玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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劇場版アイカツスターズ!とウテナ・エースの比較考察

 前項で「劇場版アイカツスターズ!は同性愛じゃないよ」って書いたけど誤解すんなよ。 二人の間には愛はあるに決まってんだろ!

 劇場版ウテナが同性愛だけじゃないのと同じくらいゆめロラにも愛はあるし、お蝶夫人岡ひろみを愛してただろ!
 恋愛や性愛だけが愛じゃないんだよなー。異性間にも同性間にも恋愛以外の愛情とか感情はあるんだよなー。タカハシマコ先生の百合萬画全部持ってるマンとしてもな。
アニメ『劇場版 アイカツスターズ!』ボーカルシングル

前項の続きです。
nuryouguda.hatenablog.com

 で、アニメの劇場版同性愛の話に戻るんですが、劇場版同性愛としてアニメの歴史にはエースをねらえ!少女革命ウテナがあります。

加藤 (前に)僕が参加していた段階でスターライト学園とか、アイカツシステムとか、「芸能人はカードが命」という言葉とかを決めていて。それを、もう一回、監督といじりはじめた感じですね。


―――アニメについて、木村監督は最初にどのような方針を考えられたのですか?
木村 スポ根をやりたいというオーダーがあって。ゲームの方で、トップアイドルの美月といちごの設定は漠然と決まっていたんです。その世界観とキャラクターから考えていくと、自然と「エースをねらえ」のお蝶夫人岡ひろみのような関係性をベースにするのが良いかなと。そこからどう味付けしていくかという感じでした。
www.excite.co.jp

アイカツ!は企画段階からエースをねらえ!を意識しています。
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また、アイカツスターズ!は構成が少女革命ウテナっぽいです。
 アイドルとデュエリストの違いがあるんだけど、宝塚のベルサイユのばらの軍服みたいな特別制服を着たS4というトップアイドルはウテナの生徒会みたいです。


 アイカツスターズ!ウテナは1クール目は主人公が学園に入学してから友達やライバルや生徒会幹部と顔見世をして、その中で主人公の謎パワーがちらちら出たり姉兄妹とか同棲とかそういう要素を1回ずつ紹介します。

 そして2クール目にはS4や生徒会をもう一回フォーカスしつつ黒薔薇会とか幹部会とか学園のもっと深い部分の話になっていくのですが。

 アイカツスターズ!には今後、体が弱くて休学していた白銀リリィが復学します。
「出戻りですけど、どうかよろしくね」

黄色と仲良しなんだ・・・。
土谷瑠果と高槻枝織やんけ!!!
 黒薔薇編やん!!!!夕方女児アニメやぞ!いや、ウテナもちゃおで萬画版が連載してた夕方女児向けアニメなんだが…。(さいとうちほ先生と幾原邦彦監督などアニメサイドとの想定年齢層や倫理観の違いみたいなのは面白いよね。ディオスの違いとか)

こういう同人誌の企画もある。


togetter.com
こういうふうにロボットアニメに詳しい名無し・A・一郎(兄)さんもアイカツスターズ!エースをねらえ!の類似性を指摘している。


  • 劇場版としての類似性

 設定レベルでエース・ウテナアイカツ!は似てるんですが。
 劇場版アイカツスターズ!はエース・ウテナの劇場版と構成が似ている点があります。
それは「段取りの飛ばし方」です。
 まず、プリパラの真中らぁらみたいに虹野ゆめが「誰に向けているのかわからないけど」四ツ星学園入学の経緯とアイカツアイランドの説明をする冒頭が劇場版エースの「岡ひろみ、15歳。この春、県立西高入学。即、テニス部に入る。雨の日は、ゴエモン蹴飛ばす!」の謎ナレーションに似てる。
 劇場版ウテナの導入はちょっと特殊なんだが、一応学園の紹介っぽいのはある。


 んで、劇場版アイカツスターズ!で一番劇エースみを感じたのは「いつの間にか試合に勝ってる」です。
 アイカツアイランド合宿イベントは3日間で、3日目の昼に伝説のドレス風オーディションがあって、そこで勝ち抜いたユニットが3日目夜のS4とのステージに上がる資格がある。という段取りなのですが。それはS4のお茶会で香澄夜空が明言しているんですが。
 ラストでゆめとローラは3日目の夕方に灯台の見える岬で和解した後、いつの間にかオーディションで優勝していて3日目の夜のS4ステージでユニットライブを披露するんですが。
この中盤戦の飛ばし方、劇場版エースをねらえ!の緑川蘭子戦のヘリコプターやんけ!
 アイカツスターズ!が60分、エースとウテナが90分で映画としては短めで尺の都合もあるんだろうけど、段取りのこの大胆な飛ばし方は映画的に疾走感がある。
 (ウテナだとラスト戦の一つ前の樹璃戦がいつの間にか始まっていつの間にかウテナが勝ってる肩透かし感)

 極めてテンポよく物語が進むが、決して不足はない。カットバック、大胆な省略等、様々な手法を使ってドラマが構成されている。象徴的なのが、岡ひろみお蝶夫人がダブルスで、加賀のお蘭と対戦した場面だ。結果的にひろみ達は試合に勝つのだが、描かれるのはお蝶夫人がひろみの実力を認め、パートナーとして一緒に戦う事を宣言するところまで。見つめ合った2人の頭上を、爆音と共にヘリコプターが通過し、それでこのシーンは終わってしまう。爆音がシーンのテンションを高め、ひろみとお蝶夫人の気持ちを表現し、試合の後の展開を予想させているわけだ。そこでズバッとシーンを終わらせてしまうのも、実に格好いい。切れ味のいい演出だ。
http://www.style.fm/as/05_column/365/365_025.shtml

 ひろみとお蝶夫人の気持ちが通じ合ったのがわかれば試合に勝つ描写は必要ないし、ゆめとローラが和解したらオーディションに合格するのは当然なんだよなあ…。
 あと、ゆめとローラが和解するのが3日目の夕方だったら3日目の昼のオーディションに合格しているのは謎だしいつブレスレットを作ったのかいまいちわかりにくいんだが。(和解したのは2日目?)


 ここら辺の飛ばし気味の構成は一気に見せる劇場版ならではで楽しい。また、アイカツスターズ!は女児向けゲーム原作で非常に資本主義気味というか販売促進映画だと思っていたのでこういう時系列を錯綜させるウテナみたいな尖った構成を子供向けでやるとは思ってなかったので驚かされた。
(まあ、プリキュアの劇場版とかも尖ってるし、ワンピースもたまに尖るし、ガチのアニメオタクはアンパンマン考察とかするんですが)


 伝説のドレスコーデにインスピレーションを受けたオーディションなので伝説のドレスをいかにして手に入れるか?という話を予想しやすいんだけど、そこを小春ちゃんとあこのアドカツで戯画化して外しているのも面白い構成だ。(カードを追いかける話を同時上映のねらわれたアイカツカードでやりまくっているので、観客のカード集め興味をそっちの方で解消済という構成も企画として上手い)
 結局伝説のドレスをゆめとローラが手に入れるし勝つんだけど、芸能人の命のカードを手に入れたから勝つとか、努力したから勝ったとか、そういう問題じゃない。
 「二人の和解」と「人を笑顔にさせるアイドルとしての志を、ゆめがマオリのおばあちゃんから継承する」と「ローラが真昼や小春あこ、M4と先生の助力でゆめと向かい合う」という要素を描くことで、アイテム収集や勝負事ではなく心の持ち方のひと夏の成長として描こうという青春映画っぽさがいい。
アドゥレセンスはフランス語で「思春期」だし、劇場版エースをねらえ!の主題歌も若い青春をうたい上げた「まぶしい季節に」なので、どれも思春期少女の青春映画だと思う。成長する話はすごく普遍的だし分かりやすい。(人間は成長したり老化するので)


続きます
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  • 試合構成

 エースをねらえ!ではテニスの試合が、ウテナでは決闘、アイカツスターズ!ではライブが見せ場のアクションなのだが。
 このアクションシーンの散らし方が似てると言えば似ている。
・冒頭のお蝶夫人の試合
・甦れ!無窮の歴史「中世」よ
・一年生選抜スタートライン!


・地区大会一回戦(痙攣)
・時に愛は
・ゆめとローラのケンカ


・ジュニアダブルスVS緑川蘭子
・シュラ―肉体星座αψζ星雲―
・ゆめのマオリへの歌


・合宿
・エレベーター
・ゆめとローラの和解


・ひろみvsお蝶
絶対運命黙示録
・S4のepisode Solo POPCORN DREAMING♪


 大体、映画のアクションシーンは4、5個くらいなので似てると言えばどれも似てると言えるのだが。(マッドマックス怒りのデス・ロードやスター・ウォーズシン・ゴジラもアクションシーンのハイライトは4つくらいなんじゃないかなあ)


 細かく見ると、エースもウテナもアイスタもダブル主人公なのでゆめやウテナやひろみのアクションだけでなく、ローラやアンシーや竜崎麗香のドラマもあるわけだが。(あと、七倉小春と早乙女あこの探検はウテナの樹璃と幹が地下駐車場を探索しているのに似ているんだが)
 ここら辺は映画の文法とか1時間程度の映画でまとめる際のお約束とかもあるので、アイカツスターズ!の佐藤監督が意識的にウテナやエースを参照したとは言いにくいのだが。


 それと、少女漫画原作でテレビ版の再編集のエースをねらえ!、女性アニメファン向けオリジナルアニメのパラレルワールド少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録、女児向けゲームタイアップアニメのTVシリーズの中盤スピンオフのアイカツスターズ!では同じ少女アニメだがいろいろと違う。
 具体的にはお蝶夫人と対応するのは白鳥ひめなんだが、ひめとゆめの決着はTV版アイカツスターズ!の数か月後に描かれるはずなので今回の劇場版では直接対決は描かれない。ここら辺がまだまだアイカツスターズ!はもっともっと深くなっていくと予感させてくれてテレビ版への期待を高めてくれる。(同性愛として、七倉小春はかわいい女の子が大好きなんだが、今回の南の島では小春ちゃんはお化け屋敷くらいでしか夜空先輩と絡んでなくて、あこちゃんと「仲良し」「探検」していて、ここら辺ももっと掘り下げる余地が滅茶苦茶ある。劇場版はゆめローラルートが中心だけど香澄姉妹のやり取りもスパイスのように効いている)(あと、18話でゆめがディオスの力を発動させてオーディションに勝ったせいで小春ちゃんは落ちたのだが、愛川牧枠として若葉繁れるをやるのか、ライバルを落とすことについてゆめが自覚する展開があるのかどうか)(あと、18話のゆめは割とファンを選挙運動みたいな「数字」として見てたけど、大勢のファンの一人一人と関係を持っていく魔女の呪いみたいな重み展開のがくるかどうか)

nuryouguda.hatenablog.com
 前項で「劇場版アイカツスターズ!は絵柄が子供っぽいので同性愛と言うより、思春期前期のチャムシップ的な仲良しなのでは?」と書いた。

 それでは、男性や女性として成熟していない子供には互いに対する愛情は無いのか?というと、そんなことはないと思う。年代別の愛情の最適なふるまいとかは非常に難しい問題なのだが。難しいと同時に動物としては生殖と子育てを本能的に重視してしまう。なので、どういう愛情行動が正しいのかという問題は触れない。(めんどくさいし)


 とりあえず、パッと見の絵柄としてアイカツスターズ!は幼い。乳房もない。

 対して劇場版同性愛として非常に世界中の同性愛者の女性に人気のある少女革命ウテナも女子中学生の学園アニメなのだが。これ。

 アイスタのポスターと似たような構図だが、乳房も太ももも成熟した女性に見える。中学2年生かよ…。長谷川眞也…。


 アイカツ!も学園もので同性愛というか、中学から高校、そして社会人になる女学生同士の心の交流が3年半にわたって描写されたのだが、レジェンドアイドルのマスカレードの二人や天羽まどかと祖母を通じて、アイドル学生がどのように大人になっていくのか、というロールモデルもそれなりに暗示されている。(いろんな大人やアイドル関係者が出てくるのでアイドルや子供はどうなるべきか、という押し付けめいたものはなるべく回避しつつ、女児の成長願望もエンターテインメントにしていったと思うのだが)


 17年前の劇場版少女革命ウテナは同性愛描写が濃厚で、あのラストは果たしてああいうことをする必要性があったのか、いや、でもあれくらいしないと枝織や及川光博に勝った感じは出ないし?とか、ウテナ考察はウテナゾンビ襲来リスクも高いのでかなり難しい。
 私見ですが、99年当時では、お城カーのような社会的男根のメタファーを、少女同士の同性愛も交えた支え合いとか世界を革命する若い女性の力で、打破して新しい21世紀に向けた価値観の道を荒野に作っていこう、というような進歩思想があったのかもしれない。バブル崩壊で男性原理に対する疑問点があった時期だし。(逆にセーラームーンを作ってた幾原監督のアニメ版よりも、歴史少女漫画とかを描いてたさいとうちほ版のディオスの方が秩序的、アポロン的な構成だったのは興味深い観察対象だ)


 んで、21世紀初頭にはセックスアンドシティーとか『GIRLS/ガールズ』で、主演・脚本・製作総指揮および監督を務めるレナ・ダナムとかフェミニズムが自由の国アメリカなどから発信されて、女性同士のホモソーシャルがむしろ革新派から保守派(女性ならフェミニストになるべきだ、みたいな空気)になりつつもあり。日本のアニメでも男性はエロゲーハーレムからゆるい百合や美少女動物園アイドル物を好み、女性もBLを愛でるような風潮や、そういうものが売り上げ上位になるようになり、むしろヘテロセクシュアル的な恋愛ものは弱まったかもしれない。(自分は夢主とかラノベ主人公目線でちやほやされたいけど他人の恋愛は見たくない、みたいな)
 が、実写ドラマ映画になるような萬画界隈とかとかでは壁ドンアイドルの異性恋愛が根強いか?
 ジブリロリコン)・細田守(ケモショタ)・新海誠(草食男子)・村上春樹(パスタ)では美男美女の異性愛が強いかなあ。いや、しかしそれもアイドルボーイズ&アイドル女優への愛でる眼差しかもしれない?異性恋愛そのもののストーリーよりもホモソーシャル的なキャラクターが愛でられているだけなのか?というのはディズニーのアナ雪レズ運動とかシン・ゴジラの内閣腐ファンコミュニティなどを見ると考えられる。まあ、ストーリーもキャラクターも両方魅力的、というのが理想なんだろうけど。
 
新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド


 まあ、いろんな作品があるのでそのすべてを統一する価値観を僕が考えるのもめんどくさいし、僕もその日の気分でいろんなセクシュアリティのコンテンツを楽しみたい。


 話を戻すと、ウテナの絵柄はアイカツスターズ!に比べると同じ中学生を描いたものだが女性的に発達した部分を強調しているように見える。
 あのラストのウテナとアンシーは中学生なんだがナイスバディで非常に成熟した肉体を持つ女性同士という感じだ。「外の世界で生まれた。ふるさとに帰る」という発言を「大人の性愛のある世界から生まれた」と雑に置き換えると、アニメの世界から現実の交尾とかして繁殖する世界に戻ろうという夏エヴァ(EOE)当時の感覚だ。
 なので、中学1年で子供っぽくチャムシップ的に互いに同一視したがるゆめとローラの実質的なキスと、成熟した絵柄でのウテナとアンシーのアレは似ているようでニュアンスが違う。いや、大事なのは心が伝わっているかどうかなので肉体的に事実上キスするかどうかは、そこまで重要ではないのだが。(オーディションも省略されるし)


 もう一つの比較対象であるエースをねらえ!も、お蝶夫人が「これがわたくしの愛!」とひろみに向かって思うくらいには、ゆめとローラが互いに「あなたが好き!」という程度には同性愛なのだが。

 杉野昭夫氏の絵柄は「ゴツい」。
 少女漫画原作なんで手足が長くてスタイルはいいんですが、肩幅が広くて結構強そうだ。アイカツスターズ!が中学1年生なんだが、エースは高校生の話なので、ちょっと大人っぽい。海外留学したりするし年上のコーチとか男子部の先輩との恋愛要素もある。
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 劇中で宗方仁が「岡には女を超えてもらう!」とか言ったりパワーテニスの勃興を描いていて、これはこれでジェンダー的だなあ。
 70年代には「女性も男と同じくらい強くなることが成長なのだ」という価値観があったのかもしれない。まあ、高度経済成長の時代なので男もモーレツ社員だったり熱血だったのだが。
 んで、劇場版エースをねらえ!では名門西高の高い時計塔が東大安田講堂のようにテニス部員たちを見下ろすのが背景に頻繁に描かれていたり、男根のメタファーなのだが。あと、電車とか車とかヘリコプターとか戦車の映画とか男根のメタファーが劇場版エースをねらえ!には頻繁に出てて、劇場版響け!ユーフォニアムよりも男根のメタファーだったのだが。あの戦車映画はマジで出崎統だよなあ…。
 そして、岡ひろみは男性並みに強くなるし、ラストの試合ではお蝶夫人は女性的なリボンを捨てて必死の形相で戦う。

(このラストのお蝶夫人とひろみの試合はアニメーションの表現で女性的な体も影絵になるし、テニスコートという男性的ルールも解体されて脱構築されるのが70年代の実存主義という感じで演出が非常に尖っていて面白いので、単純に「女性の男性化」とだけも言えない。出崎統は「人間」を描く人なので)(僕は哀しみのベラドンナの女子大生エンドの追加が大嫌いなんですが、フランス革命と社会化に対する女性の関わり方としてベルサイユのばらの原作池田理代子版と長浜忠夫版と出崎統版、宝塚の長谷川一夫版などの比較も非常に興味深い)
アニメーション監督 出崎統の世界 ---「人間」を描き続けた映像の魔術師


 そういう塔とか車といった男性的なイコンが少女革命ウテナでは「虚像」とか「もはや実態を失った張りぼて」「動かないまま錆びていく」と表現されていたのが世紀末って感じ。

フィアンセになりたい <2015>

フィアンセになりたい <2015>

 対して、21世紀も15年も過ぎた現在のアイカツスターズ!ではアイドルが性的成熟をしていない女の子の体のまま人々を笑顔にすることで社会に関わる、という描き方をしている。あと、魔法つかいプリキュアとかプリパラとか女児が赤ちゃんを育てるままになったりするんだけど、女児アニメで子育ては割と昔からあるしママ四の前から、おさんどんや子守をしてる女子小学生の描写はサリーちゃんとかでもあったわけだし。
 最近のアイドルブームは未成熟な子供のアイドルへのあこがれを悪い大人が利用して性的に搾取してるんじゃないかという気もしないではないが、でもアイドルや芸能人の枕営業は陰間商売とかお稚児さん趣味まで遡るわけで最近の病理と断じることもできないんだよなあ。まあ、僕もかわいい女の子は大好きなんですが。

 シン・ゴジラやマッドマックスやスター・ウォーズもそうなんですが、だいたい最近僕が見た成長譚っぽい映画では成長の契機として「継承の儀式」みたいなのがある。まあ、ここら辺は映画の文法としてクリエイターはテクニックとしても経験則としても身に付けているのかもしれないんですが。
 内閣総辞職ビームとか種もみババアとかファーザーや師匠との別れとか。ジャンプ漫画の血縁とかもそれ。物語の定型としても、社会的動物である人間の本能としても先の世代から遺産とか因縁を受け継いで新世代の主人公がブーストを駆けられて成長する、みたいなのはある。ガンダムでもランバ・ラルとかララァやフォウやシュラク隊を踏み台にして、とか。
 エースをねらえ!では男性コーチの宗方仁が「弱い女はいなくなってほしい」という気持ちで岡ひろみを引き上げつつ、男子部のイケメンの藤堂先輩がアドバイスとかペンダントとかで支えてやって、そういう男性の強さとか願いとか(あと女子ライバルの思いとか)を継承して強くなっていく。


 少女革命ウテナでも、ディオスの力でブーストがかかっていたし、アドゥレセンス黙示録のウテナが王子様になろうとしたのは桐生冬芽の王子様的な行動を引き継いだから、とも見える。(あと、冬芽と寝た枝織や幹と寝た梢が車になるので、そういうメタファーもある)(冬芽が男性同性愛の義理近親相姦の経験があるので、それも継承してウテナが同性愛で近親相姦アンシーを引っ張った感じもあり)
 いや、ウテナは全話を一気見するための参考に寺山修司の映画を全部見たり詩集を読んだりデミアンとかベルばらとかベラドンナを見るくらい好きなんですが、ウテナは沼中の沼だし下手なことを書くのはガンダム界隈より危険だしウテナゾンビが怖くて感想を書いてないんですし、これ以上やるとウテナゾンビに何をされるかわからないのでここら辺で止めます。
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 で、テレビ版アイカツスターズ!も虹野ゆめがウテナのディオスの力憑依モード発動必殺アピールが示唆されている。

18話とか




 ゆめに憑依しているのがお姫さまなのか王子様なのか、システムなのかは謎なんですが。やっぱりウテナを意識してるのかなー。まあ、元ネタはむしろ少女漫画の美少女戦士セーラームーン(1年目)がクィーンセレニティとかプリンセスの力を憑依させたアレかもしれないんだが。(本番や舞台では別人のような力を発揮する、というのは他にも萬画とかでよくあるわけだが)
 その力を狙う諸星ヒカル学園長はプリティーリズムレインボーライブの法月仁なのかエースをねらえ!の宗方仁なのか?M4の結城すばるくんは藤堂先輩になれるのか?
 これは今後のアイカツスターズ!のテレビ版の裏でジワジワと進行していく謎要素だと思うので、真相は数か月後なんだろうけど。


 劇場版アイカツスターズ!ではM4は添えるだけというポジションだったが、「アイドルとしてファンに笑顔を見せるプロ意識」みたいなのをすばるがゆめに伝えたりしていた。あとローラにワゴンを調達してくれたり。(運転は響先生だけど)(友情の車で救うのはウテナの若葉生徒会っぽくもあり)
 M4は先輩アイドルとして「アイドルの振る舞い方」をゆめにアドバイスしていて、そこらへんはエースをねらえ!の藤堂先輩っぽくもある。ただ、すばるは藤堂先輩みたいな「頼りになって導いてくれるしコーチより優しい男性の先輩」ではなく「イケメンだけど、からかってくる男子」としてゆめに認識されているのでここら辺は時代性の違いなのか対象年齢の違いなのか。探偵チームKZ感もある。古くはおジャ魔女のFLAT4とか。


 あと、ウテナの桐生冬芽が父親に売られて義父に愛でられたが、M4はアイドルとして芸能事務所を通じて女性や女の子に愛でられる仕事をしている、というのも似ているようで違うところでもある。プロテニスプレーヤーはアイドルなのかどうか?というのもオリンピックを通じて考えさせられた昨今。(最近の国立エリートスポーツ選手育成学校では「マスコミに対するスピーチやアピールの方法」をジュニアに教えている)


 で、継承するのはアイドルの先輩のM4やS4からだけではなく、南の島にいるマオリの双子のおばあちゃんというのが劇場版アイカツスターズ!の劇場版らしい特殊シナリオモードなんだが。
 アイドルに憧れるマオリを笑顔にすることで、ゆめはマオリの双子のおばあちゃんに認められて伝説のドレスを貰って、みんなを笑顔にするアイドルの志を教えられて継承していくのですが。アイドルの心得を伝授して継承していくのはアイカツ!らしさなんですが。


 マオリの双子のおばあちゃんは明らかにザ・ピーナッツが元ネタなんですが。モスラなんですが。アイカツスターズ!の劇中にも若い頃のおばあちゃんたちが怪獣映画っていうかゴジラに出演していた写真が出ている。
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 それを鑑みるに、少女漫画の社会的成熟目標の変遷みたいなのを感じた。
 70年代のエースをねらえ!ではパワーテニスで世界を舞台に評価される選手を育成して女を超えた男子レベルの選手が世界、男性社会に評価されるよう努力する。コーチはそれを指導する。
 世紀末のウテナでは男性社会の王子様は死んでて女性が価値観の荒野で新しい何かを探しに行く。(青年は荒野を目指すとか寺山修司の影響もあるんでこの時点でも回顧主義ではあるのだが)
 んで、アイカツスターズ!は日本の映画界が元気だった華やかなりしころのザ・ピーナッツを回顧して行っちゃうのかー。うーん。火の鳥望郷編…。アイカツ!でのマスカレードはピンクレディーだったしアイカツ!自体がエースをねらえ!を参考にしているので回顧主義的な面はもともとあるのだが。日本の若者文化はアップデートよりも保守化していくのだろうか?いや、保守ではなくアイドルや中高生の部活は継承されていくのが自然な文化なのだろうか。
 とか、考えちゃいますけど。まあ、アニメの3作品を比較しただけで若者の意識の変化がどうとか社会学しちゃうのもバカげているんですが。与太話です。
 でも、男の子向けアニメのロマンスだと悪い奴をやっつけたりヒロインをゲットしたらそれで気が済む所があるんだけど、割と少女漫画とかアイドル物、女児向けアニメの方が社会適応の要素が多いですよね。男子の玩具はソードとかバスターですけど、女子は携帯電話とかミシンとか調理器具とかお店屋さんとかお家セットや育児道具なので。まあ、男子は戦争すること、女子は家庭を守るのが社会適応というのが石器時代から数万年続いたので、その惰性として見れば仕方ないんですが。最近は戦争も面倒くさい手続きとかあるし、個人で人を斬ってれば解決するわけでもないので難しいんですが。まあ、火薬は便利ですが。



 閑話休題


 継承元として、
 エースをねらえ!では男性の宗方仁コーチ、男子チームの藤堂貴之先輩。女性のお蝶夫人、蘭子、あと友達の愛川マキちゃんとか劇場版ではあんまり出てこないけど音羽京子さんとか。
 少女革命ウテナでは王子様の鳳暁生、桐生冬芽。そして生徒会、影絵少女。(劇場版の篠原若葉の距離感がテレビ版より遠いのはヱヴァンゲリヲン新劇場版洞木ヒカリっぽいよね)
 劇場版アイカツスターズ!では男性からの継承というのは薄くて、女子中学生トップアイドルS4を目指して、マオリのおばあちゃんから継承して、学友に支えられてM4は軽いアドバイスという感じ。


 なのだが、ここでもう一度、諸星ヒカル学園長のことを考えてみたい。
 彼はゆめとローラの仲を裂こうとして画策して、ローラを真昼と組ませて次世代S4候補として育成させて、ゆめは嘘企画で潰そうとした。嘘企画はなぜか白鳥ひめにバレて「ゆめちゃんの夢を邪魔するのはやめてください」って怒られたのだが。
 学園長の当初の計画では伝説のドレスを「モチーフにした」オーディションはローラと真昼が優勝する出来レースだったっぽい。なので、何故ゆめとローラが省略されたオーディションで優勝できたのかというと、ゆめが伝説のドレスの実物を持ってきたのが原因のように見えるけど、実はローラを優勝させるのが出来レースなのでローラが相方をゆめにした時点でゆめも自動的に優勝…。という見方もできる。(オーディションの優勝シーンは省略されているのだが)
 じゃあ、ゆめの邪魔をした諸星学園長が策士策に溺れる悪役に過ぎないのかっていうと、どうもそうでもない気がする。学園長がローラとゆめを揺さぶった結果、二人の絆が改めて高まってアイドル力がアップしたわけだし。継承の儀式の契機を作ったのが諸星ヒカル学園長とも見える。
 学園長はゆめとローラのパフォーマンスを見た後「どんな手を使っても輝きを止められない星はある、か…」と言いながらカット尻でちょっと微笑を浮かべたようにも見える。


 テレビシリーズがまだ続いているので学園長が、ゆめのディオスの力のような謎能力を潰したいのか、伸ばしたいのか、利用したいのか、白鳥ひめにも謎の力を使ってドーピングしている黒幕なのか?
 よくわからない。
 プリティーリズムレイボーライブの法月仁はアイドルを利用したり潰そうとする悪役だったわけだけど、法月仁は自分が不幸だったり自分を脅かしていると思っている氷室聖を憎んでたり権力争いをしてたりストリート系を軽蔑してたりするわけなんですが。
 対してアイカツスターズ!の諸星ヒカル学園長には現状、敵はいない。特に憎んだり倒したい相手もいないので。S4とM4に稼がせてればそれでオッケーな感じはある。じゃあ、なんでそこでいちいちゆめに絡んできてるのかっていうと、アイドルの謎パワーがあるからなので。
 「ゆめがあの力を超えなければアイドル生命が絶たれる」「学園に相応しくないと判断したら退学させる」とか割ときついことを言っているけど、裏を返せば謎パワーをゆめが超えて自分で使いこなせたらアイドルとして成功して学園の利益になる、と考えているのかもしれない。
 ここら辺のポジショニングはむしろ少女革命ウテナにも微妙に似ている学園都市を描いたプリンセス・チュチュで前半は悪役に見えた ふぁきあに似ている気がしてきた。さすがにドロッセルマイヤーほど因果を操るとは思えないけど。
 

 んで、テレビ版鳳暁生とか宗方仁は主人公に試練を与えることで力を伸ばしていったわけなんですが。そして、宗方仁は初見ではめちゃくちゃ理不尽なコーチだったんですが。星一徹とか丹下段平とかと同時代の理不尽系指導者。
 でも、そういう熱血理不尽指導者は80年代のトップをねらえ!炎の転校生ですでにパロディ化される類型になった。現実的にも近年のコーチング理論が伝播して理不尽な指導者は実際に減ったし(いなくなったわけではない)。


 でも、物わかりのいい大人だけ出していればいいのかというと、そうでもない。(前作アイカツ!では割と星宮いちご本人が理不尽なことを勝手にやってたり、トップデザイナーの性格がめんどくさかったりした)
 芸能活動とかアイカツを通じて世間に触れようとする中学生主人公とかそれに感情移入している女児にとって、やっぱり大人の社会とか男子は理不尽だし「何考えてんのかわかんねーなこいつ」という対象だ。
 少女漫画系で最近流行のオレ様系男子もDVするからかっこいいんじゃなくて、女の子目線での「何考えてるかわからない男子のことを知りたい!」みたいな異性愛の芽生えみたいな思春期のアレを触発するから魅力的なわけで。(男性視聴者も不思議ちゃんとかメンヘラエロゲヒロインをかまうアレがある)(あと、Gガンダム東方不敗とかNARUTOの炎影とかハンター協会会長とか謎めいた指導者の需要はある)
 社会適応とか成長がアイカツ!のテーマや乗り越えるステップのポイントだが、その際にやっぱり「社会人は何考えてるか、わからないな」という気持ちが子供には発生する。そういう感情の動きを描くのは子供向け成長物語では重要かもしれない。(ちゃんと子供のことを思いやっている優しい大人キャラももちろん重要ですが)
 それで、何を考えてるかわからないけど権力を持ってる男を王子様がとっくに死んでいる現代に描こうとしたら、熱血指導コーチだと類型的すぎて「何考えてるかわからない」感が薄い。なので、宗方仁タイプを描くのは難しい。
 そうすると逆にシャアとか碇ゲンドウとか鳳暁生とかクルーゼ隊長とかシンフォギアの杉田とか法月仁みたいなトラウマ持ち権力者の暴走という形になるのも一つのルートなのだが、それはそれでパターンかもしれない。あと、ガッチャマンクラウズのJJやAKB0048の神様的なアレ、というパターンもある。(AKB0048秋元康を対象化するのが微妙に難しかった感がある)
 プリキュアの岡田係など「メンズは国を維持する仕事の人」というのもある。(黒子に徹したアイマスのPとか)
 なので、諸星ヒカル学園長は30代男性の私から見ても情報不足で何考えてるか本当にわからないやつなんですが、情報不足で何考えてるか分からない感はテレビシリーズのライブ感として、大人に対する子供の目線として面白いなーって思います。


 そういうわけで「成長ものとして一周回って諸星ヒカルは宗方仁みたいな大人の理不尽さを思い起こさせてくれるキャラなのでは?むしろ学園長のおかげで虹野ゆめは成長しているし、学園長も自分の画策も因果の一部として輝くアイドル的な何かを求めているのかもしれん」みたいに思う。なので、法月仁っぽいけど法月仁とは違うよな、と。いや、私もキンプリは好きですけど。法月仁みたいにこじらせながらも権力やお金をゲットしたいよな。

  • まとめ アイドルは大人になるのかどうか

 なんか女児向けアニメの一作品について長々と語ってしまって非常に「なにやってんだ」って感じなんですが。
 ぶっちゃけると成長物語というのは「大人になる話」なのですが、その大人というのもいろいろあるわけで。社会維持のシステムの一部として適応するのが大人なのか、結婚して家庭を設け子供を作るのが大人なのか、武勇を競い覇を唱えるのが大人なのか、世界をアップデートするのが大人なのか、個人的に幸せになれればいいのか、どこにゴールを設定するかで作風が変わってきます。
 一例として劇場版エースをねらえ!と劇場版少女革命ウテナを物差しとして出してきたわけだが。
 エースをねらえ!では「(男性並みの)世界に羽ばたく日本の若者!」
 アドゥレセンス黙示録では「性別や世界の価値観を革命する若者!」
 で、アイカツ!では「アイドルをやってみんなを笑顔にさせたり、お弁当屋さんを始めたり子育てをしたり先生をしたり」で、
 劇場版アイカツスターズ!では「昔、子供アイドルだったおばあちゃんを継承して中学生アイドルとしてみんなを笑顔にする」なのか?
 劇場版アイカツスターズ!では水着や感情描写が幼かったり、「子供らしさ」みたいなものが強調されていると思ったが、成長譚でもある。では「子どもは子供らしくフレッシュに輝いてるからかわいい」なのか、「子どもはやがて大人になるから素晴らしい」なのか、「君は王子様ではなく女性になってしまう」なのか。
 セーラームーンが成長することでブームを終えたり、エヴァンゲリオンが呪われたまま年を取らないヱヴァンゲリヲンQになったり、プリキュアはずっと中学生で、THE IDOLM@STERは10年経ってもシンデレラガールズは5年経っても新人アイドルだったり、子供向けコンテンツは毎年同じように作られ続けなければならなかったり、現実のアイドルや風俗嬢やホストは若さを消費されたりする。なので華麗なる成長は取り扱いが難しい案件。
 劇場版アイカツスターズ!は中学生トップアイドルのS4に憧れる中学1年生が、自分に憧れるもっと小さい子供とそのおばあちゃんの元子供アイドルと交流して、子供のまま(ウテナやエースのような成熟した肉体ではなく子供体型のアイドルで)観客や社会にアピールするのだが、大人の男である諸星ヒカルの影もちょっと在る。


 ここでアイマスPとしては輝きの向こう側を描いたデレマステレビアニメの最終回のポエムを思い出してしまう。

おそらく家族経営っぽい美城常務が言ってる事は割と、「お城や家にふさわしい花嫁になって若いうちにアイドルとして魅力と品格を磨いて、いつかはお城や家にふさわしい結婚をして卒業しなさい」という家父長的価値観で、お城=国のために結婚というゴールを目指すための花嫁修業としてアイドルやお姫様を見ているようなところがある。
美城常務が武内Pのパワーオブスマイルを「おとぎ話にもなっていない」と言ったのはまさにその事で、結婚とか卒業とかゴールやハッピーエンドもない、完結していない物語はおとぎ話にすらならないという事。しかし、モバマスは完結も終わりも目的もないソーシャルゲームだ。(サービス終了はいつになることやら)
それに対して、武内Pは「輝く星のような笑顔であればいい」と言っていて。
そしてまた、僕たちモバマスのプロデューサーも4年経っても17歳のままで居続けてくれる島村さんや双葉杏たち、10年経っても17歳の天海春香さんたちといっしょに夢を見続ける。っていう声優アイドル17歳教なんだ。
nuryouguda.hatenablog.com

 アイドルマスターシンデレラガールズのアニメでは、年を取らない学園やお城の中でアイドルであり続けるコンテンツに対して、こういう解釈をした。
 では、神崎美月さんが19歳になるタイミングでアイカツスターズ!にバトンタッチしたアイカツ!ではどういう価値観を目指すのだろうか。
 いや、星宮りんごさんと光石織姫さんの関係性は尊いし、星宮太一は理想的なサラリーマンだし、星宮頼智は前世で徳を積みすぎだしうらやましいのだが。
 アイカツスターズ!では諸星ヒカル学園長やM4だけでなく、ゆめをデカリボンと呼んでる山口FDが芸能関係者として徐々にゆめを認めるようになっていったり、掃除のおじさんのジュエルアイスクリームの社長とか第20話の西太陽とか、めんどくさいメンズが割と出ている。メンズ要素が薄かった前作アイカツ!に比べると女の子が男とぶつかる感情の揺れ動きとかが描かれるのかもしれない。(いや、アイカツ!のトップデザイナーたちは充分変人のメンズだったか)
 アイカツ!の4期最終回は「大人に向かって成長しているけどまだ大人ではない」というシュバルツシルト面のきわどいラインを攻めた感じで、あれはあれですごかった。
アイカツ! フォトonステージ! ! ビジュアルコレクション


  現実の我々はSMAPの解散騒動でガタガタ騒ぐなど、社会におけるアイドルや芸能人の立場に対する倫理観、あるいはもっと一般的な社会規範や労働意識すらまともに作ることができていない愚民に過ぎないので、こういうアニメを見て大人になろうとしている子供たちに対しては、アニメを見ることしかできない情けない大人として申し訳ないと思うんだが。俺はオタクだからなあ…。

  • 同性愛について

 余談だが、アイカツスターズ!にレズ同性愛っぽい描写が多いのは、子役お仕事アニメの側面も含めてメンズ描写が増えたからだと思うんだが。(前作の大空お天気がお仕事アニメとして割と好評だったこともあると思う)
 異性愛には同性愛をぶつけんだよ!という感じだが。
 劇場版アイカツスターズ!の同時上映のアイカツ!ねらわれたアイカツカードで、光るオタク棒(男根のメタファー)を振り回すダーク・ジョニー先生のアナルをユニコーンの角(処女愛好の男根のメタファー)でついたり、アイドル達が光るオタク棒(男根のメタファー)で取り囲んで吹き飛ばしたり、という男根のメタファーの射精のメタファーがあった。それを踏まえた上での賢者タイムにゆめとローラのケンカとなかよしの映画が来たらやっぱり同性愛っぽく見えるよなあ。とか。
 ジョニー・別府先生はアイドルちゃんに囲まれててうらやましいぜ。俺も賢者になってスイーツなハニーたちをまなざしたいぜ。イェー!

  • 日曜日をぶっ潰したわけだが

話は終わったので読まなくていい。


 ブロガーとしては30代にもなってまともに働きもせず日曜日を女児アニメの感想で潰すとか、それは大人としてどうなの?とも思うし、別にアフィリエイトで生活するつもりもないのにアニメ感想を書く意味とは?アニメの感想とか別に人に伝えるために残したりネットに上げる意味はあるのか?ていうか、なんで俺はまだ生きてるんだ?子供を作ったり社会を良くするわけでもないクズのくせに。なんで自殺もせずに子どもアニメを見て生きてるふりをしてるんだろう?とか思うのだが、でも、何かを描いたりしなければ完全なゼロだ!と、寄生獣に感動する羽海野チカ先生みたいになったので書いてみたのだが。割と周りのみんなは最近はブログやサイトで長文を残すよりはツイッターでかき捨てて気がすんでるようなところがあるし、どうなんでしょうねえ。
 アニメ感想文化というのはどうなんでしょうねえ。まあ、俺は別に文化人とか知識人になりたいわけでもないし、やっぱりこの感想は与太話だし、俺が女の子の気持ちをわかるわけないだろ。
 でも僕は品性が卑しいので広告は載せるし欲しいものリストもある。僕はこういう大人になってしまった。


うーん。でも、だいたい週に40本くらいアニメを見てるけどまともに感想を書くのは週1くらいなので。たまに輝きたい衝動に名素直になった方がいいんだけど、やっぱり一日潰すのは大学生じゃなくて30代にはきついというか、いつまでも大学生気分というか。まあいいや。


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