玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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輪るピングドラム第22話4ペンギン読書元ネタの共通点

ペンギン1号がエロ本の欲望を振り切って読んでいたのは、

こころ (集英社文庫)

こころ (集英社文庫)

ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)

これらに共通するのは「向上心」と「選択」と「愛」だ。
夏目漱石の「こころ」の「K」は「向上心の無い奴は馬鹿だ」と言った求道者的な人だったけど、向上心の無いと思っていたお嬢さんとの愛に選択されずに敗れて自殺した。
アーサー・C・クラークの「2010年宇宙の旅」では超文明体のモノリスが、木星に住んでいる生物を「選択」して滅ぼし、木星の衛星のエウロパの生物を「選択」して「進化」させた。また、2001年宇宙の旅のラストで超生命体になったボーマンと同じように、人工知能コンピューターHAL9000も精神を生命にして超生命体として「向上」進化した。
ゲーテファウストは読んでないのであらすじしか知らないが、これも向上心を抱いて理想の世界を作ろうとしたファウストの話。
つまり、冠葉は陽毬への愛に生きているが、同時に向上心を持って世界を正そうという思想に傾倒し、向上心の無い世界の大衆たちを焼きつくそうとしているという引用メッセージだろうか。


そして、ピンク・フロイドの狂気の広告が池袋にもあった。
「狂気日食」の歌詞では「太陽によって世界は正気に調和している。だが、月は太陽を覆い隠す。本当は明るい場所などどこにもない。ただ、太陽が当たっているだけなんだ。月の暗い方の方が宇宙の真実」と語られている。

狂気

狂気

冠葉の向上心は光か、闇か。