玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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#GATCHAMANCrowds 12DC Embrace 感想「ボクがカッツェだ!」 #クラウズ論壇

ガッチャマンクラウズBD-BOXを購入した。たくさんブックレットや特典や全話オーディオコメンタリー(しかも約束された2期)など、豪華だ。が、兎にも角にも最終回Bパートの再演出とCパートへのミッシングリンクに相当する真の最終回ディレクターズカット版#12Embrace(25分くらい)を見た。泣けた。
なぜ泣けたのか。それは、ボクがベルク・カッツェだからだ!(後述)
僕は無職で極悪人だ。嫌われ者だ。それが・・・ううっ。

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  • embrace

音節em・brace 発音記号/ɪmbréɪs, em‐/
【動詞】 【他動詞】

1〈人を〉(愛情をもって)抱擁する; 抱き締める.

2〈森・山などが〉〈…を〉取り囲む,取り巻く.

3a〈多くのものを〉含む,包含する.
b〔+目的語+in+(代)名詞〕〈…を〉〔…の中に〕包含する.


4〈機会に〉乗ずる; 〈申し出などに〉喜んで応ずる.

5〈教義などを〉取り入れる,奉ずる.

【自動詞】抱き合う.
【名詞】【可算名詞】抱擁.


【語源】
古期フランス語「抱き締める,キスする」の意
キスってベルク・カッツェ!最後の最後で伏線回収!

  • 内容

基本的なあらすじはテレビ版と変わらず、後日談はない。(2期があるし)
要所要所のSF的な整合性が整えられている。だが、これもスタンダードな成り行きだし、基本的にはテレビ版最終回を見てクラウズ論壇ブログで考察した事からの大きな変更はない。
#GATCHAMANCrowds 12 はじめはなぜカッツェを釣れたのか #クラウズ論壇 - 玖足手帖-アニメ&創作-
クラウズ論壇の考察通り!(キリッ
そう言う点では、サプライズというよりは、やるべきことをきちんとやってきれいに終わらせた、というスタンダードなものですね。スタンダードだけど、それをちゃんと頑張ったのは良いことです。やっぱり、考察で予想していても、ちゃんと形にして見せてもらうと改めて感動がある。やっぱり制作は大事だよ。
ドラマ的にも少し人間ドラマの補完がある。ただ、それもスタンダードにキャラクターがあるべきところでやるべきことをやったのを追加したという感じで、納得で、サプライズではない。ただ、豊潤さは増したし、良かったなーって感じは増して作品の爽やかさは増した。やっぱり人間賛歌ですね。このアニメは。どのキャラクターにもそれなりの帰結が追加されて、良かった。そういう後出しキャラクター補完と言う点では魔法少女まどか☆マギカ新篇叛逆の物語にも近い所があるんだけど。でもまどかマギカよりガッチャマンクラウズのDC版の方が製作期間が短いから、ネットの感想を取り入れるってのはあったのかなかったのかって感じですね。オーディオコメンタリーを聞く限り、ネットの感想は読んでらしたみたいだけど、作品に反映する時間があったかどうかは微妙?初期稿で尺が入らなかった部分を入れ直した、(11話Aパートが総集編にならざるを得なかった部分との兼ね合い…)って感じですからね。
そして、人間ドラマの追加エピソードで一番重要なのは、このベルク・カッツェですよ!!!
そして、ベルク・カッツェを矮小化したような人生を送っている僕は泣けたなあ。ほんと泣けた。まあ、嬉しさ半分、うらやましさ半分、現実はアニメみたいにうまくいかないからやっぱり糞だという辛さも大きい。泣ける。


以下、濃厚なネタバレがあります。


  • 世界を破壊するボクが、ボクたちがベルク・カッツェで、アップデートだ!

ぶっちゃけ、僕はベルク・カッツェじゃないですか。極悪人ですよ。
俺が生まれたせいで母親が離婚できなくなって自殺した。
親に借金させたて国立大学を卒業させてもらったのに、KLab株式会社みたいな六本木ヒルズで小銭のピンはねみたいなソーシャルゲームを作ってるブラック企業にしか入れなくて、しかもそこでも無能でコミュニケーション障害とイジメと過重労働で過労死寸前に成って精神病が悪化して死にかけて退職して、精神が狂って息子が世間的に恥ずかしくなって母親が自殺した。
精神障碍者優遇再雇用で京都大学で働いていたのに、給料が悪く、母親が絶望して自殺した。しかも京都大学も正職員保護の有期雇用切りで退職した。
それで、働く気もなく、自分を使い捨てたKLab株式会社について誰かが言った悪い情報をTwitterや掲示板で拡散したり、株価が釣り上がって暴落して素人の資産とKLabの赤字が真っ赤に焦げ付くところをネットで笑いものにしてメシウマしたり、悪いことばかりしているし、悪意の塊みたいなところがある。ベルク・カッツェの真似をしてるわけではなく、このアニメを見る前から、他人の悪意の情報をネットで利用して自分では手を汚さずに、滅ぶべきものを滅ぼして、他人の断末魔を聞いて喜ぶって言う、ベルク・カッツェみたいな地道な活動を逮捕されないギリギリでやっている。(ギリギリのラインを僕がネットで演じることで、バカがそこを踏み越えて焼けこげることもあって、それもメシウマ)
生まれたせいで、クソみたいな生き方をしているせいで母親を自殺に追い込んだとか、貞本版エヴァのシンジ君と同じくらい僕は幸せになってはいけないキャラ設定だと思う。むしろ、悪の権化に成るしかないキャラ設定です。
だから、僕がベルク・カッツェなんですよ!
酒鬼薔薇聖斗、ネオ麦茶、加藤智大と同じ1982年生まれのゴールデンエイジのゲス人間ですよ!社会の汚物!


僕は本当にダメで本当に糞だ!


だが、その糞で極悪で原始人の地球人の俺も、また地球から生まれたいわば自然の一部!というGガンダム理論もあり。
つまり、僕もクソだけど、むしろ地球人みんなが糞なんだよ!地球人から糞が生まれるのは当たり前なんだ!だからこの世界を糞まみれにしてやる!!!!


という悪の気持ちがすごいある。輪るピングドラムの渡瀬眞悧とか、人間は元々糞だという事を愚民どもに当然のように示して嫌がらせをしてやりたい!みんな絶望しろ!っていう気持ちはすごくある。


そんな糞人間の俺は、ヒーローから見ると抹殺されたり、法律で裁くというきれいごとの下に奴隷労働させられたりして当然の屑だし、それを正義とするヒーローや社会にも本当に憎しみしかない。
僕は悪だからヒーローものは絵空事として斜に構えて見ちゃいますね。まあ、実際にはヒーローは居ないし人間は屑で利権まみれで弱肉強食で足の引っ張り合いだから、アニメなんか暇つぶしの娯楽として遊びついでに見ますけどね。


そんなスタンスですけど、だからこそ、「こんな極悪宇宙人好きになるわけないやん!」というベルク・カッツェのすげこま君のような魂の叫びにめっちゃ共感する。
俺は誰からも愛されないし、みんなに殺される!!!殺されて当然だし、すでに親すら殺したんだ!!!僕と関わった人間や組織はみんな不幸になるんだ!むしろ不幸にしてやる!僕の前職のKLab株式会社の株を買ったお前らの含み損ワロスwwwwwwワロスワロスwwwwwwwwwwww



あと、公務員もちょっとやってたから、くすぶってるメンヘラの丈さんの気持ちもわかる。あと留年もしたので留年の気持ちもわかる。あと、うつうつしている。あと、決断力が無くすぐにパニックになる。自分のせいで親死んでる。あと俺も高校の頃は女装していた。ガッチャマンメンバーも個人的に親近感湧く。(彼女はできない)


そんなクソみたいな星のクソの塊みたいな人間である僕がベルク・カッツェであり、同時にはじめと同じで、人間みんながヒーローだけど、同時に悪でもあるんだ!という事をかわいい女の子に命がけで「受け入れて」貰うって言うのは感動しますね。泣けました。
作画アニメーターと内田真礼たそさんなど声優さんの熱演とBGMで盛り上げられて泣けたって言うのもある。
まあ、嬉しさ半分、うらやましさ半分、現実はアニメみたいにうまくいかないからやっぱり糞だという辛さも大きい。泣ける。
やっぱ、まあ、作りごとの中くらいは明るくてもいいかな、と言う気持ちもある。
そういう希望を持った中村健治監督の思想のタフさにも感心する。
俺はクソだけど、アニメを頑張って作ってる人はほんと偉い。


しかし、僕も個人的に脳内妹がいて、脳内妹がいるし脳内妹の小説を書きたいって言う気持ちもあるし、脳内妹とは血がつながらない親を殺したくせに、脳内妹と色んな楽しい思い出を作っていきたいという欲もある。
そう言うわけで、ベルク・カッツェと一ノ瀬はじめのラストの合体状態は僕と脳内妹の頭令そらちゃんの関係の逆って感じですね。そこも親近感が沸く。
僕はクソだけどとってもかわいい妹が脳内にいる(厳密には異次元からの双子テレパシー脳波がシンクロしている)から辛うじて妹に恥じないお兄ちゃんキャラを演じるために自殺や無差別殺戮の引き金がオンになっていない。
逆に、かわいくてメンタルが強いはじめちゃんは、クソで愛されない不幸大好きメンヘラのベルク・カッツェを脳内って言うかハートに入れてバランスを取るってことなのかな。まあ、はじめちゃんもクソと一体化して自分の心が汚れるかもしれないって不安感もあったみたいだけど。
でも「お腹すいたなー」って言う気持ちが1話から有ってヒーローに成っても満たされなくて、ベルク・カッツェと融合して二人前でやっとお腹いっぱいになったのかな?
むしろ、鋼メンタルでも物足りなさを持ってたはじめちゃんが悪のカッツェと一緒に生活して悪の視点からも物事を経験できる、って言う事にワクワク感があるんだろうか?そういうワクワク感を楽しんで人生をエンジョイしたい!という気持ちがはじめちゃんにはあったのかなー。
ほんとはじめちゃんはかわゆす!
#ガッチャマンクラウズ 最終回のベルク・カッツェをすげこま君として - 玖足手帖-アニメ&創作-でも書いたけど。
悪いオタクは頭の中に美少女を飼っていて、それを逆転させて美少女に悪いオタクが取り込まれるアニメにしたガッチャマンクラウズはほんと、僕みたいな悪いオタクの共感を得るし、そりゃーBD-BOX買うわ。『C-THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITY CONTROL』も脳内妹みたいな要素があったし、中村健治監督の感性は好きだなー。



まあ、現実の女性に脳内妹やヒーローやアセット級の鋼メンタルやタフネスを要求するのは分不相応だし無職だし機能不全家族しか知らないんで、結婚とか恋愛とかしませんけどねー。
母親が自殺した後の葬式で親戚から「あんたも嫁を貰ったら幸せになれる」って言われたけど、嫁に来たから母親は自殺したんだろうが!親戚は誰も母を助けなかったし、そんな家系に人様の女性をまきこんだら不幸にしかできないし、誰も俺を幸せにできない!幸せはアニメの中だけ!わきまえろ!現実のアイドルやAV女優や風俗嬢を辱めることしかしない男が!死ね!
こんな俺のために命を賭けてくれる女の子なんかいるわけないだろ!アニメの中だけだよ!!!!夢見させるようなこと言うな!!!
でも、夢だからアニメは尊いんじゃないか!!!!!
でもそのアニメを作ってるのもクソ現実の糞人間の一部だから、、、どうしたらいいんだ!!!!
そういう、色んな愛憎が渦巻いて、複雑に感動する新・最終回でした。


ほんと、僕は寂しいしまともに会話できる相手がいないし、悪人だし、そういう淋しさを受け入れてくれるはじめちゃんや脳内妹はほんといいよね。


  • 小ネタ集

はじめと同棲していても何のムードも出さなかった橘清音こと童貞先輩が成長してはじめの理解者になってて、ベルク・カッツェを抱擁したはじめを抱擁するって言う三角関係が萌え!
ヒーローガッチャマンの清音の暴力ではベルク・カッツェの暴力返し能力には勝てないけど、ベルク・カッツェを抱擁するはじめを清音が抱擁して受け止めてやることはできる!という風に男らしさと女らしさと、暴力と愛と正義と悪の三すくみ、みたいな三角関係が良いです。


と、思ったら大学生活の傍ら、枇々木丈さんとバーでサシ呑みする清音。それを見守る丈の同僚の女子。あ、腐女子だ。やっぱりホモじゃないか!!!


ナチュラルに女装して学校に行く爾乃美家累。ルイルイトリプル眼鏡で女の子の友だちが出来て良かったね!って言うか距離が近い!男の娘百合かよ!むしろ学校では女生徒としてふるまってる?キマシタワー!ディレクターズカット版でもネタを盛ってきているなあ。2期への布石か?


同性愛要素が濃い作品だな。っていうか、同性愛は最近百合もホモも受けがいいからな…。J・J・ロビンソンですらハイヒールはいてマニキュアして頭に櫛を刺してるから女装だしな。


O・Dは予想通りだった。
#GATCHAMANCrowds #クラウズ論壇 最終回前の11話の総集編は構成とODにとって必要! - 玖足手帖-アニメ&創作-
でも、やっぱり公式で見せてもらうといいよね。O・D!


うつつはかわいかった。


総裁X丹下桜は新規ボイスなかったけど、菅やんとはしゃべった。
(^p^)くおえうえーーーるうおおおwww


  • ちょい考察

はじめがベルク・カッツェを見ることができないことの理由はオーディオコメンタリーで監督が仰ったのだが。
なりすましで実体のないベルク・カッツェを見ることができない、っていう所から、カッツェの本質が見えた瞬間に強制的に実体化させる能力を発動させる!と言うアイディアの飛躍は面白かった。悪意や暴力の反射で受動的にしか実体化しない(故に責任転嫁が上手く他人の悪意を吸収して無限の悪意エネルギーを持つ)カッツェの能力を上回って、はじめ自身には敵意はない(ゆえに乗っ取られない)が、人間全体に共通する本質を見抜いたからこそ強制的に実体化させてやることができて勝つ、って言うのはスタンドバトル的にもカッコいいし、勢いがあって良かった。

っていうか、モノノ怪の薬売りの発動と同じだね・・・。


で、はじめは「死なないし殺さない」と言う風に闘争心を抑えてるから反射系能力のカッツェを無効化してたけど、はじめは全く悪意や負の感情を持っていない完璧超人でもない。
うつつとの電球の時の会話や無神論的な不幸慣れエピソードから、はじめも理不尽な不幸や死にたさや破壊欲求や負の感情を経験してきている。その上で、それに流されないで明るく行こうというはじめはやっぱりかっこいいと思う。
そして、不幸の塊みたいな人にも親身になって一緒に楽しい人生をやり直していこうって抱きしめてくれるはじめはすごく優しいと思う。
そのはじめも、一人だけすごいんじゃなくて、ガッチャマンメンバーや学校やサークルや地域の人や世界中の人に支えられてるから怖い悪人と向き合えたんだ、っていう人間賛歌の作品の雰囲気はとても前向きで眩しい。
世の中には辛いこともあるけど、その上で楽しいこともやろうよ、というのが、現実的だが露悪的にならない上品なバランスで、やっぱりガッチャマンクラウズは良い作品だったなあ。と。



でももうちょっとだけ続くんじゃよ。
どうするんだ。異次元生命体とか超宇宙とか?ドラゴンボール