玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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「正体を見る」は、それほど評価の高い作品ではないが、

企画の売り物であったCGというものは、10年以上経ってしまうと売り物にもならなくなるのだが。
じっくり見て見ると、やはり味わい深い。
まず、主人公が少年でもなく、超能力者でもない、おっさんと言う所が富野作品においては特異。
一応野望を持った忍者ではあるが、その技はさらに優れた技とさらに大きな器量によって挫折させられる運命である。人の分を知らせるというか。
そこら辺が、ジェリドとかギュネイとかカテジナとかの足元のふらついた野望を持った人にも通じていて興味深い。
そして、そのようなものに対する突き放したような視点、突き放しつつも生々しさを持った雰囲気が、エッセイに収録されている富野由悠季監督が若いころに書いた短編小説のような匂いを感じさせる。
富野が脚本と演出をした短編であるので、富野の個性がにじみ出ていると言う事に気付かされる。
もちろん、予算的にも、ストーリーのスケール的にも他の富野作品とは比べるべくもないが、侮れない作品ではあります。鬱病の最中なのにねえ。
まあ、クロスボーンガンダムを作れた富野なのだし、それはすごい。長谷川裕一先生