玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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謎の彼女X第10話 謎のアバンチュール また出崎統のおにいさまへ・・・みたいな

脚本赤尾でこ 絵コンテ 名村英敏 演出 上田繁 作画監督 小林利充

うわ、また小林利充さんとか、ザブングルF91とかやってたひとじゃないっすか・・・。ポイントを突いてくるなあ・・・。
あー、もうこんな時間。
短く言うけど、今日もドキドキした。
おにいさまへ・・・みたいだった。緊張感が。
今回は謎の彼女X特有の夢の世界やパンツ・ハサミなどの超・現実性がほとんど無く、(物理的には)現実味のある高校生のドラマだった。精神的な変態性はすごかったけど。
派手なアクションもないのに、キャラクターの精神的な変態性と、思春期の男女の張り詰めた恋の駆け引きを、張り詰めた演出と、妙な所でたくさん動く割にシンプルなキャラクターのアニメと、シンボリックな絵や効果的な照明効果で見せていて、緊迫感があった。それで、死んだり殺したりっていうアクションアニメでもないのに、ドキドキした。恋愛って、ドキドキするものなんですね。
っていうか、エロゲー原作アニメや少女漫画原作アニメやハーレム展開アニメ以外で、久しぶりに真剣な恋愛アニメだよなー。変態っぽいけど、一応法律には違反していない。(あ、卜部はたまに器物を破損するけど)


ストーリーやアクションや絵柄の派手さに頼らず、ストーリーラインと演出のみで高揚感や緊張感を表現するアニメ版謎の彼女X、いいと思います。


映像の原則厨としては、卜部美琴に下手側の坂道の上の方から迫ってくる早川さんを横から映したカットが、すごく映像の原則でした。

わざわざ工事現場の鉄格子を斜めに並べることで映像の原則っぽさを醸し出してて素晴らしかった。

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則的に早川さんは敵であり卜部を威嚇してるって感じられるよね。他にも色々と、斜めとか光源を使いこなしてる演出が楽しかった。


あと、早川さんの声の嶋村侑さんも富野信者的には重要。リュクス・サコミズはすごい肉食系ヒロインだったし。うん。


っていうか、早川さんがすっごいめんどくさい女で、女の武器とか男の弱みをガンガン使って椿明に恋愛攻撃をしてる所などがとても「女ならではの攻撃性」って感じでした。男の暴力とは違う女のひどさだよねー。
男の戦いは何か物理的なものを奪い合うけど、女の戦いは精神的な漠然とした物の優位性を争うので、女の子はちょっと違うなーって思います。ここらへんがおにいさまへ・・・っぽかったです。メンタル攻撃は基本。
まあ、おにいさまへ…はなんだかんだ言って死んだり殺したりするアクション要素もあったんだけど、謎の彼女Xはそれすらなく、ひたすら恋愛と言う事だけを突き詰めて行っているので、逆に尖ってます。


来週は正統派ラブストーリーのように浮気の要素が出てきて、修羅場の予感です。楽しみですね。
まあ、卜部とくっつく事は一話の予言の時点で確定しているので、大いなる消化試合の過程を楽しむ物語です。

謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)