言うのも的外れで全然ニュータイプっぽくないんだけど、バカな少年なりに優しさを出そうって言う気持ちの部分は人間臭い。「それ、一銭にも成らないってよ」って工具をアムロに返すカイとか、カイを軍に黙って送り出して、黙って迎え入れるホワイトベース隊のさり気なさも粋だねえ。レビル将軍の戦況実況も的確だ。
メカ描写や作画は21世紀ガンダムには全然及ばないけど、人間描写はすごい。

いや、そうでもないか。
怪獣モビルスーツに対して自走砲が展開したりって言うのは面白かった。あと、ガンダム様が強すぎ。敵は基本的に真っ二つ。
あと、怪獣モビルスーツと郊外で戦うガンダムウルトラマン的に理知的なシルエットの体型で、ヒーローだなあ。ワクワク。


28話は見返してないけど、
死後のミハルと会話するカイってアムロよりニュータイプ