玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

新居昭乃新アルバム Red Planet & Blue Planet

Red Planet

Red Planet

ピンク・フロイドですら80年代っぽさや90年代っぽさがあるというのに、新居昭乃さんは20年くらい聞いててもほとんど新居昭乃としか思えないのがすごい。アルバム1枚目はバブルっぽかったけど。
東日本大震災を題材にしたと思われる詞の歌もあるが、決して時事ネタとは思えず、10年後も色あせない歌だと思える。
というか、そういう事も踏まえて、新居昭乃と言う人の作家性や人間の心に響く言葉遣いと声だということだろう。
原子力発電所事故や、愚かな人類社会と言う現在を突き付けて、子供たちに「これはあなたたちの歌だ」と、希望のない事をそのまま言う。厳しい。それと同時に「悲しい事は悲しいのだ」と、ありのままの悲しい現状を、悲嘆して強調するでもなく、無理矢理明るくするのでもなく、静かにそのまま情景を描いた歌もある。
その人間や現在に対する真摯な姿勢の宿った歌声に、泣きました。

Blue Planet

Blue Planet

名曲スプートニク(アルバム「降るプラチナ」に収録)と対にやるような、人工衛星の歌、「HAYABUSA」が印象的。
決して時事ネタだけでなく、人工衛星原子力発電所事故(これは「アトムの光」(そらの庭)のシリーズ)に題材を取っていても、説明ではなく、そこから人の情を掬い取って表現しているのが素晴らしいアート。これは、アニメーションや映画の主題歌であっても同じように、主題から人間性を表現している。
また、Red Planet では「現在」をそのまま歌ったような歌が印象的だが、同時発売のBlue Planetでは「未来」がきっと美しい、と思えるような歌が印象的。未来が美しいのは、現在の中にも辛い事だけでなく、美しいものの芽があるから。
赤盤と対に成って、前を向いていこうと思える自然な心強さが得られるアルバム。