玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年7月 第7話 第2節

サブタイトル:[そらの愛は地球を救う]
 
 四ツ屋荘の二階の部屋から飛び出し、駐車場と言うか裏庭の草ッぱらの中に置いてある、小型ショベルカーとシトロエンを合体させた改造サイドカーである、二番目のしもべサイドバイクロンのサイドにそらが乗り込んじゃったので、レイも慌ててサイドカーのバイクにまたがって、発進させる振りをした。サイドバイクロンには、レイと同じく微小な宇宙人と、彼らの目に見えないハイテクマシンが憑依しているので、バイクの形をしているが自分で動く事ができる。彼らは少し浮き上がって飛行して走行する振りをした。
 サイドバイクロンが東京のメイン会場に向けて走り出したのは日曜日の19時過ぎ。チャリティーマラソンランナーも、そこへ向けて走っている。
 
  
  

 あきらかに怪しい風体のバイクであるサイドバイクロンが到着し、門の前で停まった。すぐに警備員が見咎めて近づいてきた。
警備員A「ちょっと、なんなのあんたら。ダメだよ、はいっちゃ」
そら「あんたこそ、あたしの顔を覚えてないの?出演者よ!」
警備員A「はあ。それなら、入館証を出して下さい」
そら「ない」
警備員A「あのね、ふざけたらいけないヨ、お嬢ちゃん。お爺さん、あんたも、さっさとバイク動かして」
老人の皮を被ったロボットの憑依している宇宙人のレイに向って警備員が命令した。
そら「ふざけてるのはあんたでしょ?あたしは出演したの。だから、出演者なの。当たり前でしょう?」
レイ「そら様。警備員の方は、こちらにいらっしゃるのですから、テレビ番組自体はご覧になっておりません」
そら「そう。なら、許してあげる。じゃ、そういうことだから、さっさと開けて」
警備員A「おじいさん。ここを開けられるわけないじゃないの。さっさとバイクどけてくれませんかねえ」
レイ「そら様。門は開かないそうです。帰りますか?」
そら「帰らない。レイが開けなさい」
警備員B「おい、もうこの爺さん降ろして、バイクはお前が運転してどかせ」
もう一人出てきた警備員がうっとおしそうに言った。
警備員A「そうだな。爺さん、ちょっと降りて下さい。って、なんだ、重いな!ぐぬっ。うごかない」
 戦闘用ロボットの体に寄生している宇宙人である。長身で痩せ型の老人に偽装しているが、本体の質量は180キロ以上ある。(炭素系素材や高分子系ジェルも使用しているので、鋼鉄よりは軽い)普通の180センチの人程度に見ると、動かせない。二人の警備員はレイの服を引っぱったり、体当たりをかけたりした。
警備員B「ぬぅ。びくともしない。こいつ。おいっ!ちょっと動けよ!」
警備員A「人を呼ぶか?」
そら「早く」
レイ「あなた方に、我々を動かす事は不可能です。申し訳ありませんが、時間がありません。どいて下さい」
警備員A・B「ワカッタ」
 あっさりと警備員は引いた。宇宙的催眠電波だ。次にレイが一瞥して不可視の引力光線を発し、門を開けた。
レイ「入ります」
そら「あんた、結構役に立つじゃない」
宇宙人の世論調査

(そら様に褒められてとてもうれしい60%うれしい30%その他10%)


レイ「称賛に対し、感謝の意を表します」
 クールな宇宙人が動かす、サイドバイクロンが地表の上を滑り、会場に侵入していった。サイドバイクロンから建物の脇で降りると、そらはそこから猛然と会場に向って駆け出し、レイは足音を立てずに走ってそれを追った。
 
 

  • 会場入り口

 そしてここでも、そらは警備員に止められていた。
警備員C「ちょっと、お嬢ちゃん、ダメだって!君、入場チケット持ってないでしょ。事前に観覧者は決まってるから、持ってない子は入れないんだよ」
そら「ええい!離せ!あたしは関係者なのーッ」
 こんどの警備員は突撃してきたそらを羽交い絞めにしてつまみ出そうとしたので、後から来たレイはちょっと困った。
レイ「そら様を離して下さい」
そら「ええい、離せ離せ離せ離せぃ!」
警備員C「静かにしなさい!」
 警備員Cの意識はそらに注目しているので、レイの催眠術に注意を払ってくれない。
ロザリオ「仕方がない」
 頭令そらが首から下げたクロムのロザリオも宇宙人が宿っている六番目のしもべである。それが宇宙的技術を使った。
そら「離せって、言ってるでしょッ!」
警備員C「ワカッタ」
 パッと手を離されたので、そらはそのまま収録ステージに向けてダッシュした。
そら「あのオッサン、なんで急に物分かりが良くなったのかしら?」
ロザリオ「特例措置として、そら様のお声に我々ロザリオが催眠波を付加しました。今日のそら様の言う事には皆が従います」
そら「ロザリオ、でかした」
クロムのロザリオ国の世論調査

(そら様に褒められた。とてもうれしい80%うれしい15%その他5%)

 
 

レイ「そら様。我々はどこへ行くのですか?」
そら「あんたはステージ裏の機材を制圧!わたしはステージを乗っ取る!」
レイ「了解し、実行します」