玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年8月 第8話 第5節

サブタイトル[禁断のロリコンオーディション]   
前書き:ついに秘密地下基地でのロリータアイドルオーディションが始まります。」

  • 東京ドーム地下闘技場の下の地下演芸ホール

そら「お望み通り、来てやったわよ!」
小松「着て来ちゃったんだ…」
 舞台の中央でスポットライトを浴びて白く輝く白スクール水着のそらに向かい、闇から男の嘆息する声が。
ロザリオ「我々の予想が当たりました。ここまで着てくる必要はなかったのです。
そら「敵の言う事は聞かない!」
小松「怒らないでくださいよ。ふふふひ。
 私はね、あなたの美しさに魅了された者です。敵ではなく、あなたをまた見たくてお越しいただいたのですよ」
 半円形の舞台を取り囲む真っ暗な客席の、その壁に取り付けられたスピーカーを通して、軽薄に作った声をかけるのは先月の24時間テレビジョンでチーフチャリティディレクターを務めていた小松康次であった。彼は演芸ホールの天井桟敷の奥、冷房の利いたディレクションルームの革張り椅子に肥満体をもたれさせ、マジックミラー越しに頭令そらを見ていた。
小松「ですから、その衣装を着て来ていただけたなら、水着審査を、ふふ、初めに始めましょうか……」
  
  
タイガー「へ、へっへっへ。小松さん、どうです?ちゃんと来ましたやろ」
小松「まだわからん。報酬は、テストの後だ」
 薄暗いディレクションルーム後方の扉から顔を出したタイガーを一瞥してすぐに振り向き、小松は頭令そらの肢体の各部を映し出すモニタをきょろきょろと見ながら言った。
タイガー『こいつも変態やな』
 タイガーも「仕事」でペドフィリアを相手にしたり、そのような事もするのだから、小松のモニタへの視線と呼吸でそれはわかる。
小松「はぁ、はぁ…。外からは誰も入れるな!人質も見張っておけ!」
タイガー「はい!ここの秘密は誰にももらしません!」
 タイガーの退出するドアの音を聞きながら、小松の太めのフレームで飾った眼鏡の奥の目はモニタの光でぬめる。
小松「ふふ。この娘があの魔道のアイドルならば良し、そうでなくとも学校にも行っていないような子供、何とでもなる……。それにしても、美しい……」
 先月の24時間テレビジョンで魔道のアイドル天宮ロロールに番組をメチャメチャにされ、グループ会長をも失ったメディア企業おしうりグループであった。それでもどうにか幹部職員が組織を維持した。そのうちのある派閥が、表向き罷免された小松を使い、ロロールの正体を探らせていた。
 小松はロロールが舞台上で紹介した頭令倶雫と言う昏睡患者と、夕方の時間帯に少々映した頭令そらという少女がロロールと関係があるとして、その隣のタイガーたちを使ってそらを観察していた。だが、24時間テレビジョン事件の中心に居て、その後も数週間そらを写真やビデオで観察していた小松は、もうすでにグループの命令を超えて、頭令そら自身に夢中になっていた。
  
  
小松「では、君、自己紹介をしてくれるかな」
そら「名前、頭令そら。年齢、11歳。職業、美少女。住所は、、、もう知ってるんでしょ。
 では、こちらからも質問。お前は何者で、わざわざこんなところで何をさせようっての?」
小松「んふー。私は芸能関係者です。先日の24時間テレビで君が病院で歌っている所を見てあなたの才能を感じた!それで、今日は君に特別オーディションを受けてもらおうと思って多少強引にお出で願ったんです!」
そら「あ!あれを見ててくれたの!へぇー。見る目あるじゃん」
ロザリオ「そら様。相手はレイたちを誘拐した敵です
そら「わかったわ。何をしたらいいのかしら?」
小松「ふぅむ〜。好きな歌を好きなだけ歌ってくれたらいいんだよ。ほら、脇にカラオケセットが」
そら「歌うだけで人質は返してくれるの?」
小松「ああ、すぐに返してあげます。ご褒美もさしあげます」
そら「じゃ、お安い御用ね。それでは、頭令そら、歌いまーす!」
  
  
 そして、そらは好きな歌を好き勝手に歌った。
 前回の24時間テレビジョンと同じ、大好きな歌を。
 今は観客のいない、闇に囲まれたスポットライトの中で白猫の舞を歌うそら。
 アイドルに変身していなくとも、こどもの体のままであっても、そらは素晴らしい。歌が大好きで、兄にいつも歌を捧げ、一緒に踊ってきたそらの歌謡は11歳の美少女の輝きであった。
 スポットライトの熱で汗が光り、白いスクール水着と白タイツがうっすらとすけ、薄桃色に色づいた少女の四肢が舞い踊る。王冠の様な白猫耳を中心に回転するピルエットに煽られて、そらのピンクブロンドの髪が花開く。
 髪の花弁が舞えば白スク水だけのそらの体はむき出しの百合の雌しべに見え、リズムよい腹筋に合わせて胸郭が膨らみ、ふっくらとした薔薇色の唇から歌声があふれ、闇を満たしていく……。
  
  
小松「合格だ!」
そら「そうか!」
小松「頭令そら、君こそが24時間テレビジョンから寄付金をかすめ取った魔道のアイドル天宮ロロールだったのだな!」
  
そら「……はぁ?子供のあたしがあんなきれいでスタイルの良いアイドルなわけないじゃないの」
小松「あんなものは、特殊メイクでどうとでもなる!君の今の歌の声紋が24時間テレビジョンの時のものと完全に一致したのだよ!」
  
  
ロザリオ「セブンセンサーが彼の過去の行動履歴を検索しました。彼は24時間テレビジョンの関係者です。我々が宇宙人であるという事は見破られておりません
そら「そうか!特殊メイクか!そこまで見抜かれていては仕方が無いわね!
 じゃ、合格したんだからさっさとこいつらを返して。ご褒美ももらおうかしら」

小松「君、自分の今の立場、わかってる?君たちはねえ、24時間テレビジョンを滅茶苦茶にして多大な損害を出したんだよ。ご褒美どころかお仕置きだよ」
 小松はとてもうれしそうに言った。勃起を抑えながら、しかし涎が机に垂れるのは気付かない。
そら「ふっ。あたしが取ったのはあくまで出演料。おまけにあたしのおかげで寄付金倍増。残った分でも例年通りの利益は出たはずだわ」
小松「そぉか〜。電子マネー口座を操作したのも君たちだったか。やはりなあ。
 私は”多大な損害が出た”と言っただけだよ。ふっふっふっふ。天才ハッカーと言っても子供だったんだねえええ。かわいいかわいい」
そら「はぁ、そういうことぉ。で、か弱い『天才ハッカー(笑)』のあたしはどんなお仕置きを受けるのかしら?」(宇宙人の物理的な電子操作で口座のデータをいじったとは、そんな事はわかるわけないわね)
小松「んふっふっふっふっふ!いいんだね!いいんだね!では!
私に君をプロデュースさせてくれ!
  
  
 
ずこーっ
そら「…なん…だと…?プロデュー…ぇ…?」
小松「私は24時間テレビジョンのチーフディレクターを務めた小松だ。あの事件から一カ月、君の事ばかり考えていた。そしてっ!探偵に君を探らせてからはずっと君の生活を見ていた!だからわかる。
 大衆を魅了する君の美貌と才能、そして私のプロデュース能力があれば、芸能界を制覇できる!
 のみならず!君たちの怪盗としての力と私の情報網があれば、会長を失った我がおしうりグループを足がかりに世界にも君臨する事が出来るのだよ!」
そら「えーと、……うーん。お前がアホだという事はわかった。さっさと帰らせてもらう」
小松「君の事はすべて調べていると言っただろう!……タイガー君、入って来なさい」
  
  
ガラガラガラッ!
バッ!
 舞台袖からレイ、ミイコ、ミニコ、ミミコが首輪をつけられ、後ろ手に縛られ腰縄を付けられ現れ、そこに照明が当たる。
 奴隷たち四体は目だし帽を被った黒服の男二人に前後を固められていた。
ロザリオ「男二人は404号室の隣に住んでいるマダラ金髪とデブです。
そら「おまえたち!(棒読み)」
小松「君たち家族は私の手の内にあるのだよ。
 さあ、契約書を受け取り、私の専属アイドルになると誓うのだ。誓うのだ」
タイガー「ほい」
 覆面タイガーから受け取った契約書を一瞥したそらだが、
そら「あんたたちのやりたいことはわかったけどさあ、正直こいつらがどうなろうが、あたしはどうでもいいのよ?
 こいつらは自分で何とかするでしょうし。あたしは東京ドームで遊びに来ただけ」
 契約書をぴらぴらさせながら言う頭令そら。
レイ「そうです。そら様。我々にはお気遣いなく」
 そこへスピーカーから小松の声が。
小松「お兄さんもかい?植物状態だそうじゃないか。君はそのお兄ちゃんを目覚めさせるためにアイドルに変身してお金を稼いだのだろう? だったら私の言うことを」
そら「お兄ちゃんに危害を加えたら、殺すっ!」
小松「おお、怖い怖い」
ロザリオ「そら様!倶雫様はイの1号室が守っておりますし、いざとなれば国外にも転院できます。どうか、武力行使だけはお控えください
そら「そうか。……やっぱり、殺さない。でも、すごく腹が立ったな!
 顔をお見せ!小松!このボールは爆弾だ!
 ゴースト!奴の壁を破れ!
野球ゴースト「斥力フィールド展開」
バガァアアアアン!
 そらが突然、手提げかばんから狙いも付けずに放り投げた野球ゴーストは客席を兎のようにバウンドし、隠れた小松のディレクションルームの壁に突撃粉砕して自らは粉塵の中に隠れた。主人に爆弾をやれと言われたらやるのが奴隷宇宙人だ。