また映像の原則ネタだが、マイブームだ。
ベン・トーのアニメーションはもちろん富野監督とは違う作風だが、その面白さは彼の理論を応用して考える事ができる。ベン・トーは非常に下らない理由で下らない喧嘩をする下世話なバトルエンターテインメントなのだが、おもしろい。大して作画が細かく丁寧と言うわけでもない。ストーリーが深いと言うわけでもない。でも、なんとなく面白い。
そのなんとなくを考えてみよう。
ベン・トーの構図は上手側に主人公が立っていることが多い。そのため、主人公を好意的に受け止める、もう少し応用すると感情移入しやすい、と言う風に設計されている。
また、主観構図や、クローズアップが多い。
主観構図は、カメラマンがキャラクターの視点で撮ったような映像のほかに、その場面で主体となるキャラクターが右側にたって、カメラマン=視聴者に寄り添っているような感覚のものも含む。主人公が格闘をする時に、主人公の眼で敵を殴ったり殴られたりする主観構図も多い。
クローズアップは、女性キャラのオッパイのクローズアップ(主人公がおっぱいを見ていると言う主観的意識の強調)や、女性キャラの唇やお弁当の美味しそうな感じのクローズアップ、また、主人公が敵を殴ったり殴られた時の、拳が当たっている所を画面の中心に据える事も多い。見るべきものが明確なカットが多い。
中央構図や、主人公が右側に居る構図の多用は悪く言えば単調な映像として感じやすいものだが、気楽に見れる、という印象もある。気楽なのはこの作品に合っている。また、ベン・トーは単調にならないように、1カットが短い早めのカット割りや、アクションやエロスや笑いのネタを上手く盛り込んでリズムを付けて、楽しくしている。
そういうわけで、性欲と食欲と闘争本能と言う感覚が視聴者に体感として与えられて、擬似体験できるので、高揚感があり、おもしろいのだと思う。
ちなみに、ここで主人公の名前を書いていないのは私が覚えていないからであり、それくらい何にもわかっていないけど、なんとなく面白いと言う事である。こういうアニメも、良いよね。
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