玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動武闘伝Gガンダム39話「本当は残酷な石破天驚拳! 決闘マスター・アジア の話」

ホッテントリメーカーで作りました。http://pha22.net/hotentry/
本当は、「石破天驚拳! 決闘マスター・アジア」です。

http://jiyuunomegamihou.hp.infoseek.co.jp/dai-39-wa.html
ストーカー:さて、大変な事になってしまいました。 アルゴ、グラハム組対、ドモン、アレンビー組のタッグマッチは、ウォンの企みによって、大混乱の内に幕を閉じたのです。 そして、彼とマスター・アジアの間で生じ始めていた不協和音も、これで一挙に表面化しそうな雰囲気です。 果たして、両者の間に、何が起きるのか! それでは! ガンダムファイト! レディーゴー!!

っていう。


とりあえず、グラハムの手術は成功したが、ファイターとしては再起不能。しかし、因縁は晴れたのだから、それでよい。
アレンビーは行方不明!
ホルベイン博士は「ベルイマン博士がバーサーカーシステムを作動させたんだ!」っていうかと思ったら、

ホルベイン:違う! システムを作動させたのは我々ではない!

ドモン:んんーっ……

★ドモン:どういう事だっ!

ホルベイン:ゴホッゴホッゴホッ! 何者かが同じ装置で、アレンビーを操ったのだ!

レイン:なんですって!?

ホルベイン:アレンビーはシステムの開発者、ベルイマン博士と共に、行方不明になった…… 二人はシステムを作動させた何者かに、誘拐されたとしか考えられん!

っていう。一応、人間関係がこじれなくって良かった。悪い奴は別に居ます。
しかし、ウォンが悪いという事を知らないドモンは、アレンビーが失踪した責任をレインに押し付けて怒りまくる。
うわあああ!
ダメだな。
そこら辺のことを言うと、エロゲーやエロアニメにもたくさん出演しているウルベ少佐ことカミーユ・ビダンは女の扱いは上手かったな。
一人のヒロインの前ではなるべく他の女の話をしない。
フォウが地球で死んでも、宇宙ではけろっとしてサラやファとレクリエーションをするぜ。カミーユ


うーん。結晶大会に入ってからドモンは漢を上げまくって、序盤のころの暴れん坊ぶりからはグッと成長したと喜んでいたのだが・・・。
ちょっと女の子が居なくなったら、ホルベインの首は締める、レインは突き飛ばす、挙句に一人でどっか行く。
うわー!いきなり序盤のダメなドモンに!
修行が完成してシャッフルのリーダーとして自覚も出来たのに!やっぱりドモンは家族や友人などを急に奪われたらすぐに劇昂して周りが見えなくなって暴れまわる癖が治ってなかった!
困った事だ。
マスターも「お前はあの頃からまるで変わっておらん。目先の事にとらわれ、すぐに心を乱し、一番大切な事を見失う。」って言う。
ドモンが病院で暴れた事は、マスターは知らないが、ドモンのことは誰よりも理解しているのが東方不敗マスター・アジアだ!
そういうわけもあり、また、シュバルツ・ブルーダーとの戦いにドモンを勝利させるために、そして、病に倒れゆく自分の最終奥義を伝授するために、ドモン・カッシュに最後の修行をつけにやってきました!


しかし、

マスター・アジア:どういうつもりだぁっ! 危うくドモンを殺してしまう所だったではないか!

ウォン:我々の目的はより強いファイターを特定する事です。 ドモンが敗れたなら、彼を倒したファイターに標的を変更するだけの事ではありませんか?

マスター・アジア:ふんっ……お前に真の強さがわかると言うのか?

ウォン:あなたは必要以上にドモンに肩入れしている。 やはり師弟の縁は絶ちがたいと見えますな。

マスター・アジア:くだらん! 奴とワシは、かたき同士だ!

ウォン:ならば、残った最後のカードにも、反対はなさらないはずですね?

マスター・アジア:ふうん…… しかしこやつとドモンは共に全勝同士。どちらもバトルロイヤルへの進出は間違いなかろう。今さら対戦させても……

ウォン:だからこそ面白いんです。

マスター・アジア:だがシュバルツの正体が、もし奴に間違い無ければ…… 今のドモンに勝ち目はない……

このセリフだけ聞いてると、別にドモンがシュバルツ・ブルーダーに負けても損はないと思うんだけど。
決勝バトルロイヤルには出れるわけだし。
でも、ウォンはまた卑怯な爆弾デスマッチを仕掛けてくるわけだから、やっぱり奥義は必要だな。
 


んで、今回のメインスタッフは、

脚本志茂文彦 絵コンテ :須永司 絵コンテ :谷口悟朗 作画監督 :佐久間信一
なのですが。
谷口悟朗ですかね?
今回も何だか、9話の菜利戸奈亜子 回のような、危険なほどのアップの表情の多用が目立ちました。
今回は敵がガンダムヘッドであって、正式なガンダムファイトはなく、むしろ奥義伝授のためのドモンと師匠の人間ドラマがメインです。
ですから、アップを多用するのもメリハリとなって、漫然とした会話劇にならずにとてもよかった。
メリハリなので、当然、引きの構図も良かったな。
ドモンが脚をくじいた師匠より先に崖を上って、敵である師匠に紐を垂らす前、一瞬、師匠が俯瞰で写されて、すごく師匠が頼りない存在に見えて、それが、、、、、、、ッ!切ないッ!
と、見せかけて、師匠のパンチとドモンのキックの合わせ技で、地下から高層ビルを押し上げてぶっ飛ばして脱出!
そんなスケールのでかい引きの構図もあってメリハリだ!
ガンダムヘッドとの空中戦とか、風雲再起のモビルとレース変形とか!メカ的な見所も面白いな!
うーん。
谷口悟朗っていうか、やっぱりここら辺、3クール目の後半から終盤にかけてはここの演出家がどうこう、と言うよりは今川泰宏総監督!!!!って言う感じですねー。
ですが、単に好きな香港映画のパロディーをオタクっぽくやってるだけでは決して無くって、本気の人間ドラマになっているし、面白いロボットアニメだし、しっかりガンダムらしさもすごく濃いぜ!
うーん!Gガンダム面白い。


今回もバッチリ鳥肌が立ちましたね!


人間ドラマとしては!
アレンビー・ビアズリーの失踪によって、修行が全部チャラになるくらい最初のダメ人間に戻ったドモンが、東方不敗と崩れかけた地下道を徒歩でゆっくり歩きながら、だんだんと、少しずつ、師匠に対する敵意を消していき、師匠もドモンへの優しさを見せ始める。
最初、師匠はドモンに命がけの決闘を挑むつもりだったと思う。そこで、最終奥義を伝授するつもりだったのだろう。
だが、ガンダムヘッドによる妨害で地下へ!
ガンダムも出せず、戦うことも出来ないまま、二人は歩く。
歩くことで、二人の間の距離が、縮まっていく・・・。
二人とも不器用すぎるが、このゆっくり感の自然な感じが、すごくいい!ゆっくり修行していってね!
その間に、師匠の怪我を労わったり、昔の思い出を回想したり、最終奥義、石破天驚拳を披露されたり、していく。
ドモンも「東方不敗!」から「師匠・・・(キュン)」と言う風に呼び方が自然に変わるのだ。
うわあああああっ!
ガンダムWよりも断然萌えますね!
いや、ガンダムWは直接的な表現が無いから同人人気が出たんですかね?ガンダムWは持って回ってますからね。


そう、師匠との二人の時間を過ごせば、それはギアナ高地での修行の勘を取り戻すのに十分な濃密な時間であったのだ!!!
そして、ついに、ドモン・カッシュは身につけた!
流派東方不敗、最終奥義、石破天驚拳を!!!
ゴッドガンダムの汎用性はすごく高いですね!


ガンダムらしさとしては!
師匠に見せられた、「人類の黄昏の光景」!!!

マスター・アジア:よく見ておけドモン。 地球上で最大の繁栄にわく街。そのもう一つの顔がこれだ。世界中、どこもかしくも破滅は確実にせまっている。 しかし人々は、それに目をそむけ知ろうともせず、ガンダムファイトに浮かれている。 人間とはつくづく救いがたい生き物だとは思わんか? 人間など、もはやこの地球には無用の存在! 

うわ!シャア・アズナブルだ。
このセリフに被せて廃墟の寺の弥勒菩薩が映るのは、非常に象徴的。

浄土信仰に類した上生信仰に対して、下生信仰の方は、弥勒下生に合わせて現世を変革しなければならないという終末論、救世主待望論的な要素が強い。そのため、反体制の集団に利用される、あるいは、下生信仰の集団が反体制化する、という例が、各時代に数多く見られる。北魏の大乗の乱や、北宋南宋・元・明・清の白蓮教が、その代表である。


日本でも戦国時代に、弥勒仏がこの世に出現するという信仰が流行し、ユートピアである「弥勒仏の世」の現世への出現が期待された。一種のメシアニズムであるが、弥勒を穀霊とし、弥勒の世を稲の豊熟した平和な世界であるとする農耕民族的観念が強い。この観念を軸とし、東方海上から弥勒船の到来するという信仰が、弥勒踊りなどの形で太平洋沿岸部に展開した。江戸期には富士信仰とも融合し、元禄年間に富士講の行者、食行身禄が活動している。また百姓一揆、特に世直し一揆の中に、弥勒思想の強い影響があることが指摘されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A5%E5%8B%92%E8%8F%A9%E8%96%A9

弥勒菩薩は、未来への希望でもあり、現在に対する絶望でもある。
このアイディアはスゴイなー!谷口悟朗さんですかね?さり気なく、メッセージが強い。


別のシーンでは地平線まで広がる焼け野原にひび割れたマリア像、累々たる十字架、焼けたぬいぐるみ・・・。
これは、日本人が見ると、香港の光景と言うよりは原爆投下後の長崎に似て見える。
全く説明は無いが、核兵器を連想させる。Gガンダムのアニメ作中においては核兵器に関する言及は全く無いのだが、ここで、風景描写として、「確実に核戦争後の世界なのだ」という暗喩を植え付ける手法は、熱血スーパーロボットアニメと見せかけて、非常にハードな反戦アニメ。あまりにもガンダム
確かに、!今川泰宏富野由悠季の弟子じゃああああああっ!!!!!
受け継がれていますぞ!ししょおおおおおおおっ!
しかも、核兵器そのものを出さずに反核の雰囲気を作ると言うのは、トミノ以上に技量が高いのかも知れん・・・。
「今更ロボの原子力が怖いって言うんですか!?」
とか言わせる監督でもある!


で、マスター・アジアは確実にシャア・アズナブルの系列の純粋人類破壊主義者なのだが。
ドモン・カッシュカミーユと違って、完璧に師匠に立ち向かって戦うのだよなあ。そこらへんは作風が違うな。
カミーユとクワトロのすれ違いも泣けるんですけどね。最後はすれ違いっぱなしだからなあ。それがカミーユの優しさかもしれんが。


うーん。Gガンダムガンダムじゃないなんて言った奴は表へ出ろ!相手になってやる!
サンライズが本気で作ったガンダムはなあああっ!
ガンダムなんだよっ!



と、そんな感じでドモンは明鏡止水の境地を取り戻し、更に大きな男に成ったのだが、レインは突き飛ばされたまま、それを知らない。
レインはドモンは一人の方がいいのかも・・・って思って辞表を提出して失踪!
どうなってしまうのか!


こういう風に、一つの話のテーマにしっかりと決着をつけた上で、もう一つ以上の要素で次回に繋げると言うのはすごく面白い。ナイスだ!