玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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超電磁ロボ コン・バトラーV 45 46 連続富野回

コン・バトラーVのテーマ(THE HERO ver.)

コン・バトラーVのテーマ(THE HERO ver.)

終盤になると、スケジュールがヤバくなってきているのか、絵コンテ手の早い富野喜幸斧谷稔)の登板が増える。
アルプスの少女ハイジフランダースの犬も終盤は2回に1回富野だったよなー。

  • 相変わらずの富野節

合体した時のバトルチームが画面分割で会話、カットインの枠の動き、富野のガンダムに通じる。
ツインランサーを逆手持ちするコン・バトラーVや鎖鎌を操る敵の忍者的アクションのワザマエ。闇夜の時代劇・招待を見るに通じる。
人間サイズのアクションの面白さ。


■45 敵の秘策! スピン封じ
脚本:辻真先 絵コンテ、演出:斧谷稔 作画監督谷口守泰、金山明博 マグマ獣スカルプ
あらすじ

http://higecom.web.fc2.com/nanbara/story/story45.html


割とスタンダードなアクション回と、見せかけてサスペンス回。スポットが当たるのは3号機の西大作。敵の作戦としては、コンバトラーの動力源である3号機に傷を負わせて超電磁スピンを封じる。
見所は、傷を負って海に沈んだ3号機の中で、西大作が独力で3号機の原子炉を修復できるかどうか?と言う所。
海中での息を止めたままのサスペンス冒険は、1972年のポセイドン・アドベンチャーに似ている映画的である。ここら辺の緊迫感の強いのは、辻真先先生の持ち味か。


富野的な見どころとしては、敵のマグマ獣スカルプの武器がスカルプゴーガンであったり、勇者ライディーンの偽物的な感じな所。
電気回路を修理するという理系な感じも富野的である。コンVは電磁なので全体的に理系だが。敵の方も序盤でコンバトラーとの戦闘シミュレーション会議を数式とCGでやっていて、機動戦士ガンダムアムロのGアーマープレゼンに似ている。キャンベル星人が英語の数式を使うのは謎。
また、「エネルギー切れ」が戦術の要になっている所なども機動戦士ガンダムに通じる。無限のエネルギーのスーパーロボットではなく、兵器としてコンバトラーを描いているのが面白い所。
復活したコンバトラーVが海水や岩を使って自分の分身を作って敵をかく乱する、というアクションはキングゲイナーのラッシュロッド戦での雪の使い方に似ていて、ヤーパン忍法的なワザマエ。


■46 仮装舞踏会は死の香り 脚本:田口章一 絵コンテ:斧谷稔 演出:横山裕一作画監督塩山紀生 金山明博 マグマ獣ワニンガ
あらすじ

http://higecom.web.fc2.com/nanbara/story/story46.html


国連での予算獲得など、台所事情の描写が富野らしい。絵コンテでのアドリブかどうかは謎。この時代はまだアメリカの覇権主義と言うよりは国連の平和的な所が描かれているアニメなので、2001年の同時多発テロ以前である。ベトナム戦争以後ではある。
国連軍は適度にやられ役だったり、けん制役だったり、頑張っていた。ウルトラマンの防衛隊みたいな感じだな。怪獣がビルを襲って中の人を殺傷するというのも、ウルトラマン的。また、キャンベル星人が地球人の脳に操作機械を埋め込んで操るというのはウルトラセブン的侵略の不気味さであるが、奴隷人間の恐怖はコンVの裏テーマではある。豹馬の幼馴染が人間爆弾にならなくてホッとした。
民意と戦意を高揚させるためにコンバトラーVがニューヨークでのパーティーに出席するというのは政治的な意図だなあ。こういう銃後の事情も戦争に大事と言う感覚はガンダム的で好きだ。
仮装舞踏会で、各国の人々がいろんな国の仮装をしていて、しかも敵に操られて宝塚な王子と姫に仮装した豹馬とちずるとチャンバラアクションをするのは、バラエティーショー的である。富野はこういうバラエティが好きな気がする。∀ガンダムの舞踏会とか。あと、ラ・セーヌの星っぽくもあり。あと、アメリカの日本人会の名門の紳士が侍の格好をしているというのもおもしろい。家紋が北条家のものと言うのは、リーンの翼に通じる。富野の指定か、作画のアドリブか?
こういうチャンバラのアクションもあり、ロボット戦闘だけではない、という変化の付け方がシリーズもののバラエティーの広げようという意図を感じさせて努力を感じる。


ラストにちずるが豹馬にキスをせがんで、かっこいい豹馬にさらっとキスされる。ここら辺で、豹馬とちずるの中が深まっていると感じさせて、いよいよ終盤だと。豹馬はキスのやり方が男らしいなあ。かっこいいなあ。照れるちずるがかわいかった。


今回のゲストヒロインは豹馬をお兄ちゃんと呼ぶ幼馴染だったが、妹と言うより幼馴染と言う感じであったし、豹馬とちずるの息のあったコンビネーション戦闘での夫婦感覚の方が強調されていて、あまり妹萌えは感じなかったです。