玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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クワカミ・その愛と別れ

新訳機動戦士Zガンダムがテレビ版から半歩視点をずらしつつ、逆襲のシャアにもつなげると富野が発言したとき、俺は「ああ、クワトロ捨てられるんだ・・・」とちょっと悲しかった。
だって、カミーユが狂ったのって、シャアのせいジャン。
いや、悪気は無いし無意識だったんだろうけどシャアの生き様そのものがカミーユを狂わせてるだろ。

カミーユ「あなたはまだやることがあるでしょう!この戦争で、死んでいった人達は、世界が救われると思ったから死んでいったんです。僕もあなたを信じますから!」

シャア 「君のような若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか!」

カミーユ「大尉!」

シャア 「新しい時代を創るのは老人ではない!」

これって、字面どうりに受け取ったらダメだと気付いた。シャアも若いし。

コロニーレーザーからどっちが先に逃げるのどうのとかいうところで。

ていうか、萌えすぎる。

シャアのためにというか、全人類のために死ぬのが自分の役割だと思ってるカミーユカミーユに生きて欲しいのに自分も同じような事を考えているせいで面と向かって生きろといえないシャアがそれでも必死で説得するのが萌えすぎる。

それまでずっと駄々をこねてたカミーユが急に素直になるのが可愛すぎる。

と、私は最終回を見たときに思ったんですけど、カミーユってクワトロについて行き過ぎ。カミーユが「自分の役目がわかった」とか死に急ぎたがるのって、クワトロの背中を追いかけすぎて一瞬追い越して、そのせいで精神が極限まで張り詰めてたせいだと思ってる。
それはカミーユのような誇り高い少年には当然の事だし、それは悪い事とは思えない自然なことだと思う。
ニュータイプのありようを素直に示しすぎたからな・・・。
だから、僕はカミーユが狂ったとは思ってないんだよな。結局のところ。
緊張状態が一気に解けたせいで一時的にトんだだけで。むしろ本来のカミーユに戻っただけだと思ったんで。

(だから、ZZで急に無口になったのはおかしかった。最終回でハマーン様が死んだとたんに元気になるのは、思わず「カミーユハマーンを殺させるためにジュドーに精神を乗り移らせて操っていたに違いない」と解釈してしまった)

ただ、TV版のシャアはカミーユがヤバくなってるというのを感じ取った時点でなし崩しに別れちゃったんで、カミーユを追い詰めた戦争を起こす愚民どもは許せん!隕石!(絶対に自分が悪いとは思わない、そんなシャアがステキ)
小説版もカミーユが「お前らみんな死んじゃえ!」とシロッコハマーンに手榴弾を投げた所でとんずら。その後ハイ・ストリーマーでアムロに「カミーユという少年を狂わしたのを知らないわけがあるまい!」とつっこまれて「脆弱なのは美徳ではないよ!アムロ!大衆をみろ!官僚をみろ!連中は狂うか!?何が起こっても平然として、生きながらえている!才能があることで脆弱なのは美徳だと思っている連中は、その大衆に飲み込まれていく。それが現実だ!」と宇宙の中心で失恋をさけんだ総帥。
ZZのハマーンがコロニーを落としたのは、シャアへの欲求不満で、シャアがアクシズを落としたのはカミーユとの愛が報われなかったせいだな。と、勝手な解釈だが。
カミーユが狂ったけど、日常に戻れたとは考えず、潰された!と思ったシャア(富野?)は可哀想で馬鹿だなー。