玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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∀ガンダム第48話「ディアナ帰還」は萌えアニメ

脚本・高山治郎 絵コンテ・奥田誠治/斧谷稔 演出・南康宏 作画監督佐久間信一
http://www.turn-a-gundam.net/story/48.html
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words48_TurnA.html
そんなわけで、10年かけて∀ガンダムをやっと見終わりそうです。ターンエーガンダムを見るのに2年くらいかかってるけど。

2002年に佐藤達広とゲイナー・サンガが、2005年にカミーユ・ビダンが長い闇から抜けた。
2004年に生富野と会った。だから私は2004年にガンダムを全部見ることにした。見た。
黒歴史の全てを見た。
それは何のためか。全て、∀ガンダムを(わかった上で)見るためだ。10年!
おのれディケイド!
やっと、ガンダムオタクをやめることができます。正直、∀ガンダムを見終わって黒歴史を克服できたらガンダムを見る意味はありません。
次からはSDガンダムフォースおたくになりますw
まだ見てないんですよ。
いや、ホワイトドールSDガンダム ムシャジェネレーションで再び発掘されてロランの子孫に操縦されて、色々あってSDガンダムフォースにつながるんだって!トゥルーオデッセイもやらないといけないのか。アニメになれ。
リング・オブ・ガンダムだとっ!


前回ラストで、グエン・サード・ラインフォードに「今度(威力の大きすぎるターンAガンダムの)ビームライフルを使ったら後ろからメガ粒子砲で撃つ」と怒られたメリーベル・ガジットの乗るターンエーガンダム月光蝶システムを使って民間人の住む街を破壊するシーンから始まる第48話。
うん。ビームライフルは使っていませんね。でも、数十キロ四方の町が灰燼となりました。
ふざけているのか?www


そこに現れたのが、コレン・ナンダー軍曹。
コレン・ナンダーという人はディアナ様よりも昔から冬眠していて、∀ガンダムが文明を滅ぼす黒歴史の時代を見ていた人。冬眠のショックや、ロランの操るターンエーガンダムとの戦いのショックで何回か発狂して僧侶になって流れていました。
リーベルの操る∀ガンダム月光蝶を見て、それが発する「イオンとオゾンの匂い」を嗅いだショックでコレンの人格と記憶がついに統合されました。
匂いの記憶というのは、「プルースト効果」といい、脳科学的にも根深いものらしいです。
http://x51.org/x/04/08/0431.php
フランス文学失われた時を求めて*1の作者マルセル・プルーストにちなんでいるらしい。
アニメ的にも、匂いを嗅いで記憶と人格を復活させるのは∀ガンダムの翌年のクレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲で描かれていますね。野原ヒロシはコレン・ナンダーだったんだ!
富野アニメは劇場版アニメのクライマックスをAパートで済ませる。
あ、でも、コレンがディアナ様の前に参上して泣くシーンの絵コンテに富野由悠季

このくだり、すごい!自分で自分を褒めてあげたい!
本当、生きててよかったよ!3年前に死ななくて!

とカキコミしていたらしい。フィルムブックによると。興奮しすぎだろ。
あー、宮崎駿黒澤明の絵画的コンテ、庵野秀明の漫画的絵コンテもいいけど、富野の楽譜的絵コンテも出版しようぜ!
でも「碇のバカヤロー!」とか書いてありそうだな…。


コレンがディアナ様が駐屯しているところに何の説明もなくジープで乗り付けたのは、黒歴史時代のニュータイプ戦士の勘が戻ったのか?(最終回でピキーンってなるし)


ガンダムシリーズを全部見たのは「衝撃の黒歴史」の衝撃を味わうためだったんだけど。43話の「衝撃の黒歴史」は構造的に考える話だった。むしろ、歴史の重みという点では、今回のコレン参上の方が、グッときました。
正直、泣いた。
コレンは、シャア・アズナブルゼクス・マーキスとか、シャアのメモリィ・クローンという説もある人物。黒歴史を見てきた男。
簡単にいえば、ガンダムシリーズに付き合ってきた人だ。
それって、視聴者だよね。俺だよね。
それがいろいろあって、狂ったり記憶を閉じ込めたり罪を犯したりして、それでもガンダムに戻ってきて、「目覚めた時に成人しなさってる姫様に拝謁させていただいてると、もう一肌脱がさせていただきたいと思える」うううう。
「記録も上書きされて、いろいろと悪口も書いてあったでしょう……」というのは、劇場版のセリフなのね。
いろいろとネットで悪口を書かれていたガンダムシリーズそのものの象徴でもあるのね。
狂って戦いだけに生きたり、自閉して母親に帰ろうとしたり、ガンダムシリーズをぶっ壊そうとしたり。
富野監督でもあるし、非富野ガンダムシリーズでもある。
ディアナ様も目覚めたときに20周年で成人したガンダムかもしれない。
ディアナ様!


  • グエンとローラの別れ

グエンとジョゼフ、ロラン・セアックソシエ・ハイムの詰問シーンで、いきなり画面が広角気味になってボケたりする意図がわからない。価値観のぶつかり合いというか、福本信行萬画的な「ぐにゃー」演出?
ロランにとって、グエンという「地球に来て最初に助けてくれた恩人」「運転手をしていた自分に技術者として、自分のもとで働いてほしいとまでいってくれた人」、その人との決別なのだから、それは「ぐにゃー」演出かなあ。


グエン自身の言っていることも、策士策に溺れる、自縄自縛。
「ムーンレイス和平派と組むと両方ともギンガナムにつぶされる」
「地球にいるフィルのディアナカウンターもつぶさなくてはいけない」
「だから敵であるギンガナムを利用して文明開化をする」
「だが、地球の独立のためにはギンガナムをつぶさなくてはいけない」
「だから、ジョゼフは同じ地球人だから仲間になれ」
課題を解決する政治家の大変なところだね。アグリッパと同じく、問題を解決するための条件付けで動きが取れなくなる。鳩山由紀夫も色々とあるんだろうね。


だが、グエンの弱いところは、やはり情が読み切れなくなっていったところ。
グエンのやり口の基本は「私の所に来たら、君の本当にやりたいことをかなえてあげよう」です。ウテナは観てないけど。
戦争をやりたいミハエルやギンガナムとか、飛行機を作りたいクン一家、黒歴史を証明したかったシド・ムンザ爺さん、復讐をしたがったソシエ、技術を生かしたかったムーンレイス、彼らを取り込んでいって働かせるのがグエン。
だから、エゴや損得を刺激してやれば人は動くんだというのがやり口。
だから、ジョゼフに「君がギンガナムを倒して、∀の量産部隊の隊長になればいいんだよ」という。


しかし、グエンは人のエゴを刺激して「やりたいことをやれ。助けてやる」と言うが、序盤からミハエルは暴走していたし、イルの長老も暴走していた。で、今回のギンガナムも暴走です。
グエンはエゴを刺激した後、それを制御するのは下手だったのか?
ジョゼフも「俺は自分で成り上がる。あんたに人望はない」というような事を吐いて∀ガンダムを奪う。
そこが、グエンのボンボンな所なのかな。人は自分に従うものだと思っているのかな。
人は勝手に動くよ。
それに、ジョゼフは少数民族で差別されてきたという男。それがアメリア人の部下を持ち「おれたちは地球人だ!」と言うのは色々と複雑な感覚があると思う。恋人はムーンレイス。(正直、僕は今、明文化できない)
ジョゼフに対してアメリアの貴族の御曹司であったグエンが簡単に「同じ地球人じゃないか」と吐くのは、感情的にはカチンと来るね。理屈じゃない。



あと、ジョゼフ・ヨットがターンエーのコックピットによじ登ろうとして落ちる時に、恋人のフラン・ドールが驚いて胸を押さえて叫ぶ時のアニメーターと渡辺久美子の演技がすごい。うん。本当に怖い時はああなるよね。


ジョゼフも越境者だが、ロラン・セアックも越境者だよな。
物語的に、越境者が主人公というのはよくあるね。トリトンしかり、神ファミリーしかり、聖戦士しかり。
だから、理屈としては「地球のためにムーンレイスのローラは協力しろ」というのはあり得ない。


だけど、「ローラはなんで私の傍にいようとしないのだ?私は、私は、ローラ!」という叫びには理屈がないような気がする。


グエンが最初にローラをたらしこもうとしたのは、技術者として教育を受けさせてやるというものだったけど。
なんか終盤は「ローラなら私の言うことを聞いてくれる。ローラは私を見捨てない」という感じが。
「ギンガナムが敵になるのが危険だし、コアファイターでは戦えないからローラはこちらに来い」という理屈は、ある。
だけど、45話でロランだけを直接呼び出して説明なくウィルゲムで連れていこうとしたあたりから、ちょっとなりふり構ってない感じ。


たぶん、ロランが優しすぎて、根っからの執事体質で、ホイホイ人の言うことを聞く性格だから、グエンはローラに依存しているという部分もあった気がする。
∀ガンダム核兵器という超絶の力を持ちながら、自分のために使ったことは一度もない。
女装しろと言われても、する。
ロランは絶対に怒らない。
ロランにはエゴがない。
もしかしたら、グエンは人のエゴを刺激して駒にすることに慣れすぎて、逆にエゴがないようなローラだけを人間として信頼するようになったのかもしれない。
ロランはグエンを尊敬していたし。


そんな関係は、もしかすると、ホモ・セクシュアルというよりは、戦場のパートナーと言うか、衆道に近いような気がしてきた。あんまり詳しいことは知らんけど。
グエンは初期設定では祖父のイングレッサ領主・メッサー・ラインフォードに性的虐待されていたとか。
キャラクター原案ののあきまん氏の脳内設定では、メッサーの娘がイケメンと結婚してグエンを生んだが、グエンの父は遊び人だから働かず、メッサーはグエンに期待をかけすぎたとか。
そんな風に、「人はエゴの塊」「女はイケメンになびくバカ」と人間不信を持ちながら優秀に育ったグエンが依存や愛の対象、人間的存在として認識できるのが不思議少年・ロランというのは、あまりにも少女漫画的でいいね。中島梓さんのファンサイトを流し読みした程度の知識だがな!
だけど、グエンってロランを女装させたり女の名前で呼ぶけど、性欲をロランに向けた描写はない。Aセクシャルで人間不信で、だけどローラ・ローラだけは理想の人形として信頼して依存できる人だったのかもしれないね。

  • 自己実現か、死にたがりか、ギンガナムの戦い

なぜかサンベルトから移動してノックスを制圧している(崩壊したとはいえ、都市の方が生活しやすかった?)フィル・アッカマンのソレイユ艦隊とギンガナム艦隊の会戦が始まった。
フィルムブックによると総数、宇宙戦艦30隻の大艦隊。あんまり画面には映ってないが。
Vガンダムの終盤を連想させる成層圏から地上を縦横無尽に駆ける空中戦艦とモビルスーツの殺戮戦だ。
そこで、かたくなにギンガナムはバンデットとターンXの使用を拒む。メリーベルはキレる。
ギンガナムは「ターンAが起動し、このXも起動したのなら、システムが赴くまま共に死す、それも面白いと思わんか?」と言った。
ギンガナムは2500年も戦争の演習をする事を運命づけられた家柄の男。祖先のつくったゲンガナムに畏敬の念を持っていた男。だが、現在の部下がゲンガナムを壊すチンピラだということも知っている男。民衆の支持がなければ自分が政治を行えないことも知っている男。
ならば、運命のために、祖先が続けてきた演習通りの戦いで、部下を殺し、自分も死にたい?
ギンガナムのような侍は死に場所を求める?
それとも、ディアナに自分の艦隊がやってきた事が無意味ではなかったと証明したかった?
だから、ターンXとバンデットは今回使わなかった?
次回、ターンXが出撃する。なぜか?
ターンXという刀を抜くのは∀とまみえる時のみと決めているのか。

  • ディアナ様萌え

ああ、なんかおっさん連中の話題を書いてるだけで時間がたってしまった。
今回は、ディアナ帰還です!
えっと、簡単に書くと、グエンは理屈で人のエゴを刺激するけど、ディアナ様は「美女が生身をさらしてきてくれた!」という感動で人心掌握。天皇だねえ。
今まではザクを相手に小競り合いしていたディアナカウンターがギンガナム隊と本格的な殺戮戦をした後の、キャラクターと視聴者のストレスを、ディアナ様が解放。
というか、She's so HighをBGMに夜明けを複葉機でディアナ様がいらっしゃる!
美しい!


造反したフィルを許すのは、放送当時はよくわからなかったし、キエル・ハイムと同じく「ディアナ様を追放した人ではないですか」と、思ったが。
なんだろう。今回はすごくわかる。ああ、そうだよね。ディアナ様が来たら嬉しいよね。
富野アニメの「段取りと心理描写を認識不能なくらいさりげなくたくさん積み重ねて、逆に段取りをすっ飛ばしたように見える」という作法がわかったのか。


あと、フィルとミラン執政官はディアナを放逐したけど、アグリッパが死んだ今は無力なのかも。
ディアナカウンターの将兵に対して、フィルの公式見解は「ディアナ・ソレルはハリー・オードの造反によってミリシャに誘拐された」だし。
そんな兵たちが実戦を経験して不安になったところに、錦の御旗であるディアナ様が超堂々と現れれば、それは兵の心はディアナに付き、フィルとミランは恭順しなければ兵に八つ裂きにされるだろう。


っていうか、やっぱりディアナ様が夜明けに飛んでくるのは美しすぎて何度見てもぞくぞくするなあ。
萌えアニメだなー。
戦争が起きた理由も、終わる理由も「ディアナ様が萌えるから」わぁい!

*1:黒歴史的タイトル!