玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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SHOW BY ROCK!! 最終回 別れと百合の多様性

SHOW BY ROCK!!のアニメの最終回で印象的だったのは、シアンがプラズマジカと別れて自分の元居た現代日本の世界に帰る所。
それで、百合アニメでバンドアニメだったのだが、特にレトリーはレズっぽくシアンのことが大好きだった。
中盤のtrack-05「迷宮DESTINY」でシアンの正体がばれた時、レトリーはシアンがなぜ異世界人なのかとか、どうして怪物と戦うのかということよりも「シアンと別れるなんて嫌だ!」ということを強調して嫌がった。
で、最終回はシアンがプラズマジカと別れる。
そこで、シアンは最初危険な怪物との闘いを避けさせるために、復活したグレイトフルキングによって帰されそうになった。だが、「さよならを言わずに自分だけ助かるために変えるのは嫌だ!」って思って自分の心の力でMidiCityに戻って覚醒変身してラスボスを一撃で倒した。そして、プラズマジカはちゃんとさよならを言って、ライブを仕切り直してセッションする。そこで「ありがとう」ってレトリーが思って、シアンは「本当はずっとみんなと…」って涙ぐんで思うんだが。怪物を倒したことで任務完了したのでシアンは元の世界に帰らなくてはならない。だから悲しい別れかなーって思うんだけどあくまで青春はNon-Stop!って明るく歌って別れる。
明るく別れる!すごい!
異世界まで遠くに離れてもいつまでも友達だって、レトリーが思うのがまたいい。ああ~そういう風に別れを受け入れられるように成長したんだ。チュチュとモアもシアンと出会って成長したと音楽に載せて語られてハッピーな感じ。最後の最後はさよならって言うよりありがとうって言って別れるのがいい…。
そして、現実の学校に戻ったシアンはミディシティでプラズマジカのチュチュから貰った四人おそろいのピックの片割れを以って勇気を出す。勇気を出して軽音楽部への入部希望を出す。
いい・・・。
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何が良いのかというと、こういう卒業とか別れを強調した部活アニメだと別れの辛さとかグループ解散の嫌さが大きな問題になりそうなのに、ショウバイロック!!は「別れても心は一つ」として明るく別れている所。
そして、異世界からゆきてもどりし物語らしく、異世界で少しだけ成長した心を以って現実に向き合う力を得る。これはものすごくスタンダード。
しかし、百合アニメだとして見ると結構画期的。
百合アニメって同性愛だから色々と取り換え引っ返してもいいかもしれないのにモノガミー的カップリングの固定とか「ずっと一緒」というモラトリアムが「愛の証明」として描かれることが多い。
しかし、ショウバイロックのアニメが特異なのは、「別れて他の人と付き合う勇気を得られたので、ミディシティでの事は尊かった」という、別れたからこそ、他の人と付き合うからこそ、あの恋は美しかったんだと描いている。
これはマリア様がみてる佐藤聖さまのエピソードにも似てるんだが、ショウバイロックには悲壮感が薄く、もっと明るくポップに描いている。それが「青春はNon-Stop!」ということなんだな。別れや次の出会いがあっても、青春は止まらない!


SHOW BY ROCK!!のアニメ、素直に感動したよ。かわいいんだけど、かわいいだけじゃなくてしっかりしたテーマ性があった。いい…。
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しかし、こんなにきれいに別れちゃうと二期がやりにくそうだけど、でもミディシティはお祭りのような大らかな世界なので、特に怪獣とかダークモンスターがでなくても行こうと思えば行けるのかもしれない。