玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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早すぎた!けいおん!プリリズの原点!さすらいの太陽富野絵コンテ最終回!

gyao.yahoo.co.jp
GyaO!で無料配信されているさすらいの太陽がついに最終回を迎えました!(見逃した人は有料配信やDVD販売サイトへの誘導もある)


私は3年くらい前に全部見たので今回は富野喜幸さん(ペンネーム斧谷稔)の絵コンテ回だけ見ていました。
第23話まぼろしの歌手
第26話心の友・心の唄


キンプリだのなんだのの話題が続いたが、このブログの本筋は富野アニメなんだよなあ。
いや、富野アニメっていうか、富野絵コンテ参加アニメなんだが。
監督は勝井千賀雄総監督です!

  • 第23話

あらすじ
■内容・ストーリー
帰京途中ののぞみに、大洋テレビの大物プロデューサー・吉井が接近、人気番組でのデビューを申し出た。のぞみは吉井に、ある条件を出すつもりでいた。澄代は、のぞみが多額の契約金を求めているとマスコミに報道させ、イメージダウンを狙う。だがのぞみの願いは、スターになるような売り出し方をしないでほしいというものだった。


■映像的見どころ。
最終回に向けてスケジュールがクッソやばいということが画面からにじみ出ている。
というのは、背景のクオリティがひどい。
基本的に人物のアップが多く、そのため背景はコンクリートなどの壁や空のベタ塗(ちょいグラデーション)というのが多い。背景を書き込まないように背景が見えないように床や天井だけが映るように煽りや俯瞰を多用した構図が目立つ。実写ではやらないようなパースがすごい。
まあ、言うても70年代前半のアニメなので動画もショボく、口パク以外にはあまりキャラクターの動きも少ない。(カット割りの切り替えの間にポーズを変えたりする)それをPANやクローズアップやピント送りなどでごまかして何とか動きが少ないのを目立たせないように苦心している虫プロの低予算が感じられる。
しかし、低予算だけど、低予算なりに劇を組んで行こうと、絵コンテを切るときの富野さんも予算やスケジュール管理を意識しながら、書き込まないカットと書き込むカットのメリハリをつけてなんとか作劇しようというテレビアニメ黎明期の技術とスタジオワークというものが感じられて、今のデジタル化とか写真加工背景が増えたアニメでは味わえないわびさびが味わえる。
あんまり動かないんだが、画面の回転クローズアップなど、動画枚数を増やさないで動きをつけて感情を表現するところ、グラデーションしかない背景の明暗のバランスで感情を表現するのは、正直みみっちいのだが、この手法は富野監督の最新作Gのレコンギスタでも使われているので、三つ子の魂百までなんだなあ…。
会話する数人の顔のアップとその切り返しの連続が多いのだが、ちょっとした顔の向きの振り返りで映像の原則的な雰囲気の方向性を表現して行こうという、予算がない中で工夫しようという技がさえる。まあ、最近は作画が良いのが当たり前で、リミテッドアニメーションだからこそ生きる節約の中の技巧はなかなか評価されないのだが。
新聞記事の輪転機テロップ芸や、白黒アナログテレビのチャンネル切り替えや画面のブレで峯のぞみと香田美紀の芸能界での不安定さなどを表現する小技も面白い。新房監督など、こういう小技を現代にさらに発展させた人も多い。(新房監督の元ネタは多岐にわたるんだが)


■感情的見どころ
富野さんは絵コンテだし、総監督は勝井監督だし、原作は藤川桂介先生なので、あまり富野さんだけの功績ではない。
あらすじはGyaO!に書いてある上記の通りでしかないのだが。
峯のぞみが「スターになるような売り出し方をしないでほしい」と言うのが遅れたせいで吉井Pが「俺のような敏腕プロデューサーが小娘に振り回されるなんて!」とか、小娘に本気になるプロデューサーという、エースをねらえ!のコーチやTHE IDOLM@STERのプロデューサーの先駆けのような展開もある。
さすがに終盤というわけで、今までぼこぼこにいじめられまくっていたのぞみがついに人気音楽テレビ番組ミュージックフェスティバルに出演して、ラストカットで栄光を得る。
そのほかにも、有名Pに目をつけられて褒められたり、それまでのぞみに歌手の特訓と称して海女に成らせて泳がせたり何回も破門したりした熱血人気作曲家江川いさお先生が、さすらいの旅の終盤に京都嵐山ソングフェスティバルでインディーズイベントで成功したからと言ってのぞみを認めてくれて優しくなるなど、のぞみの周りの人間関係が好転している。
香田財閥の娘としてのぞみが生まれたときに、貧しい峯家の娘になるように入れ替えた悪い悪すぎる看護師野原道子の意地悪で、峯の父親は暴漢に刺されて入院していて、その入院費をのぞみが流しの歌手やおでんの屋台で負担するという糞不幸貧乏境遇だったのだが、峯家が養子に出した長男がボクシング界の美形スター・ファニー森山として成長して「家の面倒は俺が全部見る」とか言い出して、のぞみの不幸が改善される。
おいおい、そんな簡単に不幸が解消されるなよー。って、ずっと不幸続きののぞみを見ていた視聴者としては思うのだが、まあ、残り4話だし仕方ねーか、みたいなところもある。のぞみもインディーズで成果を上げたり、流しで歌っていたオリジナルソングがラジオ局にリクエストが殺到して謎の地下アイドルとして人気になるとか、サクセスを掴んできたので、ステップアップなんですねー。
地下アイドルはプリパラとかCHIKA☆CHIKA IDOLとかミリオンドールやWUGがやっていたし、京都ロックフェスはローリングガールズっぽさもある。いろいろと今のアニメに影を落としているさすらい。


24、25は富野絵コンテじゃないので時間短縮のために省略しますが。
これはこれで、物語の終盤でのぞみと美紀の出生関わるイベントがあって面白い。

  • 第24話知らされた秘密 絵コンテ別府洋平

のぞみのテレビ出演を見た道子は急遽記者会見を開き、17年前、のぞみと美紀が入れ代わった事実を語る。警察に追求された道子は赤ん坊すり替えを自供。彼女は貧しい自分より富豪の令嬢を選んだ恋人への遺恨から、金持ちの香田家に復讐したのだった。衝撃を受ける美紀とその家族。そのころのぞみは、父・慎介危篤の報に接していた。

  • 第25話父との別れ 絵コンテ棚橋一徳

番組の収録を終え病院に駆けつけたのぞみを待っていたのは、既に息をひきとった慎介の姿だった。仕事を優先したことで父親の死に目に会えなかった自分を非情だと責め、歌手を辞めるというのぞみ。だが、熊五郎の真心を込めた説得が彼女を思いとどまらせる。一方、美紀はショックから立ち直れないまま失踪。嵐の海に消えようとする。


これはこれで、プリティリズムレインボーライブみたいな、大映ドラマみたいな、クッソ酷い家庭の事情がアイドル歌手を襲う!という展開で、富野絵コンテじゃなくても面白さがある。
主人公でプリズムボイスの力で心の唄で人々の心を動かしてきた峯のぞみに対して、ライバルの香田美紀は師匠の作曲家江川いさおのレッスンを奪い、人気作詞家で悪い野原道子の弟の野原純の作詞を自分に譲るように強要して、金の力でアイドルスターとして強引にデビューするなどプリティリズムレインボーライブの速水ヒロのような邪悪さを発揮してきた。が、美紀は自分が財閥の娘じゃなかったと知り、今まで意地悪をしまくってきた峯のぞみの父親が死んだ後に実の親だったと知り、美紀は絶望して入水自殺しようとする。
うーん。
菱田正和監督はGのレコンギスタにも富野監督の部下演習として参加してきたアニメ演出家だが、プリティリズムシリーズの家庭のドロドロと絡めた芸能に生きる若者たちの心と心のぶつかり合いみたいなものはさすらいの太陽が原点なのかもしれない。
まあ、菱田正和監督は1972年生まれだから生まれてないんだけどね!!

www.bookoffonline.co.jp



菱田監督が子どものころに見ていたのはピンクレディー物語、超時空要塞マクロスクリィミーマミ、あたりだろうか。
さすらいの太陽はアイドルアニメの原点としていろんなサイトで紹介されているので、早すぎた名作なのだろうか。


虫プロのサイトでも、「けいおん!はさすらいの太陽が育てた」って書いてある。

www.mushi-pro.co.jp

原作は「週刊少女コミック」で人気を誇った藤圭子さん(宇多田ヒカルさんの母)をモデルにした少女漫画。
演出は当時フリーだった富野由悠季氏が斧谷喜幸というペンネームで参加。
キャラデザインは東映動画部の契約社員だった高橋信也氏が名前を隠しアルバイトとして担当した。
機動戦士ガンダム」の安彦良和氏が虫プロ養成所を経て、教官だった沼本清海氏に「高橋信也に女の描き方を習え」と作画設定に抜擢されるなど様々な才能が集結した異色の少女アニメとなっている。
芸能界の内情やヒロインたちの持ち歌のリリースなど、現在の「けいおん!」等に代表される音楽系アニメの礎を築いた作品でもある。

そういうわけで、藤圭子さんの娘である宇多田ヒカルさんが現在の日本のアニメを代表するヱヴァンゲリヲン新劇場版のテーマソングを歌うのは時代の必然でありましょう。


あと、23話で富野絵コンテが作画枚数や背景の描き込みを極力減らそうと異常なまでに努力していたのを見ると、24、25話は香田美紀の家の調度品とか病院の器具とか描くのが面倒くさそうな背景や大人数のモブが描いてあって、「やっぱり23話はヤバかったんだな」と実感できる。
カメラ回転とか、PANとかは富野絵コンテ以外でもやっているのだが。描き込みをしている背景でも、時代性からかパースは強調し過ぎで狂っている。
あと、このころの富野監督は絵コンテの質より速度と量の人だったので、富野絵コンテはかんたん作画だったんだなーと。
単発絵コンテで書く人と、シリーズの半分の回数を担当して登板して全体のスケジュールを気にしながら絵コンテを書くのは、また違うのかもしれない。単に富野さんが早書きして手っ取り早く儲けたかっただけなのかもしれない。

  • 第26話 心の友・心の唄

美紀は救出され、駆けつけたのぞみの歌声で意識をとり戻した。手をとり合うのぞみと美紀。運命に翻弄(ほんろう)された峰家と香田家の全員に、今は強い絆が築かれていた。のぞみのワンマンショーの企画を語る江川。それは日本歌謡界に新風を吹き込むためのものだった。美紀の伴奏で当日、熱唱するのぞみ。2人の少女歌手は、長い道程を歩み出した。


しかし、最終回では富野絵コンテでも作画が頑張っている。(まあ、顔のアップとか、天井と壁の境のパース線を引いてしまうなど、煽りは多いので、それは癖なのかもしれないが)
最近の富野監督は映像の原則で「パース線を書くのは素人です!」とか言ってるらしいが、富野監督も20代後半から三十路に入るかどうかのころはパース線を窓枠とか天井板とかで書いちゃっているので、自己反省なのかもしれない。
まあ、レイアウトから見るアニメ演出では、割とパースや区切り線に注目する作画オタクの人が多いので、どうなんでしょうね。レイアウトと言えば宮崎駿監督ですが、富野由悠季全仕事によると、宮さんと富野さんが仕事で出会ったのは1974年のアルプスの少女ハイジからだろうか?
むしろ美術監督の有名どころとしては70年の昆虫物語みなしごハッチ中村光毅さん、71年の新オバケのQ太郎小林七郎さん、72年のモンシェリCoCoで井岡雅宏さんと仕事をした方が早い。



香田家の豪華な内装や、朝焼けに照らされる工業団地や、香田美紀が入水してから発見された海沿いの山荘の病院の時間経過による日光の移り変わりなど、めんどくさそうな背景が多い。
動画としても、のぞみが海岸の岩の上を走ったり、中盤に美紀を助けてくれたモブの子供と一緒に海に向かって熱唱して、ラストに透過光の煌きや回想シーンの撮影処理など当時にしては気合の入ったライブシーンをやるなど、アイドルアニメとして見どころのあるめんどくさそうな作画を頑張っていて盛り上げている。

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また、近年のアイドルアニメに続く演出のレイアウトといえば、芸能界のワンマンショーのあり方を変えようと決意した師匠の江川いさおとのぞみの、このカットが印象的。

d.hatena.ne.jp

あの”富野イズム最後の後継者”渡邊哲哉さんの参戦とは!

渡邊哲哉さんはVガンダムブレンパワード・ターンエー・キンゲ

平成の富野作品に軒並みローテ演出家として参加し、

その下で演出を学んだ演出家だ。

私の中では、ジャイロゼッターの森邦宏監督と並んで、

富野さんの「最後の弟子」という位置づけだ。

では、ラブライブ4話の渡邊さんの技を見ていこうと思うが、その前に「道具」を借りてこよう。

餅は餅屋、富野流を語るなら富野信者というわけで、グダさんに倣って、

では、ラブライブ4話の渡邊さんの技を見ていこうと思うが、その前に「道具」を借りてこよう。

餅は餅屋、富野流を語るなら富野信者というわけで、グダさんに倣って、

ハイランドビューさんのところから「インスタント映像の原則の素」を拝借しましょう。

引用元:落ちるアクシズ、右から見るか?左から見るか?<『逆襲のシャア』にみる『映像の原則』> - HIGHLAND VIEW 【ハイランドビュー】

念のため先に断っておくが、これはあくまで「富野監督の」映像の原則である。

もうちょっと拡張すれば富野流の原則である。

茶道の流派と同じく、映像の流派にも型がある。

しかしその型は普遍的なものではない。

表千家裏千家では型が違うように、富野流と宮崎流でも異なるというわけだ。

そして今は、「富野流」の使い手の渡邊さんのコンテを富野流の教科書を参考にして見てみよう。


3カット挟んで

このアオリの上手下手の構図!
まるで出崎さんのようなレイアウトですね。


おまけ

このシーンが劇場版クラナド

を思わせて、ああやはりアニメの系譜というのはあるのだな、と笑えたり感激したり

劇場版CLANNADでもあり、出崎統あしたのジョーに影響を受けた富野なんだろうな…という感じもあり。


なので、最近のアイドルアニメ、けいおん!プリティリズム(菱田正和監督、京極尚彦演出)、アイカツ!サンライズ作品)の原点として、やはりさすらいの太陽はあるのだ!




さすらいの太陽は正直、富野監督の主観としては虫プロ同窓会で「あしたのジョーに対抗してギター一本でさすらいの旅を描こうとしたけど、虫プロの予算的に冷遇されてたし勝てなかった」とか言われちゃうけど。しかし、子どものころにさすらいの太陽を見ていた女性の人の声もネットで見る。
各種のインターネットサイトでアイドルアニメをまとめる時に「さすらいの太陽」は原点として紹介されているし、ちゃんと歴史に爪跡を残している!

  • ファーザーの物語としてのさすらいの太陽

さすらいの太陽は野原道子という悪い看護士が生まれたばかりののぞみと美紀を入れ替えて育てさせ、のぞみの父親は物語の冒頭で道子の手先に刺されて長期入院をしていて出番が少なく終盤に死に、香田財閥の父親は仕事をしていて忙しくて出番が少なかった。
なので、中盤まではオデンの屋台を女手で引く峯家の母親、ステージママとして美紀をデビューさせたり、のぞみが売れると嫉妬して意地悪をする香田の母親、そして流しで家計を支えるのぞみ、金の力でスターとして売れる美紀など、フェミニンな流れがあった。
しかし、終盤、峯の父親が死ぬのに前後して野原道子が娘二人が入れ代わっていたと暴露して、それにショックを受けた美紀が家出して自殺未遂したのをきっかけに、香田財閥の父親の出番が増える。
また、25話に死んだ父親の霊前で息子として酒を酌み交わし、一家を支えることをファニー森山が誓うなど、「崩壊した女性中心の家庭を男が介入して支えてバランスを取り戻す」という構図があり、これは70年代初頭の女性の社会進出状況としては仕方ないのかなーと思う。
香田母娘はドチャクソ貧乏な峯家を見下したり数々の意地悪をしてきたのだが、自殺未遂した美紀の意識をのぞみがプリズムボイスで目覚めさせたのを香田財閥の父親が付き添いで見ていたのをきっかけにして、両家は仲を深める。香田財閥の父親の58歳の誕生日と美紀の回復祝いでパーティーをして、両家の奥方と兄妹たちを従えて、お誕生日席で「こうして一堂に会したということは過去のすべてを水に流していただけたと信じるのであります。今後はお互いに親や兄妹が増えたものと思って仲良くやっていきたいと思います」と演説をする財閥ファーザー。
やっぱり、最後は財閥の父の力なんだな…。マネー。
ファーザーが一括していがみ合っていた奥方や娘たちを隣同士に並ばせて演説をして人心掌握をする。うーん。
ここら辺は、プリティリズムレインボーライブのラストでエーデルローズ財団理事長の法月皇が悪い息子の法月仁を追放して愛人の子の氷室聖を助けて家族や組織を正したのに似ているのだが。キンプリでは法月家はまた一ひねりしてくるので、キンプリはいいぞ。
ていうか、法月仁と氷室聖が異母兄弟とか財団の愛人の息子とか言う設定をぶち込むプリティリズムレインボーライブはやはり女児アニメとしては異常だと思うんだが、女児アニメとかアイドルアニメとか言うジャンル分けがされる前に「女性版スポ根アニメ」として放送されたさすらいの太陽自体が「同じ日に生まれた少女が家を交換してライバルとして競い合う因縁の物語」なので、家庭のグチャグチャをアイドルアニメで描くのはある意味原点なのかもしれない。
まあ、パワフルで金を持っている財閥ファーザーが両家の奥方や子供たちをまとめてハーレムエンドになるのかっていうと、それはそれでそうでもなく。のぞみのワンマンショー(というわりには美紀がピアノ演奏をしているわけだが)でのぞみは歌いながら、死んでしまった弱いオデン屋ファーザーとの思い出を回想しながら心の唄を歌うので。オデン屋ファーザーも単なる被害者とか家計のお荷物だったわけではなく、のぞみをちゃんと育てた男なんだよ…。というガンダムF91シーブックのファーザーみたいな感じがある。
あと、プリティリズムシリーズは女児アイドルの周りのファーザーも個性的なので、原点であるさすらいの太陽が最終回のお誕生日会での演説で済ませてしまったファーザーと家族の関係修復をもっといろいろなバージョンやたっぷりとした(というほどはない)尺で描いているので、おすすめです。
まあ、アイカツ!みたいなファーザーは超敏腕世界的サラリーマン(子安武人)で母親はレジェンドアイドル能登麻美子、弟はソーシャルネットニュースサイトアイカツタイムスの管理人の星宮頼智とかいう勝ち組という生まれながらのサラブレッドの星宮いちごちゃんとか、地質学者という微妙に金を持ってそうな安定した家庭の大空あかりちゃんとか、そういう描き方もある。
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(ホント、生まれながらの勝ち組らいちは爆発してほしいが、子安と能登の息子の瀬戸麻沙美さんなら仕方ないのかなあ…)


母親はちょっと出るが父親を省いて描いている代わりにプロデューサーが父親役兼コーチのアニメ版アイマスみたいなのもある。
(まあ、初代アイマス水瀬伊織シナリオとかはファーザーへの意識が結構あるんだけど。デレマスのヴァリサとか。)
クリィミーマミの家庭は割と安定していたような。ぴえろ魔法少女系列もまた、おジャ魔女どれみ魔法少女まどか☆マギカまで通じるファーザーの意識があるよな。ミンキーモモ(両親が人間界と異世界に二ついる)とかも。


  • BL百合としてのさすらいの太陽

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こみっくパーティーのバージョンアップみたいな美少女ゲームを作る高校生を描いた「少女たちは荒野を目指す」っていう今期新作アニメの3話で

百合ホモとは非常にBL的な関係性に近い百合のこと
百合という言葉から連想される甘く優しい世界とは異なり
少年漫画のライバル同士のような愛憎にまみれた対立や熱い友情に愛を見出す百合

っていう概念が提唱されたけど、まあ、まどマギの杏さやだよな。
はい。


しかし、さすらいの太陽では同じ日に生まれた天才美少女歌手ののぞみと美紀が家族を交換して、同じ師匠の下で正規レッスン生と住み込みの内弟子の違いはあれども練習をして、デビューをして切磋琢磨したり、美紀が一方的にのぞみを侮蔑したりいじめたり歌を取り合ったり、同じ男を好きになって近親相姦だとか揉めたり、自殺未遂した美紀の意識をのぞみがプリズムボイスで目覚めさせたリ…。そして(頭を打ったり酸欠に成ったりしたので)心を入れ替えて最後にのぞみのワンマンショーの伴奏としてピアノを弾く美紀…。
プリティリズムレインボーライブで争いながら後にヒロ様とコウジくんとカズキくんがOver the Rainbowを結成するのにも似た男子レベルに近い百合ホモを、すでに原点である「さすらいの太陽」でやっているのがすごいな!やっぱり藤川桂介先生は宇宙戦艦ヤマトみたいなエモーショナルなドラマの先駆けだからさあ…。

ROAD to Over The Rainbow ~デビュー2周年記念DVD~

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劇場版KING OF PRISM by PrettyRhythm Song&Soundtrack

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百合ホモ!
しかも同じ日に生まれた双子姉妹ホモ!実質おそ松さんも先取りしている!スゴイ!
なるほど、おそ松さんブームすらさすらいの太陽は先取りしてたんですね。やっぱりいろんな雑多なジャンルのアニメに黎明期から参加してさすらいのコンテマンをしていた絵コンテ千本切り富野さんの過去の参加作品を見るとアニメの歴史や系譜が自然と見えてきて良い…。
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主演声優が主題歌を歌うという声優アニメもさすらいの太陽は先取りしているからな。(まあ、なぜか後半はエンディングが堀江美都子さんに切り替わってしまっているのだが、ミッチが声優デビューするのは宇宙魔神ダイケンゴーから)
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THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 043二宮飛鳥
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 045五十嵐響子
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 042中野有香
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 044相葉夕美

  • 現代のアイドルアニメへの影響

ただ、まあ、正直、意地悪過ぎた美紀が心を入れ替えたのは、実の父親が死んだ後に出生の秘密を知った上に自殺未遂してのぞみに助けられたとか言う経緯はあるものの、ちょっといい子ちゃん過ぎるかなーと思う。(原作萬画はもっとひどいらしいが、なかなか入手できない)
26話だし、正直掘り下げは難しかったのと、まだ萌えとか百合とかアイドルとかアニメのジャンル分けとかができてないし、深夜アニメ的な過激な表現などのノウハウがなかった時期なんだと思う。
そういう原点では不足しがちな人間関係を群像劇として描いたプリティリズムレインボーライブはやっぱり素晴らしいと思う。また、さすらいの太陽のような偉大なる大雑把な先駆者がいたからこそ今のアイドルアニメブームはさらに細部を掘り下げていろんなバリエーションを描いて隆盛できているということなのだろう。


そして、プリティリズムRLでしっかりと描いてきた人間関係をぶち壊しにしてリセットしてまた始めようとするKING OF PRISMはやっぱりすごいし感動しました。さすが富野監督の弟子の菱田正和監督ですね。Gレコの時に滅茶苦茶怒鳴られた経験が生きてますね。
(ていうかキンプリと同時並行でGレコのコンテとか正直、素人目には想像を絶する時間の使い方だな)


そういうわけで、この記事を書き上げた後、僕は声優アイドルのアニメの最新作、逆襲のミルキィホームズを見に行った後、ハシゴしてキンプリ応援上映会に行くことにした。
正直、プリパラの森脇真琴監督のミルキィホームズとプリリズの菱田正和監督のキンプリ応援上映を連続するのは、ぷりの過剰摂取で脳の耐久力テストって感じがしますが、33歳の俺の脳がどこまで耐えられるかエクストリームアニメ鑑賞にチャレンジします!
ミルキィホームズ ベストアルバム ミルキィパーティー! ! ! !


うおおおお!!!
EZ DO DANCE!!
キモキモキモヲタですけどアイドルデビューです!

Welcome! Girls!

Welcome! Girls!


やっぱり、ミルキィホームズとプリティリズムとガンダムが本筋なので、正直、ラ!はミルキィホームズプリズムストーンサンライズのバイトって感じなんだよな。まあ、高校生アイドル声優援助交際みたいに金をラブライバーが払うことでガンダムやプリズムの作画が良くなるんならそれでいいですけど。
あと、私モテとしばいぬ子さん。
ミルキィホームズ出動です!!!!!!!!!
七転八倒!
うおおおお!!!
蟹は許さない!


こういう、ライバルアイドルや古巣に対する理不尽な復讐心ってとっても大事だし人生の活力を高めてくれると思うので、僕は断然シュワルツローズ派ですね。
武内駿輔くんはPだけでなく騎空士のアイドルでもあるし。


ああ、早く映画館で法月仁と一緒に「殺す!」ってコールしたいなー。