玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年8月 第8話 第1節

サブタイトル[禁断のロリコンオーディション]   
前書き:この物語は、佐藤友哉っぽい気がするけど、読んだ事は無い。滝本竜彦を読んだのは基本構想が固まってから。

  • 四ツ屋荘404号室

 先月、24時間テレビジョンに出演し、多額の寄付金の電子マネーデータを自分の出演料と思い込んで強奪した魔道のアイドル天宮ロロール、あるいは世紀の美少女怪盗頭令そらは、日本有数の美少女セレブとなった。が、そらは兄を目覚めさせる事にしか興味がなく、宇宙人に育てられたので、金の使い方は知らない。
 ただし、一生金に困らなくなったので、一生働かなくても良いということはわかった。もちろん、兄を目覚めさせる医者になるための勉強と資料探しも兼ねて、看護婦のバイトは続けるつもりだ。
 だが、調子に乗っている。
  
  
 ちゃぶ台の前に座った宇宙服のヘルメットの中から、少女の声がした。
そら「レイ、あたしにたりなかったのは、やっぱりお色気よ。お色気」
 アパートの一室に宇宙人が宿っているそらの自宅、四ツ屋荘404号室の備品である、パソコンに宿った微小霊体宇宙人にキーボードとマウスから宇宙服の手袋と口頭で器用に命令を下し、インターネットのファッションサイト(プロバイダーを経由せず、宇宙人の技術による直接ハッキングである)を表示させながら、そらが言った。
レイ「そら様には、お色気が欠如している、ですか」
 畳の上に正座をして、執事服を着ている、身長2メートルのイスラエル製人型戦闘ロボットに、憑依している宇宙人であるところのレイが、音波を発振して復唱した。
そら「オシャレとも言う!」
レイ「お色気とオシャレは同じなのですか。違います」
そら「うるさいわねっ!指図するんじゃないわよっ!」
 バシッ!ポイいいん。ポス。
 そらがレイの頭に投げつけたティッシュの紙箱は、頭の上ではねて、宇宙人のテレキネシスで元の場所に戻った。
レイ「すみません。我々の地球人言語の調査では、「お色気」と「オシャレ」は違う単語系列として登録されておりました。
 そして、そら様はおしゃれをするのですか?」

そら「おっふこーす!こないだ、テレビに出たじゃない?あの時、インターネットのサイト*1を参考に、可愛いお洋服を考えて、そのイメージで変身したでしょ?」
レイ「はい、あの時の変身は、そら様の理想のアイドルを実現しろというご命令でした」
そら「あの時は〜アイドルに変装しようーって言う気持ちだけだったけど、やっぱさ、オシャレしたらやるぞー――!ってなるものなのよ。
てかさ、日本一武術館で、あたしの体をみんなが、あたしの踊りに合わせて一斉に見るのよ!スカートをくるってしたらさー、お客さんもくるってなるの。面白かったーッ!
女の幸せに目覚めたと思うのよ!あたし!」

レイ「それはよかったですね」
そら「うんっ・でねでねっ!おもったわけ。
あたしは今まで、若さとかわいさだけでやってきたけど、もうちょっと服装に気を使うべきなのよ」

 若さとかわいさに絶対の自信を持つ11歳の美少女が、8月にあわせて冷房機能をつけた宇宙服の中のヘルメット越しにニッコリと微笑んだ。
レイ「我々が作成した衣服は、温度調節や防護機能を計画的に付帯しております。その宇宙服も大西洋に沈んだアメリカのスペースシャトルの残骸から修復したもので……」
 宇宙人たちの宿っている物質は基本的に捨てられたガラクタを改造したものであり、そらの着ている服もほとんどが拾いものであった。
そら「そこら辺は、ロザリオがバリアーを張れば良いじゃん」
レイ「そちらのほうがいいのですか?了解しました。」
 バリア機能は宇宙人にとってもエネルギーを消費するので、これまでは多用していなかったのであるが。
 レイ「いま、インターネットに侵入して調査をしたのですが、そら様の年齢の女性は、保護者の選ぶ衣服よりも、装飾性を優先した衣服を選択し始める時期と知りました。そら様もご成長されました。喜ばしい事です。そのためならば、我々の労力を割かせていただきます」
そら「ふふん。あたしも素敵なレディーを目指す歳になったのよっ。てなわけで、今はお洋服を選び中〜」
レイ「そら様がデザインした服をミイコ達が作成したら良いと考えます」
そら「ドアホ!」
 バシッ!ポイいいん。ポス。
 再びティッシュの箱がレイの頭で跳ねた。
そら「こないだのアイドル服を頭の中で考えるのも結構面倒だったのヨ。あたしはいそがしーの!だったらプロに金を払って作らせたほうが楽じゃん。あたし、おかねもちになったんだしー。おほほほほほ」
レイ「流石です。そら様。どのような衣服を購入されますか?」
そら「うーん。そうねー。お兄ちゃんにつりあうレディーになるには、やっぱりこれくらいは必要よねー」
 パソコンの画面には、海外ブランドのホームページが並んで、数万ユーロだか、数万ドルなどという表示が並んでいた。
そら「ふははははは!あたしはお金持ちだからねーっ!こんなドレスを千着買っても全然おつりが来るもんねーっ!」
 時給数百億円のアイドル出演料を手にしたそらは、通販中毒エコノミック美少女と化していた。
レイ「しかし、そら様。そのように散財をしすぎるといくら大金でもいつかは無くなります。倶雫様の入院費も必要です」
そら「生活費は今までどーりミイコ達がパチンコで稼いでたらいいのよ」
レイ「しかし、そら様。我々の能力でパチンコで稼ぐのは簡単ですが、当たりすぎると怪しまれますので、最近は縄張りを変えて遠くの店まで出かけなくてはならなくなっておりま……」
そら「うるさい!がんばれ!」
 バシッ!ポイいいん。ポス。
 またもレイの頭でティッシュの箱がバウンドして同じ所に戻った。
 そんなやりとりをしながらも、そらとレイは毎日病院に通って、そらは兄を見舞って、兄が見ている夢を見た。
  
  


Jack IN
  
  
2003/08/01

2003/08/02

2003/08/03

2003/08/04

2003/08/05

2003/08/06

2003/08/07

  
  
Jack OUT

*1:死んだ片平涼亮の持ってたエロマンガに書いていたマンガ家のエロ同人サイトである