玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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小説∀ガンダム スニーカー文庫版 著者:佐藤茂

本放送当時の世紀末、書店で「ガンダム小説も萩尾望都を起用するか!これは本物だな」と感じた。
(美樹本さんはあんまり知らなかった)
あきまんの油絵もかなり本物志向だと思った。
そんな表紙しか知らなかったが、10年経ち、2年かけて読了。
本編が全5巻、短編集が1巻である。
2年もかかったので、細かい事は忘れた。また、長文は避けよう。30分で書き上げな!
読者諸氏は行間を読め。


全体的には、優しく、若く、弱い小説だと思った。
あと、前半は丁寧な描写だったが、終盤に「あ、こいつまとめに入りやがった。」っていう感。で、まとめに入る時に作家の地が出たな、と。で、その地と言うのが優しさと弱さ。
社会的、身体的、性質的、環境的、関係的、に、傷を負った者の話と感じた。
いや、皆がトラウマってる。
また、佐藤版は「ウソ」という大テーマや偽史的な黒歴史設定に引きずられて、芝居としては元気のない物になってしまっているな、と感じた。
リリ様ですらグエン・サード・ラインフォードを忘れないという。女は男を忘れて良いんじゃないでしょうか。
ウソがテーマなんだけど、嘘をついたことに対して、真摯なんだよね。隠そうとして引きずって、辛い辛いと言ってるよう。だから、悩んでいるように見える。正直っぽいんだ。
佐藤氏はあとがきで「偽者が本物になろうとあがく物語」と書いてて、それは0080や0083にも通じる物で、で、それが80や83の物語を狭い物にしてるなー、もっとGガンダムみたいに好き勝手やったほうが逆にガンダムっぽいのになーって思うところ。


富野版の人は、もっと平気で嘘をついて、平然としているような?
アニメのロランって結構ずぼらで、細かい所でどうでもいい嘘をついてた。なんか喋るのがめんどくさい時に会話を切り上げるための嘘とか。
キエルがディアナに成り代わるのも、ムーンレィスの皆さんにはバレバレだけど、キエル本人やムーンレイス社会も「まあ、嘘だけど、いいか。バタバタするより」と、テキトー。
そのように、ターンエーガンダムってもっと元気で大雑把な話だと思うんで、そんなふうに弱さや傷を気にしすぎるのは、ちょっとどうかしら?と思ったのよね。僕もそう言う所があるから・・・。


ただ、そういう正直さは、弱さに見えるんだが、だからこそ、ハイム夫人奮戦記は良かった。
ハイム夫人がつまづきながらも復活していくのは良いんじゃない?そういうアニメでは描かれなかった部分へ向けた視点がある優しさは、好きだな。
そうだよね、そういう風に自分と周りの人の間で治っていけることは喜びだね。


あと、月光蝶システムとサイコガンダムのせいで、ターンAガンダムターンXザクが脇役っぽくなったので、主人公厨としては残念。
作家としての地を優先させたかったんだろうし、トミノもそう言う作家としての自分をアピールして売ってきた人だから、作家ってそう言うものなのかなー。うーん。
富野ガンダムも歪なんだけど、トミノじゃないガンダムって正史のトミーノと自分のオリジナリティの間でいつも引き裂かれていて変だよなー。
だから、一番きちんとしてるのは、一番異端作の機動武闘伝Gガンダムだと感じるわ。今川泰宏監督は富野監督ときちんとケンカをした弟子だし。


でも、最後はロリショタ兄妹の瓶詰地獄になったので、超興奮しました。サイコーです。金髪幼女は正義!だって、命じゃないですか!


あと、あとがきで富野由悠季監督が「萩尾先生がイラストを書いてくれることになったし、やっぱり小生が小説を書きたくなったけど、もう佐藤君に発注しちゃったし・・・」とか書いてたのがすごく可愛い。じじい、スケベ根性出しやがってw
っていうか、社会人はそう言うことを言わないの!ばかじゃねーの


はい、30分。