玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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2004年富野由悠季精華大学講演 後半戦だ。

KINO Vol.02 思考としての『ガンダム』

KINO Vol.02 思考としての『ガンダム』

の富野講演会レポートその2。
神奈川県下一の最悪の高校で(略)「僕は無害の学生なんだよ」と見せる訓練を3年間させられたわけです。そして、生き生きのびのびとお勉強している奴は、当然そうではないわけ。
ここの部分は、意図が掴みかねる。
生き生きのびのび勉強しているやつは、そうではないから、どうなんだ?「とりあえず気が済んじゃうよね」にかかるとしたら、それはのびのびしてる奴に対しての意趣返しか?でもないか?口が滑っただけ?
こういう学生時代からの本音が出てくるのも御大の話の萌える所。
「(経済学の話で)今までは機械と低賃金で利益をあげていた物が、そういう可能性がなくなりつつある。10年か20年後には東南アジア、中国の内陸部、モンゴルで製造しても安くはならないでしょう」
「そのときに、人間が価値を持ってくる。固有なものを提供できるものに対して、初めて価値が生まれて、そしてその部分でお金を儲かるしかなくなる。」

アート系の学生に向けての言葉だろうか?船頭多くして・・・な気もする。
「(車のモデルチェンジも個性を売るという話)車のような大きなプロジェクトの場合は、個人ワークではなく、スタジオワークになります。そのスタッフワークの中で、個人がどういう風に関与していくかというのを必ず見ていって欲しいのです。(略)スタジオはどういうスタッフを要求するか」
歯車になるスタッフでも個性を売りにするべきということ?ご大層な天才の個性というレベルでもなく、個々の人間が提示可能な固有の付加価値ということかしらん?
うぬううう。
「では、その才能、個性を身につけていく方法をお教えします。」
「と、言いながら気が付いたのは、本当にガンダムの話してないよね。少ししないと怒られるので、します」

しかし、結局、最後まで具体的な方法は語ってくれなかった富野!ガンダムの呪縛か?
企業秘密を上手い事隠した、と?
「グレンダイザーは後世に残っていないという悪口はカットされている」
「悪口は止めましょう」といってたしなトミノも。つーか、「知ってますか?」と聴いて割と多くの方が手を上げた。スパロボがあるからなあ。
あと、CBキャラ永井豪ワールドとかも。
ゴーディアン*1とかマクダランあたりなら、大学生で知らない人も多いかもしれんが。空爆ロボットですらDVDになる世の中だしなあ。
まあ、ちゃんと見たことは無いんですけど。うたはうたえるよ。
「(鉄腕アトム)で言う「SF的なテイスト」というのは、明らかにヒューマノイドに近いロボットの、東京という未来社会の中で暮らしていくという景色が好きだった」「つまり、僕は「ゴジラ」が嫌いなんです。怪獣が無節操に出てきて物を壊すというのでは、子供のおもちゃ箱の中のお話でしかない。」
僕はゴジラ好きなんだけどなあ。あれもあれでガンダムと同じく一種の寓話というか例え話だと思うのだが。ゴジラにも独自の暮らし振りがあればよいということでしょうか?でも魚食ってたアメリカ版GODZILLAは微妙だったけど・・・。ウルトラセブンは富野的にはどうなのだろうか?富野はオキシジェンデストロイヤーも気に食わないらしい。僕はミクロオキシゲンが気に食わないよ。
ゴジラトミノが中2くらいの時の作品だからかなあ。中ニ病を引きずってるのかもしれんな。なげえな。
「僕は普通に子供が見てもわかるような面白い映画しか理解できないんですが」
カミーユに彼女が出来てよかったと思います。
とかいいつつ、子供の頃からガンダムは見ていたわけです。ククルス・ドアンの島が好きでした。あと、アムロがソーラ・レイにマジビビりするところとか。でも、理解はしてなかったよ。理解したつもりにはなってたけど。忘れただけか?
ガンダム」のときにひとつだけものすごいことをもくろみました。合体シーンと余分な戦闘シーンを抜いていったら、話が通るようにする。
が、当時そんな馬鹿なことをやった事についての認識は、大人サイド、製作者サイドからは一切ありませんでした。だから、放送が一年続く予定が、打ち切られて後ろ10本がなくなっているわけです。

エヴァンゲリオンなら、打ち切り部分をつけたしたわけだが。ガンダムは映画ではつけたししなかったなあ。サイド3にも侵攻しなかったし。特にそこら辺のエピソードはなくなっても良かったのだろうか。ガッシャとか。ア・バオア・クーで綺麗にまとまってるか。逆に、殲滅戦じゃなくて講和という終戦手段がカッコいいとおもう。アニメでは珍しいよなあ。そーいえば、シンジ君は最後までキール・ローレンツのことなんか知らなかったよね。
クウガ以降の平成仮面ライダー*2機動戦士ガンダムSEEDも戦闘シーンを抜いたら話が通じるつくりに成ってるが。ガンダムは戦闘中にも話が進むよー。ミハルとか。「余分な」戦闘シーンというのがどういうものか。
見てる分には富野の戦闘シーンはどれも動きが面白いので好きでス。
「大人の理解というのは、20年くらい経たないとされませんでした。理解された時の理由があります。商売になったから理解される。商売になっていなかったら絶対に理解されません、ということです。」
商売になればいいのか、という事もあるんだが、そこら辺のエヴァとの関係も後述。
「大会社の部長、おおむねの大人は、下層階級(ロボットアニメ)の作品を見もしないで踏みにじる」
これは、怨念が強すぎるのか、紙面ではカット。

宮崎駿監督について誉めたりけなしたり絶賛したり分析したり」
ガンダムエースの対談にパヤオが降臨したら面白すぎるけど・・・。

「物語のリアリズムとはどういうことかというと、その物語の中に現れている景色もそうだし、人間関係や人物の仕種も、宮崎さんには、そう言うものを描き分けられるセンスがあるし、そして宮崎さんの手で表現するしかないという、決定的に「固有な物」を持っています。それに見合った物語というものは成功しているんです」

「固有なものとは何か」というテーマの講演で宮崎駿監督は固有だとを絶賛した。ただ、もののけ姫ハウルはものすごく儲かってても惨敗らしい。
ハウルはすごいけど、バカでもある」
千と千尋の神隠しは言及してないという事はヒットなのだな。いつ見ようかなあ。

「狭く学んでいくと、狭い突破口しか見えてこないということですね。」
「大事なのは、物語です」
「それで、物語は何だという話は、今日はそういう授業じゃないのでそういう話はしませんけれども。」

しーーーーろーーーーーよーーーーーー。
ガンダムが二十何年もつ一番の理由というのは、フィギュアだけで売れていく部分と、そのフィギュアに付加している物語性というものがあったから、受け入れられている部分があるのではないかなって自負もします」
やぱし、物語か。
鉄腕アトムだけが好きで、その次に好きなのは、ブラック・ジャックです。それに時代劇で1本とても素敵な物があります。」
トミーノは「来るべき世界」がとっておきの1冊だといってたが。僕にとっては「アトム」以上に傑作ですね、「ブラックジャック」以上に傑作ですね。富野の発言はいつも同じことを言うときと、コロコロ変わるときがあって、コロコロ変わるほうが微妙な問題をはらんでいるとか聞いたんですけど。時を経て師・・・。
「何でこの教室は時計がないんだ?と気がついたところで、後は質問コーナーに(笑)。」
じっさいは、「喋る事を喋っていない。まあ、いいか」とかゆってた。そんなてきとうな御大を愛しちゃう。
愛しちゃうが、結論が無い!具体例が無い。

*1:君は知るか?

*2:響鬼の前半も除く?