玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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パチンコマネーとアニメ。

先日、電車に乗っていますと、「パチンコ機動戦士ガンダム攻略法!勝利の栄光を君に!」という中づり広告がありまして、軽く笑いました。
ご存じのとおり、「勝利の栄光を君に!」というのは、シャアがガルマ・ザビを暗殺する前に、ガルマを信用させるためにかけた言葉です。パチンコ業界の黒さを感じますね。
シャアもパチンコ会社も客に栄光を与えるつもりは毛ほどもありませんし。
しかし、パチンコでの収益がアニメ製作に回されているという事実もあります。
パチンコになったアニメ作品はあまりにも膨大なので、ここで列挙することは避けますが、現に、エヴァンゲリオンアクエリオンエウレカセブンといったタイトルはパチンコマネーで映画が制作されたと言っても過言ではないのです。


ここで、アニメ作品のビジネスモデルの歴史を軽く記載します。
第二次世界大戦前後のアニメ作品は映画産業が娯楽の中心であったこともあり、おもに東映動画などによる直接収益の劇場作品でした。
テレビアニメの時代が始まると、テレビ局から与えられる予算だけではペイできないために、鉄腕アトムのころからグッズ販売によって製作費を回収するモデルとなりました。
マジンガーZなどのロボットものや魔法少女モノなども、基本的にグッズ販売で製作費を回収しているか、マンガ原作付きで出版社からの予算でに頼っています。
エヴァンゲリオンがヒットした90年代後半から、DVDの時代が始まり、デジタルコンテンツとしてアニメ自体をパッケージングして販売することで製作費をペイできるようになりました。


それで万々歳となるのかというと、やはりそうではなく、デジタル化に伴って違法コピーや違法配信、録画機器の発達によるDVDの売り上げの減少という問題がも起きています。
(アニメDVD 2008年は厳しい 売上二桁減に 日本映像ソフト協会発表
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/03/2008_14.html


そうすると、特に製品を作ることなくパチンコ会社に権利を貸すだけで、暇と金を持余せた人から予算をもらってくることができるパチンコ商法というものも、いいのかと思います。


エヴァンゲリオンのパチンコについての評判を読んだことがあるのですが、アニメを見ていない中高年の男女が「なんとなくかわいい女の子のキャラと、かっこいい演出が見れる」と、エヴァンゲリオンパチンコを楽しんでいるそうです。
アニメを見るよりもぼんやりとパチンコを見ていたいという人もいるのでしょうか。
まあ、パチンコのメインの面白さは自分のお金が動的に変化するスリルと欲望なので、題材がなんであろうとパチンコユーザーには大した意味はないのかもしれませんが・・・。私にはよく分かりません。


そこで、2009年7月に登場したのが、うみものがたり〜あなたがいてくれたコト〜というテレビアニメ作品です。
ついに、アニメがパチンコになるだけでなく、パチンコがアニメになってしまいました。
(おととしに吉宗がアニメになりましたが、あまりふるわなかったそうです)


しかし、海物語をアニメにしたうみものがたりはなかなか面白いです。
予算が潤沢で絵の動きが良いです。
また、演出的に悪魔くんセーラームーンおジャ魔女どれみカレイドスターといったヒット作品を作りだした佐藤順一監督を迎え、アニメ作品としてのクオリティーも高いです。
もともとの海物語シリーズはストーリーらしいストーリーがほとんどないのですが、その分、自由な解釈でアニメになっています。

これが
http://www.sanyobussan.co.jp/products/index.html

これに
http://www.sea-story.tv/
パチンコでは単に海が好きなナイスバディ少女というだけだったマリンちゃんが魔法少女に変身する人魚という、ものすごいことになっています。
そもそも、佐藤順一監督はセーラームーンおジャ魔女どれみといった変身少女が得意ですし、おもちゃメーカーなどの強力なスポンサーとも仕事をしてきた人ですので、きちんとした名作に仕上がる予感があります。
監督のファンとしてはとてもわくわくします。


さて、パチンコからアニメになる作品は今後、出るのでしょうか?
萌系の快盗天使ツインエンジェルは初期からアニメと連動した企画だったようで、2007年10月からマンガが連載中、2008年9月にアニメDVDが出ており、2009年にはPCゲームにもなっています。


オタクとパチンコは、受動的に画面を見つめる人々という点では近しいのかもしれませんね。