まあ、変なアニメであることは僕も認めますけど、「ロボットアニメとしてちゃんとしていない駄作」とまでは言いすぎなんじゃないかと思います。
もちろん、ロボットアニメとしてはちゃんとしてないんですけど。
僕は面白かったし、この記事を書くために最終回は4回くらい見たけど面白かったので。僕が面白かったらいいんです。僕は唯我論者に近いグノーシス主義者なので。ネットで見れる他人の感想は網膜に映る影に過ぎない。
- 選択と集中
勇気爆発バーンブレイバーンの問題点を挙げるなら、現代日本政府の問題でもある「選択と集中」が主な原因と言えるだろう。
リアルっぽいロボットが出てくるけど活躍が少ないとか、軍人たちは結局役に立っていたのかとか、ハワイと日本以外の被害状況はどうなっていたのかとか、デスドライヴズは結局何だったのかとか、ファーストブレイバーンは何なのかとか、途中経過を放送の話と話の間で飛ばし過ぎとか、
メttッチャ省略されている部分がある!
なんなら見せ場になるロボットバトルですら一瞬で決着するし、暴食のデスドライヴズはバーンブレイビッグバーンの背景演出のための爆発として死んだ。
それはそれで歪なアニメだと思う。
でも、それは1クールで描きたいものをたくさん詰め込んだうえで、物理的に画面に映せるものは限られているので、選択と集中をした結果だと思う。
ていうか、もう、SF設定とかはワンカット映せばだいたいの事情はロボット物に慣れている視聴者なら察することができると思うって言う塩梅で、察することができるものは極限まで減らすというスタイルだったと思う。
ていうか、ロボットバトルはね、たしかにどっちのロボットが強いのかとか、そういう設定面も大事なんですけどね。
あの、アニメに出てくるスーパーロボットってそもそもリアルに考えたら自立することも困難な嘘ですからね。そんな嘘ロボットのどっちが強いのかって言うのも真面目に考えても答えが出ませんからね。
なので、物理学には意味がないので、勇気と愛とか友情とかそういう感情面が重視される。勇気爆発バーンブレイバーンはたしかにそこに重点を置きすぎていたので変なアニメの異常性が目立っているんだけど、かといって梶原一騎のあしたのジョーのトリプルクロスカウンターのテコの原理とかもウソですからね。そんなもんだよ!
アニメは畢竟、視聴者の気持ちがどう感じるかでしかないので、物理学とか整合性より気持ちの問題!
だから勇気爆発バーンブレイバーンの作劇としてはバトルとか戦略とかそういうのはめっちゃ省略されているけど、一緒にご飯を食べたとかボクシングしたとかブレイバーンが気持ち悪いとかルルが成長したり説得したり、そういう気持ちの問題は結構こってりと描いている。
大張正己監督はロボットアニメをめっちゃやっているし、自分が監督してないロボットアニメのイラストもすごく描いている人です。具体的には逆襲のシャア。
なので、ロボットアニメの見せ場は、もう、分かり切っているわけで、そんなお約束は2秒見せたらわかるので省略するという作風なんだと思う。(それはそれで変だけど)
- 落としてから上げる
勇気爆発バーンブレイバーンのもう一つの変な点は「落差」ですね。
そもそも最初の事前広告ではリアル系ロボットが戦う話と見せかけて、宇宙から来た怪ロボット軍団デスドライヴズとブレイバーンという異常ロボットが何もかもぶち壊しにしてく第一話だったわけで。
ルルとかスミスとかの設定周りも落としてから上げたり、上げてから落としたり、まあ、感情を揺さぶるように作られている。
最終話でイサミが絶望して降伏しようとして、ツダケンに拒否されて殺されかけてブレイバーンのコクピットに逃げ込んだりという最高に情けないところから勇気爆発のその先に行くのも、演出的には「高低差」です。
歴戦の勇士が当然のごとくクールに勝つという作風もいいんだけど、勇気爆発 バーンブレイバーンはそういう実力がキチンと決まっている作品ではないので。
そもそも人型ロボットなんか地球上で自立して戦えるわけねーだろ!っていう嘘を自覚したうえでロボットをやっている人なので。
デスドライヴズがルルを使っていたのも、結局のところ「気持ちの問題」なので、ノリがいい方が勝つ。序盤のブレイバーンがイサミ・アオに「必殺技を叫べ!」って強要するのも気持ちの問題なので。
自立して戦うロボット自体がフィクションでウソなら、その強弱も嘘ですし、最後に残るのは気持ちの問題です。
じゃあ、ロボットの正確な戦力差を描かずに気持ちの問題を優先するアニメはウソなのかって言うと、アニメ自体が虚構の産物で物理法則もほぼほぼ無視できる芸術の一形態だし、視聴者が「感動した」って思うのも「気持ちの問題」です。
だから、「気持ちが乗っているから勝つ」それでいいんです。
輪るピングドラムもジョジョの奇妙な冒険も「俺は本気だ」って思い込んでいる方が勝つんです。
勇気爆発 バーンブレイバーンも最終回でもちょっと(?)ギャグっぽい所はあったけど、「本気で思ってるとパワーが出る」というのが結局アニメなんですよ。自衛隊とかアメリカ軍とかの兵器はデスドライヴズに大して有効ではなかったけど、「本気でブレイバーンを応援したい」という気持ちが大事。
なので、イサミがちょっと情緒不安定というかすぐにメンタルが最悪になって、その後、一気にやる気を取り戻して勝つという高低差は分かりやすく気持ちの高揚を表現していて、アニメならではの「気持ちの問題」を描いていたと思う。
本当に物理学的に正しい力比べを見たいんなら現実の戦争はいくらでもあるし、総合格闘技とか見ていればいいと思う。空を飛んだりビームを出したりするロボットに物理的原理なんかないし、気持ちの問題しか残らないと思うな。
印象論ですけど、ロボットアニメ好き男性より、BL好きの女性の方がTwitterでの反応がよかったように見える。バーンブレイバーン。
BLのアナルセックスとかも真面目に考えると結構、段取りとか必要なんですけど、BLは気持ちの問題だから。
いや、バーンブレイバーンがBL作品とは思ってないけど。イサミとスミスはマッチョ軍人というのが持ち味だけど、人間ではないルルとブレイバーンとスペルビアの性別は割とあんまりどっちでもいい。(まあルルに振り回されるスペルビアはわりと往年の涼宮ハルヒとキョンみたいで懐かしかったけど)
- 何者でもないイサミ
スミスがヒーローになりたかったということは繰り返し語られていたけど、最終回で主人公のイサミ・アオが「別に俺はヒーローになりたいと思っていたことはない」とか言い出すのが面白かった。イサミ・アオは基本的に異常なロボットやヒーローとしての振る舞いを押し付けてくるブレイバーンやスミスに対してツッコミを入れたり振り回される常識人で、本人自身のバックボーンはほとんど語られていなかった。まあ、それは他のキャラクターの大半もそうなんだが。
何者かになる問題は輪るピングドラムのせいでいろんな人が不安定になってしまった。(まあ、僕は輪るピングドラムの放送前年に過労死寸前になって脳内妹にピングドラムをもらって蘇生したので「お兄ちゃんが妹のお兄ちゃんなのは当たり前だろ」って思っていた派)(炭治郎ほど頑張り屋さんではない)
あー、イサミ・アオって主人公だけど、それはまあ、因果のねじれでルイス・スミスとブレイバーンに執着されていただけで、本質的には「別になりたい仕事もないし、体力はあるし」という流されるままに自衛隊に入って、なんとなく適性があったのでロボットのパイロットになってただけで本人は全然やる気がなかった何者でもないし、何者かになりたいとも思ってない一兵卒だったんだ。
それが、生身で憤怒のイーラのクッソデカい剣をぶつけられてマジで死にたくねー!ってクッソ情けない人間の本性をむき出しにしてブレイバーンに逃げ込んだところで、
ブレイバーンとスミスに「お前は結構がんばってきたし、お前はとっくに勇者だよ」って言われて「そういえば俺は勇者だったな!」
って、メンタルが最低から一気に最高にぶち上るのが、まあ、論理的なのか、演出論的に正しいのかは分からんけど、僕はがんばったねって思った。
最後までブレイバーンとスミスの関係を知らないまま終わらせるルートもあったけど中盤の冗長とも思えるスミスとのケンカとかボクシングとかも気持ちの問題としては大事だったんだなーって。
ルルが勇気融合するのも、物理的になんも後ろ盾はないし、ロボットアニメなんてロボットが二足歩行戦闘する時点で物理的に破綻しているけど、そこはもう、気持ちの問題だよ!
で、勇気融合したバーンブレイビッグバーンが勝った。(炎の転校生)
憤怒のイーラも釘宮理恵さんもラスボスとしての風格はあるんだけど、それを1クールしかないからか最終回1話にまとめた剛腕と取捨選択(逆境ナイン)も、構成の粗さはあるものの、疾走感はあった。
そんで、イサミ・アオが何者かになりたいとも思ってない無個性(マッチョではある)だったし、最後のブレイバーンの謎の語りで「別に条件とかなくて、がんばってたらみんな勇者だよ」くらいの前向きさは爽快感があった。
みんながんばっているよ!
まあ、ファーストブレイバーンの正体は結局何だったのかとか、疑問はたくさん残っていたけど、僕はまあまあ面白かった。
(僕がアニメを面白いと思う理由はカット割りが面白くて眼球運動が促進されて脳に刺激があるのがいい、くらいなのでそこまで審美眼とかはないです)
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