プリンセス・オブ・ザ・クリスタルの登場脱衣シーンの原画が載ってた。
公式スターティングガイドの幾原監督絵コンテと見比べると楽しい。絵コンテはアニメの設計図だけど、やっぱり原画になると格段に情報量が増えるなぁー。幾原監督も結構絵が上手いし、ほとんどの構図とかは絵コンテと同じだけど。まー、絵コンテの一コマと原画用紙の大きさも違うんだけど。
しかし、アニメーターは本当に絵が異常に上手いな。こんな細かくて速く動く美少女をきれいにたくさん揃えて描くとか、スゲー。タイムシートを打つのも、絵コンテから逆算して匠の技ですなあ。
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と、季刊エスのようなアニメーターワナビホイホイな面白さもあり。
幾原邦彦監督の2ページだけのインタビューもまた、泣けた。
このBDは10月26日頃に発売された物なのだけど、さっき読んだんですね。初めて。
そしたら、僕が29日のブログに、16話の夏芽真砂子の事で書いたのとほとんど同じ事が書いてあった。感動した。僕と幾原監督は運命の輪で繋がれている!
どうがんばっても言葉では現実そのものを語ることはできない。「言語は現実を語れない」のである。ところが同時に、人は「言語でしか現実を語れない」。
しかし人が事故的に現実を垣間見たり、現実に触れたりすることがある。その一形態が精神病である。
ジャック・ラカン - Wikipedia
世界の現実そのものの真実に直面した時、人は精神病となる。
ゆえに、言語と論理が象徴や常識によって安定している正常人よりも精神病者は現実に近く、世界に対して誠実な態度をとっているとも言える。それゆえ、真砂子は「世界の間違いを正す者」の候補に選ばれたのではないだろうか?
この世界は間違っている、というか、人間一人が理解できる大きさでは無いので、人間からは世界が狂っているように観測される。ゆえに、世界に直接かかわるものは精神病者となるのであり、精神病者こそが世界を取り戻すことができるのである!!!
輪るピングドラム第16話「死なない男」に隠された真実とは - 玖足手帖-アニメ&創作-
と、僕は幾原監督のインタビューを読む前に書いたのだが、ほとんど同じ事を同時的に幾原監督のブルーレイに既に書かれていたとは!
まあ、それだけ幾原監督のメッセージが明確で伝わりやすく、普遍的な事を描こうとしているという事なのでしょう。だから、幾原監督の作品を見た僕も、ちゃんと幾原監督と同じような事を考えるのです。それが時代の空気なのです。
↑普遍的で正しいメッセージを誠実に伝える人の顔
↑フグの毒はテトロドトキシンと言ってとても危ないので絶対に素人が調理したものを食べてはいけない、という普遍的なメッセージ
そのような、狂人や罪人もふくめて、世界という大きなコミュニティーに存在しているし、狂気や罪悪を背負った人でも家族とか小さなコミュニティーを持っているんだよね、というメッセージです。
幾原監督は小さな事も、大きな事も、目を逸らさないで一生懸命描いている、とても真摯で誠実な人だと思います。とても大きな愛を持っているいい人だなー。感動して泣けちゃったよ。
とても大変で重たいテーマも含めて、それでもエンターテインメントとして描こうとする態度は、天使のように大胆な試みを、悪魔のような繊細さと、人の子の愛を持ってやろうという感じで、とても幾原監督は素晴らしいし、輪るピングドラムは素晴らしいアニメだと思います。
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さて、お風呂に入ったらオーディオコメンタリーを聞きましょうかね。
ふふふ。オーディオコメンタリーで毎日ピングドラムの新バージョンが見れる…。
充実充実…。