玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ガンダム001話「ソレスタルビーイング」と電脳コイル「黒い訪問者」

機動戦士ガンダム00見ました。
なんだか、ダンドリズムなワンダバのペースがナローで落ち着いた印象を受けました。
富野ガンダムの1話だったらもっと勢いがあって早口でバーっと言って世界観が広くて見えなくてカタルシスもあるんだけどなあ。
俺が富野のペースになれすぎか。普通はこれくらいの薄さか。
ソレスタルビーイング達が作戦をこなす話と、アニメ制作側が1話でしなければならないことをこなす段取りが混同されていた感じ。
うーん。ガンダムたちやメカニックや名場面のシークエンスは結構カッコよかったんだけど、そのつなぎや全体のテンションが落ち着いていて、燃え切らなかった印象です。
それは、音楽の使い方の問題も大きかったと思います。
宗教音楽的な低音のコーラスがメインで使われていたので、荘厳な印象を好む人や大人ぶった人や、カッコつけの中高生にはアニメを超えた高尚な作品と言う印象を与えるのが目的ならば、充分にそれは良いのですが、僕はなんだか興奮できませんでしたです。ウーン。
渡辺岳夫の音楽ってもっとエモーショナルだったじゃないですかー。
ああいうコーラス音楽で色使いの派手な服装のキャラクターを使うのであれば、もっとオペラのような音楽と画面のシンクロで盛り上げて欲しかったなあ。


逆に、その直後に見た電脳コイルの方がパーカッション、シンセボイス、ドラムの使い方が上手くて緊迫感や恐ろしさや疾走感を表現できていたと思います。すっごいドキドキしました。
キョウコが戻って来れて本当に良かったけど、まだまだ大ピンチです。でんすけがNHKアニメらしく頑張った。すげーがんばった。
視聴者の感動(というか鑑賞による精神状態の動揺)は作中事件の規模とはあまり関係がないのだな。


主題歌もサビのリズムや歌詞はいいのだが、メロ部分がごちゃごちゃしててテンションが低くて乗りにくいオープニングですね。
戦争を歌ったような歌だが。
マジメに言論主張を解くようなフィルムを見せられても楽しくないし、アニメで戦争を勉強するくらいなら図書館に行きたい。
まあ、ボクもトミノ作品を見て、富野作品には世界の真実があるのではないかと思っていた時期がありました。
だが、世界の真実は当に世界にしかないのであり、また作品も世界の一部であるのは自明であるのだから、肩肘張って作品を通じて真実を伝えたり、アニメで物を知ったつもりになると言う姿勢は物語世界の中で生きているキャラクター様を家畜にすることなので、それは人がキャラクターに一番やってはいけないことです。
作り手としては世界の真実を己の血肉となるまで取材し勉強した上で構築した真実を内包した作品世界舞台の上で、キャラクター様の命を極限まで育てて咲かせて刈り取ったり燃やしたりするのが美しいと思うのですよ。

  • 個々の感想です。

メカニックはそれぞれの機能的な思想が明確で、部品の固まりと言う感じが出ていて、ミード後やP2(ASIMO?)後のデザインとしてはそれなりにカッコよかったです。
AEUイナクトのコックピットがパイロットにやさしいと言うのが良く分かってよかった。
パトリック・コーラサワーは典型的な人だなあ!そっちの坊やの方がよっぽど人間が出来ている。
キャラクターはがゆんだからか、女性キャラクターは皆見分けが付かないので頑張って髪型を覚えようと思った。おっぱいは皆大きくて良いですねー。
がゆんだからか、男の子の方が頑張ってバリエーションをつけていたような感じですね。みんな変態っぽいですねー。
でも、シャア・アズナブルほど突出した変態はあんまりいなさそうですねー。
やっぱり脇役の書き方はおざなりですねー。皆同じ顔ですねー。クローンかよ。
あと、人種間の対立をテーマにしているっぽい割に、キャラクターの人種的な書き分けが全く分からない。名前もグチャグチャだし。刹那・F・セイエイって何人だよ。クルジア共和国ってなんだよ。
ガンダムシリーズは宇宙時代だし伝統的に混血が進んでいたのだが、今作は地球にへばりついた国同士の戦いなのだから、そこら辺はちゃんとしろよ。
いや、髪の色とか肌の色とか、そういうことじゃなくって、何となくの眼窩の深さや鼻の大きさや肌のきめとかまつげとか頭蓋骨の形とか、そういう基本的なところが高河ゆんには荷が重かったのかもしれん。
でも、キャラクターを人間ではなく、アニメを彩る商品と冷徹に見た場合は良いデザインです。皮肉です。


刹那役の宮野真守は「16歳にしては幼く見える」という設定を意識すると低いですけど、見た感じは普通。
絶望先生神谷浩史さんは女っぽいティエリア・アーデの割に声は落ち着いて男らしかったけど、それがまたホモ臭いんだろうなー。ガンダムになってた男がガンダムに乗れるようになってよかったね。



ガンダムエクシアガンダムデュナメスガンダムキュリオスガンダムヴァーチェが2マンセルで前衛と後衛を連携して戦うのが、ガンダムWのオペレーションメテオよりはよっぽどちゃんとしていた。
でも、ガンダムWほどのテロのインパクトはなかったな。むしろ、戦争の予兆レベルでの芽を摘み取っただけなので、デーハーさは薄い。
災害ではなく武装に対して行動する国際救助隊サンダーバードなんだろうか?
でも、「人類は今だに争いを止められなかった云々」というが、3大組織は対立はしていても表面的に戦争はしていないで、散発的なテロがある程度のようだ。これも、ソレスタルビーイングの迫力を薄めてるなあ。
大国に宣戦布告したというよりは面子を傷つけたって言う程度だからなあ。


っていうか、一番の見所はファースト(?)ガンダム様の無敵ッぷりで他のガンダムどもはソレのコピーに過ぎないっぽいのでやっぱりガンダム様は偉大なんだよなあ〜。
ガンダムつええええええ!
あー、早く本物のガンダムでないかなあ〜
新作でファーストガンダムの偉大さを再確認しました。
これが新作の存在意義だとしたら作ってる人には辛いかもしれんが、それが新作の勤めであり富野の野望なので、失踪しないように頑張ってくださいね。


おはり。