玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

ブレンパワード第10話「プレートの誘惑」

ブレンパワード 第10話 プレートの誘惑(B-ch)

で、前回に引き続き、ジョナサンがカッコよすぎる。
どういうところがカッコいいのかというと、ジョナサンは戦闘で勇に負けた後、前回でノヴィス・ノアに行って自爆テロの恫喝という、かなり下っ端のやるような事をやり、それを失敗したばかりか、敵の前で母親に対するトラウマをぶちまけると言うかなり格好の悪い事をした。
それで、僕はジョナサンは戦いに負けたから降格されたのかなあ?と思ったわけですが、今回オルファンの基地に戻ったジョナサンは自信満々で「ノヴィス・ノアはビー・プレートの存在も知りませんでした。恐れることはありませんよ」
すげえ。
これは、あきまんさんの語るような、シャア・アズナブルの魅力とも重なる。
アムロガンダムに大気圏突入を許しながらもガルマの勢力圏にホワイトベースを追い込んだ事で、その敗戦をプラスマイナスゼロにしたり、アムロに戦いで負けつづけていてもちゃっかりとジャブローの入り口を見つけたりララァエルメスで戦果を上げたりして軍の中では出世していく。
戦闘ではアムロに負けてアムロを誉めるのだが、シャア自身も高い地位をキープすするので主人公を誉める説得力もキープすると。
で、ジョナサンも勇に負けたからダメかな?と視聴者に思わせても、オルファンの中では上司に失敗を失敗とも思わせない言動で自身をアピールして、上司の内輪もめを誘ったりして下克上を狙ったりと言う。
ジェリド・メサも野心家だったが、ジェリドよりも出世しそう。振る舞いが大物っぽい。
クロノクル・アシャーは普通に出世していたが、渡辺久美子カテジナ・ルースに振り回されてしまった。
ジョナサンはナベクミのクインシィを「あの女はますます抗体化が進んでいる。心底俺のものにしたら、伊佐未夫妻を抹殺させて、オルファンは俺のものだ」 と言う風に見ている。ジョナサンの女に対する憎しみは悪すぎるのだが、イケメンだし、痛快でもある。
悪役として、ジョナサンがどれほどの位置になって、勇のライバルとしてどういう風に勇の魅力を高めてくれるかな?と楽しみなのである。
しかし、事実としてかなり序盤でグランチャーでブレンに負けているので、やっぱりロボットアニメなんだから戦闘でももうちょっと脅威になって欲しいなあ。ゲルググみたいな新メカは出るのか?
それからジョナサンは何で乳首をいじるような珍妙なポーズをしているのだろうか?ビーバーか。



で、今回の主役、アノーア艦長である。
ジョナサンがカッコいいとこないだ書いたが、カッコいいジョナサンに全否定された結果、この有り様。これが怖いので、僕はなかなか親を否定し切れんのだ。
この人の心の動きと言うのは一直線ではないし、若造の男の僕にはわかりかねるのだが。実在感のある動きだったと思う。
「そりゃ、アノーア艦長が息子さんのことで悩んでいたからってその事と行方不明になった事とは関係がない。あたしが出会ったのと質が違うプレートは回収したほうがいいって艦長は判断したのよ。それが冷静さを失わせて、プレートにのみ込まれた。とっても残念・・・」という比瑪の述懐が正しいのだろうと思う。単純に息子のせいで気が狂ったとか言う問題で片が付けられるほど人間と言うのは簡単なものだとは思いたくない。
プレートを回収しようとするときの艦長のパワフルさはスタートレックヴォイジャーのジェインウェイ艦長みたいで強そうだった。しかし、オーガニックプレートと言う不思議物体には敵わなかったと言う事だ。
ちなみに、小説版によるとプレートが人間のオーガニックエナジィに惹かれると言うのの逆で、アノーア艦長はプレートに誘惑されたのだと言う事。
それは現象として納得できるし、プレートと人間の関係を色々連想させてくれて面白い。やっぱり、ルドルフ・シュタイナーが言うように人間は肉体とエーテル体とアストラル体と自我をもった霊的存在だから特別なオーガニックエナジィが出るのか?とか。
それが、画面上とセリフの上ではママンの母性の暴走と言う風にしか見えなかったのは残念。しかし、プレートの挙動は充分不思議だったし、艦長も一番見たい幻影を見て誘惑されたら、ああ言うセリフを吐くだろうという気もするし、インパクトが大事だったのかもしれない。ただ、あと1カットだけでもプレートがどこに行ったのかと言う描写があれば判りやすかったのではないかと思う。
あ、でも、連続アニメなんだから、そういう風に不安を煽ると言う手法も大事なのか。ユウブレンも脱力してしまっていたし。
でも、一番嫌なのは艦長がただ単に電波女だと言う風に見られはしないかということで。



個別ツッコミ
勇と比瑪のレクリエーションが楽しい。勇はカミーユっぽいんだが、宇都宮比瑪の頭の回転のよさと包容力とマンコ力というべき女性の魅力がTV版のファ・ユイリィとは段違いなので、(劇場版のファはオッパイ力が!)勇を受け止めてくれていて楽しい。安心感があるのかな?
勇 「だからって艦長を、疑うような口ぶりはよくないな」
比瑪 「疑うんじゃなくって!」
勇 「他人が信じられないようじゃ、ここもオルファンと同じになったな」
比瑪 「ノヴィス・ノアはいいところよ」
勇 「いいところで陰口叩くのか?」
比瑪 「殴るわよ!」
勇 「キスするぞ!」
比瑪 「うう、汚らわしいやつ!」
アイリーン 「仲良くなったのね?」
勇 「まさか」
こういう漫才のような心のすり合わせで、起きてしまった事件に対して心を落ち着けていこうという態度や雰囲気はとても良い。TVZガンダムとはちがって、主人公以外の大人のキャラクターも主人公を見守る態度を取ってくれるのがイイナ。アイリーンだけでなくラッセやゲイブリッジが勇に声をかけるのとか。ノヴィス・ノアの人は結構おせっかいなんだな。それでいていやらしさがないのは、人に寄り添いたいと言う人の本能が自然に描かれているからか。
それでいて、作品のストーリーを進める情報の説明セリフも兼ねているのだから素晴らしいな。


主人公だけでなく、カナンとヒギンズのやり取りとかも温かみがあって、人間関係の幅が非常に厚い。
ヒギンズ 「あなた、さっきラッセと一緒にいたでしょ?」
カナン 「え?…ええ」
ヒギンズ 「ああいうあなたなら信頼出来るわ。孤独じゃない女は、強いもの」
でも、これって、裏を返すと孤独になってしまった女は酷くもろいと言う連想にもなっていて、それがアノーア艦長を暗示してたりして、上手いなあ。
女の人って言うのは本来的に男よりも強い意思を持っているものだと思うんだが、どうして男や息子を求めるんだろうね?アノーア艦長のようにしっかりした人でも崩壊してしまったし。
女が一人で自立してくれたら僕のようなダメ男もとても楽なんだがナ。
まあ、脳内妹と寄り添い合いたいという気持ちは捨てきれない僕ですが。


レイト艦長が潜水艦キメリエスのブリッジで、イスではなくイスの肘掛に腰掛けているのは彼のフットワークの軽さを象徴しているようで、アニメっぽくない良い演技。


恋敵に殴られる覚悟をしていると言う伊佐未研作博士は、去勢された父親かと思っていたら、なかなかどうして魅力的な人物かもしれない。