玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

怪人による仮面ライダークウガ 感想 第11,12話

第11話「約束」第12話「恩師」


 仮面ライダークウガのYou Tube配信の感想です。仮面ライダークウガは名作なので考察している人は僕よりたくさんいると思うけど。
 まず最初に言わせてほしいのは、僕の閲覧履歴が悪いせいかもしれないけど、「ヒーロー番組の配信の動画広告で”ウーバーイーツの配達員に落ちぶれた男が学生時代にバカにしていた男と再会したら、彼はヒゲ脱毛して肌がきれいな金持ちになって毎晩美女とパーティーしているから、お前もヒゲ脱毛しろ”というコンプレックス商法の広告は出さないでほしい」ということです。肌の綺麗さと金持ち、関係ないだろ。もっと、愛と正義の世界に浸らせてほしい。


 そういうわけで、完成形マイティキックが登場する第11,12話の感想です。


 僕の事情ですけど、ずっと寝てたせいで富野由悠季の世界の感想が進まなくて、寒くなってきたら冬季うつ病と母親の命日が近づいたことによる季節性うつや、銀行周りや借金返済などで疲れて、うつ状態になってしまったので、短く書きます。




 この回は僕も心に残っていた回だけど、高寺プロデューサーによると脚本が難航していたらしい。まあ、ヒーロー物をぶっ壊すというテーマでやっていたので会社側から難色を示されたりスケジュール管理がうまく行かなかったりという楽屋裏の事情もあるらしいが。
 脚本が難航していただけあって、名作に仕上がっている。


 初期案では少年時代の五代雄介が漁師と釣りに行って命をかける修行をして、ということだったらしいが、回想シーンはあまり使いたくないということでボツに。漁師…。あんまり仮面ライダーとは関係ないな…。

  • 価値観を疑うことのしんどさ

 ヒーロー物をやれって会社に言われて、対して高寺プロデューサーは「ヒーロー物をぶっ壊す」という信念でやっていたらしく、揉めたらしい。
 まあ、そういう内部事情はともかく、5〜10話は「ヒーローのバトル優先の価値観についていけない女子」が描かれていたわけですが。
 今回は五代雄介の小学6年生の時の学校の先生の神崎先生が五代雄介と再会の約束を果たしに行くのだけど、五代雄介が卒業して13年たった神崎先生は政府から指示されているゆとり教育や、勉強に力を入れろという保護者との間で神経がすり減って、教師をやめたくなっているおじさんになってしまった。
 教育庁と保護者との間で揉めるだけならまだ大人の問題なので我慢できるけど、2000年当時の小学生は自分でやりたいといった花壇の世話もせずに枯らしてしまったり、未来に希望が持てないと言ってたり、子供を教育するということもうまく行かないという点で神崎先生は悩む。子供に価値観を提示できないということ。それはヒーロー物を制作していた東映の高寺プロデューサーも「子供番組で子供に価値観を提示できていないのではないか」「派手なアクションで釣って玩具を売りつけているだけなのではないか」という、葛藤と言うか、ヒーロー物に対する真面目なお気持ちがあったのだと思う。
 確かにグロンギは殺人大好き集団だし、仲間割れもするし、絶対悪なんだけど、人間の側も正義なのか?という疑いがある。そういう風に自省的に考えるのは大事なんだけど、しんどさもある。悪いやつをヒーローがかっこよくやっつける!というだけのほうが頭を使わずに快楽を享受できる。(まあ、仮面ライダークウガはカッコよさも両立しているので良いのだけど)

  • 構成の巧さ

 神崎先生は教師として限界を感じていて、五代雄介との再会の約束を思い出したのも偶然なので、あまり自信のある大人ではない。それで、五代雄介と約束通り再会できたら教師を続けるけど、五代雄介が約束を忘れていたら教師をやめよう、とまで思いつめている。
 ヒーロー番組としても子どもたちに価値観を提示できているのだろうかという自分を疑う態度がある。玩具が売れればそれでいいというわけではない。神崎先生の下の名前が旧おやっさんの小林昭二さんと同じで、神崎先生の現在勤めている学校が風見小学校で、五代雄介が卒業した学校が立花小学校ということで、仮面ライダーV3の宮内洋さんが唱えた「ヒーロー番組は教育番組だ」というテーゼが暗示されている。


 70年代のV3ならそれでヒーローの正義が子供の教育だ、ってことでまとまりがついているが、2000年位からは世の中が色々と複雑化している。
 しかし、普通に五代雄介が先生との約束を果たして2000の技を習得して再会するっていうだけだと、こういう話にはならない。五代雄介はグロンギの未確認生命体第22号ズ・ザイン・ダと戦うことで忙しくて、神崎先生が待っている学校へなかなか行けない。代わりに、現在の五代雄介を信頼している女性の沢渡桜子さんが神崎先生と同行して五代雄介について語り合う。
 神崎先生は五代雄介と再会するだけだと、本編のように弱音は吐けなかったんじゃないかなあ。五代雄介を知っている初対面の女性だから、教師として悩んでいる自分の気持ちを言えたような。五代雄介に対しては男同士で格好つけてしまうので、涙とかは桜子さんに対してでなくては見せられなかったように見える。こういう構成の巧さがいい。
 まあ、怪人が出たせいでの、すれ違いドラマなので、古典的といえば古典的なのだが。


 それで、五代雄介に13年前に言ったサムズアップの授業を回想シーンではなく、桜子さんに見せるために言って、それがクウガの決戦とダブるという構成の巧さ。
 で、ひとしきり桜子さんに吐き出した神崎先生と、強敵のズ・ザイン・ダを打ち破った五代雄介の再会には言葉はいらず、サムズアップを交わす。男らしい。

  • 強敵!ズ・ザイン・ダ

 ズ・ザイン・ダ役の中の人はプロレスラーにして役者としても活躍する野上彰ことAKIRAさん。怪人態よりも強そうだ。50歳を超えた現在もプロレスラーとして活躍し、顔が怖い。
 というわけでか、今回は変身前のアクションシーンも多い。人間の姿でも、ズ・ザイン・ダは軽々と成人男性を持ち上げて首を絞めて殺す。オダギリジョーさんもチョークスリーパーを決められて割とやばかったらしい。この頃のオダギリジョーさんはそんなに売れてなかったし、むしろ演技派としてはきたろうさんと掛け合い芝居をしている方が似合っているような感じだったのだが。
 オダギリジョーさんも変身前にプロレスラーとガチ格闘をしていて迫力があった。


 変身してからもズ・ザイン・ダの鋭くて長い角が驚異だった。


 また、強化型というか、完成形マイティキックの練習のためにオダギリジョーさんは普通に宙返りするのでアクションも行けるんだなあ…。(流石に3メートル上の木の枝にケリを入れるのは合成だったけど)しかし、普通に人がいる公園で宙返りからのジャンプキックを樹に叩き込む五代雄介…。割と不審者感がある。
 今までのマイティキックは、格闘の流れの中で蹴りを放つと相手が爆死するって感じだったが、完成形マイティキックは気合を入れて呼吸を整えて助走してから宙返りして、渾身の蹴りを見舞う感じになって、より「必殺」という感じになっている。
 呼吸を整えてポーズの型を決めて必殺技。鬼滅の刃にも通じる。今の子供達も竈門炭治郎の真似をしているらしいが、僕も宙返りはできないけどマイティキックの真似をしてブロック塀を蹴っていたな…。
S.H.フィギュアーツ 仮面ライダークウガ マイティフォーム


 そして、今回の一条さん。ズ・ザイン・ダをおびき寄せる囮として大型トラックを運転する。まあ、普通の警官だと包囲してもズ・ザイン・ダに虐殺されるのだけど。一条さん、大型免許も持っているのか。もう何でもできるな…。


 また、五代雄介は携帯電話を持ってないので公衆電話で桜子さんの携帯に電話するけど、トライチェイサーの無線で一条さんが呼んでる時はちょうどよくバイクの近くにいる。いや、五代雄介がトライチェイサーから離れているときでも一条さんは根気強く呼んでたのかもしれないが。

  • 五代雄介の思想の原点

 五代雄介が多用するサムズアップは神崎先生に教えられたものだった。
「……古代ローマで満足出来る、納得出来る行動をした者にだけ与えられる仕草だ……お前もこれに相応しい男になれ!……お父さんが亡くなって、確かに哀しいだろう……だが、そんな時だからこそお母さんや妹の笑顔のために頑張れる男になれ!」
 古代ローマ、2000年前のグロンギよりももっと昔かもしれないのだが…。まあ、日本は大陸より遅れてたし…。


 しかし、僕も母親が自殺したことで頭が一杯になるうつ病の患者で、命日が近づくと元気がなくなってゲームもアニメ鑑賞もできなくなって寝込んでいるのだが。
 13年前の神崎先生、父親が死んでる五代雄介に対して「お母さんや妹の笑顔のために頑張れ」って言っててスパルタだ。(五代雄介の母親も五代の学生時代に死んでる)
 五代雄介の人生、クウガにならなくても両親が早めに死んでて割としんどい感じだけど周りの人の笑顔のために頑張る男なので。僕みたいに母親が自殺して元気がなくなっている鬱病の患者からすると人としての格が違いすぎる。


 っていうか、Fateの衛宮士郎やんけ!赤いし、空我だし、自分が生き残りたいという気持ちでは白いグローイングフォームにしか変身できないけど、みんなの笑顔のために自分を犠牲にして戦う覚悟を決めると赤いクウガに変身できるので。滅私奉公で戦う抑止力なので。正義の味方…。自分の人生の幸せじゃなくて人のために尽くして戦えっていう思想。厳しい…。
 結果的にクウガはライダーだけど、セイバー、アーチャー、ランサーにも変身して最終的にバーサーカーオルタにもなるし。Fateだ…。
 まあ、その反動なのか、ポレポレでの勤務態度はぐだぐだだけど。(おやっさんとはどうやって出会ったんだろう・・・)でも、料理をする時は上手いので、そこらへんも士郎っぽい。


 クウガって、ファンからも異常者と言われる衛宮士郎なみの異様に強いメンタルじゃないとやっていけない奴なのでキツすぎる。でも、仮面ライダーインペラーみたいな普通の人がうっかりライダーになってしまうのもキツいので、平成ライダー初期はキツい。

  • 次回、蝶野さん

 と、五代雄介のメンタルが衛宮士郎なみにやばい滅私奉公タイプということが明かされて、母親が自殺したことで鬱病が悪化している(自殺する前から家庭は崩壊していた)僕としては憧れるけど、クウガにはなれないと格の違いを感じたところで、来週は「人類はクソなので絶望して、未確認生命体に憧れるダメ人間」の蝶野さんが登場します。
 ヒーローのバトル展開についていけない女性、ヒーローの正義を教えられているのか疑問に思う恩師、の後に、ヒーローになるほどメンタルが強くない人生がうまくいっていない弱い若者が出てくる。


 こういうテーマのリレーも上手いなあ。


 また、初ペガサスフォームの回でジャンの発掘家として、はしゃいだ態度に苛ついて家出をした夏目実加が、父親の遺志をついで発掘チームに参加して和解しているのを見せるというのも、短いシーンだけど雰囲気をよくしている。
 それも五代雄介が浜辺まで探しに行ってやって、桜貝を掘る実加の父親の思い出を肯定してやって、実加の発掘に対する嫌悪感を昇華してやったからっぽいので。五代雄介はすごいなあ。

  • ほしい物リスト。

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 おかゆとスープはるさめをさきほどいただきましたが、保存食や水などは常にほしいです。借金32万円を後11ヶ月で返済するので、本やグッズよりも節約できる食料が・・・。
 でもロボット魂は組まなくても遊べるので、それも欲しい。本を積まないで読む時間を作りたいけど、寝込んでしまうのです。


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