玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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Gのレコンギスタ第19話「ビーナス・グロゥブの一団」は宇宙のロマン

脚本: 富野由悠季
絵コンテ: 越田知明、斧谷 稔
演出: 越田知明
作画監督吉田健一 桑名郁朗 倉島亜由美 橋本誠一
戦艦作画:仲盛文


粗筋は公式サイトにすごく詳細に書いてある。
http://www.g-reco.net/story.html
あらすじ:金星近くに作られたスペースコロニー、ビーナス・グロゥブへ行く輸送船に乗り込んだベルリ達は、マラソンをやらされたりメカの点検整備をしたりと大忙し。そんな中、出迎えに来たというジット団と名乗る一団が現れるが…。
(放送後数日で長くなる)

  • 三団くらいいる

タイトル詐欺ではある。今回の金星人の勢力って3つくらいある・・・。一団じゃない…。
金星と地球を行き来してバッテリーを輸送するクレッセントシップの正規クルー、
金星出身だということを隠してトワサンガでレジスタンスをしていたフラミニア・カッレと彼女に協力していたヤァン、
ビーナス・グロゥブの方面から飛んできたジット団。
で、クレッセントシップはトワサンガやスコード教と深いつながりがあり、フラミニア・カッレはトワサンガの政権に対するレジスタンスの中のスパイでありながら今回はジット団と内通している二重スパイで、ジット団は金星人だが月のトワサンガのハザム政権からメガファウナの連中を処分するように言われている。
グループが多いし、どこに行っても派閥争いがすごいのだが、ここにきて各勢力が裏でつながったりスパイし合っているという有機的な構図で、単純な敵味方の区別がつかない。Zガンダム地球連邦軍、反地球連邦政府組織エゥーゴ地球連邦軍エリート組織ティターンズ地球連邦軍ニュータイプ研究所、ジオンの残党アクシズ、木星帰りのジュピトリス、引っ越し公社、コロニー公社、各コロニー政権って言う組織もかなり複雑だったんだが、Gレコは26話しかないのに組織がめっちゃ乱立している…。


ちなみに、ビーナス・グロゥブのジットラボラトリィのGIT団と言うのは「G-It」団で「Gそのもの」研究所とのことをシャア専用ブログさんのツイートで見た。G-セルフもアイーダ姫が「Gそのもの」と言う意味で名づけたのだが。
ヘルメスの薔薇の設計図の「G系」は金星圏でも研究対象のようだ。

ジャイオーン(G-アイオーン)
グノーシス主義におけるアイオーンは、高次の霊または霊的な階梯圏域で、アイオーンこそは「真の神」で、ユダヤ教キリスト教などが信仰している神は、「偽の神」である。またアイオーンは複数が存在し、プレーローマと呼ばれる超永遠世界にあって、男性アイオーンと女性アイオーンが対になって「両性具有」状態を実現している。

ジャスティマ(G-マスティマ)マステマヘブライ語で「敵意」、または「憎悪」を意味する天使兼悪魔。

ジロッド(G-ロッド)フォモール族の戦争の女神ロットは胸に口をもち背中に4つの目がありました。アイルランド侵略の神話
スラブ神話の出産と運命の神ロードと言う説も。

メガファウナよりも横幅がある!(マニィの目測は間違い)
(※元ネタの推定はシャア専用ブログさんのツイートによるもの)

リジット(リ・ガズィみたいなニュアンスでのリ・ガンダム・イットであろう)


で、今回明かされたのだが、G-セルフもロルッカとミラジたちによって設計図からそのまま組み上げただけで、宇宙世紀の科学技術を理解している正規の技術者が建造したものではなく、ブラックボックスが多いとのこと。G-セルフは正規品だと思っていたが今まで登場していたG-セルフは本来のG-セルフのレプリカだったという。エルガイムかよ!
G-アルケイン(元ネタは錬金術用語)もアメリア軍がヘルメスの薔薇の設計図のG系の技術の粋を集めて作ったものの、工場の技術レベルや地球の資源の問題から本来のフォトン装甲などを再現できなかった(プラモデルの説明書より)ものらしい。


G-セルフをデザインしたあきまん氏のtweetはアイディアレベルの没設定かと思っていたんですが、どうも劇中でも「G-セルフは正規品のレプリカ」と言う展開で行くようです。重戦機エルガイムのラスボスのオリジナルオージェみたいにオリジナルGが出る可能性もあるのか???

■G系だけを研究してる特別な研究所がある
そこの研究グループの中でもGセルフと相性の良い7つのグループがある
赤・橙・黄・緑・青・藍・紫
Gセルフは「光ガンダム」がテーマ
光なので虹の七色をイメージして設定したもの。法則というよりイメージなのでピンクなど厳密な意味での虹色とは違ってくるが一応、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫には合わせたい


GセルフはG系のコア機体なので別系統のバックパックでも使用できるが
それぞれの研究グループにはGセルフとは別に専用のG系実験機がある
同じ系統の中でも赤系統にも宇宙用・大気圏用、緑系統にも屋内用などといった種類がたくさんある
七色のGセルフのバックパック設定について【Gのレコンギスタ】 : inuyo blog

シャア専用ニュース 【速報】「ガンダム Gのレコンギスタ」メカニカルデザイナー・安田朗インタビュー!「G系モビルスーツのバックパックは7つの系統を設定。数え方は、形状ではなく、色です」
――フォトン・バッテリーについて教えてください。

安田:僕は光のエネルギーを封じ込めたものだと解釈しています。それを完璧に運用するためには、全身が光のエネルギーを無駄なく流す装甲で出来ているべきです。「宇宙のスカイラーク」(1928年。E.E.スミス著)というSF小説があって、その中で、ある科学者が無限に等しいエネルギーを生み出す未知の金属を発見するんですが、その金属はガラスのように透明だったんです。
当時の僕はそれにすごく未来的なものを感じて、「G-レコ」に光のエネルギーがあるなら、光ガンダムの装甲もそういった透明のものにしたいと思ったんです。


――G-セルフの外装色は塗装ではなく、素材の発光色だとお聞きしてますが。


安田:そうです。G-セルフは塗装されていません。


富野由悠季)監督はバックパックはG系モビルスーツ共通の互換性で装備できるとしているようですが、僕的にはもっと広いものだと考えています。
G系だけ研究している特別な研究所があって、そこの研究グループの中に、G-セルフと相性の良い7つの研究グループがあったと考えています。
そこで実験的に作られたバックパックが、G系のコア機体であるG-セルフと常に相性が良かったという位置づけです。
ということは、それぞれの研究グループにはG-セルフとは別のG系実験機があり、バックパックも同じ系統の中でたくさんの種類があったと考えるのが自然です。

ジャイオーンはG-セルフとは別の紫系バックパックのコア機体なのかなー。ジャイオーンの顔も発光信号で変化するのはフォトン装甲なのかな?

Gセルフはフォトンバッテリーがエネルギー源としてトレンドだった頃の人類のわりと良い位置にいる性能、ぐらいのざっくりとした立ち位置を考えています。
https://twitter.com/akiman7/status/525792656056537088

GIT団のG系は果たしてオリジナルなのだろうか?それとも宇宙世紀崩壊前のフォトンバッテリー時代最盛期の物を設計図から再現したものなんだろうか?
敵側はジャイオーン、ジャスティマ、ジロッドで、味方はG-セルフ、G-アルケイン、G-ルシファーと読み方が違うそうですけど。G-ルシファーはどこから出るんだか?


G-セルフがフォトンバッテリートレンド時代の人類が開発した機体のレプリカということが今回、判明したけど。


ジット・ラボラトリーGそのものを研究しているジット団のジャイオーンは本当の働きができるのだろうか?それにレプリカ品のG-セルフで立ち向かえるのか?うーん。冒険萬画って感じだ。


そう言うわけで、やっぱりGレコは冒険だ!

  • Gレコの冒険は宇宙のロマン

ひと言でいうと、宇宙戦艦ヤマトの太陽系編みたいなものですね!金星までクレッセントシップで行くのは!
さらば宇宙戦艦ヤマトは富野監督の同人誌も出している失われた何かのおはぎさんが書きそうなテーマだと思うので、サラッと流したいんだが。でも、今回のキーワード、テーマは「冒険」と「ロマン」ですね。毎回キーワードを見つけていくこのブログです。


・宇宙船の中でランニング


単なる無重力対策とか長時間移動の運動不足対策かと思ったら、「宇宙放射線被曝予防と体内の老廃物除去」という理由らしい。被曝予防で走るという話は初耳だったのだが。
「過酷な宇宙空間で体育会系でビシビシ行くぞ」というのはヤマトっぽさはある。
放射線被ばく管理:宇宙医学 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA
JAXAのサイトでもイマイチ体を動かすと放射線対策に成るかどうかはよくわからんのだが。

放射線の防護対策のひとつの可能性として、バイオドシメトリーという技法があります。

この技法は、放射線に被ばくした際のDNAの損傷程度を評価するもので、原子力施設などで被ばく事故があった際に医学検査の一つとして行なわれています。バイオドシメトリーに関する研究としては、宇宙飛行士の飛行前と飛行後の末梢血リンパ球の染色体を細胞遺伝学的に解析して被ばく線量を推定する方法 が、宇宙飛行士の被ばく管理に適用できるかどうかが検討されています。

ということで、フラミニア・カッレの助手が「全員に悪性の遺伝形質はありません」って言っていたので、流された汗とかからDNAの損傷程度をモニターしていたんだろうか?単に金星圏に入る際の検疫として病気が無いという意味で悪性の遺伝形式を調べていただけかもしれないけど。体液や細胞の分析なら汗じゃなくて尿とか口の内側でもいいような気がするんだが…。
走ったくらいで体中の雑菌は出ないと思う…大腸菌とか。
まあ、未来には運動で放射線を除去する技術があるんでしょう?ここら辺の放射性の描写は宇宙戦艦ヤマトでもあるんだけど。
ちなみに、クレッセントシップの直径は1Kmくらいあるらしいので、単純に円周率をかけると周回ランニングは3キロ以上です。パイロットは追加でもう一周ということは、みんな3か6キロ以上は走っているという…。
富野監督の世代に大きな影響を与えたキューブリックの映画の2001年宇宙の旅でも、運動不足と骨密度低下対策のために人工重力のリングを走っていましたね。


また、船の中を走り回りながら、船の設備を紹介するって言うのも、ヤマトに乗り込んだ時の古代と島みたいだった。

この鳥は、地球圏で生まれた鳥を金星に輸入するものか?それともガス事故に備えたカナリアなのか?
(所で、割とみんなが忘れがちになってそうなタイミングでクンタラとかアイーダが元海賊だったという話を入れてきて序盤の事を思い出させるテクニックが上手い)


・お色気
女性クルーのお色気(というかスケベスーツ)が取りざたされるのは初代ヤマトと言うよりは宇宙戦艦ヤマト2199の方かな?でも初代ヤマトのワープで森雪の服透けるのは、富野絵コンテ回。

コヤマシゲトさんと吉田健一さんが徹夜でデザインしたと言われるそれぞれのオシャレでスポーティーで肌色率が高い健康的なお色気!ちなみに、劇中設定で箱の私服はやっぱり裁縫係りのアネッテ・ソラさんが縫ったんだろうか?前回の18話「三日月に乗れ」から何日くらい経ったんだろう?台詞から見ると「何日も走らされる」「今日からレクテンの整備をする」らしいので数日は経ってるらしい。地球より金星の方に近くなっているらしいけど、地球と金星の距離も変動しますからねえ。



色んな女性キャラの体のラインが見える。ノレド・ナグさんエロい。


オッサンの体型も。


問題の艦長が女性更衣室かシャワー室に入ってしまう所は、ノレド・ナグさんの名誉のためにあんまり画像をアップしたくない。
が、これも宇宙戦艦ヤマトのアナライザーのスケベ行動なのだと思う。
じゃあ、なんでこういうエロを入れたのかって言うと、宇宙船の中での生活はマシーンに取り囲まれるイメージがあるし、それは冒険の楽しさを減らしてしまうので、「男女が一緒になって体を動かす」とか「ちょっとエッチな冒険」を入れるんだろう。クロスアンジュとかだと、というか、ファーストガンダムZガンダムターンエーガンダムのお風呂修理とかだと割とストレートに主人公がお風呂を除いちゃうハプニングエッチがあるわけですが、さすがにGレコでは変化させてきたか。


・スポーツ

宇宙船レッド・ドワーフ号やスター・トレックでもスカッシュをするシーンがあったような…。
屋内スポーツとして黙々とできるので最適か。しかし、フラミニアからのランニングの命令じゃなくてアイーダからベルリを個人的にスカッシュに誘ったのは、アイーダもベルリを弟として認めて親しみがアップしているってことかな。恋愛関係にはならないけど。アイーダはベルリの心を無視しているわけではなく構ってやっている。


・謎の女医

金髪で、なんらかの事情を抱えて宇宙船に乗り込んでいる医療係と言うのは、森雪とかサーシャみたいだな。


・船体修理

ヤマトでも戦闘の合間の移動時間にちょくちょく修理していた。修理とかの作業をしつつ会話をして、キャラクター同士の交流を深める。


・オーロラ、宇宙空間、彗星の撃破、地球との距離
これが今回一番宇宙戦艦ヤマトっぽかったんだが。宇宙線がビームシールドにぶつかって出来るオーロラの元を見て、宇宙には綺麗なものがあるんだなーって感じる。


ここで、鎖が凍り付いて温めなければダメって言うのも、宇宙の超低温をさりげなく描写していて、宇宙を色々と紹介している。




1秒で500mも接近してくる100mの彗星をレーザーで狙撃して宇宙は大きいなーと感じるために、メガファウナの皆がクレッセントシップの艦長の案内で爆発ショーを観光させてもらう。メガファウナの連中も何故か馴染んでワイワイ天体ショーを楽しむ。(クレッセントシップの人たちが勝手に乗ってきた地球の蛮族をもてなして天体ショーを見せたり宇宙旅行講習をしてあげる理由は何だろう?レイハントンコードでクレッセントシップをパワーアップさせてくれた恩か、そう言う家の忘れ形見を金星でも調査したいのか?)


ヤマトでもなんか色んな惑星や天体現象を観察していくところがあった。(スター・トレックの方が顕著だが)
SFって敷居が高いし、宇宙戦艦ヤマトは「テレビ萬画とは違って高度なドラマをアニメでもできる」という所で指示を集めたのだが。当時には珍しいハイティーン向けと言われたのだが。同じ松本零士先生の銀河鉄道999なども、「珍しい星や天文を子どもにも分かりやすい綺麗さや不思議さで見せて、子供にワクワク感、理科への興味を与える」って面もあった。
なので、脱ガンダムと言いつつ、リアルロボットアニメと言われて、ともすれば世界観の縮小再生産に陥りがちなガンダムではなく、それ以前のキャプテンヒューチャーなどのSFが持っていた単純にワクワクできるスペースオペラっぽさ、宇宙旅行の物見遊山の楽しさ、スペースオペラの冒険小説的な部分みたいなものを子どもたちに見せて、宇宙やそうでなくても旅行に行きたいとか見たことが無い景色を見たい、知らないことを知りたいという興味の種を撒いて行こうとしている。



スペースソープオペラをやるんだ!という意志が見える金星銃。(どうでもいいけどスペースダンディー役の諏訪部順一さんはGレコで兼役がめっちゃ多いな)


ただ、「宇宙ってなんだかすごいですねー」だけでなく、「どの星がルインのいる星かわからないんだよ…」っていうマニィの「ほしのこえ」とかヤマトの通信限界ビデオレターの話とかみたいな惑星間の距離感を恋する二人の心情的距離感に接続していく例え話の上手さも良い。

マニィ・アンバサダちゃん…。頑張れ…。
「宇宙って広い!」というのも十分スペースロマンですけど、ラブロマンスを盛り上げる大道具にもなるんだな…。

  • 富野監督独自の宇宙ロマン

かと言って、宇宙戦艦ヤマト以外の宇宙ロマン要素もある。僕も過去のSFはそんなにたくさん読んでいる方じゃないんですが。富野ガンダム小説は全部読んだので。

形そのものが機械の性能を表しているというシルエットマシン理論。(ちなみに、初期のガンダムでもモビルスーツをシルエットマシンという案もあったらしい)
最近読んだ美術手帖のロボット特集でもエルガイムに影響を受けて油圧アブソーバーを付けた人型歩行ロボットを作った技術者の人が「センスのない技術者はデザインをお化粧のように上からかぶせるものと勘違いしているけど、それだとロボットの機能をスポイルしてしまう。外見と中身をアスリートのように無駄なく一体化させる。これはガンダム以降のリアルロボットがやってきたことです」と仰っていて、それに対してアニメ批評家の藤津亮太さんが「河森正治さんは『デザイン』(機構)と『スタイリング』(見栄え)という言葉を使い分けています」と答えた。富野監督のシルエットマシン理論とかは謎のエネルギーの話でもあるのでちょっとオカルトだと思っていたけど、実際の設計者の人もそう言うのを意識するようになった時代。



こんな風にみんなが団子になって宇宙を移動するのはシュールで面白いんだけど、


命綱から外れたり乗物から落ちたら宇宙では取り残されるというイデオンみたいな宇宙の底なしの感覚も描かれているので、団子に成るシーンも「宇宙では人はふれあっていないと不安になる」という心理描写にもつながってるんですね。宇宙と言う舞台に応じた人々の感情的リアクションを丁寧に想像して描こうというSFマインドがある。

宇宙では親や姉弟の話であってもオープンマイクのままにしていないと命取りになる、というのは富野小説版ガンダムではいつも事細かに記述されていた。アニメではあんまりそこら辺は描かれてなかったので、今回は面白かった。さすが富野全脚本らしい。トミノ文体が苦手な人もいるが、私は好きなので興味のある人は読んでみるのがよろしかろう。



宇宙でアルケインをトロッコにしてクレッセントシップの機首からメガファウナまで人がシップの中空部分を移動する時に、「宇宙の距離感」についてアイーダが考えるのも面白い。手を握った運動エネルギーを光エネルギーに変える触媒もさりげなく理系センスで面白いし、そう言う素材を使った未来の宇宙空間での遠距離手旗信号もアイディアが面白い。しかも学校の社会科実習っぽい雰囲気でやっているので、子供の視聴者にも理解しやすい。
そこでの授業と、その直前のクレッセントシップ艦長との会話から、アイーダは「数字だけの理解は数字だけ」「自分で感じたことではないっていうことだよ」「刷り込まれたということ」と反省する。真空の宇宙では遠近感が狂って近く見えるというのはSFファンのガイナックスが作ったトップをねらえ!でもやってたことなので古典的なSF要素だけど、Gレコはそこからもう一歩踏み込んで、「自分で見て体験することの大切さ」「知識と実際は違う」ということを強調している。
そうやって宇宙環境の凄さ、遠大さを人の意識への影響という風に接続して、テレビで見ているだけで宇宙とか知ったことではない現代人にも連想しやすく描こうというのが上手い。
トップをねらえ!だと光速でのウラシマ効果をドラマに接続して感動に結び付けていた)


19話では理科の教科書のように、上記のように宇宙で起こる様々な現象を今回描いていた。だからと言って教科書のように刷り込んで入力すること「宇宙ではこういう現象が起こるという知識」の押しつけも否定しているスタイルのようだ。じゃあ、なんだろうか、というと単純に素直に「宇宙ってすごいんだな」「そんな宇宙の中に地球があって僕たちも生きているんだな」「宇宙と僕らは繋がっているんだな」という気持ちとか「あわよくば宇宙とか、海外の凄い景色を見に行きたい」という冒険心、「凄い景色があるなら見て見たい」というワクワク感を感じさせようという気持ちが、僕には伝わってきました。
ビームバリアとか金星圏にある月のような大きさのビーナス・グロゥブとか荒唐無稽だし実際の宇宙開発とは全然違う遠い未来のお話です。ですけど、「遠い所に行って遠大な景色を体感する」というワクワク感は現代と地続きなのではないか。そういう意味で「ロマンと冒険」なんだな。
今回は派手なロボット戦闘はないけど、宇宙船が月から金星まで行くだけで、色んな宇宙ネタを盛り込んできて面白い。むしろ、ロボット戦闘をノルマのように入れていた監督が入れなかったということで、「宇宙は戦闘と同じくらい楽しいんだ」っていう、少年時代から宇宙旅行マニアだった富野監督の心意気を感じられる。
だからガンダム Gのレコンギスタはハンナ・アーレント全体主義とか文明の衝突とかエネルギー論とか、そう言う難しいことも描いているんだけど、同時にすごく単純に「宇宙は広いなあ」という冒険を肯定する気分も居れている。
アニメオタクやスマートフォン世代の狭い了見の子供達に対して「自分の目で見ろ!」というお説教のような面もあるんだろうけど、「自分の目で見るのは楽しいよ」「世界は宇宙の果てまで地続きで、ネットよりも広大だよ」と冒険にいざなうおおらかな気持ちもあるんじゃないかな。
異世界転生ファンタジーとか、ラノベで流行っているけど、異世界に行かなくても地球からちょっと離れた隣の惑星までの間で不思議がいっぱいだ!世界は楽しいな!という肯定感がある。

  • 自分で感じていられる人は誰か?

今回、この「自分の目で確かめて体験しよう」というテーマがすごく強調された。
なら、色んなものを体験する立場の人は偉いのか?分かってるのか?というのにも疑問を提起してきている。
クレッセントシップのブリッジでクレッセントシップの艦長との会話がかなり面白い。

ベルリ「地球では、科学技術であるアブテックは改良してはならない、というタブーを押し付けておいて、勝手ですね
艦長「人類は、大量消費と戦争で地球を住めないようにしたのです。そんな人類にはアブテックのタブーは必要でした。その代り、財団はフォトンバッテリーは無条件で提供してきました」
アイーダ「エネルギーの配給権をキャピタルタワーに独占させたために、他の大陸の人々は…

ノレド「アメリア人だけの感覚で喋るな!」
アイーダ「人の自由を侵害されています!」
ベルリ「人は自然界のリズムに従う物でしょう?!」
アイーダ「でも、アメリアでは…」
艦長「そのように教わってお育ちに成ったのですな」
アイーダ「えっ。教わった?教わったって…?」
ノレド「自分で感じた事ではないっていうことだよ」
ノベル「おそわる!入力!」
アイーダ「刷り込まれたということ?」

ざっと聞く限り、アイーダは地球のエネルギーの分配政治の不均衡で戦争が起きている理由を語って、それはスルガン総監やカーヒルに刷り込まれて教育されたものだ、とたしなめれているようだ。
だが、ベルリは金星人にもアブテックのタブーの件について勝手だと反論している。
金星人にとっても、地球が住めない星になっているというのは数千年以上前の宇宙世紀の話なので彼らも自分で感じてはいない。だがタブーは押し付けている。フォトンバッテリーを集めて地球を保全しようという活動も技術的理念が先行しすぎているとも見える。
金星人は地球人よりも宇宙世紀の技術を保持しているし宇宙船も持っているし世界のエネルギー事情に詳しい。だが、アイーダより多くの知識を持っているからと言って彼ら自身が自分で感じて判断しているのか?と言うと疑問だ。疑問だが、彼はアイーダに「そのように教わってお育ちに成ったのですな」と切って言う。結局、人は自分のポジションからしかものを語ったり見たりできないのかもしれない?
と、見せてから、アイーダが宇宙空間をアルケインの頭に乗って移動しながら考えてベルリと話すのを挟んで、また艦長と会話する。

艦長「我々がそのようなものを作ってまでここで暮らしてきたのも、地球が決定的に貴重な星だという証拠でもあるのです」
ベルリ「その地球ではキャピタル・タワーを取り合おうと宇宙艦隊がにらみ合っているんです」
艦長「経済的に豊かになってきたからでしょう」
ベルリ「そんな大人の理由はいいんです!戦いを止めさせるためには、姉さんのような人にはヘルメス財団の偉い人に会わせたいしビーナス・リングとかオーシャン・リングと言った物を見てもらって…。宇宙にある海の夢といったものを見つけ出してほしいんです!」

ベルリから見ると、やはり艦長も「地球は貴重な星」「戦争は経済が起こす」と言う風に教わって考えている大人の理由と感じられるようだ。
それに対してベルリは「宇宙にある海の夢」、すなわち「広い世界のロマン」をアイーダに見てもらって、それで現実の戦争にも対決する指針を見つけてほしいって、そう主張しているわけだ。弟としてはアイーダにそれくらい成長してほしいようだ。


(追記)
「Gレコにはまともな脚本家を富野以外に付けるべきだった」って言う意見を散見するのだが、「地球人は教えられたことしか言えない」と視野が広い感じで言うクレッセントシップの艦長も金星人目線に囚われている大人の理由の発想で喋っている、ということをさりげなく示す繊細なセリフの応酬はかなり高度な脚本だと思うけどなあ。


クレッセントシップ艦長もビーナス・グロゥブを統治しているラグー総裁は高潔な方だと紹介してアイーダをその人に会わせる意志があると示した。メガファウナの連中はいきなり乗り込んできた海賊だが、やはりアイーダは金星から見ても地球の親善大使扱いをされているのだろうか。
アイーダは地球のアメリアで刷り込み教育をされていたけど、それは金星もトワサンガの人も同じで、みんな自分の生まれや立場の利益でしか考えられないのかもしれない。金星人から見ても地球と金星を包括的に考えられる人材は貴重だろう。もしかしたら、レイハントン家はそういう王家だったのかもしれない。
だから、ベルリはアイーダには地球も月も金星も全部を見て分かってほしい、と、そう言う主張をしている。その戦争を解決するための目的意識が「色んなものを見て回りたい」という旅のロマンにもつながっている。
また、アイーダだけでなくノレドも見て回っているので、ある意味彼女も歴史政治学をやるかもしれないし、歴史の承認に成るのかも、と言う語り部のロマンでもある。


(追記)
姉を女王にしたいと言うベルリだってまだまだ本質的にはそれは受け入れられてないし、その心の揺れだってロマンだ。


そして、そんな風にアイーダを助けたいってオープンマイクで宣言したベルリを聞いたノレド、マニィ、ラライヤは喜ぶし褒める。こういう風に会話のキャッチボールが閉じないで、周りの人のリアクションにつながるのは見てて暖かい。


だが、アイーダを月の高潔な統治者のラグー(男性だろか、アイーダの模範になる女王だろうか?)に会わせたいというクレッセントシップの艦長のエル・カインド氏の気持ちを踏みにじるように、ロザリオ・テンの意向を無視したジット団と同調したフラミニアがベルリたちに攻撃を仕掛けた!
一筋縄でスムーズに話が進まないので、サスペンスとしての面白さもある。

  • G-セルフのロマン

G-セルフはユニバーサルじゃなくてご先祖様がベルリとアイーダを救うために作ったシステムだって天才メカニックマンのハッパ中尉が言ってくれた。
自分たちにしか動かせない先祖から託された伝説の機体、って言うのもロマンだなあ。そして、ジット団もG系を研究しているということで、Gの謎は考古学的なロマンにもなりつつある。
宇宙もロマンだが、歴史もロマン。
冒険もロマンだし、恋だって失恋だってロマンだ!
ドキドキワクワクしますねえ!元気のGだ!


来週は麻酔から覚めたベルリが天才的に戦うらしいので良かったですね。


さて、では天才クリム・ニックとマスクはガイトラッシュに吹っ飛ばされたあと、どうなってるんだ?フルムーンシップで追いつくんでしたっけ?さすがにこの二人とは決着を付けないとダメでしょう。
ていうか、あと7回で終わるんだ。
うーん。


ちなみに、

メガファウナの倉庫にはトリッキーパック、アサルトパックと並んでリフレクターパック、高トルクパックも置いてある。高トルクパックは陸戦用だからてっきり地球をとびたつときに置いてきたのかと思っていたのだが…。(ていうか、倉庫広いな)
もしかして、V2アサルトバスターガンダムのように、フルアーマー宇宙アサルトリフレクター高トルクトリッキーG-セルフみたいな「全部載せガンダム」が最終回に出たり???


またまたちなみに、
西村キヌ先生デザインの悪人ジット団ですが。

奸智

筋肉

お色気
ってタイムボカンやナディア並みのキャラ分担をしているのが面白い。
やっぱり三人組はこれでバランスが取れるんだろうか。隠し砦の三悪人的な。