玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ブレンパワード17「カーテンの向こうで」

ブレンパワード 第17話 カーテンの向こうで(B-ch)

1.ま、まさかの人類補完計画
ブレンパワード学園編!と思いきや、夢落ち。17話にして、ブレンパワードエヴァンゲリオンTV版を超えた。っていうか、丸ぱくり?
学園アニメの夢を見て、僕には別の可能性もあるんだ!と言うシンジ君14歳と、優しいお姉さんと暖かい家族とちゃんとした学歴の夢を見て、変な夢を見たなあというだけの伊佐未勇17歳。この差は大きいなあ。
ウッソとカテジナくらい。


2.変なグランチャー登場!
なんじゃこりゃああああああああああああああ!
でかいし白いし、寄生獣だし、ビーム撃ちまくるし、ジョナサンだし、逝けよや!
うひゃー!
ジョナサンパワーアップしすぎ。
こえー!
17話だし、新しい敵も出るか。話の縦筋的には、オルファンが膠着してるのを打開する何かが欲しい。
あと、バロンズゥの目もブレンと同じなんだな。うーん。重田さんはグランチャーの目をサングラスにしたのは失敗と言う。やぱし、統一した方が良かったんだろーか?
ところで、永野護ブレンパワードトミノともめたからFSSのスペシャルサンクスから富野由悠季が外れたって聞いたけど、こんなに素晴らしい仕事をしてるんだから、そんなにもめたという感じはしないのになあ。
アンチボディのデザインはすごくカッコいいけどなあ。
∀の足がパクられたというレベルだったらヘボイ。


んで、ユウ・ブレンがビックリするほどボコボコに。
ブレンパワードモビルスーツのように、破壊されてもパーツを交換したらいいと言うものではないので、今までダメージを受ける事はほとんどなかったのだが。
腕も耳もちぎれた。うわあああああ。
ブレンは可愛い分、かわいそう過ぎる。


3.変な仮面登場!
うっわー。変な仮面!っていうか、そもそも仮面でボイスチェンジャーと言う時点で変すぎる。社会人として。
ブレンも富野作品なんだな。仮面は出る。
ダンバインの黒騎士よりは巧妙に化けていると思うのだが、実は、9年後に視聴する弱みで、もう、僕はこの人の正体を知ってしまっているのよね・・・。
新鮮な驚きを得られないのは残念だ。
だが、充分に変だ。コイツ。変だなあ。このバロンコスプレセットもバロンズゥのプレートからリバイバルしたのだろうか?変なスケートボードとかも。
まさか自作?
とりあえず、バロン・マクシミリアンとジョナサン・グレーンの関係は父と子という関係を取り戻そうとしている感じで、トランスセクシュアルだなあ。
ああ、男になりたかったんだ男爵だし。
まあ、出来る女にとって男とは無能なだけだからなあ。実際、父親不在の家庭って言うのも、普通にあるし。
しかし、あれだ。やっぱり、親のためよりは惚れた女のためって言う方が人間らしいと思う。主人公側だし。


あと、ちょっとトッド・ギネスが飛ばされたあたりを思い出した。
ジェリドが入院したのもちょっと思い出した。
でも、ジョナサンのパワーアップぶりは異常。今まで、ブレンとグランチャーの性能差はほとんどなかった所に、反則だろ。
ザクと戦闘機で膠着状態になってたところに、敵がガンダムを持ち出したような。
ちなみに、ジョナサン・グランチャーはバイタル・ネットに飛ばされたショックで硬化して死んだ。
ユウ・グランチャーはどうしてるんだ?


4.謎の美女登場!
前回のナッキィが比瑪との関係をかき回し、ネリー・キムという女と絡む事で勇も男として成長する言うつくりか。恋愛ドラマの王道だな。
はてさて、どんなケミストリーが?
あと、ジョナサンも翠と依衣子を食ったあとで、バロンと絡む事でまた関係がおもしろくなるんだろうな。
そうすると、クインシィ・イッサーがどこに飛ばされたのかが気になる。オルファンに帰ったのか?姉さんはどうなるんだろう?一人だと寂しくないか?



で、ネリーだが。かなり変わった女だと思う。
キムというのはアジア系なのだが、ここは北欧だ。未来だから混血してるのかな?そこら辺も不思議な雰囲気。
「ごらんの通りの女です」「飛びませ!」なんて、普通の女は言いませんし。
でも、女性視聴者の意見として、
http://members.at.infoseek.co.jp/toumyoujisourin/mrv.htm
善良な婦女子さんが「ネリーが出たあたりから面白くなってきた」とおっしゃる。
おれは、今までもブレンパワードは充分面白くて、富野作品の中で一番好きかも知れなくて、自分の宝物にしたくなって、DVD購入を決めたのだが。
これからもっとおもしろくなるのか!!!!!!
逆に、ちゃんと理論だててアニメを見る人にとっては、ブレンは理屈の言い合いに見えて、おもろないようだ。
うーん。僕としては、過剰に理屈を重ねた所から垣間見れる情念のような物がすきなんですけどね。その、理屈を吐くにはそれなりの感情が必要ですから。
好き好きかなあ。
ブレンって、個人的に好きに成れる作品だから、個人的資質も面白さに影響するっぽいし。
僕はとても個人的に面白い。
で、「富野作品は子供向けじゃない」「子供を相手にしてない」とよく言われるんだが。ガンダムとか、子供には分かりかねる設定とか演技があったりするし。
でも、大人も相手にしてないよな。
その、確実に「ガンダムが社会的にブームなので、ビジネスツールとしてみておいた方が良いんじゃないだろうか」という人は確実に相手にしていない。
じゃあ、誰を相手にしてるかというと、オレ。
だって、オレ、富野作品は全部今まで面白かったぞ!ガーゼィも小説はそれなりだったし。
たぶん、トミノはオレのためにアニメを作っている。間違いない。
そうじゃなければ、オレの誕生日をキングゲイナーの日に制定したりはしない。


で、ネリー・キムだが。ハリー・キムに似ているが、すごく好きになれそうな女だ。
現代日本を舞台にしたフィクションを見ると、男も女もだらしがないのだが、富野作品はある意味富野世界の時代劇なので、過酷な時代の女のしなやかな強さの感じが、大河ドラマのような感じで愛せる。言葉使いもしっかりしすぎているし。
ちょっとナウシカみたいだけど。神懸かりっぽい所が。まあ、ナウシカもかなり好きな部分もあるので、いいか。よくわからんところもあるが。


っていうか、ユウも酷いよな!
異境の地で、「オレの知ってる女に似ている」って、どんな口説き方だよ。Vガンダム外伝のカムイかよ。
伊佐未勇は自分がイケメンだとわかってるし、女の子に平気でキスをするような男だ。ネリー!寝床をともにして良いのか!
まあ、勇はいい奴だから寝てもいいけどな!
で、離れたところで他の女に比瑪の話をする事で、かえって比瑪への思いを強める!ああ、恋愛映画だなあ。


5.謎のバイタル・ネット
結界とか、新しいアンチボディと乗り手が集められるとか。オルファンの意思か?
ここら辺はすごくファンタジーなにおいがする。ダンセイニとかと同じような。
その、ライトノベルとかのような「〜とよばれる能力を使うウンヌン」というファンタジーじゃなくて、その、「太刀打ちできないおおきなもの」をあつかうファンタジーのような匂いと言うか・・・。∀ガンダムの再見に先駆けて、金枝篇を買って見ようか?3000円もするが・・・。


6.ぼくらの批判
「ブレンとグランチャーとオルファンを見てると、それに生物までの関わりを見ると、一方的に一方のエネルギーを吸い取る関係には見えないんですよね」
なるほど、生物というものの係わり合いか。
まあ、ぼくらのはまた違った所を狙っているんだが、好き嫌いで言うとブレンの方が好きです。
オルファンと言う物はどんな物なんだろうな。
そこら辺が、ちょっと前のカント君が光る花を見つけたあたりから伏線になっている。
ブレンパワードのラストはご都合主義だと黒トミノ好きの人からネットでよく聞くので、僕はちょっと恐る恐るなのですが、一応、救いが在るような伏線はあるにはあるんだよね。
ただ、「子供の思いが世界を救った」というのは、・・・。
ウルトラマンティガの最後で、それまで割とリアルだったティガの雰囲気とはいきなり変わった感じがして、素直に感動できなかったんだが・・・。まあ、再放送を見たりすると、ティガはアレでいいか、と言う気にもなってきたんだが。イルマ隊長好きだし。レナ隊員もティガの中に入ったところとかは良かったし。ただ、光と闇と言う風に分けるのは余り好きじゃないんだよなあ。
まあ、ウルトラマンはそれが芸風だからいいんだけど。
富野はどうか?


7.アメリカ


歴史の無いアメリカという国はあらゆる歴史的な物を手に入れたいのです。その様な衝動に駆られてしまう者を押さえるのは実に難しい事です。

富野らしいものの見方だなあ。昨日、富野と佐高信との対談を読んだのだが、トミノはそんじょそこらの学者や政治家よりもよっぽど立派だ。21世紀に現存する哲学者の一人だ。
なんで、そういう見識のある人が上に立たないで政治に出ないでアニメ屋なんかをずっとやってるのかというと、俺を楽しませるためなのだが。
富野の志を受け継いだ政治家はいないものか?
っていうか、富野の対談を見ると、世界には大人をやっている人がほとんど居ないように感じるなあ。ダメ人間ばっかり。エゴイストばっかり。
http://d.hatena.ne.jp/psb1981/20070603/1180856547
右翼政治家が愛国心イデオロギー中心の政治をするって富野と佐高は言うのだが、それも、イデオロギーを本当に信じていると言うよりは、その方が自分という個体の生存に都合がいいからでしかないんだよね。結局、アメリカからの年次改革要望書をこなすだけのための隠れ蓑でしかない愛国心。アメリカのヤクザじみたやり方に、個体として痛がりで怖がっているだけなんだ。
そして、アメリカも経済界の現在の利益の数字を押し上げるためだけ。
そういう汚さを「清濁併せ呑む」大人と言うなら、俺は大人というものの存在を認めない!
富野の言う大人と言うのは、もっと、世代を引き継げる人のことだと思うんだ。
引き継げるほどの物を獲得できるか?それが少年のときにやっておかないといけないことなんだよなあ。
で、ガンダムエースの「教えてください、富野です」を読むと、大人がほとんど居ない世界の絶望感を味わいますが、その中で大人をやろうとしている人を呼んで(たまに取材の方が優先だったりもしますが)、富野が大人になるやり方をガンダム世代に伝えようとしている感じもします。
でも、大人をやるよりはエゴイストをやった方が楽なんですけどね。
ヤクザにマジで襲われてらっしゃる!そういう、個体としての怖れを捨てられるかどうかなんだ。
それが、女を孕ませた後の男にやる事なんじゃないかと思うのだが、だからこそ女を孕ませるのが怖いと言う。