玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

重戦機エルガイム678手形編は終わったけど

第6話 シー・ジャック 脚本:富田祐弘 演出:井内秀治 作画監督:坂本三郎
第7話 スクランブル 脚本:渡辺麻実 演出:今川泰宏 作画監督大森英敏
第8話 ヤーマン・クラン 脚本:渡邊由自 演出:川手浩次 作画監督:矢木正之


うーん。つまらないことはないんだけど、特に長文感想を書こうという気持ちは起こらない。
むしろ、リアルロボットものの典型をエルガイムが作ったのかもしれないわけで、そういうアニメに食傷気味の21世紀現在の私としては目新しさを感じないのかもしれない。


6話、ダバとキャオとアムが惑星コアムからミズン星に行く軍の輸送船をシージャックして、宇宙空間で宇宙ブースターを付けたエルガイムが戦う話。バックパックのジョイントがグローバル規格だから使えるというのはGのレコンギスタのG−セルフっぽくもある。宇宙空間でぎこちないブースター噴射で動いたり、というメカの面白さもある。エルガイムガンダムほどスムーズに宇宙を飛べないようだ?宇宙での慣性移動をガンダムよりはリアル気味にやったのかな?しかし完ぺきではない。
シー・ジャックされて人質になって縛られてたガウ・ハ・レッシィが縛られながらも抵抗したり、エルガイムを撃とうとして間違ってギャブレーの機体を撃ったり、かと思えばダバに笑いかけたり、いろいろな川村万梨阿が見れてかわいい。


第7話 いわゆる大気圏突入の話。ダバたちがシージャックした輸送船は航路をミズン星に変更させられたのだが、ダバたちは大気圏突入をさせる操舵技術は無いので、輸送船の船長やガウ・ハ・レッシィが船を操る。ダバたちに脅迫された輸送船の船長やレッシィが旅路や共同作業の中で微妙にダバたちに親近感を持ち始めて親しげになっているのが面白いかも。輸送船の船長が親しくなっていることが、レッシィがダバに妙な恋心を抱くことのストックホルム症候群的な説得力に成っているのかもしれん。
エルガイムのパワーがすごい、というのはギャブレーとの再戦でエルガイムがギャブレーのB級ヘビーメタルのグライアの首をシールドでもぎ取る所で示されるが。ガンダムがザクを派手に爆発させまくっていたのに比べると、圧倒的に地味。ガンダムは強さが分かりやすく感じられたんだが、エルガイムはそんなにインパクトが無い。エルガイムにはビームコーティングがしてあるし親の形見で王朝の遺産みたいな強さの裏付け設定はあるんだけど、なんかガンダムのザクマシンガンをはじく装甲やイデオンの無限力やダンバインのオーラ力などのような生理的な驚きはない。やっぱり、リアルロボットアニメとしてスタンダードすぎて驚きが無いのだろうか…。エルガイムの顔は端正だしデザインとして格好いいし、モーターヘッドゴティックメードのデザインは30年間ファンを牽引した長野デザインのパワーがあるんだが。大河原邦男ロボットのような「顔」のインパクトは少ないのかもしれない。
あと、敵側のメカもイデオンザブングルの流れのウォーカーマシンみたいな作業マシンの流れで、ガンダムのザクに比べるとあんまり強そうじゃない。なので、やっつけてもあんまりスゲーって感じがしない。後半にオージェとかが出てくると満たされるのだろうか。

アローンやグライアはリアルっぽい二足歩行ロボットの矛盾の少ないデザインとしては当時のエポックだったかもしれないが、今の目で見るとあんまりカッコよくも強そうでもないので。
レッシィが望遠レンズのエルガイムにダバ・マイロードの姿を重ねてしまうのは今川演出なのだろうか。そこはちょっと人情味がメカと合体していて面白かった。


第8話 ミズン星に到着したダバたちはレッシィや輸送船と別れて反乱軍に保護されてミズン星を案内される。そこで、ポセイダルに滅ぼされたダバの一族のヤーマン族が大量虐殺された跡地を見てミイラ化した死骸をたくさん見せられる。いわゆるZガンダムのサイド1のミイラエピソードに似ている。
あと、ポセイダルの正規軍がミズン星で町の人をカツアゲしたり、ガンダムアムロの故郷でカツアゲしてた連邦軍人みたいではある。色々と既視感がある。
ペンタゴナワールドという異世界の世界の常識がまだ分からんのだが、そういう虐殺とか軍人の蛮行で「ポセイダルは悪い」みたいな印象操作をするのは演出としてちょっと弱いかなーって気もするんだけど。なんかダバ本人はヤーマンを滅ぼされた時のことをあんまり覚えてなさそうで、怒りの実感とかが少ない感じで、ダバがポセイダルに立ち向かうという理由が弱い。でも、ストーリーの進行としては巨大帝国に反乱する、って言う構図を作りたいのでポセイダル軍を悪そうに描く。うーん。
8話まで大騒ぎしてアマンダラ・カマンダラに100万ギーンの手形をダバが叩きつけたのだが、死者との約束を果たすというだけで、手形の正体が何だったのかについて問うたり興味を持ったりはせず。「これで死んだ人もいるんですよ!」と言う割に、なんで人が死ぬほどアマン銀行の組織を動かしたのかということを問い詰めもせず。とりあえず一発殴って「報酬はそれでいいです」とか軽く流してしまうんだが。ちょっと雑じゃないか?
多分みんな言ってると思うけど殴られるところのアマンダラはすごくカミーユに殴られるクワトロ大尉みたいで既視感がある。
一応、私はスパロボFのキャラクター解説でアマンダラの正体をふんわりと知っているんだけど。シロッコっぽくなるのかなあ。「あの三人が私が待っていた若者たちなのか…」ってダバとキャオとアムについて言うんだけど、それほどすごい人物には今のところ見えないし単なるチンピラっぽいので、アマンダラの考えはよくわからん。


今回のエルガイムの活躍は、コックピットハッチを閉めるだけでギャブレーのグライアの指を挟んで切断したり、レッシィのスカイキャリアの機銃を背中で直撃してもこけるだけで兵器だったり、と言う程度で、地味。


あと、強さの力を蒸し返すと、十三人衆というレッシィは小娘だし、同じく十三人衆のチャイ・チャーは序盤ではコアムの基地の中間管理職にしか見えないし、あんまり凄そうに見えないのだ。
今後、ポセイダル軍の艦隊などが現れると迫力が増すのだろうか?
FSSは「騎士」という人種を作ったことですごさを底上げしている。


3話分をするーって見て、確かにする―っと見れるし退屈もしなかったんだが、かと言って深く考えたり感想が湧いてくるほどでもない。
ちなみに、絵コンテに斧谷稔とはないが、どうも人物の頭身が低い所は富野絵コンテの絵柄に似ているような気がして、レイアウト作業に時間が無い時に富野のラフをそのままトレースしたんじゃないのか?という疑惑もある。ダンバインの終盤はカロリーの高い作業が続いただろうから、それが響いているのかもしれない。


絵柄の話をすると、当時でもベテランの湖川友謙アニメーションディレクターのしっかりしたデッサン修正は見ていて気持ちが良い。と、同時に北爪宏幸氏や矢木正之氏大森英敏氏と言った湖川友謙氏が主宰するスタジオビーボォーの弟子筋も作画監督に回って、湖川友謙さんは山田きさらか名義で原画だったりする。で、永野護デザインとのコラボレーションみたいになっている。
永野護は天才なんだけど、メカニックは神経質にリアル気味に作っている気配があるが、(謎のパイプからの流水などは謎)、永野護さんのキャラクターって顔は割とかわいいというか、目が小さくて口がデカいので「じゃりン子チエ」みたいな親しみやすさがある。ファッションのデザインセンスが当時としては新しかったのでキャラクターも永野さんを起用と言う感じで、顔のデザイン自体は結構クラシックなのかもしれない。なので、そういうのが好きな富野さんに受けたのかもしれないし、富野さんにそうしろと言われただけかもしれない。
でも、結果的にはメカニックはかっちりしているけどキャラクターの表情はコロコロ大きく変わるので、特にレッシィとアムはかわいいので、楽しい。
アムは前髪を切りそろえているので、ターバン服がオシャレなヒラメちゃんと言う感じだなあ。
永野護さんは目かとかは精密に神経質っぽく書くけど、インタビューとかではユーモアがある人だし、萬画でもギャグシーンが割とあるし、キャラクターの描き方には伸びやかさがあって、違う要素が同居しているんだろうか。


そして、手形をアマンダラに渡し終えたダバは今後、反乱軍に合流するような気がするんだけど、どうも反乱軍のステラさんと言うオッサンも胡散臭いし、ダバが反乱軍でポセイダルと戦うにはまだ動機が弱いように見えるし、そもそも結局ダバは将来何をしたいのか見えてこないし、その割に強力なメカを持っているし。でも強力なメカを主体的に使って何かをしようと言う気配もないし。
どうなんだろう。


あと、どうでもいいけど8話でダバたちを案内した反乱軍のリースっていう青年は褐色に金髪でハンチング帽でジャケットを着ているので、∀ガンダムロラン・セアックにすごく似ている。ロランほど眼光が主人公っぽくはないが。