玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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輪るピングドラム第24話完結

ほぼ、伏線については前回までに明らかになっていたヒントを元にこじつけていたから、僕の中では決着がついていた。あとは彼らの行く末だけだった。
そして、それは全く僕の理解の範疇を越えていた。だから、この最終回はもう、最終回を見た直後の勢いだけで書いて、考察は放棄する。
僕はいつもピングドラムを探して映像の原則とか、スタッフの言葉とか、現代社会と結び付けてヒントを探そうとして考察ブログのような事を書いていた。
でも、この最終話は僕の論理的な理解をほとんど超えていて、映像ロジックも、意味のメタファーも、現代批評も、啓蒙思想や教訓や、ハッキリとした善悪についての解釈はできなかった。
でも、もういいんだ。
わからなくてもいいんだ。
だって、こういう気持ちの良い涙が流れたんだから。


ただ、僕の個人的なシスコンとしての性癖を言わせてもらうと、妹との生活はそれがどんなことになろうとも、それは大切なものなんだ。
そして、兄としての彼らの人生もまた、確かにあるんだ。世界がどうなろうと、大きな事件が起きようが、小さな喜びがあろうが、どちらにしろそれはあるんだ。
そういう喜びを3人の兄弟妹が痛みとともに実感して受け入れていく優しい傷つきのシーンが痛いはずなのに温かかった。
この物語は確かに放送されてこういう気もちを残したたんだ。
だから、それは良い事なんだよ。
輪るピングドラム キーホルダー/B 晶馬輪るピングドラム キーホルダー/A 冠葉


だけど、僕はもっともっとこういうピングドラムと言うアニメをパクって、このアニメができなかった事、描ききれなかった世界の真実、もっと混沌とした人類の業をえぐるような小説を書こうと思う。
僕は若者のまっすぐな生命に感動する心も持っているが、眞悧のように心がねじくれた部分もあるし、世界の愚民どもをぶちのめしてやりたいという気持ちもある。
だから、輪るピングドラムのラストは僕の野望よりは大したことがなくて、美しすぎて泣けたけど、汚らしい部分は放置していて、それは物語としては美しかったけど、ちょっと体力が足りない感じで、まだまだ僕が描ける物語の余地が残っているようで安心した。幾原監督に先に僕が書きたい物語を描かれてしまっては、僕はもう死ぬしかないからね。
だけど、僕の脳内小説は5年かけてもまだ12話までしかできてない。輪るピングドラムの大風呂敷は世界を包めなかったけど、物語は包んで終わった。それは本当に称賛に値する事だ。しかもとびっきり美しい布地の風呂敷で包んだ贈り物だった。
本当に風呂敷を畳めたか、そんな事は数学じゃないので証明はできない。だけど、だけどなあ。
終わったっぽい雰囲気、人生をやりきったっぽい充実感を感じさせてくれた。本当にやりきったのかはわからない。でも、そう感じることが人生なんだよ。
命や運命って、本当に実在するかどうかは分からない。でも、在ると思えたら、それはあるんだよ。


そう、愛の話なんだよ。

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というわけで、この気持ちを大事にするために、あえて考えない事にしたい。
でも、もし何か思いがわき上がってきたら、それはブロガーの本能として書きしるすだろう。BDの発売や小説の最終巻もあるんだ。