- 美しい
凄惨なアニメだ。悲しいアニメだ。ハッキリ言って、心が歪んだ人間である僕でも、見終わった日は涙で枕を濡らした。
だが、それ以上に、ラストシーンが圧倒的に美しいと感じた。
なんて、美しい、ロボットアニメ映画…。
夕日、潮騒、人々、主人公、光、宇宙、星、エンディングテーマ。
ああ、なんと美しいフィルムだったのか…。
休日は寝込んでしまって、ちゃんとした感想はまた来週核はめになりましたが。とにかく、初見で一番印象に残ったのは、戦争の是非とか、悲劇性とか、「乳離れ」というテーマなどの考察より、とにかく「美しい映画のラストシーンだった」ということです。
テレビアニメでも、ロボットおもちゃ宣伝アニメでも、こんなに、美しいラストシーンを…欲も…。ああ、素晴らしい。
と、いうか、ザンボット3は異様にシリーズ構成がしっかりしている。後の富野アニメよりもきれいにまとまっているのでは、と思った。原作付とか監督降板とか企画路線変更とか打ち切り短縮とかガンダムシリーズによる制約とか若手育成による制約とか、そう言う物から離れて最初からきちんと最後までまとまっている富野作品は案外少ない。
なので、これはやっぱり富野アニメの中でも最初のマスターピースとして刻まれるべきですね。素晴らしいアニメです。
私も不眠症の治療のために、日付が変わる前に寝なければいけないのだが、とりあえず、これだけ書いておく。
- 作者: 氷川竜介
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 1997/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
1997年に39歳でライター界に戻ってきた氷川竜介先生が単著として初めて書いた本だ。岡田斗司夫さんがプロデュースした本という事と、エヴァブームの最中の本ということもあり、オタク第一世代が若いころにリアルタイムでザンボット3やガンダムやヤマトを見たことなどが、ビビッドに書いてあった。
そして、僕は「富野監督はコンテ千本切りを経て36歳でザンボットの監督、氷川竜介先生はコンピューターメーカー勤務を経て39歳でライターデビュー。どちらも今も第一線でご活躍。でも、僕は32歳になっても無職のアニメオタクに過ぎない。
富野監督はザンボット3で家族の話をして、氷川竜介先生も“家族を養うことや社会に出ることはザンボット3やガンダムから教わった”と書いてある。でも、僕はザンボット3やガンダムを見て家族の大切さとか人の気持ちを学んでいるのに、親を自殺させ、自分も精神を病んだクズなんだ・・・」
と、非常に鬱病が悪化した。
まあ、単純に才能が違うということなんですが。
ザンボット3は家族や社会の当り前のことを描いている、と氷川竜介先生は書いた。
ぼくは、その普通の当り前の人生すらできてないんですよ!
でも、そんなクソみたいな僕でも、ザンボット3を見て感動したということは事実なので。そこは富野監督やスタッフの方の力量に賛美を送りたい。僕はクソだけど。
美しいものは、糞が見ても美しいとわかるからこそ芸術なのです!