玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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輪るピングドラム19話「私の運命の人」見たいものが見れたネタバレ

絵コンテ:演出後藤圭二 作画監督後藤圭二石井久
はい。
輪るピングドラム第19話関西感想!期待の斜め上! - 玖足手帖-アニメ&創作-
で、関西の木曜日深夜にリアルタイムで見て、感想を即書きましたけど、この時はネタバレに配慮して、心の叫びの感想だけ書きました。
でも、18話の感想で僕が見たいと思っていたことや、次にこうなるんじゃないかと予想した事が描かれて、その上、予想外の事も描かれていてとても面白かったです。


後藤圭二さんの作画は彼の癖が出たという感じでしたけど、でも、僕は90年代チルドレンだから、良いと思います!全体的な崩れも10話よりはなかったし、ロングサイズの時のデッサンの崩れもなかったし、良かったと思うなー。でもゼロ年代チルドレンには受けが悪いっぽい?
いや、でも、小柄な陽毬がころころしてて可愛かったよ!ちっちゃくてかわいい陽毬を必死こいて追い詰める真砂子もダメな女子高生って感じでかわいかった!

  • 予想していた事。

・苹果の嫁入り。
前回、晶馬を通じて高倉家の兄妹を抱きしめる事ができた苹果は、本当に晶ちゃんが大好きなんだね!と言う感じで、大切な人と鍋をつついて後かたづけという、嫁!
陽毬のエプロンを勝手に使う所とかも効果的なカメラワークで、陽毬が13歳にして小姑・・・。小姑陽毬ちゃんかわいい。でも、陽毬ちゃんは苹果ちゃんの友達でもあるからいじめたりできないし、そういう悩みがかわいい。
予想はしてたけど、やっぱりキャッキャウフフとかお芝居を見るとたのしいねー。晶ちゃんとかわいい夫婦喧嘩の跡の手慣れた台所とか、夫婦だよ!かわいいカップルさんだよ!
前回まではアクションサスペンスが続いてたので、いきなりホームドラマになってびっくりしたけど、そういう懐の広さがピングドラムのノージャンルっぽさでいいなあ。


・真砂子の襲撃
予想はしていた。でも、真坂直接陽毬に手を出すなんて…。それは予想外だった。
しかも、襲う前に気の弱い陽毬に対して、超上から目線の真砂子が妙ちりきんな愛の哲学を問うとか、無茶苦茶。
真砂子の襲撃はハラハラドキドキだし、陽毬は体も気も弱いし他人が苦手だから、シリアスなシーンなのに、なぜか笑えてしまうようなセリフの掛け合いとか。真砂子の顔芸とか。ホームコメディーか!

そして、この寺内貫太郎一家やドリフのコントや吉本新喜劇みたいな舞台演出の茶番っぷり!糞笑えたwwwwwww
前回も舞台演劇的だったけど、今回はまた違った意味のコメディー舞台で、面白いなー。
あと、なんだ、あのマトリックスみたいな赤の忘れ弾と青の思い出し弾って。雨の中をスローモーションで走るとか、マトリックスかよ。しかも謎の鉄球をかいくぐって陽毬を撃つという弾幕シューティングゲームがいきなり始まったし。真砂子は色々と美味しい!おもろい。
もう、真砂子を使った東方プロジェクトの弾幕ゲームとか冬コミに出たらいいよ。陽毬とか女優がボスで。


・冠葉と晶馬のずれ
双子で同じように生きてきたのに、両親の事で意見が違ってきた。
両親を信じていたし家族を無条件で守る冠葉と、両親の事で困っていた荻野目苹果と知りあって仲良くなって新しい家族を作りそうな晶馬。
経験が変わっていく。
しかし、前回あんだけ血だらけになっても親の前で傷の痛みを甘えないで家族を守ると言った冠ちゃんだが。
晶馬と恋のライバルに成れるの?晶馬の事だって大事なんだぜ。同じ緑の瞳の双子だし。
しかも、晶馬は昔の陽毬の運命の人だったけど、今は兄だし苹果と仲がいいし。どうなるんだー。


  • 見たかった事

・多蕗の絶縁状
かりそめの夫婦で、桃果と言う運命を繋ぎとめるための道具の仮面夫婦でも、多蕗が居なくなって寒々しいって思ってしまう幼馴染の時籠ゆりの感慨が良かった。彼女はレズビアンだったけど、多蕗って言う家族ごっこにも何か温かさを感じていたって言うのに、人間らしさを感じて良かった。
多蕗はもう退場なんだろうか?でも、石田彰だしな・・・。わからん。


前回の感想で、

また、今回「罰は私が受ければいいんだ」って思った陽毬にも何かが起きてほしい。


オープニングの「少年よ我に帰れ」のラストカットや桃果を失った人たちの悩みを見ると、「陽毬は死ぬけど、残された人も前向きに生きて行こう」っていう風になりそうなんだけど。でも、それだと陽毬は「テーマを語ってに死ぬために生かされてる」というすごくもったいないキャラになってしまう。おれはシスコンだから、陽毬にもちゃんと生きる意欲を持ってほしい!トリプルHという夢を持ってほしい!


そのうえで、死ぬなら死ぬで。単に死ぬために死ぬなんてつまらない。生きようとするものが死ぬから美しいのだ。(Fate/zeroのキャスターが言ってた)
輪るピングドラム第18話4「だから私のためにいてほしい」他者に向かう行動原理! - 玖足手帖-アニメ&創作-

って書いた。
で、陽毬は自己肯定感が低くて、何者にもなれないし病気になる前から不登校の引きこもり(むしろ、劇場版AIR観鈴ちんみたいに精神病のせいで体も壊れてるのかも)だし、可愛い小物に溢れた家に閉じこもってる空っぽの少女だった。
で、今回、その空っぽな少女が、眞悧とかダブルHとか多蕗の事件とか荻野目苹果の嫁入り的ラブとかを通して「自分の居場所がなくなる気がする」=「ちょっとは自分の居場所を欲しいと能動的に思う」という風な意欲を見せてくれて、良かった。
その上で、9話のそらの孔分室の中での不思議空間で出ていた、幼少期の子どもブロイラーの記憶を自分の力で思い出した、と言うのがいい。
陽毬は今後どうなるかわからないけど、それでも陽毬にもちゃんと自分の意思が芽生えてもがき始めたみたいで、とてもいい。

  • 予想していなかった事

・高倉剣山(子安武人)、高倉千江美(井上喜久子)(17)荻窪ラーメン
小説版ネタバレでも18話の時点で冠葉は両親が今どこにいるかを知らないって書いてたのに!
「今」どこにいるかを知らなかっただけで、定期的に会ってはいたっぽい!なんだそれ!!!!
しかし、こどもたちが成長しても表情も変わらずミッションを遂行しようとしている高倉両親の変わらなさとは・・・。逆に不気味だ。さすが永遠の17歳だ・・・。(夏芽真砂子の堀江由衣さんも17歳教
そのミッションには夏芽真砂子の父も絡んでいるらしいが、それは眞悧に言わせると「(真砂子たちの)親が出来なかった事」らしいのだが。
どうなるんだ・・・。まだミッションをやってるっぽいが・・・。アーレフオウム真理教)も95年のサリン事件や89年の坂本弁護士殺害事件を知らない若者の信者を増やしているらしいが・・・。あのころはバブルがはじけた後の世紀末ブームとか、人が死んだ殺人事件ブームとか坂本弁護士事件をネタにしたテレビ番組がたくさんあったなあ。霊能力で坂本弁護士をさがすテレビ番組とか有ったんだぜ。あと、超能力者番組に松本智津夫死刑囚や上祐元受刑者も出てたし。半分、社会が彼らをおもちゃにしていたって言う部分もあるよね。中川智正被告は昨日、坂本一家殺害事件で死刑が確定したけど。長い事件だ。
ピングドラムの中でのKIGAはどういう事になるのか・・・。


・眞悧ゲーム
渡瀬眞悧は桃果の運命日記が邪魔だったのかー。でも、世界の全ての声を聞く能力の眞悧は、世界に干渉する日記には干渉できないというルールがあるみたい。それで、何でも燃やす癖を祖父から受け継いだ夏芽真砂子に日記を焼かせようとしたんだね。
って言うか「何でも燃やす癖」まで祖父に似てしまう真砂子って・・・。でも、真砂子はマリオの寝顔がかわいいので焼くのを辞めました。真砂子も冠葉と同じく運命に抗う少女だ・・・。しかし、このゲームの勝利条件は視聴者には明かされてないので、ハラハラするな。



・陽毬の運命の人
そういえば、陽毬も子どもブロイラーだったね・・・。OPで落ちている陽毬の周りで砕かれているガラスは氷の世界のこどもブロイラーの破片だったんだね・・・。
と、思い出したかのように・・・。
そしたら、その運命の果実を分けあった相手は晶馬だったという超展開!
おいおい。晶馬まで超能力者だったのかよ!小さい頃の晶馬はKIGAの秘密道具を盗み出して無邪気に使っちゃったのかな?
今まで割と常識人だった晶馬が・・・。いや、ストーカーの苹果が可愛くなったし、一般人の多蕗がテロリストになっちゃったし、このアニメは登場人物の評価が変転しまくりだよ!
でもねえ、それはそれで納得するね。
晶馬いいね。何がいいって、シスコンだよ。
前回の冠葉は無条件で妹を守るシスコンだった。
今回の過去の晶馬は、多蕗を助けた桃果と同じく「能力があるからすべての子供を助けるのではなく、助けたい人がいるから能力を発動する子供」だった。
晶馬は陽毬を選んだんだよ!選んで、その上で自分の妹にしたんだよ!シスコンだよ!血のつながりがなくてもこれは立派なシスコンだよ!
俺も捨て子を自分の妹にする脳内妹小説を書いているよ!
幻視小説「夢兄妹寝物語」全目次 - 玖足手帖-アニメ&創作-
だから輪るピングドラムのこういうアクロバティック血縁関係には共感するし、むしろ俺の好み!
晶馬は児童の時に運命の相手として自分の妹に選んだ幼女が成長してから水族館にデートに行って「今日は君が女王様だ」とかいって玩具を買い与えて「キモかわいい!」ってもだえるし、今回もセーターをもらってガールフレンドを無視して「うおおおお!陽毬!一生大事にするよ!」と叫ぶので、実にシスコンとしての素養が高い。おにいちゃんだ!
子どもブロイラーで自我が崩壊寸前の女児を「だったら僕の家族に成りなよ」って誘ってる運命の人なのに、妹として接するとか、レベルが高いすけこましやわ!前回の冠葉もすごかったけど、今回の晶馬(過去)もすごい!
同じ親の子供だから陽毬が大事と言う受動的兄妹ではなく、「血のつながりはないが特別な女の子は妹として扱います。命かけます」という高倉兄弟のシスコン任侠はマジスゴイ!!!


やっぱり輪るピングドラムは今年最強のシスコンアニメやで!


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