玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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イデオンの血、コードギアスの血

もちろん、全て憶えているわけじゃないから、印象論ですし。
眠いし。
イデオンのときと今のテレビ局や映倫の規制の違いって言う物も在るでしょうし。
で、グロいグロいと言われていた伝説巨神イデオン発動篇を見たんですけど、結構上品だと思いました。僕は。
テレビ版でもリンの屍骸から血が出ませんでしたし。
子どもが撃たれたり、頭が吹っ飛んだり、上半身だけになったり、顔面を打ち抜かれたりするんですけど、血はほとんど出ませんし、屍骸は一瞬に留めるか、ちゃんと毛布やひび割れで隠したりしてて、見せない配慮、というか見せないことでの異質感を表現していたと思います。
というか、「死体というものは絵であっても見るのは辛い、正視に耐えない物なんだ、だからなまじに描ける物ではない」という感覚があった。
と、同時に「描ける物ではないが、描かなくてはいけない」という面もあった。そのつりあいがああ言う映画になったと思う。

劇場版の戦闘シーンで首を飛ばしたときも、ブーブー言われたんです。コンテではただ撃たれちゃうだけだったんですよ。*1「湖川さん、なんて残酷なことするんですか!」って。でもね、だったら老人は殺してもよくて、赤ん坊はダメなの?命は同じでしょう?そういう話じゃないか、「イデオン」は。
イデオンという伝説、湖川友謙インタビュー)

いや、この頭が吹っ飛ぶシーンは、大評判なのでもっと衝撃的に描かれていると思っていたんですけど、見たら、結構一瞬で、むしろ、戦争してたら気付く間も無いかもしれないって言う間の出来事だった。
え?
こんなものだったのか?って意外でした。ビックリしたといってもいい。
で、それが戦場の厳しさ、って言うミリタリーな物というよりは、いきものっぽい感じがした。あの、高速道路で虫が潰れるような感じッていうか。
うーん。上手く言えんが。
その死を見たファードはかわいそうだった。ラポーも。


実際、僕はネットでよく頭の割れた死体の画像とかを見るんですけど、グロテスク、というよりは物っていう感じですね。で、人の顔と言う見慣れたものが、変形して物になっているっていうことで不安定な気持ちになります。
だから、「物になった」という事が示せたら、血や内臓の直接的描写は必要というわけでもないし、また、多用しすぎるとそこだけに注目されるほど重い物だとも思う。
でも、実際、発動篇って殺戮アニメとして語られてしまう事が多く、やっぱり死体って言うのは存在感が在る、取り扱いが難しい物だなあって思う。
ガンダムSEEDとかだと、トールは明らかに首が飛んだ後の方が存在感が在りましたからね。


また、絵だけではなく、キャラクターの動作としても「死体を見るのは辛い」という演出がなされていました。
じゃあ、なんでそれが辛いのかと言うと、単に「気持ちの悪いものだから」というのではなくて、「生きていたのに、生きていない、話してくれないものになったことが、気持ち悪くて、悲しい」からかなあ?
それをコスモのセリフで言われるととても悲しい。で、見せられない分、カララの顔のぐしゃぐしゃが想像できて、辛い。
肉と骨って結構柔らかいから、均衡が崩れると、粘度細工のように歪むもんなあ。
歪んだ物を見せられるからいやだ、って言うんじゃなくって、「綺麗だった人が・・・」ですよ。
やっぱりその、感情的というか思い出とつながった部分かなあ。

イデオンという伝説」1998年3/30富野由悠季インタビュー

    • 映画を作る事になったとき、当初考えられていた物より描写が過激になった部分と言うのはありますか?


富野 ないです。


富野 僕はテレビでやるんだったら、そういった具体的な死の場面は見せません。見せないけれども、殺します。殺す事に関しては、物語の流れとしてしょうがない。それはむしろ分かるようにしちゃいます。だからといって残酷な部分を見せない描き方が優しいかと言うと、それはウソですね。

とか、いろいろ言ってらっしゃる。


というわけで、イデオンって死ぬ割に思ったほど流血シーンは多くなくて意外でした。
レーザー銃って言う事も在るんだろうけど。


じゃあ、イデオンには流血シーンが無いのか、と言うと、そう言うわけでもなく、あった。
どういうんだ?と言えば、コスモが宇宙服の中を血まみれにしながら戦ったりとか、宇宙服に穴が開いたカミューラ・ランバンの流血とか、死ぬ直前のモエラが頭から血を流したりとか、ドバ総司令の鼻血とか、ドバに斬られて宇宙服の中で大出血しながら逃げ回ったジョリバとか、耳を吹っ飛ばされたまま戦うベスとか、
あとはやっぱりラストのコスモの散華かなあ?
むしろ、生きてる時、死ぬ前に流血するシーンの方が多い印象。
血があったかいんですよね。まだ。
っていうか、血って生き物ですしね。


で、コードギアスは死体の血は多いけど、生きてる奴が血を流すシーンってそんなに無いなーって思った。冷たい血。



あ、でもでも、2話で腹を撃たれたままのスザクがランスロットに乗っていたか。あと、マオも撃たれてたね。
C.C.もよく撃たれるし。
でも、そんなに痛そうじゃないんだよなー。
他に死ぬ人も割と即死っぽいし。
2話のスザクは絶対乗れないと思うくらいの撃たれ方なのに平気で動かしてたし。まー、ウザクは超人だからいいのか。
ジェレミアは大怪我したら改造されたし、ヴィレッタも流血と言うよりは記憶喪失だしなー。
コードギアス 反逆のルルーシュ最終回で流血したルルーシュが2期では元気でよかった。ルルーシュは頑張ったなあ。
ただ、ルルーシュの流血もアクセサリーっぽいんだよな。


超能力マンガと、普通の生き物マンガの違いですかねー?
まー、イデオンは人は普通だけど世界観がシュタイナーオカルティズムだからなあ。
富野監督自身は仏教、ヒンズー語、イスラム語で勉強したらしいが。同根ではある。


エヴァンゲリオン25話では、流血は死体で、死体が物になった感覚は目線を合わせないことで処理してたが、エヴァは元々目線を合わせないことで有名だし・・・。
うーん。
生きながら流血してたのはアスカとミサトですね。
やっぱり、存在感はその二人に重点が当たっていたんでしょうか?



僕が一番好きな流血沙汰は「いきなり初潮」かなあ?(爆
僕には絶対ありえないのに、人類の半数近くは経験してるって言うのが面白いですね。
あ、初潮よりも「いきなり」の方が重要です。
もっというと、「泣きっ面に初潮」くらいが。


なんかわけわからなくなってるな。私。

*1:「本当は頭はくだけるのだろうけど・・・」って絵コンテにトミーノの書き込みはあったが