玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年9月 第9話 第5節

サブタイトル:第9話 [家庭教師VSニンフェット!頭令兄妹誕生の秘密です!!]

 最新鋭高級サルーンの広々とした後部座席を占領して、ふてくされている少女がそら。着替えて今は軽くフリルの付いた萌黄色のスクエアネックブラウスに白い麻のキュロットスカート、白いハイソックスで胡坐をかいている。
そら「あーあー。もうちょっとで勝てたのになー」
社「そうだな。貴様は物覚えが良い。一日であれだけ出来れば上出来だ」
そら「あたしがムカついてんのに、あんたが落ち着いてるってのが気に食わないんですけど」
 運転席を後ろから、そらの運動靴が小突いても、社に運転を間違わせるほどではない。そらも少しは考えた。
社「スポーツと同じさ。私はルール違反をした。だからペナルティを受ける」
そら「刑務所からは出所したんでしょ」
社「そう単純なものではない。社会的制裁や大衆感情、モラルの問題があるのだな。それがこの仮面のシステムだ」
そら「ワタシはそういう難しい事はわかりませんー。子供ですからー」
社「だから私が家庭教師をする」
 そらは後部窓ガラスから、空を流れる雲を見上げ、
そら「もしかしてあんた、あたしにさっきみたいな事を見せたかったの?社会教育ってさ。そーいうの、ムカつくんだけど」
 バックミラーにそらの白い喉が上下するのが映る。
社「それはない。私ももうすこし貴様とテニスをしたかったさ」
そら「そう……。レイ、家に着いたら起こして。ちょっと寝る」
レイ「わかりました。そうします」
 社はバックミラーでそらの寝顔を見た。弱い矯正超音波は、外には聞こえない。警察とレイには、知れた。
キュィィィィ・・・・・・・・・・
 矯正超音波よりも、ハンドルを捌けば、そらに叩かれた二の腕の痛みの方が気になる。
社『すぐ手が出る癖は直さんとな……。しかし、根は優しい子だ。何年も兄の介護をしていたのだから』
キュィィィィイイイイ・・・・・・・・・・  
  


Jack IN
   
   
2003/09/19

  
  
Jack OUT