玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

重戦機エルガイム41〜43話フル・フラットとアマンダラ編

第41話 スパイ・イン・スパイ 脚本:渡辺麻実 ストーリーボード、演出:杉島邦久 作画監督:亥間我子
第42話 ヤング・パッション 脚本:渡邊由自 ストーリーボード、演出:川手浩次 作画監督:小林利充
第43話 レディ&ガール 脚本:渡邊由自 ストーリーボード、演出:川瀬敏文 作画監督:金山明博

  • 41話

フル・フラットを人質にしてダバ・マイロードサート・スターを脱出する話。
また、反乱軍の玄田哲章のセムージュやサート・スターの内部の女性兵士がスパイだったと発覚。ギワザがポセイダルに対して裏切りをするというのも表面化する。
そんな風な裏切りの連鎖の中で、ダバはフル・フラットを人質にしても丁重に扱うし、スパイのセムージュも許す。
そのように主人公の清廉さを見せることで、「人を信じては生きてはいけない時代を終わらせる」というダバの言葉を感動的に見せることで、大人の世界の汚い人間関係の中でダバの正義ぶりを表現している。ダバは善人なのでリアルでドロドロした人間関係の富野アニメの中では無個性で地味に見えがちだが、このようなダバの正義っぷりを見せておくことも大事ではある。でも、ダバたちの若者の思想主義より、ポセイダルやアマンダラやフル・フラットの世代の大人たちのドロドロした悪の魅力の方が富野アニメらしいな、って思う所もある。
メカ戦闘としては、初戦闘では見せ場が無かったレッシィのヌーベル・ディザートが地味にリィリィのグルーンを押さえるところが格好良かった。が、撃破には至らず。

  • 42話

ギワザ・ロワウがポセイダルに反乱するための戦力を集めているという描写が隠されなくなっていく。マフ・マクトミン登場。
対して、ポセイダルは近衛隊を使って防御を厚くする。ポセイダルの近衛隊はクワサン・オリビーを隊長として、ギャブレット・ギャブレーを取り込み、ギャブレーに新型HMのアトールを与える。
ダバの許されたセムージュはアムとサート・スターのフル・フラットへの使節として行くが、ギャブレーのアトールにセムージュのディザートは撃破される。アムのエルガイムもやられて、サート・スターに落下する。
ギャブレーのアトールは新型なのに、ダバのエルガイムMk-IIに殴られただけで撃破されて撤退。アムとギャブレーの若いパッションを表現するのに重きを置いたため、主人公のメカ戦闘がすごくあっさりしているので、あまり印象に残らない。

  • 43話

アムとセムージュがフル・フラットのサート・スターに救助されて半ば人質となるのだが、アムはフル・フラットと会食する。
60年以上バイオリレーションで長生きしているフル・フラットは「男は野心を持つと女を捨てる動物だ」とアムに説教する。
今回はアムの目線でのフル・フラットとポセイダル&アマンダラの大人の世界の機微を見せるというのがメイン。
ダバはアムの行方が分からないなりに、クワサン・オリビーの船にサート・スター出身の女スパイを潜り込ませる。
マンダラ・カマンダラとフル・フラットの会話。
フル・フラットがギワザと同盟したことをアマンダラは責める。フル・フラットは「私を抱きにいらしたのではないのでしょう」とか冷え切った男女関係の話をして、アマンダラはミアン(ポセイダル)との過去やバイオリレーションや独裁の秘密を匂わせる。そして、アマンダラは「年と共に老いていきたくなった」と言うフル・フラットをビンタして「ワガママな女だ」と別れる。
マンダラは偶然、アムとセムージュと出くわすのだが、フル・フラットの気持ちが離れているのでアマンダラはアムに「ダバを支配する力が欲しくないかね」などと誘惑して、アムを自分の船に乗せようと招待する。「愛が永遠の物だと思うのかね?」などと言う。
しかし、フル・フラットが「あなたの独善のためにこれ以上女を傷つけてほしくないのです」と言い、アマンダラに銃を向ける。フル・フラットが「こんな大人の茶番を見るものではない」と、アムを解放させる。なぜ、アマンダラがアムを欲しがったのか、と言うのは地味に今後に関わってきそうではあるが…?
フル・フラットとアマンダラの昔愛し合ったが今は離れたカップルという雰囲気はアダルティーなドラマチックだ。
アムとセムージュはエルガイムでサート・スターを脱出するが、ギャブレーのアトールと遭遇し、アトールのビーム鞭にからめとられてピンチになる。そこへ主人公のダバのエルガイムMk-IIが登場し、バスターランチャーの一発でギャブレーの戦艦を牽制し、ギャブレーは恐れて撤退する。男女の恋愛論や世代論の話が濃いので、メカ戦闘が若干あっさり目で主人公の重みの印象が残りにくいのだが。
でも、アマンダラ・カマンダラをめぐる女性たちの関係性が見えてきたのは面白かった。(というかFSSではそれが本筋に?)
次回はギワザが自分の女のネイを利用してポセイダルの暗殺をたくらむ。男と女の関係が権力闘争と絡んでいるのが、富野らしいアダルトな感覚を見せている。その中で、主人公のダバ・マイロードは女を利用するでもなく、権力を欲しがるでもなく、しかし反乱軍の筆頭になるという清廉潔白さを見せる。この関係性や人物配置がどう終盤に生きてくるのか。

重戦機エルガイム 1/144 ヌーベルディザード

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