玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムハムージャ! 幻のプリンセス

TSUTAYAの無料券が余っているから単品で見れる映画ということでレンタルした。
そのように非常にやる気がない理由で見た映画なのだが、出崎統監督の2作目の劇場版ハム太郎であり、楽しめた。
第1作目のとっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険は『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』と同時上映だったので劇場で見た。


内容は子供向けアニメなので30歳の私が見てどうこうということは全くない。内容はない。しかし、50分という短い尺で全く退屈せずに絵コンテの切り替わりやえが動く楽しさをを子供のようなぼんやりとした気分で一気に見ることができた。どのカットも十分な楽しさの情報量と芝居があって、それを満たしたらすぐに次のカットに行くので全然退屈しない。一時停止ボタンを押すタイミングがほとんどない。
これはすごい力量だと思った。ストーリーはびっくりするほど単純で悪い魔王をやっつけてお姫様と王子様をハム太郎が助けるってだけなんだけど。
それだけのものをひと続きの勢いのままにダーッと見せる演出はバカにできない。幼児という飽きっぽい動物に向けたアニメを作る手腕がすごい。
それでいて、恋愛映画的な要素もあり、ちらっと男女の機微にも触れ、出崎統らしい「旅」という面もあり。
ツタヤの無料レンタルで見るというくらい期待値が低かったけど、楽しめた。特に最近は体調と精神病と家庭環境と経済と社会情勢が悪化しているので、全編に満ちている「なんだか楽しい感じ」という子供向けの安心感のピースフルな感じは良かった。ちょっと最近悩み事が多く、常に脳みそがキリキリと痛む感じでいつ脳梗塞になってもおかしくないような感じなので、こういうボケーっとして見れる子供向けアニメは案外いいかもしれない。幼児向けアニメはオタク向けアニメみたいに設定とか段取りとかの説明が一切なくて、ただ単純にずっと楽しさだけをたれながしている。段取りがないのは出崎統だよなー。
あと、出崎統独特の講談調の台詞回しが結構好きになってしまっている出崎統ファンなので、それをぼんやり聴いてるだけでも楽しいです。絵コンテもアクションも50分間だれず、セリフもほとんど掛け合いが人続きになっているんで、テンポのスムーズさがすごくいい。子供に連れられて映画に来た大人も、なんとなく苦痛には感じないレベルの楽しさを提供しようとしていて、サービス精神がある。

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ハロープロジェクトとのコラボレーションや歌も唐突だけど、むしろ前編が段取りを排して唐突に娯楽性を詰め込めるだけ詰め込めたものなので、ミニハムずやモーハムずの歌や踊りも祝祭性があって楽しかった。劇場版はお祭りだ!っていう開き直った認識が清々しい。
ミニハムズの3DCGの踊りは10年後の今見ても遜色がなく、可愛い。きらりんレボリューションのCG発祥期よりも綺麗に見れたので、ディフォルメキャラは3DCGと相性がいいのだろう。
このアイドル3DCGアニメはきらりんレボリューション、極上!!めちゃモテ委員長プリティーリズムアイカツ!プリキュアにつながっていて、目新しい道具だった3DCGダンスというものがも10年で進化したり変化したりしてきたのだなあ、と思うと感慨深い。
流石に、CGでのダンスシーンの振り付けや絵コンテは出崎統ではなく、CGチームだ。
また、アクション作画でも面白いことをしてるし、背景のCGワークも結構手が込んでいて見応えがあった。


基本的にコメディなのでギャグが多いが、そのギャグはAIRCLANNADよりもしっくりきている。CLANNADはいい映画だったんだが、春原のギャグはちょっと浮いてたもんな。まあ、麻枝准さんのギャグセンス(春原の顔が大怪我で崩壊する)などもまた微妙にセンスが難しい笑いなんだけども。
で、白鯨伝説で大怪我をした出崎統ハム太郎、key作品やウルトラバイオレットでリハビリをして、ギャグや演出を見直して、そしてやっとシリアスとコメディのバランスが取れた名作、源氏物語千年紀 Genjiで円熟の極みを見せ、やっと光源氏が海に出たところで、出崎統は息絶えた。
それは辛い。だが、そういう人生もあるんだよな、途中でも燃え尽きたら、そこがゴールだよな。そのような死に方も含めて、出崎統出崎統だったんだ・・・。

しかし、あれから10年が過ぎ、私は20歳から31歳になってしまい、無職になり、親と出崎統は死に、アイドルの人気もモーニング娘。ハロープロジェクトからAKB48が主流になってしまった。時の流れを感じる。
でもハム太郎はまだテレビアニメやってるんだよなー。ポケモンも。幼児向け動物キャラクターは当たると長いよな。
AKB0048はアイドルアニメだけど、ロボット戦闘アニメなので、ハム太郎ほどピースフルな感じがなく、むしろ殺伐としているので、この10年で世相が変わったような気がしなくもない・・・。


しかし、ガンバの冒険出崎統監督と組んだ芝山努監督のドラえもんなどの作品やアンパンマンの演出論に踏み込むと、普通のアニメオタクからもう一歩冥府魔道に踏み込むことになるので、とりあえずと見のを中心に観ます。ほんと、子供向けアニメは物量がすごいので、なまじの覚悟では見れない!テレビでやってるアンパンマンとかハム太郎とかドラえもんとか全部見たら膨大だからなあ。まっつねさんとかはそう言う意味で本来的にアニメファンなんだなあ。僕はアニメファンじゃなくて富野ファン。富野が出崎統ファンだから、っていう動機で出崎統作品を見ている面も多い。
でも、コキンちゃんは萌えるよな・・・。