玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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「はじめたいキャピタルGの物語」(著・画 富野由悠季)の感想ラノベ

とりあえず、最近のガンダムエースで一番ワクワク面白かったので早速アンケートはがきに連載希望要請を送った。

GUNDAM A (ガンダムエース) 2010年 12月号 [雑誌]

GUNDAM A (ガンダムエース) 2010年 12月号 [雑誌]

とにかく富野分が炸裂していておもしろい。
先日、ライトノベルを書きたい人の本を購入して、読んだところ、富野はライトノベル創始者と言ってもいいのに、ライトノベルの基本的な決まり事を全て破っていることが判明した。

ライトノベルを書きたい人の本

ライトノベルを書きたい人の本

今回の「はじめたいキャピタルGの物語」はそれがさらにひどい。
しかも、祝辞の代わりに構想を急ごしらえで8ページの未完小説にしたので、文体も無茶苦茶の急ごしらえだ。
「嫉妬の嫉み」とか、俺でもわかるダメな二重表現が平気で出てくる。
「頭上のカメラのつま先が動き、ライフルが」とか、一文の中で明らかに3回はカット割りが入って視点が変更しているような外道な文章だ。
これ、ライトノベルの新人賞なら一次選考でゴミ箱直行ですよ。
しかも、ライトノベルの読み切り投稿で一番やってはいけない事「未完」を堂々と載せている。気でも狂ったのか。
だが、それが富野なんだ。アニメ監督が描く、動的文章なのだ。三次元空間と時間、それを1次元文章に無理やり写像しているのだからそうもなろう。
文章を文字の順番道理に読んで理解するのではなく、文章丸ごとを一気に脳に取り入れて解凍デコードするような文体なのだ。それが出来ないで富野文相が読みにくいという奴はクンフーが足りない。というか、ちょっと言語基体のチューニングを合わせるだけなんだが。
一回文字を追ってから、ザッとページ全体を見て画像として認識すると、文章相互の関連性が魔法陣として理解でき脳内に概念を再生(リバイバル)しやすい。
まあ、西城秀樹流に言えば「富野監督はくどい。思いのたけが在りすぎるのよ」って訳で、自分の文章で表現できる以上の事を無理やり押し込めようとするからなあ。もうすぐ69歳だって言うのに。何考えてんだか。ちっとも落ち着きがない。
あと、女の子の描写が可愛すぎる。女の子の衣装に対するフェティシズムが暴走して一文が異常に長い。読んでて興奮する。一文が長いのだが、その疾走感が良い。たしかに一文は長いのだが、一文に凝縮されているので、結果的に短いページ数で展開が早い。
富野喜幸が中学生の頃にやった自由研究の宇宙旅行みたいな感じで、「僕の考えた宇宙エレベーター」の自筆図解を載せて風呂敷を広げまくり。小説としての禁じ手を使いまくり。
で、その宇宙エレベーターの概念図が、また二重螺旋とかフラクタル構造とかを取り入れてて、芸術的なんだよな。さりげなく対比物の宇宙船が書いてあるし。宇宙だから距離感が解らんけど。フォトショップらしい色塗りは雑なんだが、その荒々しさが若さを感じさせる。68歳なのに。
でも、単なる妄想じゃなくって、東京スカイツリーの設計者の吉野繁さんや建築家の藤森照信さんに「教えてください。富野です」で取材した結果なんだよなー。しかも、12月号で藤森さんに「東京スカイツリーはスマートすぎてイヤ」とか早速二枚舌。よっぽど吉野さんが現場に行ってないのが気に食わなかったんだろうな…。

ここからネタバレします。



あらすじ↓
https://randal.blog91.fc2.com/blog-entry-1312.html











[rakuten:book:14013974:detail]










もう駄目だ……。ヒロインのG使いでピンク髪の美少女宇宙海賊のアイーダ・クロノスが萌えキャラすぎる……。萌えキャラって言うか、カッコイイ!
なんというか、見た目は機動戦士ガンダムSEEDラクス・クラインなんだけど、行動は攻殻機動隊草薙素子少佐で蓮っ葉な言葉使いは「アベニールをさがして」フール・ケアのって言う感じの萌えキャラ。しかも、女の子なのに謎の主役メカ「G」に乗っている。最高。正式パイロットか?主人公のベリル・ゼナム君に乗り換えるのか?
最初は高圧的な女と見せて、宇宙ヘルメットから美少女って言うのが、また仮面のヒロインのギャップ萌えって感じでおいしすぎる!
海賊ロボのGもかっこいいよなー。富野直筆のGの顔が乗ってるけど、ガンダムナドレみたいに髪の毛のついた女性的なマン・マシーン。ガンダム00ガンダムの影響を少し感じる。曲線を使った角の感じはキャシャーンみたいな色気もある。で、富野監督はこの間「ロボットに口が在るのは、感情移入し過ぎて不気味の谷ッぽくなる」って言ってたので、口はない。が、口が無い分、丸みのある目やスっと通った鼻筋がアルカイックな美しさを感じさせる白いマンマシーンである。ガンダムの男性的なフォルムとはまた違うんだよー!
それが、主人公の少年と邂逅した時に謎のリアクションを見せるっていう、運命の出会いっぽさが最高。萌える。
しかも、なんかこれもホワイトドールやブラッドテンプルみたいな黒歴史の遺産かもしれん。
と、言う事はGが女の子だとしたら、ベリル君を巡って、宇宙海賊とマンマシーンの三角関係?寝取られ?
やべっメカ少女!Z.O.E.かよ。おじさまー!
いやいや、そこに、被差別階級クンタラの少女、ノレドちゃんが絡んでくるのだよな!ノレドちゃんはベリルのガールフレンドなので、宇宙実習に向かうベリルを見送るためにタブーを破って宇宙空港に侵入してダンスで応援する。最高。
キンゲ?宇宙実習はガンダム00の沙慈とルイスに対するあてつけっぽいな。
で、そのダンスの意匠がすごく民族的でかわいい。
もう、ベリル君モテすぎだろ。
ライトノベルの書き方で言うと、主人公には欠点をつけて親しみを持たせましょうってことらしいけど、ベリル君は地球の生命線の宇宙エレベーターを管理するキャピタルタワーの職員キャピタル・ガードと言う高貴な職業の候補生に二年飛び級で入ったエリートなので、すごい。しかもモテる。で、父親は大物実力者だが、それをひけらかさず、自分の実力で勝負。イケメン。
ライトノベルの「普通の高校生」っていう定番主人公ではなく、高貴な者、才能を持つ者の義務を果たそうとするエリート。クロスボーン・バンガード職業訓練学校の生徒みたいだ。
あ、でも、一応空気が読めないっていう富野主人公らしい欠点はあるか。空気を読まないので、ハイジャックされたら飛びかかる。最高にかっこいい。
で、空気を無視して最後に謎のポエムみたいな心情を教官や仲間たちに言ってしまって怒られるので、空気が全然読めてないニュータイプだ。
でも、そのカッコいいポエムでヒロインに興味を持たれる。モテすぎる。最高。
あと、富野主人公の思春期なので、もちろんエロい事も早速考えます。しかも、それが妙に哲学的です。最高ですね。
というか、富野小説って男性向けライトノベルって言うより、どうも少年愛少女漫画に熱血バトルとエロティシズムと男と女の間の遺伝子の暗躍のような物を加えたようなリリシズムがありますよね。

  • 未来文化が古典SFっぽい。

「南無三」を「ユニバース!」に置き換えるような富野のSFセンスなんだが。
また、未来の世界の音楽用語とか、服装描写が文化的でいいなー。
しかも、エレベーターを管理する高貴な者達と対比するように、被差別民のクンタラのヒロインが配置されてる。ロミオとジュリエット
未来でもそう言う新しい差別(イスラムにあらず!)が発生するのが、また人間の文化の業って感じだな。SFマインド!
交通の要衝には人、物、金が集まるし、階層もできるだろう。そのクンタラ階層からエリート学校に入ってくる勤勉な人もいる。
機動戦士ガンダム00宇宙エレベーターを使っても、「ソレスタルビーイングが地球を統一させる」っていう出来レースのレールに沿うストーリーで、あんまり不確定な人間たちの流動する経済ってのが描かれてなかったけど、やっぱり富野はやりましたね。
僕は以前、6月頃、富野監督が軌道エレベーターを題材にしたいって言っているのを聞いた時

最近の富野なら、軌道エレベーター周囲を舞台にしたシルクロード市場経済SFをやりたそうだな 7:39 PM Jun 6th
http://twitter.com/nuryouguda/status/15548342336

と呟いた。私の計画通り、期待通り、いや、富野は期待以上に働いてくれているよ……。フフフフ。
さあ、さらに連載を続けて、私を楽しませて下さいませんかね?
そうすると自殺しにくくなって、私のうんこ生産量が増えて地球をさらに汚染する事が出来ると言う物だ!
はhっはhっはhっはあっははははっははははははははははは!
はじめたい!





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