玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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ガーゼィの翼を土曜に見たのだが。

京都精華大学が試験のため今週からしばらく出入できなくなると言うタイミングで、Vガンダムを見終われば、1巻しか置いていないガーゼィの翼 其の一「異世界」 [VHS]を見てしまうのもグダちんということだ。

(DVD)バイストンウェル物語 ガーゼィの翼 コンプリートDVD


つ・・・・。
つまんねえ。ダンバインのファンで、オーラバトラー戦記完結後のバイストン・ウェルの続編として期待して見た人の心中を察して余りある。
富野由悠季監督がうつ病が酷い時に、エヴァンゲリオンブーム真っ最中、OVA全盛期(?)の1996年に作った、(多分)非サンライズ、非バンダイ、非ロボットアニメです。
トミーノが自由にやれそうで、期待はありそうなんだが。当時の僕は富野と言う人は知っていたが、由悠季(よしゆき)が読めなかったので、ファンではなかった。アニメージュOVA紹介コーナーでもガーゼィはあさりよしとおにこき下ろされていたし。
そんな感じだった11年前。

Q:次はゲームのことについてお聞きしたいのですが、セ
バンダイの件を何かご存知ですか。
富野:全然知りません。危機感も含めてそういう話をサン
ライズ(サンライズバンダイグループの系列会社)から
は一切聞かされてないんです。つまりどうなるか分からな
いんでしょうね。合併話を聞いた時のサンライズのリアク
ションを見た時、サンライズに組織体としてのダイナミズ
ムが働いていないと感じはしましたけど、その中にいる自
分も、やはり動けないでいるんですから、世の中の全体像
なんて見えませんよ。ここのところが僕が元気になろうと
して、去年(96年)の初め頃から、自分一人でも外に出て
みようと決心した。その端緒になったのが、『ガーゼィの
翼』のノベルとOVAの仕事なんだけれど、それだけでは
駄目だと感じて、『王の心』(角川ノベルス)の仕事もさ
せてもらいました。
 『王の心』は、とても気に入ったノベルスなんだけれど
、ヒットしなかった。読んでもらえないというのはとても
辛い。印税も入らないし、これは地獄です。
 それでも、そういう経験を通して、自分から出ていくこ
とは必要だと痛感した。『ガーゼィの翼』をやりながら幾
つか企画書を書いて持ち歩いてみたら、ようやくサンライ
ズが『ブレンパワード』を気に入ってくれた。本当はサン
ライズと僕の関係って、企画やマネージメントを助けてく
れるはずなんだけど、まるで僕は外注さん。それでもいい
んです。そうしないとフリーのスタッフなんて、黙って口
を開けて仕事が来るのを待つだけだから。それを僕は十年
やってきてしまって、「駄目だよなー」と感じたんですよ
ね。
http://wijayu.at.infoseek.co.jp/gaz_tom3.txt

みたいな状況だったそうだ。
Vガンダムの最終回の直後に見ると、テンションの違いが、クオリティーの違いが・・・。
ガーゼィの翼―バイストン・ウェル物語 (ログアウト冒険文庫)は、読んでたんですけどね。キャラクターデザインの末弥純さんの挿絵もナイスで、1巻しか古本屋で手に入らなかったけど、それなりに面白かった。
んだけどなあ。
あくまで、それなりにだけど、富野の文体が好きな僕としては面白かった。
でも、アニメはその小説の面白さにも達していない。
Vガンダムは病んでいてもすっごいパワーがあって面白かったのに、その同じ男が、こうも!
どうも演出が噛みあっていない気がするし、トミノが原作脚本絵コンテを手がけたのに、富野のリズムじゃない。
いつもの富野ならもっと戦闘シーンをリアルでありながらもケレンと工夫に溢れたものにするのに。
小説ではもっと恐竜とか大蜘蛛との戦闘は迫力があったし、麻薬を使って戦うやり方は面白かったのに。
30分に詰め込めなかったのだろうか?
しかし、詰め込み度では同じバイストン・ウェルリーンの翼の1話のほうが上だし、リーンの翼の方がリズムも面白さも上だ。
最近の富野は若手スタッフを信じて、スタジオで君臨する事を止めたといってるからな。してるだろうけど、しない努力はしてると思う。
で、ガーゼィの時はまだ病気でありながら君臨する以外の道を見いだせなかったんかなあ?
うーん。いろいろと噛みあわない歯車感がする。
戦闘はおざなりなのに、怪我する人とか、死ぬ人とか、そういう痛みを感じる身体性は執着をもって描いている。痛い身体性ではなく、もっとキングゲイナーとかみたいな疾走感の身体性がいいのに。弾けられていない。
シナリオもどこか、突き抜けた物が無い。
いきなり異世界に飛ばされるのはリーンの翼ダンバインも同じなんだが。
どうもワクワクしない。
楽しみたくて見てるのにな。
そもそも、異世界に飛ばされた霊体の自分と会話する主人公と言うのは、分裂症からきたアイディアだとしても新奇で面白いんだけど、現実側の主人公がなんだか、微妙だ。
百科事典で火薬の作り方を読んだかと思えば、「オーラの力を高めるために、しかたなく高校のクラス会に出るしかない」とか、どんな行動原理だ。どれだけクラスメイトに会いたいのか。
いきなり神社で素振りをしまくるとか山ごもりを始めるとか、そういう萬画っぽさがあってもいいのに、微妙に日常生活の延長で婆さんとうどんを食ったりする。生活感も富野のいいところだが、どうも、かみ合ってない。
それとも、ワクワクしないのはキャラクターデザインが地味すぎるからかなあ?
味方が奴隷だから地味なのはいいとして、敵も明らかなライバル以外はリアルなだけで面白くないデザイン。作画もヤシガニに近いし。OVAなのに。
と、思えば髪の毛がピンクの双子の美少女ロリ巫女キャラが出たりとか、おたくに媚びた所も見えて。
千秋(せんしゅう)・クリストファが主人公としてエイサップ・鈴木の比ではなく薄いからかなあ。
彼の状況をほおって置いて、状況が動いていて、しかもその状況(奴隷民族の脱走)が視聴者的に興味を持てないからかなあ。
エクソダスの原型なのだが。
そう考えると、キングゲイナーの1話はお祭りを隠れ蓑のバックグラウンドで、「ヤーパンのエクソダス」というキィ・ワードを上手い事使って視聴者を掴もうとしていたんだなあと気付く。
トミーノも失敗して次の作品に生かしているのね。
んで、Vガンダムが売れなかったのはキャラデザが地味だったからだと思った。なにしろ、当時はあかほりさとるが出てきて萌えの軽薄な原型が作られてた時期だからなあ。
で、Vガンを真似たエヴァンゲリオンが同じく地味目なキャラデザにド派手な衣装とキャラ付けでバカ売れ。
ガーゼィの綺麗なんだけど、リアルなのか萬画なのかどっちつかずで、髪の色が派手だったり、衣装がぼろきれだったりする絵柄は、そういう時期のグチャグチャな試行錯誤っぽいな。
どれが売れるんだ-!?みたいな
最近のakiman,西村キヌokama器用とかは、そういう勉強を経てからって感じも受ける。もちろん、売れ線だから使ってみたって言うだけではないって言うのは見れば分かる。作画監督の杉光登さんは∀ガンダムにも参加しているっぽいので、そこでのリベンジを期待。
と、いうわけで、どうも、現代の白富野の再生を見た若い信者、キリスト教で言えばパウロの位置なので、割と安心して、現代の作品の芽を見つける楽しみがある。
でも、当時のトミノ信者は最悪だっただろうな・・・・。
けなしてばっかりもアレなので、面白かった所。
流石に、ガーゼィの翼が飛んだところは力が入っていて面白かった。
でも、本来の富野アニメなら、もっと速く動かせてもっと高く飛べるはずだと言うフラストレーションも在り。
ミ・フェラリオの羽根の付け根のアップが虫っぽくて油っぽくて気持ち悪くてリアルでなんともいえない。
あと、富野インタビューはやはり外せない所。
しかし、鍼治療を始めた頃だからか、身体性にすがりすぎていて、都会生活者なのにジャングルの中で体を鍛えればいいんだ!と言う風に出来もしないバーチャルな感じのフィルムになってて残念。
キンゲではシベリアまで言ったのはよかったな。
最近の富野は学者の先生と対談した中で、「ジャングルの中でもうつ病は在るし、そのせいでシャーマンが必要だし、都会のうつ病などまだ軽い方だ」という、自然礼賛だけではない見地を手に入れておられてイエスだね。
やっぱり、なんだかんだ言って面白い富野のほうが好きだわ。
と、言う訳で明日はTSUTAYAでガーゼィの2巻を借りてみようと思う。