玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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リボンの騎士第21話 世界一のおやつ(富野虫プロ退職前最後の絵コンテ)

ジュラルミンは、他人を自分の言うとおりに操る薬を手にいれサファイヤたちに食べさせようとしていた。悪だくみに気付いたサファイヤは、薬入りのビスケットを盗みだし、ジュラルミンの部下たちに食べさせてしまう。
リボンの騎士 第21話 世界一のおやつ アニメ,テレビアニメ 【ビデックスJP】

富野喜幸が新卒入社した虫プロを退職する前の最後の絵コンテ。このあと、富野はオータキ・プロでバスクリン等のCMの演出や制作を手掛けるが、1,2年ほどでアニメ業界に復帰することとなる。
で、この作品だが。
ありていに言うと、あまり面白くない。
退職前後で富野のやる気が無かったのか、富野的なキレがない。

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

↑去年に出た、この富野自身の本で悪い例として挙げられている、
「説明的な俯瞰」「単調なレイアウト」「変化を付けるために意味なく入れるアップ」「退屈で意味のない尺稼ぎの間」「劇的効果と関係の無い広角レンズ」「盛り上がる場面でもないのに、イマジナリーラインの混同」「多いパース線(床のタイルなど)」
というダメな部分がたくさんあって、あんまり意味性が感じられない絵コンテだった。
富野もこのころは若かったんだなあ。というか、今の僕より年下なんだよね。


ターザンみたいに、狩人がジャンプする所や、狩人が弓を射る所のクローズアップなど、ちょっと富野らしい面白い構図やカット割りもあると言えば、あったけど・・・。


脚本はツイッター海のトリトン勇者ライディーン等で有名な辻真先先生。
いつもの能加平先生の方が面白かったと思う。
今回も、要素は詰め込まれていた。
「何でも言うことを聞かせる薬」
「サファイヤがおかし作りに挑戦」
「王と王妃が、おかし作りをするサファイアの女らしさを期待している」
「おかし作りもできるサファイアは女としても有能」
「薬を使って王と王妃をだまそうとする陰謀」
「薬の入ったお菓子を奪うサファイアのアクション」
等。
だけど、それぞれの要素が単独で、きっちり有機的に繋がってなくて、とっちらかった印象。
まあ、子供向けアニメ1年シリーズの1本としてはこんなものかなーって言う感じではある。作画も低調。
富野もこういうコンテの時があって、いつもすごかったわけじゃない。