玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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#ガッチャマンクラウズ 9話 長すぎ! #クラウズ論壇!

9話でもクラウズ論壇(自称)の私をワクワクさせる展開がたくさんあったので、論じちゃうぞ!
しかし、毎度のことながら、20分アニメの話をするのに6時間かける私の長文ぶりは非効率すぎる。
http://vod.ntv.co.jp/program/GATCHAMAN_Crowds/
木曜日と金曜日は無料で見れる

    • 追記

長すぎるので目次をつけます。Ctrl&Fボタンで文字検索して、読みたいトピックを読んでください。

  1. うつつちゃん腐女子問題審議論壇
  2. パイマンコールセンター論壇
  3. GALAXメディア論壇と王子様論壇
  4. 一之瀬はじめは被災者遺族なんじゃないか論壇
  5. 演出論壇
  6. 枇々木丈さんに対する審議
  7. ネット論壇ダークナイト論壇
  8. 「C」論壇
  9. お友達論壇
  10. 魔まマ論壇
  • うつつちゃん腐女子問題審議論壇

全身ズタボロで全裸でうつつの部屋のシャワーを借りて痛みに耐えているルイルイの浴室に水着ではなく着衣のまま入り込んで爾乃美家塁くんにベホマを使う、うつつちゃん。

うつつ「痛かった?」
塁「ううん。楽になった。続けて。うつつちゃん」
うつつ「うん///」
ルイルイ、うつつちゃん相手でも完全に受けです!女装をやめて全裸で男の体になってるのに、着衣の女子高生相手に受けのルイルイ、完全にこのマンガのヒロインですね!まあ、主人公が女の子だからヒロインが男でもいいんだ!いいんだ!
ルイルイの方が弱い立場という事を示すためにうつつちゃんは水着ではなく着衣と言う演出的意図なのです!クラウズ論壇の分析によれば、うつつちゃんが裸の男がシャワーを浴びてる所にいきなり服を着て入り込むのは論理的に意味があるのです!主にカップリング的な意味でな!!!



うつつちゃんの能力は生命を奪ったり、自分の生命を分け与えたり、生命力を移動させる能力。
だからベホマを使ったら、うつつちゃんのMPが減りそうな気がしたけど、うつつちゃんがベホマを使う時、ボロボロの美形男子を見て萌えてたらMPが全回復するとしたら、うつつちゃんは無限回復できるし、すごい便利能力だと思いました。
きっと、うつつちゃんはルイルイの全裸やボロボロの丈さんを見て、それをオカズにしてMPを全回復させつつ、傷ついた男たちのHPを回復させるんだよ!無限回復だよ!
だから、うつつちゃんは水着だとアレがばれちゃうので、やっぱり服を着てないといけないのです。
ほんま勃起もんやで・・・。
イヤイヤ!
うつつちゃんはそんなこと言わない!うつつちゃんは汚いこなた(黒木智子)とは違うんです!


あと、うつつちゃんは今回、ガッチャンネルというインターネット生放送の出演した時、水着をさらしてたけど、男の風呂場に着衣で入るくせにインターネットではビキニ水着って痴女かよって思うけど、それもたぶん論壇的に理由がある。あの、たぶんあれは勝負服なんすよ。ルイルイが勝負する時に女装するみたいに。うつつちゃんは基地に行く時も水着なので、「きちんとしなきゃ」って思う時は水着なんですよ。なんで水着を着たら正装したことになるのかって言うと、それは性癖の問題です。見られるって思うと肌が引き締まるんですよ!きっと!まあ、それがインターネットに乗ったら痴女なんだけども…。まあ、それはそれで…ごちそうさまです。
O・Dさんもシルクハットを被っていたから、それがオカマ宇宙人ハーフの正装なんでしょう。学生は学生服を着ます。うつつちゃんも学生なのにな…。(直前のシーンで服が雨に濡れたから着替えが水着しかなかった?いや制服もあるだろう)
服装によって気合いの違いを表すのは丈さんもやってるので、そういうアニメなんですねー。
それか、単にオカマかはじめちゃんが「水着ギャルがいた方が再生数が伸びるっす!」「伸びるわー」とか言って着させた疑惑。橘清音先輩は童貞だから表面だけ反対しつつ、本音では水着を見たがってたと思う。先輩は留年しすぎて高校3年なのに次の8月2日に二十歳になります。
http://www.ntv.co.jp/GATCHAMAN_Crowds/character/sugane.html
多分、ガッチャマンの最終回は清音が成人して酒を飲んで終わる。マサルさんかよ。


っていうか、重大なのはうつつちゃんはガッチャんねるに出る時にタスキをかけていたけど、タスキがあったりなかったり「ウツツ」だったり「うつつ」だったりする事です。



VHSDVDBDが何回出ても修正されないガンダムF91の肩の模様かよ!(装甲が剥離してるんだっけ)
作画がんばって・・・がんばって・・・


逆に、いつもLOAD GALAXに女装をして気合を入れていた爾乃美家塁くんはドテラマンみたいな普段着ジャケットで登場しましたけど、それはまあ、アムネジアエフェクトのステルスモードを解いて自分の生の顔を出していくことで大衆に訴えていこうという気持ちの表れですね。
そして、ガッチャマンクラウズ論壇的に考えると、顔を見せない梅田さんや他人の顔になるベルク・カッツェとの対比であり対決構造なんですよねー。

  • パイマンコールセンター論壇

インターネット上の平野綾さんと言えばテレビ出演からのインターネット炎上ですが、(僕にとっては単なる一俳優に過ぎない)、今回のパイマンの落語のような神広報対応はすごいおもしろかった。
中間管理職パイマンは組織としての意思決定はすごく苦手だけど、自分より立場が下に見える外野の地球人間からの問い合わせに対してはすごく裁くのが上手いのか。

まあ、酒を飲みながらやってるんでしょうけどね。耳にヘッドセットをつけて電話を裁くパイマンはプロのコールセンターおっさんやで。そこに隣の部屋のオカマのO・Dさんがベランダから登場して、一緒に飲む。(ただし手伝わない)このオッサン臭い加齢臭がたまらん。
私もSNSを運営する会社にいたことがあって、一人でクレーマー対策担当をしてたんですが、今回のパイマンほどうまくは裁けなかったなあ。上司と客の板挟みになった。やっぱここら辺は経験や知識の差ですね。ていうか、クレーマー対策を無断で上司に押し付ける新人のはじめはやはり主人公と言わざるを得ないというか、先手先手を打っている能力がある。先を読んでるって言うかパイマンが電話を受けざるを得ない状況を先に作ってる。まあ、パイマンは上司って言っても人事権もないし料理も作れないし、嫌味を言ってもどうせパンダだし平野綾ボイスだしかわいいだけだし怖くもないし、上司をこういう扱いにするはじめちゃんの行動は全く功利主義的に正しい。

  • GALAXメディア論壇と王子様論壇

ベルク・カッツェはGALAXを乗っ取ったのに新規会員登録できるんだ…。そこら辺は総裁Xがまだ一般運営を頑張っているんだな。でも社長兼プログラマー兼運営責任者のルイルイはアカウントと自宅とスーパーコンピューターを宇宙人に乗っ取られて放浪中。でも、一般運営は1日2日で支障はきたさないのか…。
GALAXは一時期のmixiYahoo!なみに広告を打ちまくっているから一般企業としても色々とあると思うし、僕もSNS運営はしてたけど、結構人の手間が必要で僕は過労になったけど…。
まあ、未来の科学で何とかしてるんでしょう!マンガだしね!
中村健治監督はC: The Money of Soul and Possibility Control で、必殺技に経済や金融の専門用語を使うくらいすごい勉強したし金融と企業の関係も描いていたので、分かった上でやってる(描写も省略も)と思う。

しかし、「GALAXオワター」「犯人は爾乃美家塁」ってその爾乃美家塁が運営するGALAXというインターネットサービス上で言ってるユーザーのアホぶりがすごい!
でも、僕も東日本大震災の時に避難所でぼんやりTwitterをやってたし、無責任で自分からは何もしないけどごちゃごちゃいうだけの愚民ってこんなものですよ。原発が吹っ飛んでるのに、とりあえず「枝野寝ろ」「東電は責任を取れ!」ってつぶやいてるだけで何もしなかったりしてたからねー。あの時のTwitter。いや、ボランティアに行った人もいるし、行っても放射能がアレしてどうしようもなかった人もいる。まあ、僕は平野耕太先生の萬画みたいなニートだから世界が滅びようと最後の一瞬までアニメを見てるだけだし、震災の当日も余震の中を避難所から荒れ果てた自宅に戻って、まどかマギカの最終回を録画するためにレコーダーの電源を入れに行った。(結局まどか☆マギカは放送延長されました)どうせ死ぬまでアニメを見るし死んだらアニメが見れなくなるだけだし。(ただし、その翌年母親が借金と不動産のせいで自殺しました。でも、僕はアニメを見ている)




悪口を言うクマのFacebook過去ログ追跡能力すごい!
本人が忘れていた写真まで拾ってくる!TwitterFacebookでの最近起きた冷蔵庫に入ったバイト炎上退職事件とかはこのアニメが制作スタートして脚本が出来た後に起きた事件だと思うけど。まあ、去年の大津いじめ自殺事件とかの過去ログ墓荒らしインターネットは企画中にやってたことかなあ。
しかし、「嫌なら電源切ればいい」って言って電源を落とした数秒後に、はじめは再起動して他人に不正アップされた自分の画像を「懐かしい」って言って保存しなおしてるし、その後もやっぱりネットを見てるし打たれ強いっすねー。
まあ、世の中の心無い悪口を見て傷ついてるルイルイに電源を落とさせたかったのがはじめの意図で、はじめ自身は別に電源を切るつもりがなかった、という事。アキハバラ電脳組劇場版2011年の夏休みみたいなものですね。
僕も震災後の夏、リアルタイムでアキハバラ電脳組を1話から劇場版まで13年ぶりに一気見したんですけど、やっぱりテレビを見てると心が荒んでメンヘラになるし親は純と愛を毎日見ていたら自殺したので、テレビやネットは見ない方がいい!アニメ美少女ばっかり見てればいいんだ!こんな現実は糞だ!人類の100年は美少女の13年に負けているのだ!
やっぱり、打たれ弱い精神の王子様と打たれ強い美少女のはじめちゃんっていう図式はウテナプリンセスチュチュにも通じる王子様ものを感じますねー。

アキハバラ電脳組 2011年の夏休み【劇場版】 [DVD]

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  • 一之瀬はじめは被災者遺族なんじゃないか論壇

はじめはすごく「不幸慣れ」しててネットで他人にどうこうされたくらいでは心が動かないんだろうなー。僕もちょっとそういう所があるね。過労からの鬱だし震災をきっかけに実家に戻ったら親が自殺したり社会恐怖障害が高じて声が出なくなったり、いろんな公的援助も頼りにならないという事を身をもって体感しているので。
しかも、僕は感情障害も患っていて、感情を顔や言葉で表現することができない。
IQが高すぎて一度にいろんなことを言うので、人との会話があまり成り立たない。
そんなわけでコミュニケーション障害を起こして「どの情報を開示すべきか」「どの程度の言葉づかいだと他人でも処理できるか」とか高すぎる情報処理に困って、失声症を発生していたら母親に「あんたの本心が見えない」って言われたまま自殺に追い込んでしまった。
だから、ネットの感想で「はじめは喜怒哀楽がなくて不気味」「はじめは主人公として悩みや成長が無いのでつまらない」って言われると、ちょっと哀しくなります。僕もインターネットブロガーをしてるとアニメブロガーウォッチスレで定期的に「グダ死ね」って書き込まれてるんで、慣れっこです。
まあ、哀しかろうが俺はアニメを見るだけなんですけど。はじめも他人に何と言われようが好き勝手やるだけだし。
まあ、ネットで死ねって言われる割に、殺されたことが無いですねー。京都大学をクビになった時も僕以外にもいろんな若手職員が任期の問題で同時に解雇されたので、僕だけを狙ったわけでもなさそーだった。そんな風に組織や社会からの理不尽を体験してると慣れますね。どうでもいいです。大事なのはアニメとかコラージュとかの芸術です。共感できます。


そんな風に生きてるはじめですが、「神様は何もしてくれない」「人生なんか想定外」って言ってるのはやっぱり前の話で私がこのブログで「はじめは被災者遺族っぽい」って書いたことの裏付けっぽい。
前にはじめは「自分の不幸にも意味があるって妄想した方が楽だよ」って言ってるのが、被災者遺族っぽいし、一度不幸をくぐった人の発想っぽい。
そう考えると、「自分の不幸には意味があるって考えるようにしている」はじめが「神様は何にもしてくれないっすよ」とサラッと言うのは、僕が地震被災地のチャリティなどで見たゴスペルの人が「主よ、この苦しみにも意味はあるのですね」って言ってたのともちょっと感じが違いますね。
はじめちゃんは多分神様も物理現象と同じくらいどうでもよくてどうしようもないと感じてるっぽい。それくらい理不尽を体験して、その上でその範囲内で自分が何ができるかなーしようかなーというのが一之瀬はじめ。そんな女の子が古代から地球を監視していた宇宙人で神様みたいなJJと実際に会ったのは、言葉では言い表せない体験だっただろうし、そこで神に選ばれても「おっきいっすね」「そうなんすか」くらいの事実しか述べないのがはじめちゃんの態度ですね。
普通、神様に会ったらなんか願ったりするじゃないですか。でも、はじめちゃんは神様からもらった力もアプリの一つくらいに思って人生をガッチャマン活動に賭けたりしない。
神様に期待もしてないし服従もしてないはじめちゃんの態度ですね。多分はじめちゃんは流れ星に祈ったりしないタイプ。なんかこういう人は不幸慣れした部分があると思うんで、はじめちゃんは何かを1周してきてると思う。
ただ、その過去の不幸があったから現在がどうのこうのーっていうドラマ展開にすると陳腐になるので、それは描かない、って言うのがガッチャマンクラウズの演出の間合いの取り方。
でも、描いたり表情には出さないけど、言葉にできない思いが心の底にあるんだよ、って言うことは、一之瀬はじめ名義で内田真礼さんが歌っているエンディングテーマの歌詞に織り込まれていると思う。

INNOCENT NOTE

INNOCENT NOTE

また、現代の日本に生きてる限り、大体の若者は親の自殺とか経済的な先の見えなさとか災害とかインフラの劣化などによる事故とか私と同世代のキレる世代による通り魔とかを経験してきてるんで、個人的な不幸が無い方がおかしい。むしろ、不幸なのが若者のスタンダード!(一部の高資産家の子供以外は。ただし、親の資産を持っている子供もそれを狙うハゲタカに襲われるのでやはり不幸)
不幸で夢も希望も神様も持たない子どもたちの一人であるはじめなんだけど、そういう子どもを主人公にしたら、世論に訴えるものがあるんじゃないのか、という事がガッチャマンクラウズのヒーロー論なんじゃないかなあ。何の個性や個人的事情のない人より、不幸な身の上を持っている人の方が、どこにでもいる普通の人だから主人公として共感を呼ぶ、って言う時代性。
ほら、初代ガンダムは「運動神経や元気さが無い子供でもヒーローになりたい」という欲求を刺激したからヒットしたし。Zガンダムもコミュ障で親や知り合いが理不尽に死んでも主人公になりうるかって言うことを発狂するまで問い続けてシリーズを続けるほどのインパクトを残したわけで。
で、アムロカミーユも「こんな主人公には共感できない」っていう意見も放送当時すごくあったわけで。でも、だからこそ個性的だし、新規性や没入感を産む主人公像だったんですよ。だから、こういう嫌な時代で嫌な目に遭いながらも、と言う所での視聴者としてはガッチャマンクラウズは面白く見れてます。
梅田さんも不況とか無職とか世の中の理不尽さと戦いたい、と思う所では不幸で壊れた子供たちの中でヒーローになりたがるオッサンと言うわけで、30代無職男性(幸い独身)の私としては梅田さんにも共感できます。
(私はテロを起こしたらアニメが見れなくなるから延期してるけど、梅田さんは娘を幼稚園に預けても大丈夫だと思ってるくらい自分の超能力に自信があるんだなー。たぶん、娘さんは3万人近くもいる暴走クラウズに巻き込まれるフラグ―)



演出的にもこの「人生なんて想定外じゃないっすか!」ってパイマンに言う時のはじめの顔はインパクトのある構図。
すごく斜めで上下逆。ガッチャマンクラウズ君のいる町とかキャシャーンSinsとか山内重保監督作品みたいにカメラの斜めの角度をいじらない構図の絵コンテが多くて、CGや色彩はすごいけどカメラワーク自体は割と日常的なんですよ。出崎統みたいな三回パンみたいなテクニカルなのも少ないし。
そういう構図を主体にしてるアニメでクローズアップやトリッキーな構図があると、まあ、何らかの演出意図の重みだというサインだという事はわかりますね。
「人生は想定外」って言うことはパイマンにとってもはじめにとってもなにか心情的にあるわけですよ、って言うサイン。
前の話でのうつつとはじめの口喧嘩も、セリフよりも絵の構図でインパクトを伝えていて、うつつの心情の変化は論理では説明されてないけど(ODさんが補足したけど)非言語的にうつつに影響があった会話だったって伝えて、うつつのゆっくりとした心情の変化のきっかけとしてちゃんと演出されてる。
こういうのはいいですね。

  • 演出論壇

で、トリッキーな斜め構図でパイマンにインパクトを与えておいて、「神様は何もしてくれない」「この星の人じゃないから何もしてくれない」と言った後に、

この四角の枠組みを強調したで水平で安定した構図で「僕とパイパイは友達だからいいんすよ!」っていうセリフを言わせて非言語的にはじめとパイマンの結束感を感じさせるのすごい。
「友だちなんすよ!」って、論理的には全然根拠のない発言だけど、演出的には不安定な構図から安定した構図に変化しつつ「友だち!」って言うことで、「この主人公は仲間を裏切らないんだろうなー」という安心感を非言語的に、有無を言わさず演出してる強引さがすごい。中村健治監督作品はすごく設定や心理描写の機微を脚本として組み立てておいて、演出としてはあんまり言葉を使わずに圧縮してる作品が多いので、爽快に感じる。
宇宙人のJJとは決別してパイマンとは仲間って言うのは、かなり話の筋としては色んな情報が盛り込めるドラマの場面なのに、これを構図の演出の力で納得させて、数秒で済ませるスピード感がすごい。
このパイマン抱き込みの場面からすぐ後に「カッツェさんどこっすかー」ってボスキャラを直接さがすというインパクトを出して、その数秒後にルイルイがニュースサイトを見て心を痛めて、

外に出て

説得して和解して

雨が晴れて虹をみんなで見て

ガッちゃんねる配信っていう有無を言わせないスピード感と圧縮濃厚Bパートの畳みかけ方はすごい。
しかも「ガッチャマーン!ガッチャマーン!」連呼ソングもBGMで使っていて、すごく有無を言わさない感じの演出。
このスピード感はテレビアニメというより、劇場版アニメっぽいですね。
1週1週の1話ごとの話のフックの懸け方はちゃんとテレビアニメらしく引きを作ってるんですが。
1クールアニメでオリジナルドラマをやろうとするとやっぱり劇場版みたいな濃い感じになりますよね。
中村健治監督の出世作のモノノ怪も短編集アニメだったしなー。
また、ガッチャマンクラウズは関東の実在する日常をあっさりした絵柄とビビッドな色彩で描きつつ、内容は宇宙人などの荒唐無稽なアクションというのは、クレヨンしんちゃんの劇場版に近いですね。
中村健治監督の昨年の作品の「つり球」の踊りながらミサイルを撃つところとかも「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」に近いワクワク感がありますね。温泉わくわくは名作ドラマ映画としていろんな賞を取った嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲の2個前の原恵一監督のアクション映画。
温泉わくわくは興行収入が低かったらしいけど、僕は塩沢兼人さんが演じる最後のぶりぶりざえもんの登場作という事もあって、好きなんですよー。怪獣映画好きだし。
だから世相を反映しているガッチャマンクラウズは12年ぶりのオトナ帝国っぽいドラマ感を持ってるんじゃないかなー。

  • 枇々木丈さんに対する審議

丈さんはカッツェに負けたので、戦姫絶唱シンフォギアG と同じくカンフーの特訓してるかと思ったら幼稚園にもネット会見にも顔を出さず、酒を飲んだり煙草吸ったりしてるだけだったので見損ないました。

でも、NTでO・Dとうつつの能力がネタバレされていたら丈さんが最弱のガッチャマンだったので仕方ないのか…。


はじめ「万物を設計する能力」
清音「時空を跳躍する能力」
パイマン「質量を増減させる能力」
うつつ「生命を操る能力」
O・D「星を崩壊させる能力」
丈「炎を操る能力」


みんなチートなのに、丈さんだけ…。ガッチャマンって言うかチャッカマンや。
丈さん!がんばって!がんばって!炎って言ってもほら、200度の炎もあるけどゼットン火球みたいな1兆度の炎もあるから!まあ、それ使うと余熱で地球滅ぶけど、頑張って炎の熱の方向を操って指向性持たせる能力を得るとか!ワンピースのエースくらい頑張って!

でも飲酒喫煙とコピー取りしかしてない・・・。(市長と同僚の公務員は動画サイトを見てサボっている)GガンダムやシンフォギアGみたいにカンフー修行回しろやオラアアアア!


まあ、シンフォギアは能力よりもカンフーやカラテと根性を重視してる所があるよね…。空手万能論。歌の話なんだが…。
丈さんも酒や煙草をやりながらコピーを取ったり女子職員に声をかけられたりしてダラダラ働いているうちになんかよくわからんけど精神的に回復して心ノートが復活下っぽいので、根性はあるんだと思う。
っていうか、ガッチャマンって酒飲んだり喫煙したり甘いものを食ったりしたら回復するのか。そうか。おっさんやな・・・。まあ、栄養と麻薬は大事ですよね…。
修行もしてない丈さんがどんな風に最終回前にパワーアップ復活するのか、単に自爆するだけなのか、気になりますね。


まあ、ダークナイトの僕的な一番の見どころは「描かれてないところでジョーカーがコツコツ一人で爆弾を敷設して苦労してて偉いなー」「バットマンは金を持ってるからジョーカーよりもたくさんツールを持っててうらやましいなー」って思う所で、特にジョーカーの哲学に対して論じて来なかった私ですが。
ガッチャマンクラウズのネオハンドレッドのクラウズでは地味に爆弾を敷設しなくても遠隔操作アプリで見えないすごい力で爆弾やたくさんの戦車並の被害を拡大させられるという数的なすごさがある。で、それはネット発の暴力革命の戯画化でもある。
田中角栄は「政治は力なり、力は数なり」って戦後民主主義を表したんですけど、今のインターネット時代、数をそろえること自体はすごくお手軽なんすよねー。
識字率が高く、同じ通貨を使い、大体均質化してインターネットにもアクセスして新聞も読めてテレビも見る、って言う日本人が1億人以上もいる。
だから、今作ではインターネットが重要に描かれているのに多国籍関係は描かれていない。首相官邸が狙われるが、外交の軍事的緊張は描かれていない。基本的に関東ローカルで進行している。
しかし、ガッチャマンクラウズは海外でも反応がよい。

海外のオタクが選ぶ「2013年夏アニメランキング」

http://a4chan.ldblog.jp/archives/30935073.html

ガッチャマンクラウズ』が1位に挙げられている。
世界的な問題や人類普遍的な問題を扱いつつもドラマ進行自体は1都市単位で分かりやすく動くって言うのはダークナイトっていうかバットマンアーカムシティみたいなものですね。タイガーアンドバニーもそうだし。
見やすいんですね。だいたい、人が実感として人の単位を認識できるのが1都市レベルって言う感じなんじゃないですかね。ゼーガペインの舞浜とか。

  • アクセス数といいね数論壇

で、人数の話ですが。
私もブロガーをやってて何回か炎上する記事を書いているが、アクセス数が多い記事やサイトが質的に優れているという事とは実は関係があるようで、ない。
ネットでのアクセス数やクリック数はカウンターで表示されるが、それが記事に対する賛同という質的優位性とは違う。
簡単に言うと、今の日本ではクズの頭数をそろえるの簡単なんですよ。
ほら、医療も発達して人が死ににくくなったし、人権が平等ってことになって団塊の世代が繁殖して人口が増えてクズの割合が増えた。
自分からは特に何もしないし能力もないし意欲もないコモディティな大衆が数だけはたくさんいて、医療費とかインフラとかを圧迫している。(と、同時にその数の多さに付け込んでいるチェーン店やソーシャルゲームなどの企業もある)
なんか書いてて時間が経って丑三つ時になって10時間も同じアニメについて文章を無償で書いていると肩こりがひどいし飽きてきたんで、画像で示す。
(まあ、キモヲタは昔から無償で長文を書くし、昔みたいに有料でアニメ雑誌に投稿しないだけマシ。宮崎駿監督は少年時代に艦隊これくしょん雑誌に長文を投稿して紙面論争していた)


ネオハンドレッドの動画の再生数と賛同数の違い。


これは敵側の描写だけではない。
主人公の知り合いが、ネット上で主人公を理解して応援するコメントに賛同するが、その賛同数は単なる悪口コメントよりも圧倒的に低い。
「塁くん良いこと言ってる!」141up




「何を言ってるのかさっぱりだよ!」87,329up。
政治は力、力は数って言う田中角栄の民主主義の時代があって、日本人は質的に堕落した。

人の言葉に耳を傾ける人より、「お前の話は分からん!」って言うだけのバカの方が圧倒的に多い。
これはインターネットを描いたアニメとしては、「安らかにボタン」や動画の再生数やコメント引用数が「政治的な正しさなんだ!人とのつながりなんだ!」と言う風に描写した(ように取れなくもない)革命機ヴァルヴレイヴ論壇とも比較して考えたい今日的な最新アニメ論壇です。
でも基本的にヴァルヴレイヴ論壇はわけわからないアニメなので、あんまりよくわかんないです。ヴヴヴは超展開が多いので、考えて書いてるのか天然なのか偶然なのかいまいち分からんのです。
ガッチャマンクラウズはこういう画面の端での数字にも演出的な意味があって味わい深いなあ。1回アニメを見ると、はじめちゃんは知り合いや市長にはすごく支持されてるように見える絵の運びなんだけど、コメントを読んだり数字を比較するとガッチャマンはあんまり賛同されてないと思って、評価軸が揺さぶられて面白みを感じる。
立川市長やバラッチやはじめちゃんのツレの婦警と自衛官はあんまり賛同されてない意見にも賛同することができるくらい流されない意志を持っている、と言う描写なのか、それとも単に知り合いだから応援してるってだけなのか、とかいろいろと考えることができて味わい深い。
震災後のインターネットを介した人の絆の力の質と数を考えると、こういう他人と知人との数的関係を最終的にドラマとしてどういう評価として落とし込むのか、って考えると、ガッチャマンクラウズは毎週楽しみですねー。
ちなみに、僕は親ともコミュニケーションが取れなくて親の借金問題から目を背けて、親もプライドとかトラウマの影響で僕とコミュニケーションしなくて、母親が自殺したので、Cの公磨くんを無駄に老けさせたみたいな感じです。
だから、人とのコミュニケーションの質的な良さとか温かさは全然信じられないクズなんですけど、アニメの中の人は基底現実のクズ社会とは違う物理法則で成り立ってるので、現実にはない人の温かさを描いていてもいいと思います。非実在青少年のそういう所には夢があるよね。

  • 「C」論壇

で、ノイタミナのC: The Money of Soul and Possibility Control 論壇になるですが。僕は放送当時「『C』はまどかマギカなんかよりもよっぽどすごく現実を描いている名作だ!!!」って記事を書いていたんですがね。
ノイタミナの「C」最終回 最終考察 - 玖足手帖-アニメ&創作-
ほら、僕は脳内妹萌えだから…。「Q」みたいなパートナーすごくかわいい。
これは株式アニメで、株価の差分でたくさん儲けたら超能力が使えるって言うバトルアニメなんですけど。結局株で儲けるってのはどういうことかって言うと「C」の劇中で「インフレなどで価値が変動する金よりも、人の心の中の信用の方が大事」って言われてるんですよ。
これはなかなか深いじゃないですか。


で、最近僕はKLab株式会社の株取引を2年近くウォッチングしている。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=3656.T&ct=b
この会社はキャプテン翼のモバゲーグリーニコニコアプリソーシャルゲームコンプガチャでぼろもうけした企業です。でも、ユーザー対応が最悪で、コンプガチャ規制などで昨年前半の大きく株価を落とした。
2012年1月の株式分割ライブドアホリエモンが貧乏人に株を買わせるために使った手段)で、上場ゴールで取締役会が株を売って現金化して、個人投資家の資産を吸い取っている企業です。

そんで、今年は超赤字決算で株価が4月に連続ストップ安になった直後に個人株主に安く売らせたタイミングで、人気コンテンツのラブライブ!スクールアイドルフェスティバルのソーシャルゲームの運営を開始して連続ストップ高になった後、やはり7月の超赤字決算で特別損失計上を発表して、株価を下落させて元の値段に戻して、社長は株を先に売って、個人投資家の資産を現金化して儲けるという本当に怪しからん企業です。
個人投資家外資系金融会社の養分です。そして、値動きからは外資系と経営陣はインサイダーで結託しているという疑いもある。
まあ、そんな信用と不信と、情報の不均衡のバランスで株価が変動するのが資本主義経済なんですわ。


僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

上記の本は糞つまらない投資家の本だったが。投資家は「資本主義が皆が富を得たいという普遍の欲望に合致しているから社会主義のような一握りのエリートの運営する社会より正しい」って言うんだけど、それは投資家にとっては金が行き来した方が差分で儲ける機会が増えるからそう言ってるだけです。そして、投資家が本で「投資家が正しい」って書いて世論を誘導しようとするのは「僕が一番大事」って言う身もふたもない自己保身本能に過ぎない。っていうか、最近の現代思想書やビジネス書はすべてこんな自己保身的な、出版社に名前を売り込む履歴書の延長に過ぎない。
ただ、そんな社会は結局企業や個人個人の欲望のぶつかり合いで全く正義も善性もないのだが、人間の欲望の本質的な浅ましさ、「他人を蹴落とした分、自分は利ザヤを稼ぎたい」「人の信用や情報を操作して、金を得たい」というクズっぽい性質は非常に示していて、ウォッチングする分には非常に面白い。
で、最近も東洋経済会社四季報でネガティブなことが書いてあって、KLabの株式掲示板は荒れていて、そのコメント欄がとても香ばしい。
「自分だけは助かりたい」「他人には嘘情報を握らせて損をさせたい」という業が渦巻いていて見ていてとってもかわいい。そして、きっと誰も助からない。
まさにメ、メ、メメメ、メシウマアアアアアアアアアアアア〜〜〜〜〜!!!

売り煽りや買い煽り、グッドボタンとバッドボタンの数でフォントの大きさや賛同数が可視化されて精神的に不安を煽って金の動きを誘発してくるの、株価の掲示板ってGALAXみたいですよねー。
しかも企業の社員や投資会社のやとわれのサクラ投稿も入り乱れて、人間の足の引っ張り合いが見れてとてもかわいい。
まあ、株なんて中間層にとってはギャンブルだしパチンコと同じように心理的に熱狂させて金を機関が毟ろうって言うクズなシステムなんですけど。そういうクズが可視化されると、とてもメシウマです。
で、「C」で株をテーマにしたアニメを作った中村監督なので、こういう株取引が人の不安やデマゴーグとリンクしたものだって言う感覚はあるでしょうし、それをネット描写に取り入れたとしてもおかしくない。
まあ、TwitteryoutubeFacebookもいいね!の数の多さ(そしてそれは質量としては何の意味もない数字に過ぎない)で優越感ゲームをしてるようなのがインターネットの世界ですわ。そして、かりそめの正しさ、自分が認められている感覚をもって、たくさんフォロワーがいる人の方が正しい、みたいな感覚がインターネットにはある。
だが、そんなものは単なる数字でしかないし、インターネット時代では数は何個もコピーできるし拡散できるしクズの頭数は簡単にそろえられるし意味はない。
そんな意味の無い数を「政治は数、数は力」と言う風に履き違えて炎上したり、過激なことを言って支持を得るために仕事を失うような情報をアップロードしたり、実際に暴動を起こす人もいる。それがこの世と言うものだ。
本当に、人間は屑だと思うよ。
でも、ガッチャマンクラウズ非実在青少年による非実在の世界の非実在の人間のための非実在の人間関係ドラマなので、非実在の人の絆に価値がある、って言うエンディングにしてもどうせ虚構だから別にどっちでもいいと思う。
イデオンみたいに「やっぱり屑だったのでみんな死んだ」ってなるかもしれん。いや、まあ、クレヨンしんちゃん路線だから作品内世界は平和かもしれん。原作の臼井儀人先生は滑落して死んだ。


ちなみに、KLab株式会社の技術顧問の元スーパープログラマーの仙石浩明さんはTwitterでこんな風に言っている。

仙石浩明 Hiroaki Sengoku ‏@gcd_org

半沢直樹」とか「進撃の巨人」とかで「爽快感」を感じる人って、そういう疑似体験で満足してしまっていて、自力で爽快感を得る感覚を忘れてしまっているんだろうなぁ…疑似ではない本当の感覚を。たとえ半沢直樹ほどカッコよくなくても自分自身の実体験の方が100万倍爽快だと思うのだけど…
https://twitter.com/gcd_org/status/374200396790501376

この発言は、9月2日に発せられたが何の反応も引かれなかった独り言である。
ですが、これを僕が9月10日に「ラブライブ!の会社の取締役が進撃の巨人をバカにしてるよ!」とアニメファンの多いタイムラインにRTしたら10分で16RTされたんですね。(思ったより少ない)
こういう風にちょっとした情報と人をマッチングして、ネットに燃料を投下することで、想定されていなかった効果を起こすことができます。てこの原理ですね。
そういう活動を私も行っているので、ベルク・カッツェが地道に世論の波に乗りながら世論の後押しをして煽って火を大きくしようと頑張ってる、自演乙書き込み活動などを見ると、親近感がわきます。

そういう情報のマッチングや、個人の嗜好による評価バイアスによる軋轢はインターネットの面白さであり、まあ、アレもあります。
ちなみに、ガッチャマンネタでRTされやすいのは丈さんネタです。


アラサーノンキャリア定時で買える公務員がんばってがんばって・・・。
僕もアラサーで、先日京都大学基礎物理学研究所の準公務員を、5年以上雇用期間があった人は強制的に正職員にする問題を食らって、1年目にしてクビになったので心が痛いですよね!アラサーは辛いぜ。

 燃えるアラサー!爽やかな味と熱い思いが丈さんわあらわしてますね!  GATCHAMANCrowds   126RT
http://rubese.net/twisoq/target.php?tag=GATCHAMANCrowds&id=377712896408846336

公式にもアラサーいわれてんぞ!しかも微妙に誤字…。


だから、ガッチャマンクラウズ論壇において、「ガッチャマンクラウズってポスト伊藤計劃とかポストダークナイトの時代に悪を描くヒーローものなのに、悪は結局『2ちゃんねる用語を使う愉快犯が絶対悪』っていう描きかたか」って言うのは、ちょっと違う。まあ、僕はどっちかと言うと悪なんですけど。
そもそも、2ちゃんねる用語なんか普通の日本語ではないし、思考言語ではない。また、ベルク・カッツェにとっては地球の日本語自体が借り物の言葉である。だから、「ベルク・カッツェが2ちゃんねらーだ」とか「2ちゃんねるが人の悪意を代表してる」という見方はちょっと僕はしないなあ。
まあ、なんでベルク・カッツェが2ちゃん言葉やネットスラングをこのんで使ってるのかって言うことはまだ彼の正体が全部明かされたわけではないのでわからんのだが。
うつつの水着とか塁の女装とか、なんでやってるのかわからないような振る舞いがたくさんある作品なので、カッツェの言葉づかいの選択の理由もカッツェにしかわかんないんじゃないっすかね。まあ、最終回待ちです。
ただ、ネットスラングは記号として使いやすく、人を煽ったり流行語として瞬間風速を出す時に便利なんですよ。だから煽り怪人はネットスラングを使う。
また、ネットスラングはネットという異質な空間での異質な言語であるために、逆に自分の個性を消して匿名性を高めて年齢、性別、所得などの情報をGoogleに抜き取られないようにするという予防言語という側面もある。
普段からネットスラングで会話をしない人がインターネットに文字を書くときはネットスラングを使うって言うのは、ネット上でのそういう目的に応じた演技でもあるんですね。
だから演技が大好きな成り済まし怪人はネットスラングを使うし、ミュージカルネタも使うんです。演技は楽しい!なんにでもなれる!


また、『2ちゃんねる用語を使う愉快犯が絶対悪』って言う演出自体が偽装の可能性が高い。
だって、実際に犯行を行ってるのは内発性が低さを理由に塁がクラウズの配布を禁じた29533名じゃないですか。だから絶対悪は実際に人を殺しちゃった3万人弱のクラウズ使いのうちの何人かだし、それはどこにでもいる人と区別がつかない。

そんな人数はアニメでは描けないじゃないですか。実際描いてないし、なんかよくわからんうちに被害ばっかりスマフォやテレビの中で報じられてる。
でも、そのサイボーグ009のブラックゴーストとかサイコパスの脳味噌シビュラシステムみたいな悪の遍在性について、一之瀬はじめは「全部僕らみんなのせいっすよ」って言ってるから絶対悪は個人じゃなくて心の底にみんなが持ってるアレです。
資本主義が標榜するところの「皆が豊かになりたいという欲望こそが他人を蹴落として利益を得る原動力」と同じです。
また、自分だけは特別で大事で人生は大事で幸せになりたい、という生命に対する執着こそが悪です。

Cの真坂木を悪くしたような怪人のベルク・カッツェはクラウズ勧誘に「願いを、すべて叶えて下さい。人生は一度きりです。決して後悔しないでください」って文面を使うの。これは「自分は個人的に特別だよなー」っていう個人の気持ちを刺激するんですけど、実際にはそれは3万人弱という集団のクズの頭数をそろえるための謳い文句で、カッツェにとって個人の大事さなんかどうでもいいし、画面としても梅田やカッツェは定型的な悪役っぽい絵で描かれているけど、そのほかの2万9千人のクラウズ使いはモブ群衆と区別がつかない止め絵で描かれている。


で、そんな何やってるかよくわからない何者かわからない群衆の片手間の携帯電話操作の結果、建物が壊れて人が死ぬ。それはインターネットやスマフォの近代性の描写でもあるんだけど、市民と兵士、武装兵士と非戦闘員の区別がつかない、って言うのは火薬が普及した近代戦ではここ200年くらい当たり前なんだよね。全員敵に見えるから焼き尽くす!みたいな。
まさしく、実写版ガッチャマンが繰り返している「俺が見えるか悪党ども。実体もなく忍び寄る白い影が」っていう主人公の主張を、ガッチャマンクラウズでは主人公と敵対して人殺しをする衝動的テロ集団と一般人みんなだとして描いていて、善悪を相対化と言うより多数に混在化させている。

ほんと、これ、実写版ガッチャマンの主人公が単なる人殺しで革命を自称してるだけの壊れた子供たちだ、って言う描写で、実写サイドから見たらガッチャマンクラウズのやってることってすごくいやがらせなんだけど、よくアニメスタッフはこんな内容をバードゴーしちゃったなー。まあ、それはすごい面白いと思う。多分、そういう危ない内容だけど届けたいんだ!っていうスタッフの熱意が企画を通したんだろうなあ。剛力彩芽的なパワーで。
友達より大事な人(初回生産限定盤)(DVD付)

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守るべき人と敵の区別がつかない。だからこそ、「僕らみんなのせい」っていう汚さの分かち合いの意識化が主人公のヒーロー性として輝くんですね。だいたい最近の作品を見ると、「俺は悪くない、お前は気に入らない」って言うのが主人公のグーパンチの説得力なんですが、

「僕らはみんな悪いけど、悪いなりに行動します」っていう一之瀬はじめはすごくガッチャマンクラウズならではの独得さを出してる。
輪るピングドラムもモブ群衆の描き方に特徴を持たせた作品だったね。
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「命を分け合うんだ」っていうご褒美(実際にはそんなものはない)をファンタジーとして描いた輪るピングドラム妹萌えとしては面白かったけど、最終的には口当たりをよくするために「視聴者もみんな一般大衆もみんな、お前らみんなクズだ!全員死ね!」っていう渡瀬眞悧先生や真砂子の逆シャアシャア・アズナブルみたいな社会的主張をぼかして兄妹の奇跡にフォーカスして描いたなー。



僕は呪いのメタファーさん、好きです。人が人であるからこそ滅ぼし合うのを見たいんだ。


ベルク・カッツェは滅ぼすけど、滅ぶべき時に滅ぼすだけで、別に滅びない流れの時や悪意が全く無かったり伝達しない場だったら無害になるんじゃないですかねえ。逆襲のシャアも「人は流れに乗ればいい!」って言ってたし、隕石を落とすのは自分の行為だけじゃなくて社会の流れとして落ちるべき時に落ちればいい、みたいにあこぎに仕向けて人類を試したじゃないですか。で、結局隕石が失敗したら昔の友だちと口喧嘩ですよ。シャア・アズナブルかわいい。

僕もネットで炎上を煽ったりするけど、本当に何にも媒介が無いタイミングだと炎上しないもん。でも、しなかったらしなかったで別に他の遊びを見つけるだけでどっちでもいいです。カッツェもそんな感じじゃないっすかねえ。
だって、楽しんでるんですもん。
僕も楽しんでるだけです。親を自殺させたのにな。ヒーローなんてアホらしい!!!僕の人生はくだらない!
でもアニメは見る。
そんでアニメの中の一之瀬はじめちゃんが「したいことをする」って言うのを見るのは結構面白いし気に入るんだよね。そういう風にネットで構ってもらったり遊んでもらいたいっていうカッツェさんの気持ち、結構親近感湧きます。クズの怪人ですけどな!
親を自殺させたり星を滅ぼしたコミュ障で嫌われ者で一人ぼっちの糞だけど、だからこそネットに僕の名前が載ると楽しいし生きてる実感があるからこういう糞みたいなブログを書くために時間を費やしている。そしてまた不眠症が悪化する。ファイト・クラブみたいになー。

  • お友達論壇

一之瀬はじめは、「神様は何もしてくれない」「でも友達はきっと帰ってくる」っていうし、逆に友だちじゃない大衆に対しては「嫌なネットの声なんか電源を切ればいい」と言う。
ODも「ガッチャマンとルイルイは運命共同体」って言う。
クラウズ論壇、大衆モブ論壇で、「守りたい、価値のある友だちと、価値のない大勢のモブ」を区別するのに、「地元出身か」「同じ釜の飯を食う友達か」っていうことを重視するヤンキー的価値観。
また、はじめが塁からの又聞きでカッツェの「真犯人は人の心。醜い心が溢れだしやがて殺し合う」って意見を聞いたら、唐突にはじめは清音に「先輩は僕が死んだら悲しいっすか?」って聞く「哀しいに決まってるだろ!」って言う正直な清音先輩。
つまりはじめちゃんがなんでそういう質問をしたのかって言うと、「知らない他人の不幸を望む醜い人の心はあるけど、でも、知り合い同士で不幸があると悲しいという素直な心もある」→「だから僕は人の素直な相互扶助的な心の方に期待して呼びかけたいっス」と言う意思表示なのである。
また、それは一之瀬はじめ被災者遺族疑惑論壇に沿うと、はじめは「他人は薄情っす。結局友だちなのは相手が死んで哀しいって思える範囲の人数だけっす」という事を実感するような出来事を経験してきたんじゃないかなあと。
こういう仲間だけが大事っていうヤンキー的価値観は結構漫画アニメでは人気で、ONEPEACEの麦わらの一味の仲間認定されたキャラと、バカな脇役との差別の描写はそんな感じです。

「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱

「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱

で、ガッチャマンクラウズの顔出し双方向番組ガッチャンネルと、一方的に犯行声明動画をアップする仮面のネオハンドレッドの梅田さんや実体もなく忍び寄る白い影のクラウズたちや匿名のネットユーザーとの違いをアピールして行くって言うお友達思考なんだよね。
しかし、「ネットで顔が見えない人より、実際に顔を見せあった相手の不幸は心が痛む」とはそうだろうか?だって、殺し合ったり闘ったり騙し合ったり金を取る事件の相手って、全くの他人より知人や親族の方が多いんじゃないかな。
たとえば、ゴーマニズム宣言論壇の小林よしのりHIV薬害の川田龍平氏との確執を起こした事件を見ても分かる。ゴーマニズム宣言の初期、90年代中盤には川田龍平氏を萬画でとても好青年のように描いて、帝京大学医学部附属病院の医師安部英ミドリ十字を「薬害魔王」って萬画で悪意的にディフォルメして書いた。
小林よしのり先生はその時「顔のないHIV被害者だとかわいそうとは思わんけど、川田龍平くんみたいにカミングアウトして顔を出して訴えかける人は、もう知り合いだからワシは助けたくなるんじゃ!」って書いた。
しかし、小林は右翼になり、左派の川田龍平と決別した。そして、21世紀に入ったころからは、新ゴーマニズム宣言の頃からは川田龍平を「醜く左派と結託したお坊ちゃん」と言う風に不細工に書き換えて描写した。顔の見えるお友達の関係なんてそんなものです。っていうか、お友達だからこそかわいさ余って憎さ百倍という事にもなる。
ゴーマニズム宣言 (4) (幻冬舎文庫)

ゴーマニズム宣言 (4) (幻冬舎文庫)

小林は薬害エイズ事件において、川田龍平親子に同情して支援を始め、「HIV訴訟を支える会」代表に就任し、精力的に活動する。
ところが運動に協力した学生ボランティアが、薬害問題に限定したボランティアではなく、永続的な薬害運動そして「戦争責任追及」など無関係な問題にスライドさせられている事例を知る。


HIV訴訟の代表川田龍平に対して、原告団や学生達が民青などの左翼活動家に利用されていることを問うと、「知ってますよ」と答えた。
小林にはそれが自分に対する悪意を見せたかのように感じられ、愕然としたという。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112346191


実際、小林は批判の後、「支える会」関係者から抗議を受けると、「わしがこんなに運動を盛り上げたのに」「わしが何千人も学生を集めたのに」といった恨み節を連発しているのだ。運動体に同伴知識人はつきものだが、かくも独りよがりな人物は見たことがない。「
支える会」関係者もこう話す。
 「結局、小林さんは、運動が自分の思い通りにならなかったことに腹を立てているだけなんですよ。こんなに一生懸命やってるのに誰もわしのいうことを聞かん、誰もわしに感謝せん、ということです。そもそも商売のネタにしている小林さんなんかより、はるかに苛酷な事情を引き受けて現場に参加している人はいくらでもいるわけですから」

 いずれにしても、この「ゴーマニスト」がやろうとしていたのは、「HIV訴訟を支える会」などではなく、すべてのメンバーが自分の思いどおりに動く「小林よしのりを支える会」だったということだろう。

結局、友達のどうのって言っても、実際の基底現実世界では大事なのは「自分一人だけ」ってのが真実で、他人はそのための道具に過ぎないって言うのが処世術で人間の感情表現なんじゃないっすかね。
で、最近の小林よしのりさんは「顔の見えるアイドル」のAKB48という、オジサンの都合で働かされて都合よく動いてくれる女の子に夢中である。

才加 の場合は最後まで
武士のように気丈に
涙をこらえたのが良かった。

今までで一番美しい秋元才加 を見せてもらった。

これからも活躍してほしい。

https://www.gosen-dojo.com/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=2417&comment_flag=1&block_id=13#_13

女の子の芸について「武士のように涙をこらえたのが良かった」って感情表現を消費して楽しんでいる。ファンのために自分の感情まで売り物にするアイドルで心を満足させるおっさん。自分とは違う意見の男は手のひら返しをして悪口を言うおっさん。

ほんと、人間って…。どこにも正義も、人との絆すらない!
でも、基底現実の人間がダメだからと言って、素晴らしいアニメ世界の非実在青少年に正義や友情が無いとは言い切れない!むしろ現実が糞だからこそアニメは輝く!

  • 魔まマ論壇

バットマンアーカムシティみたいなもんだろうけど、宇宙規模での話のわりに結局地方都市一つで話がまとまりそうなのは魔法少女まどか☆マギカっぽい。なんか壮大な割に近所で小競り合いが続くの。もっと群馬以外の世界中の魔法少女が集まるかと思ったのに、意外としょぼかった。

成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論

成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論

でも、実はそれは十年前のゼロ年代にも仮面ライダー龍騎がやったんですよね。
で、ここで仮面ライダー龍騎をなんで持ち出したのかって言うと、仮面ライダー龍騎スペシャル[13 RIDERS]は

この作品は、TV放映時に前もって「戦いを続ける」「戦いを止める」の2種類の
エンディングが用意され、放映中に視聴者がテレホンアンケートでどちらかに投票することで、投票の
多い方のエンディングを放映するという試みが行われました。
結果として放映されたのは、「戦いを続ける」ですが、後に発売されたビデオ版や
DVD版には、未放映の「戦いを止める」も収録されています。
仮面ライダー龍騎スペシャル[13 RIDERS]のエンディング

これはかなりヤバい企画で、夕飯時に見ながら「闘いを止める」って言う方に電話投票しました。
だって、蓮が苦しむのはかわいそうだったじゃないですか。
それって、視聴者の中にある悪意を試そうという井上敏樹脚本たちの実験だったのかなあ。あと、まだちょっとエヴァブームの視聴者参加型セカイ系が流行ってた時代なので。
まあ、どっちにしろバッドエンドで主人公は嫌な覆いをしたテレビスペシャルでした。
龍騎のライダーたちは、大体普通の日本人で、犯罪者もいるが、幸せになりたいって言う動機で異能の力を得た。しかし・・・。龍騎はデザインはちょっとあれだった部分もあるけど、妹萌えなので結構好きです。カブトも。
[asin:B00E59DFPO:detail]
龍騎の本編もビターエンドで、しかもテロ戦争前半の殺伐とした世相を朝の子供向けヒーロー番組でやったんだから、ガッチャマンクラウズも規制に負けずに頑張ってほしい。
人間が願を持つ限り、戦いはなくならないし戦士はみんな助からない。っていうのが龍騎のひどい思想でしたが、ガッチャマンクラウズはさすがに10年たったので、その上を行ってほしいですね。
だいたい、キャラが死なば感動するというわけでもないし。
メインキャラもモブキャラと同じ程度の悪意と命の価値を持ってる、って言うのがガッチャマンクラウズなので。そこら辺は魔法少女と一般人を分けていたまどマギとは違いますね。
まあ、まどマギでも魔法少女のおかげで人間は発展したって言うけど、それはこじつけ臭かったなあ。

  • 僕の審議

ごめん、有料で見てもいいと思ったけど、完全に風邪を引いていてブログを書く体力が無かったので、見てなかったです。どうせ最速感想アップができないなら無料配信の日まで待とうかなーって。
ごめん・・・ごめんよ・・・。
BD買うからさ…。でもCはBDを買ってもなんかようつべで公式アップロードされるんだよね…。
お金の価値って何だろうね・・・。
風邪を引いて何にもできない間、バンダイチャンネルゼーガペインの無料配信を見ていました。
ゼーガペインも名作ですが、有料で見るタイミングを考えているうちに無料配信されてしまい。しかも、その無料配信も、ギャンブルパチスロゼーガペインが導入される事に対するプロモーションです。
http://www.b-ch.com/contents/feat_zegapain/
お金の価値とアニメの価値って何だろう…。ただ、僕はできるだけ最大効率でアニメを見ていきたいです。でも、アニメを見てアニメの感想を書いていたら、アニメを見る時間が減る…。でも、アニメを見たらその面白さを人に伝えたいし、僕もファンのブログの評判を見てゼーガペインなどを知って見た。だからブログやアニメ雑誌は大事。
そして、アニメを作ってる人はアニメを作ってるのでアニメを見る時間が減る。
また、アニメを見るお金を得るために働いたらアニメを見る時間が減る…。
色即是空 空即是色
これも矛盾だ。
風立ちぬは展開に無理があるって批判したけど、便利ワードが多いですね。


ただ、アニメ調査インターネットにログインして…とにかくアニメをぶち見たいです。

  • スタッフ

脚本:大野敏哉 絵コンテ:和田高明、伊藤秀樹 演出:黒田晃一郎 作画監督:西谷泰史、谷口繁則、ムラオミノル、今木宏明、奥田佳子、川妻智美、和田高明

GATCHAMAN CROWDS   Blu-ray BOX

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