玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

放浪息子10

親や祖母が息子に関わったのが良かった。やっと息子感が。
中学生たちは不安定な精神で混乱しつつも、いくつかのグループや人々が触れ合って、動きがあり、若く元気でかわいい。
僕は、特に優しい佐々ちゃんが出番少なかったけどお気に入りだったので今回は台詞が増えて嬉しかった。ちーちゃんたちが手を繋ぐ所とか、姉と彼氏のデートやアンナちゃんと眼鏡で人気モデルの(えっと、名前は誰子ちゃんだっけ?)人の会話も若々しくて楽しかった。
そんな感じで若い生き物はかわいいので、あまり思想やジェンダーや正しさみたいなものを「考察する」のを強調する見方や、そーいうのを強調する演出はちょいと苦手。
真正面や真横の構図や、直線的静物による断絶などを暗示するレイアウトがあおきえいと言う技法らしいんだが、ちょいと男性的というか説明的というか、固いというか。
若い生き物の青春を眺めるようなストーリーや柔らかい絵を、ジェンダーやら社会に対する批評という固い文脈に変えるような感じで、柔らかさと固さがぶつかり合うような齟齬を感じた。
が、二鳥修一が嫌な男子に「僕はお前が嫌いだ」ってハッキリと言うシーンを、真正面同士の切り返しとカメラの死角と時間編集を繋いで盛り上げたラストは、固い演出で心情の強さを表現してて良かった。
ニトリが部屋に帰った時はドキドキしたなあ。
だから一概に固い演出だから青春ドラマには向かないという訳でもないし、あのシーンだけ真正面同士の繋ぎのアングルにしても全体から浮き過ぎるから、難しいね。プロはそこら辺のバランスを作業しててえらいなあ