玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

氷川竜介、池袋コミュニティー・カレッジ第四講美術、設定

昨日、8月22日、池袋コミュニティ・カレッジで開催されている公開講座氷川竜介のアニメの楽しみ方、その第四講目に行きました。私は二講目から参加しています。
今回のお題は「【設定と美術】世界を創出するアニメ技術」について。


今回の議題をざっくりとまとめると、
■1前提
・舞台芝居における美術とは大道具。背景セットである。
・実写映画においても、書き割りや大道具で世界を作る。
・色彩や構図のメタファで非言語的情感、情報を入れる。
■2アニメの背景
・最初は背景がなく、動く主体のみ
(例、アルタミラ洞窟、影絵、ゾートスコープ(秘伝ディスク)、ペーパーアニメ)
・背景の誕生
初期アニメーションは背景もすべて同トレスの動画。・セルのキャラクターと水彩画の背景の分離
└注目すべきはキャラクターなので背景は彩度、コントラストが低い。軽視されていた。
・近年は背景が緻密になる傾向。理由としては、レイアウト演出主義、世界観創出、作画の技術や密度の向上、ロケハンによる実景の使用
■3.実例
押井守の背景演出理論
遠景→世界観(話の前提)
中景→ストーリー(話の骨子、筋書)
近景→ドラマ(芝居の情動)


2世界観設定
中村光毅
東映から移ったタツノコでイメージボード、背景、メカ、色彩、ロゴまで統括した。
タツノコはマンガプロダクションが母体なので、マンガにない描画のパートは全て美術へ。


3現在は分業制へ
 └イメージボードは企画や監督、メカデザイナー色彩設計など
(ていうか中村さんが異能だったのでは?(笑)


4美術に対する様々な意見、理論、信念
・美術ボード否定、原画直接描き派
・レイアウトは美術が描くもの(小林七郎出崎統派】)
・デジタル、3D(岩窟王、その他)

■4日本アニメの美術設計の特殊性
・SFに顕著→世界観構築のため
アニメーターが世界観を把握出来るように、あらゆるアングル、カメラ距離での設定が必要
事例、超時空要塞マクロス(宮武一貴)
実写のセット撮影と小道具に当たるもの。


■5レイアウト主義の始まり
1974年、アルプスの少女ハイジにおいて、高畑勲監督の日常演出を画面設定の宮崎駿が支えた。
レイアウトによって、台詞や事件に乏しくとも、時間と空間の連続体によって感情と実感を演出する。


■6細かい美術設定が要らない例
1ロケハン写真から作画と加工
奥様は魔法少女京都アニメーション
2レイアウトマンが全て統括
監督の宮崎駿今敏
、その場で設定を作る前田真宏(ナディア)


■7実例集
背景の山本二三、池信孝、
特殊効果の糸川敬子、市倉敬
などの実例。
(ハーモニーとは、主線と背景のハーモニーだから)→デジタル時代には特殊効果と美術と撮影の区分が不明瞭・色彩設定が重要
└事例、魍魎の匣
◆余談、ど根性ガエルのヒロインが夜でも昼と同じ色で浴衣を着て花火を見ていたのが、逆に鮮やかだった。しかし、その時代には戻れないのだ。



■8アニメ美術の弱点
あくまでも二次元絵なので、空間そのものではない。(ズームはできるがパースが変わらないからカメラが寄らない)
・解決策
└マルチプレーン、密着マルチ(複数の背景絵の移動速度の差で空間を見せる)
└3DCG(事例、イノセンス)

→しかし、美術が3Dである必要性もない。
網膜もスクリーンやモニターも二次元だ!
迂闊に3Dにすると、絵の不条理な勢いをなくして、つまらなくなる。


→3D上映前提の立体遊園地としてなら開拓の余地あり?
ボルトは面白かった。
空気遠近法がCGでできていた。
氷川竜介先生は今まで、「毛の生えたCG映画」と馬鹿にしていたが、アメリカはノウハウを蓄積しているから、侮れないと認識を改めた。
日本でも「きかんしゃやえもん 」などの企画がある。

■9まとめ
美術の着眼点
「世界に命を与える」
「しかし、これはただの絵だ。」
現場の声を聞くと、2Dか3Dか、ではなく、アニメーションとして成立することが重要。動きが見せる快感があればアニメになる。セルアニメも最初は違和感があったから、3Dも世代のもんだいでは?




ここまでが講義内容でした。氷川竜介先生の講義は最後には脳科学や禅問答になるから、士郎正宗みたいなオタクで楽しい。



しかし、なにかもの足りませんね?
はい。
富野分が足りない!
というわけで質疑応答へ。

●他の人の質問から
・最近の美術はワンパターンですね
→出来ているものも在るが、空や水の表現を先入観で描くな!
水を水色で描くな。


・世界展開のために、日本も3Dアニメにシフトすべきか?
→アメリカは機械や技術ではなく、意思統一をはかるスーパーバイザーの才能やノウハウがある。人材資源の問題なので、簡単にインポートできない。
3Dを迂闊に導入しても、韓国の後塵を拝するだけでは?
アメリカB級アクションをわざわざ日本でCGアニメにする意味もあまりない。
しかし、二次元作画にも未来はない(押井守)
芝居に感情を乗せられる後進が入っていない問題(二回目の講義で、海外外注の動画マンは感情を汲み取っていないで作業で写すだけだと)
(追記)でもまー、若手のアニメーターでも、ネットで話題になってるよーな、スターアニメーターっているしなあ。りょーちもとか。
80年代の人がすげーのはそうなんだけど、結局は人間の集団よりは個人才能だと思うけど、全体が沈んで行っているって言うのはあるのかしら…。経済的、構造的問題あるからなあ。


二次元アニメの攻殻機動隊AKIRAはそれほど世界に冠たるものではない。世界に好き者がいて騒いでいるだけ。きちんと売れたのはポケモンくらい。


ダークナイトが日本でだけ売れていない。だから日本は世界で孤立している?



で、話題が美術の歴史から3Dになったので、私はもちろん、リング・オブ・ガンダムについて質問しました。
これが、今1番重要でしょうが!あなたは!
しかし、長くなったので分けます。
私は今、ガンダムエキスポに並んでいる。
並びながら書きました。
ああ、今から富野監督の新作が見れる!
ああ!
神よ!