玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第10節

前節
創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第9節 - 玖足手帖-アニメ&創作-


サブタイトル[ラスベガスと王の心]   

前書き:宇宙人と試作戦闘機ロボットの決戦だ!

  • クリーチ空軍基地

ジェイムズ少佐「おい!エリア51の砲撃と新型機は観測網の埋設光ファイバーまでふっ飛ばしているじゃないか!フィードバックができなくなる」
グレーン大尉「ご心配なく。ケツァルコアトルは遠隔操縦のリーパーとは違い、完全に自律行動する新型機です」
ジェイムズ少佐「しかし、これでは何にもわからん」
グレーン大尉「雲が晴れたら衛星が使えますよ。エリア51からも支援砲撃は続いてますし」

  • 待ち合わせ場所まで500メートル

 熱線兵器による水蒸気爆発で飛ばされ木の葉のようにくるくるとレイが舞うがハーレーから足は離していない。超音速戦闘機の中距離ミサイルにロックオンされたとセブンセンサーを通じてレイに知らされる。
0「地球型電子コンピューターにしては精密」
7「回避不能か?」 
5の3「我々なら可能」
0「・・・接近軌道予測。エリア5.3行け」

 空中を投げ捨てられた人形のように回転しながらレイは3番目に大きいゴースト野球ボールを投擲。そのフォームは空気抵抗に逆らって剛速をボールに与えた。ボールは中央の戦闘機から向かってきたミサイルに特攻。大爆発!
 その爆炎の中から三機編隊が飛び出してきたが、爆風で編隊が崩れたので、すれ違いざまの機銃砲撃をレイはギリギリ空中で回避できた。
0「最接近で射程内」 
 そして敵機と交錯する瞬間、レイは戦闘に備えて早朝のラスベガスのガンショップでバイクと共に窃盗しコートに隠していたライフルで近距離狙撃した。全身が目の群体宇宙人は射撃姿勢を取る必要もなく背後に銃身を向け、逆手に持った右手親指で引き金を引いた。ライフル弾の速度と戦闘機の相対速度による物理エネルギーが軽量化された装甲の機体にめり込むように破壊した。敵機エンジンと積載爆弾が発火した。
ドッガアアアアアアン!
 爆発音を引きずりながら砂漠の嵐の中に撃墜された機体の爆炎が突入していく。
0「まずは1機」
 だが、爆風でぶっ飛ばされたレイが斜面に叩きつけられた時に残りの二機は1kmも行かないうちに回頭して機銃を打ち込んできた。遠距離レーザー砲の冷却にはまだ時間がかかる。
ズダダダダダダダダダダダッ!
ドバッン
 連射の一つを受けて、ハーレーバイクロンの後部が粉砕された。爆風に煽られてレイはハンドルを握ったままぶっ飛び、数分前にゴーストが墜落させた無人爆撃機MQ-9 リーパーの残骸の近くに着地した。レイは、前半分だけになったハーレーバイクロンをまさかりの様に振りおろし壊れたリーパーの機首に突き刺した。
0「エリア2。残り数百メートルだけでいい。飛ばせ」
 エリア2の宇宙人はその機体に侵入して乗っ取った。
2「第二次移乗完了。だが、この機体は電子的操縦系統が破壊されている。飛行には風と無限不可能性ドライブを使用する」
 宇宙人に強引に着火されてジェットエンジンが再始動し、身震いするように泥を吹き飛ばす。
 だが、制御系が破壊されているので宇宙的超技術の無限不可能性ドライブを使わざるを得ない。不可能に近い偶然を一時的に可能にする無限不可能性ドライブは、嵐で偶然係数が向上している状況を利用し、セブンセンサーが向けた風圧に乗せ何とか故障機とレイを浮上させた。
 
 

2「地球人から見れば、エンジンが誤動作した残骸が嵐にあおられて浮き上がっただけに見えるだろう」
0「宇宙的機器の反応がC4の超能力者どもに検知されていないか?」
7「エリア0の素体は地球人の作ったロボットだ。それを米軍に露呈させるわけにはいかない」
2「我々は回避に専念する」

  
  
 片やコンピューターで雷雨を計算して無駄なく飛行する地球アメリカ軍の無人戦闘機、片やジェットエンジンと暴風の量子的偶然を利用する無限不可能性ドライブで枯葉のように舞い敵にまとわりつく故障機。その機上でレイは手綱のようにバイクのハンドルを左手で握り、右手でライフルを接近する敵に向けた。射線の先の人工知能戦闘機は無限不可能性ドライブのカオスな挙動に対して一瞬反応が遅れた。
パパッパパパッ!
 双方、撃ち合いし、果たして2機目のケツァルコアトルは撃墜された。豪雨と爆煙の闇の中に燃料の爆発光が明滅した。無限不可能性ドライブの軌道でレイの方は二機目の弾を全て避けていた。が、ジグザグ飛行しつつ三機目を狙うレイが、偶然、地表をかすめた時、その三機目のケツァルコアトルの機銃が地面をえぐり、岩の中に埋没していたクラスター子爆弾に誘爆した。
 ドォン!
2「絨毯爆撃の残存不発弾!」
 偶然を利用していた宇宙人側が偶発的爆発に巻き込まれ驚愕する。
0「無限不可能航路を読まれたのか?」
7「あの無人機には不発弾を検知する性能はないはずだ」

 背中側にいたレイには爆発のダメージはないが、またがるMQ-9 リーパーの両翼は下側からの爆発でもぎ取られ、もはや飛行機としての体裁を奪われた。これではいくら無限不可能性ドライブを持ってしても、許容できる偶然での飛行は無理である。それでも飛行する事はつまり宇宙人の能力を明白に曝すことである。
 追い打ちにエリア51から再びミサイルが雨あられと襲い爆風を叩きつける。
2「空力飛行不能」
0「了解。飛行中断」

 宇宙人が乗っ取っていた遠隔操作爆撃機が爆風に散らされバラバラに瓦解して装甲を分解しながら骨組みが墜落する。またしても地面に叩きつけられるレイと第二国仮租界。その地に落ちたレイに無人機は高空から機首を向け対地ミサイルの狙いを定める。
 そこに突然響く女の声。
3の2「私はここよーッ!」
 国道93号線を伝って車で接近していたミニコが米軍に発見されないまま到着して、いた。レイから数百メートルの道路上の車から身を乗り出し、こちらも撃墜された機体から窃盗した機銃を構える。発砲する必要はなく、威嚇だけでも即座に反応した無人機が機首をミニコに向け掃射。レイからロックを外し、ミニコを車ごと吹き飛ばした。しかし急制動した無人機は暴風に煽られ、レイから遠ざかる。
バララララッ ガガガガッシャァア!
 ミニコの中に宿っている小さな宇宙人たちは四散する仮の体を解体しつつ地面の中を高速で移動し、レイの宿る租界に入った。普段よりも多くの宇宙人が宿れば、労働力が増し、それだけレイのパワーは増すのだ。
3の2「合流し、助力する」
2「我々の租界も動作しない。我々とエリア5も、エリア0の租界に移動し、出力を上げるぞ」
0「ならば、後は走る」
 ずたずたの黒服と死体の皮で辛うじて人間を装うレイは走る。ライフルを捨てて走行に集中。
0「無人機に再補足される前にキング・オブ・ハートに会う」
7「ここまでやり過ぎたら超能力監視への偽装はもはや無意味。力を出せ」
 と、セブンセンサーまでもがレイに動力を供給。0、2、3、5、7までの諸国の宇宙人がレイの人型ロボットの体に宿り、人間の限界を超えた速度で山を駆け上がる。残り数秒の短距離疾走。
 その時、違う国からの通信が入った。頭令倶雫が入院する病院に宿る1番目のしもべ11の11の11と、4番目のしもべ四つ辻の四つの塔の屋敷からだ。
1「エリア0、待ち合わせ1分前を切った。この状況でキング・オブ・ハートと会談する事は不可能と判断する。会見中止を要請する」 
  
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