玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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たまゆらOVA全四話とTVの一話は映像の原則に違反しているが!

佳作良品である。
新しいTV版(一話30分)がネット配信で、一年前に出たOVA版(15分ずつ全4話)もネットで無料で見れるようになったので、見た。
いやー、良い時代です。
たまゆら
http://anime.biglobe.ne.jp/title/4383/view/101/
たまゆら〜hitotose〜
http://anime.biglobe.ne.jp/title/3974/view/831/
じんわりと感じ入る良いドラマでした。癒し、とか、萌え、ともちょっと違うような。
別れとか、切なさとかも含んでいるような。
でも、懐かしさや優しさもあるような。
可愛らしさや楽しさもあるような。
そんな良い作品です。
きれいな短編フィルムだなあ。
TV版の1話はファースト・ジェネレーションというか、OVA版の前日譚です。
で、女子高生の日常の萌えアニメ的な作りだけど、雰囲気が健全なのが良いね。
渡辺はじめさんの絵は少女漫画的というか、萌え絵だけど健全っぽいのが良いなあ。
いや、萌え絵も最初は少女漫画や少女雑誌の健全な所から来たのであって、それがエロゲーとかに入ったのは80年代以降なんだけども。
少女雑誌的な良さがあるねえ。
しみじみ・・・。
それいゆ・・・。
佐藤順一監督と渡辺はじめさんは名作のカレイドスターも良かった。健全な名作だ。
佐藤順一監督は富野由悠季監督の機動戦士Zガンダム庵野秀明監督の新世紀エヴァンゲリオンなどのちょっと健全ではないかもしれないバトルアニメもやってるのになー。


んで、最近マイブームの映像の原則(著:富野由悠季)ですが。
富野監督は「俯瞰は説明的だから使うな」「俯瞰だとキャラが弱く見える」って書いてるけど、たまゆらは俯瞰のシーンとか、パースペクティブが強調されていてキャラが小さく映っている画面も結構多い。
でも、雰囲気は出てる。
多分、説明的な俯瞰でも景色を見せたりしてる効能があるし、キャラが弱く見えるというのは転じて、キャラの小さくてかわいらしい様を描くという効能もあるのだろう。
富野の原則だけが絶対ではない。というか、芸術での原則は数学と違って応用や違反を含めるからこそ原則なので、絶対ではない。
ガンダムのような巨大な物の戦いを見せる映像作りと、女学生の小旅行を描く映像では、原則の使い方の配分も変わってくるのだ。
あと、たまゆらは感情移入シーンとかでは煽りやアップも効果的に使ってるし、感情を表現するシーンではレイアウトでのキャラの見切りとか、フレームイン・アウトを効果的に使ってメリハリを出してる。
上手いなー。
と、テクニカルな事を言ったが、まあ、テクニカルなことしか文章にはしにくくて、感想としては「なんか、じんわりといいよね・・・」という事なのだ。


というか、サトジュンはファイ・ブレインと並行なんだなー。えー。幅が広いなー。ベテランなんだが。
懐が深いなあ。サトジュン。
好きです。
元々サトジュンに対する高感度が高いからなあ、僕は。カレイドスタープリンセスチュチュおジャ魔女どれみも好きだし。(セーラームーンはちょっと小学生男子には恥ずかしかったので、再放送で見ました)

自身について「アニメ屋」と名乗ることが多い、由来は機動戦士Ζガンダムのコンテ作業時に富野由悠季監督から「このアニメ屋が!」と怒られたときに、「アニメ屋ってかっこいいな」と思ったところから。
佐藤順一ウィキペディアから)
(追記:これはウィキペディアの間違いで、富野監督にアニメ屋と怒られたのは今川泰宏監督という噂も聞きました。)

富野とのこういう師弟関係、違った感性の持ち主っていいな。僕は富野のファンだけど、富野とは違う角度で上手い佐藤順一も好きなのです。色々です。