玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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劇場版∀ガンダムI 地球光

幸せ気分なガンダムです。テレビ版を再見する途中ですんで、軽く書きます。(←信憑性がない物言い)
富野由悠季監督は劇場版ターンAガンダムガンダムファン以外の人にターンエーガンダムを紹介するためにまとめたって言う。そういうわけで、ターンエーガンダム劇場版はテレビ版を9年ぶりに再見する前に見てみると、そう言う気分が味わえるのではないかな?と、期して見た。
テレビ版を見終わった直後に劇場版を見ると、あそこが違うだのと言うせせこましい見方をしそうでもあるし。
それに、実生活に注力するにはしばらくテレビ版は見ておれないかも知れんし。
夏至にあわせて序盤の4話までは見ましたけど。そんな感じ。


で、おもしろかったですよー。
いやー、見てよかった。興行収入的にはさびしいし、あまり良い噂を聞いていなかった。
僕自身も映画公開時は酷い精神状態でガンダムを見る資格もないと思い込んでいて見れませんでした。
今は資格云々よりも生きるためにはガンダムを見なければいけないし、この4年で黒歴史を修めましたので、ビデオをレンタルする資格程度はあるでしょう。と。
うむ。見てよかった。
そーいう風に黒歴史を思い出していく映画です。黒の歴史は一度忘れなければいけないのだが、ガンダムと共に癒されれば、受容できるものとして傍らにおけるのではないだろうか。


まー、それはそれとして。


色々と映画的にダメだという事をよく聞いていたので、不安だったのだが。反面富野監督は自画自賛するし。しかし監督が誉めるのはマーケティング的な要請で、自画自賛するというときはつまらんのかもしれん。
いや、おもしろかった。


流石に、序盤の4話は噂に違わぬ超スピード編集で、なんと言うことかと思いました。一話分が約6分ですから。4倍。
でも、速い所は速いんだけど、ゆったりした所はゆったりして緩急がついてる、な。と。
その、あれだ。政治的戦闘的な事件が動く所はかなり速い。ですけど、感覚的感情的な芝居は逆にテレビ版よりも増えてる。
例を一つあげますと、前回、テレビ版3話ロランが涙を流す描写が、テレビ版だといきなり泣いてて忙しいと書きました。が、微妙に書き直されて涙がゆっくり出て良かったです。ここのシーンの作画はテレビ版の絵を使ってるんですが、微妙な所に手を入れてますね。微妙に。
まー、ここはテレビ版が荒れすぎたんですが。
他にも微妙なところで芝居が増えたり。
ポゥ・エイジが禁固刑になるかどうかというところも「メガ粒子砲は使用禁止だった。敵モビルスーツから逃げた」事が罪状だと追加されてました。わかりにくい所は補完されてるな。
イルの長老が矢をつがえる音が追加されてたり。
他に、ハリーが「少尉に優しいんだな」等と言いながら登場したりとか。設定よりも人間関係を補完してるような?
(ほら、違いを気にして書いてる)


で、4話以降の未見の部分を、いきなり映画版でザーっと見たらわかるかどうか若干不安でありましたが。
いやー、おもしろかったです。
細かい展開を気にするとわからんのですが。ロランが宇宙人だとばれるタイミングがわかんないし。(ソシエさんが気付いたって言うのでよいのか?)事件の因果関係的な整合性は、あんまりない。
が、なんとなくおもしろかったです。
っていうか、まあ、ぶっちゃけていうと、ディアナ様が可愛かったし、みんなかわいかったので、それでいいかなーって。テレビ版を見たときには色んなキャラクターに対する印象が定まらなくって混乱してたけど、九年ぶりに見るとみんなかわいくてがんばってるからいとおしいなー。
殺し合いをしてるんですけどね。
うーん?
推理小説的な、これをああしたからどう、という歯車はあまりしっかりしてないんですが、なんとなくの気分は好かったです。緩いんだな。
戦争や建国やディアナ暗殺事件とかとりかえばや物語など、色々と全体を通じる気分がふわっとしているというか。一つ一つの事件のエピソードの起承転結は閉じていないんだが、全体的にはなんとなく絵になって見えるというような・・・?
まあ、名作のあらすじだけをまとめた本もあるし、そーいうナントナクの感じは一般的にわかりやすいかと言うと、わかりにくいと思う。でも、個々のシーンがわかりやすいと言うより全体的なうねりになってるのが映画版なんだろうか。




まあ、僕は信者だし、意地汚いので、映画を見た時間が無駄だなんて思いたくないので、無理があっても面白がりますが。それにしても、2時間強の映画ですが、氷川竜介氏がおっしゃったように、3時間分くらい見たような充実感が在りますね。ガンダム見てると実時間よりも長生きできて良いよな。
そういう圧縮感は好し。
まとめて見ると、キースがベルレーヌお嬢さんのためにお金を欲しがるって言う流れとか、ディアナカウンターの兵士が徐々に地球に馴染んで服装がゆるくなっていく(暑いし)とか、脇役の部分もわかりやすいな。
ディアナ様とキエルお嬢様の入れ替わりはテレビ版では意図がわからず、もどかしかったんですが、映画でいっぺんに見ると二人が見聞を広めていく所やハリーとの色恋などが腑に落ちました。なんとなくですが。


っていうか、ディアナ様はかわいいよナあああ。キエルお嬢さまも麗しいなあ。ソシエさんもきれいでしょおおおお。リリさまもコケティッシュだし。フランがジョゼフに好かれるところも了解できる。
なんかかわいい。アニメ的な「萌え〜」(流行語になった後の)って言うか、なんか萌えいずるというか、ニヤニヤしますねー。
というか、性的に興奮します。エロスです。あああああああああ。
ディアナ&キエルの密着シーンなどはもう、極地なんですけど、それ以外の普通のシーンでも夏祭りとか、一般兵がウェーブと宴会したり手当たり次第にメイン女性(女装)キャラクターを口説いたり、全体的に性欲が強いなあ。レット隊も可愛いなあ。昔はウザかったけど。
裸はカットされてるんですけど。エロイなー。
まあ、ロランのパンツはともかく、体を清める時にシュミーズを着けてるのはいかがなものかと思うが。
(でも、テレビ版でもロランの銀色に輝く陰毛が描いてなかったから、まあいいか。褐色の肌には絶対目立つよね。)


そういうなんとなくの気分がすごく良かった。


あ、人間関係だけでなく、メカ関係もうねってたな。ホワイトドールが徐々に強くなっていったり、ミリシャの戦力がどんどん充実していったり。
それがウィルゲム離陸でクライマックス。
ウィルゲム離陸はテレビ版ではウィル・ゲイムさんの悲劇のおかげであまり嬉しくなかったのだが。
映画ではなんか、素直にみんなでロケットを飛ばそうぜ!っていうお祭ムードになってておもしろかったなー。青春映画か!
ヒゲガンダムがバリアー使いまくりでスーパー強かったし!
で、そのお祭ムードで浮かれていると夜中の夜明けですよ!
AFTER ALLは鳥肌立ちまくり。ソシエさんがまるでラストシューティングのような!
流れが上手いなー。


気分を繋げるって言うのは、詰め込みの編集ですけど、富野お得意のカットをまたいだセリフとか、カット割が忙しくても無理やりつなげる菅野よう子の手腕が素晴らしかったと言うのもある。交響楽的なんだよな。
声優さんの演技は、序盤は固かった。これは流石に編集が詰め込みすぎで気分が乗り切らなかったのかもしれん。でも、演技も後半になるにつれてしり上がりになってるのは映画的で演劇的。
これは機動戦士Zガンダム星を継ぐ者もそんな感じ。
新作画が後半に増えるのもそんな感じ。全部新作画で見たいのもそうなんだけど・・・。
やたらといい作画は物凄く良過ぎるから、ヘッポコなのが目立つって言うか、すごく惜しいというか、できるのにやってないと言う評価になるんだよな。あーあ。でも、全部が平均的に60点よりも特異的に2万点とかを出す方が面白いか?
ところで、なんで画面サイズが4:3なんでしょうねえ?
ガンダム様の作画が、プラモデルのディテール以上に20メートルの最終兵器として描かれてたのは非常にナイス。プラモデルレベルのCADデータをCGにするのはデータは重いけど、所詮20センチのおもちゃレベルだ。


大体そんな感じ。
今日は仕事の関係で、ちょっと出かけて、仕事は出来たのだが、脳が狂っているから、喜びを感じた後はセロトニン再吸収が狂って、無意味に恐怖を感じていたんですが、∀ガンダムを見たらなんとなく気分がよくなったよー。



ちなみに、テレビ版の感想で思いついていたけど書き忘れていたことを、書きます。地球光を見たらよりハッキリしたし。


月の話です。
ロランが成人式の前の朝に、朝日を浴びていると、頭上に満月があるんですが。はっきり言って、ありえない構図!小学生でもわかりますよ。
あと、ハリーが昼間にウィルゲム発掘現場を訪ねたシーンの背景で、さり気なく真昼の満月が。ありえん!
三日月の描き方もセーラームーンの月みたいというか、月食のような月というか、船型のファンタジーっぽい月。
地球光のラストカットの月と太陽の位置関係もあからさまだ。
土星もでかいな!
まあ、ターンエーガンダムはおとぎ話なので、そういう絵を描いても全然オッケーなんですけど。
でも、富野喜幸は宇宙大好き人間だから、そういうことをナントナクの流しではやりませんよ。
視聴者はナントナクで良いですけど、トミーノは考えてやってる。



というわけで、明らかに月軌道が黄道面からずれまくっていて、満ち欠けの形が変わるほど地球に接近してる説。
月の模様も現代とは違うみたいだし。ゲンガナムはグラナダの跡地に建設されたが、あきまん萬画では地球側になってる。(小説版では裏だが)
僕の妄想ですが、外宇宙ニュータイプ文明が攻めてこない所を見ると、おそらく太陽系ごと別の宇宙にデスドライブをかけたのではないだろうか?(爆)
あー。そりゃー文明滅ぶわ。うん。無理。超死ぬ。でも、ヒゲの性能から考えると可能なんだよな。MSサイズのヒゲでも木星までの射程があるから、∀ホワイトベースとか∀ソーラレイとかならやりかねない。
ちょっとした背景の月の位置だけでも、底知れぬ世界全体の恐ろしさや不安定さを感じさせてくれるよなあ。
で、だからこそ、「ユニバース!」と宇宙全体を御神体にする宗教が在るんじゃないかなー?


あと、ミリシャのパレードで「HURRAH」と、「HURRAY,フレー(万歳)」の古風語が書いてあったけど、これは現代英語でも改まった場ではそうなのか?それとも正暦2300年代の地球では英語も先祖がえりを起してんの?
などと、重箱の隅をつつくよなあ。俺。