――そういう時代の生き方としてどのようなモデルがあると思いますか。
富野 答えは右肩上がりの生活を止められるかどうかじゃないかと最近思っています。
たとえば、ヒントは平安時代や江戸時代みたいな暮らしにあると思うんです。つまり、茶の湯や借景のような日本人が発明してきた「美意識を追求する」という感覚です。
こういったもので、穏やかに持続する生活の中でおかしくならないで暮らしていける心の在り様を、みんな手に入れればいいんです。
最近のフィギュアの完成度なんか見ていて、この頃、実はアニメオタクといわれている連中は平安貴族になりえるんじゃないかと思って、「おまえら頑張れ」っていう気分になってきてる部分もあります。僕はその感覚はかなり正しいんじゃないかって思い始めています。
しかし、そのフィギュアの塗装シンナーが環境を汚染すると分かるんだよ!トミノ!