あんきらとCIの明暗を分けたアイドルマスターシンデレラガールズ第18話with幸子

で、アイドルについて語るPは沢山いると思うんですが。僕はアニメとして語ってみようかと。今回、僕的に印象的だったのは照明の使い方ですね。と言うか、今回明度が低かったですね。

幼稚園ごっこ番組とか、アイドルと着ぐるみのゆるふわ散歩番組という楽しいほんわかした番組をやってるんですが。
その番組を作っているアイドルの中の人をメタ的に見せるアニメーションとしてのシンデレラガールズは画面の照明を暗くしている。意図的に四隅などの明度を下げていて、デスノートなどの荒木哲郎監督の演出に似ている。


なので、美少女かわいいエンジョイアニメなのに、なんだか緊張感があるというか真剣みがあるというか、能天気な楽しさがなく、真面目？真面目うきゃーっ！って感じがある。

それが声優！の釘宮理恵さん回でもあったけど、「夢を見るのはお客さんで、中の人は夢を見せる側だから」というブラック企業的な？現実的な？シリアス要素がある。

で、あんきらはシンデレラガールズの中でもイロモノなんですが、とときら学園のさくら組の年齢をごまかしていたりニンジャだったりお笑い系だったり太っていたりする他のメンバーも色ものアイドルなんですが。と言うかモバマスって言うゲーム自体がイロモノだしイロモノキャラの宝庫なんですが。
今回は杏が「うちらイロモノ扱いされてるよな」とメタに踏み込むことでモバマスの根本的なシリアスな構造に踏み込んでいる。

そんな雰囲気を演出するために画面の色も暗かったんですが。江戸切子の職人のおじさんとも一触即発になったりしちゃうんですが。

でも、そんな暗さがあったからエンディングで笑顔やガラスの輝きが強調される演出になっていて、視聴後の感覚は明るくてよかったなーってなりますねー。

あと、かわいいボクと野球どすえっていうイロモノユニットもたくましく生き延びていて良かった。

アニメ版のかわいいフレデリカと速水奏とシューコはんは美城常務派の正統派ユニットなんですかね。

でも、この三人も原作ゲームでは結構イロモノと言うか、周子は登場即家出少女だったし、フレデリカは性格がアレだし奏はビッチなんだが。
うーん。

原作ゲームは結構バカバカしいというか、イロモノをイロモノのまま出してるエンタメだし、イベントもかなり無茶なシナリオだったり、ドスケベ絵柄だったりします。原作ゲームはかなり弾けている。
それに比べると、アニメ版は真面目な演出と言うか、実写よりと言うか高雄統子監督の少女漫画原作ドラマっぽい雰囲気のカラーがあると思う。
しかし、まあ、ネットの感想を見るとそこまで誰得シリアスだって批判されているわけでもなく、ちょっと試練があっても最終的には良かったねーって思えるドラマ作りがされている。なわけで、アニメ版は少々おふざけが過ぎる原作ゲームとはちょっとシリアスレベルを変えることで、独自の立ち位置と言うか個性を出そうとしているのかなーと。

初代THE IDOLM@STERの如月千早シナリオはアニマス以前のゲーム版から重かったし直接プレイヤーの携帯電話に重いメールを送り付けるガールだったわけだが。

デレマスはモバマス実録萬画とか同人誌とかアンソロジーとかコミカライズで色んなパラレルワールドがあるわけだし、一人一人のプレイヤーにドラマや思い入れがあるんですが。僕は野々村そらちんの兄と言う設定なんですが。
そんな多様なデレマスワールドの中で、アニメ版も独自の個性を発揮しようとしてるんだろうなー。

しかし、今回の武内Pのおまじない禁止命令とかはちょっと指導者として雑だった気がするんだけど。番組もディレクターの演出指導が少なかったし。まあ、現実とはちょっと変えて、アイドルが自分で悩んで考えて行動していくのを見せるバージョンなのかなー。それもセルフプロデュースのアイカツ！なのかな。アイマスってプロデューサーがいる割に、結構放任なところあるよね…。

感想とか考察は、結構濃いプロデューサーの人がしてくれてるんで、Gレコの時のように「僕が語らなければ誰が語るんだ」というほど肩に力を入れないで見てるデレマス。ch.nicovideo.jp

unomata.hatenablog.com

良い感想が他にもたくさんネットにあるので良い。

第18話 A little bit of courage shows your way.
脚本：綾奈ゆにこ
絵コンテ、演出：岡本学
作画監督:玉木慎吾　SYNOD