玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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∀ガンダム第10話「墓参り」

脚・高山治郎 コンテ・斧谷稔/菱田正和 演・山口美浩 作監・しんぼたくろう/中田栄治

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words10_TurnA.html
http://www.turn-a-gundam.net/story/10.html
↑のあらすじと本編が微妙に違う気がするんだが・・・。

 ボストニア城で月と地球側の会議が行われた。月側の休戦協定破りを責める地球の領主達に対し、ディアナは今まで入植したムーンレィスを引きあげることを申し出て、交換条件として交渉再開を約束させる。その手腕にグエンは瞠目するが、一方で月に帰れぬ事情があるかもしれないと洞察する。

脚本レベルでの交渉シーンをカットしたから?行間が多いんだなー。書ききれない。
だが、そう言う手順は決めてはいるのだな。ただ、今回はディアナ・ソレル閣下とキエル・ハイム嬢を描いて萌えることが重要なのだ!


というわけで今回はガンダム戦闘はお休み。コレン・ナンダーは放置。
代わりに、ディアナ様とキエルさんの金髪さん炸裂回です。
こ、これは可愛すぎるだろう・・・・・・。愛せるな。
本題に入る前に、斧谷稔絵コンテについて少々。
とにかく、菅野よう子の音楽は素晴らしすぎるわけだが、それをちゃんと生かしている絵コンテのテンポという物もすごく重要なのであるのダヨ。
分かりやすい例をあげると、冒頭でミラン執政官がグエン・サード・ラインフォードとキエル嬢の前に現れる時に「地の淵の原理」のドラムのみ「旧約の語るところ」のドラムがドン!と鳴ってカットが変わってグエンとキエルなめてミランにカメラがよって、次の太鼓でミランが頭を下げたカット、続く会話にあわせて「オ、エッセオ、オ、セネミ」のコーラスを2回繰り返して、それに合わせてシーンが終わる。
オペラか何かみたいに音楽を使ってる。
曲のリズムと絵のリズムとセリフのリズムの体感的な部分も貪欲に使ってて上手い。と言うか当たり前なんだろうけど。
絵コンテだけでなくて音響やらアレンジも絡んでる仕事なんだろうけど。総合芸術って言う感じ。
しかし、テレビアニメの曲って決まった曲を当てはめて、っていう部分で制限があるだろうに、オペラにも見えるような曲の使い方。それは素晴らしいと思える。
っていうか気持ちイイと感じるのは理屈ではないのだが、それを作る技が素晴らしい。


で、今回はディアナとキエルの相似って言うのを見せるために、象徴的なレイアウト運びが楽しい。
モビルスーツ戦闘が無いというのに、金髪さんの可愛さを見てるだけでぜんぜん退屈せん。
ワンカットワンカットでも全部、芝居やカメラに一工夫があるって言うのも嬉しいなあ。
いや、私は素人で映像理論は勉強してないのですが。
そういう工夫がないと内容がいくら凝っていても面白く感じられないんだから仕方が無いだろう。


あと、今回の脚本は男性なんですが。
だからこそか?
少女描写が多いなー。


ソシエさんがロランがムーンレィスだと言うことを許したとはいわないけど、

ソシエ 「こんなのわからないわ」
ロラン 「お嬢さん、お嬢さんの声もこの機械に憶えさせましたから、項目を呼び出せばいいだけのことなんですよ」
ソシエ 「どういう項目があるかわからないから使えないじゃないの。あたしはムーンレィスじゃないんですからね」
ロラン 「そういうの、関係ないじゃないですか」
ソシエ 「そんなんによりによってあたしは助けられて、情けないったらありゃしない」
ロラン 「すみません」
ソシエ 「謝らないでよ」

でロランをこき使うと言う文脈に沿ってるけど、内面的には既に許して、ガンダムを任せて、ムーンレイスのロランを信頼して守ってもらうのを受け入れてるのがツンデレだなあー。ロランが赤い竜から白い騎士で助けてくれたからな!
飛行船でロランがソシエの手を握らって慰めるのを受け入れるんだから。ロランが好きなんだなー。ロランは良い奴。


っていうかディアナ様とキエル嬢なのだが。
もう、同じ顔の金髪さんが居るだけでねえ!
お茶を飲んだり着替えたり歩いたり階段を上り下りしたり景色を見たり泣いたりする金髪さんにカメラが密着しまくり。愛に溢れすぎている。大林宣彦か。


そんで、容姿だけでなくて物言いも可愛すぎて困る。
モビルスーツがスーツなどと妙な言い方ですね」って、ガンダムを知らないアニメを見ない一般女性みたいなことをガンダム世界の女王様が言うだなんて面白すぎる。
っていうか、ザクの開発から1万年後だからなあ。、"Mobile Space Utility Instrument Tactical" の略で、「 戦術汎用宇宙機器」は知らないし。
テレビの外でもファーストガンダムから20年が経っているからハインラインのパワードスーツに対して動く宇宙服だからモビルスーツっていうのも知らないのが一般的。
って言うのが面白いなあと思うのはガノタの男性の見方で、そういう部分もディアナ様は分かった上でキエル嬢のふりをして「スーツなどと妙な言い方ですね」という。かわいい。


「二枚羽の飛行機は優雅でしょ」「本当に地球ならではの乗り物ですな、翼があるのが美しい」というのも上品な表現でたまらん。
で、そっくりでありながらディアナ様の素っ頓狂な所とかキエル嬢の進歩主義な性格が微妙に対比されつつも影響を受けあって混ざり合ってると言うか?
たまらん。
これでお二人が成長しつつディアナ・ソレル襲名の準備にもなってる。
僕はお二人に関しては楽観的です。


ソシエさんがお姉さまや家族大好きな所もいじらしい。
ディアナ様がハリー中尉に「よしなにな」というのも弱さも併せ持ってる感じでタマラン。ハリーイケメンスギ。
御曹司がロランにエスコート役をさせてやるのもポイント高いな。


所で、ディアナ様とキエルさんは、下着も交換なさったのですか????????
下着が違っていたらディアナ様になったキエルさんはばれると思うんだが。
キエル嬢の下着はあるでしょうが、ディアナ様の下着はあったのだろうか?
ディアナ様の下着と言ったな――――――――――――!!
ハイム家で着替えた時に適当にしたんだろうか?
キエルさんの下着!
いやいや、お嬢様だから新品のがたくさんあるんだよ、きっと。
でも下着じゃなくてもディアナ様とキエルさんの体温の交換がですね!あー。もうだめだ。


んで、初見では「入れ替わりをするなんて気違いか」「御伽噺をやるためのご都合主義?」って思ってたけど、キエルさんがお父様を失ってから、凹んだり働きすぎたりして疲れていて、その後ロランの女装を見てちょっと元気になって、ロランのカミングアウトを見て妙なやる気を出したり、
地球に来てハイになっている所で暗殺されかかったり、でも自分では動けなかったり軍が言う事を聞かないって言う所でディアナ様が次の手段を何か模索したい、って言うところでの、
お二人が何かの解放を求めていたって言う理由付けはあったのだな。と言う程度の事はちょっと分かった。
もちろん、正しいことではないが。
アニメキャラが正しいことをしなければいけないとか、正しくないからいけないとか、正しいことをしようと言っているのに間違ってるから悪いとか、そういうことを視聴者が勝手に期待するのは甘えだと思う。
視聴者の都合や倫理観など知るか。
金髪さんが可愛ければ良いんだ。迷惑がかかったとしてもロランとガンダムがなんとかしてくれるよ!


うーん。私は、母親的女王的なキャラクターが自分を愛する子供を利用して我欲を追求するって言うのは、崖の上のポニョとかでも嫌だなーって思う性質なんですが、ディアナ様はむしろ母親をやらされてる少女って言う感じ。少女性やら子供っぽさが感じられる。
女王の我侭って言う感じではないんだよなー。自分が偉いから利用するって言うほどの自覚も無く、
それでいて年の功やら知性も一応はあって、でも不安定で、というわけでディアナ様としかいえないユニークパーソナリティーだ。


っていうか、ディアナ様が可愛いから許してるだけかもしれないけどな!へっへっへ!
髪形が妹に似てるから!ぎゃあああ!それかよ!
いいんだよ・・・。ディアナ様だってロランに初恋の人を見ていたんだから・・・。



あと、今回は嘘をつく事でむしろ本心を出しやすくなるという事が、飛行船、ハイムの奥さんの前、ハイムの旦那さんの墓前、などのシーンなどで描かれてたのが印象的。
前前回のロランがカミングアウトしてムーンレイスを隠しているって言うことが一応解消されたら、また嘘。
これがまた、ルルーシュ
「そうだな。俺はずっと嘘をついていた。名前や経歴だけじゃない、本心すらすべて隠した…しかし当たり前なことだろう。他人に話を合わせる、場に溶け込む、それら無くして、国や民族、コミュニティーというのは存在しない。誰もが嘘を使い分ける。家族の前、友人の前、社会を前にして、皆違う顔をしている…しかし、それは罪だろうか?素顔とは何だ?お前だって、皇帝という仮面を被っている。もはや我々は、ペルソナ無しでは歩めないのだ」
「人は何故嘘をつくのか?それは何かと争う為だけじゃない。何かを求めるからだ!ありのままで良い世界とは、変化がない。生きるとは言わない。思い出の世界に等しい、完結した閉じた世界…俺は嫌だな」
と言うほど説明せずに、むしろ嘘をついてるほうが気分が素直になりやすいって言う雰囲気を見せるだけなのが∀。
コードギアス 反逆のルルーシュR2ルルーシュが皇帝より正義だと言う理由もつくらんといけなかったけど)


ディアナ様の言う事は全部嘘なんだが、『ディアナ・ソレル、ありがとうございます。それが、それがあなたのお心でしょうか』とキエル嬢は泣くのだ。
ここでキエル嬢がディアナ様より冷静で、
お父様に向って泣いて入れ替わりを暴露したりしないのは不自然かと思ってたけど、再見したらキエルさんはソシエよりも家に戻っていて母親の面倒も見つつ、グエンの補佐もしつつ、っていうご苦労をしていたし、何度も影で泣いていたんだから、あらためてここでは泣かないか。
ここではディアナ様のお心に打たれて泣く。
ディアナ様が泣いたのは色々と初めて知ることが多かったからショックだったって言う感情だよな。
だから、キエル嬢の物言いとしては不自然かもしれないが、でも、今まで気を張り詰めていたキエル、と言う風に見ていたらここで泣くのをロランやソシエがキエルの気持ちだと思うのも無理は無い。
うーん。
人の感情やらリアクションはあやふやだなー。
っていうことをアニメで実感するのはどうかと思いますけどね。ボカァ。