#閃光のハサウェイギャプランで世界線が変わる

　アニメ映画　閃光のハサウェイ劇場版の冒頭のハイジャック犯は原作のベースジャバーと違ってギャプランを使った。
　これによってシュタインズゲートの世界線が変わってしまった。まあ、初代ガンダムの劇場版からして映画になる際に世界線が変わるのはよくあること。

　この事案について映画の広報ツイッターで理由が説明されたので、その影響について短く書く。

小説の登場MSが少なく、スタッフ皆でどうにかMS増やせないか考えた結果、高高度で運用できるギャプランに白羽の矢が。ちなみにこのギャプランはどこかの基地に放棄されていた組み立て途中のものを引っ張り出したので、色が途中、ロールアウトカラーなので緑らしいです。#閃光のハサウェイ質問 https://t.co/xvtYAcZWFT
— 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (@gundam_hathaway) 2021年6月18日

　軽い気持ちでMSを増やしたら世界線が。

nuryouguda.hatenablog.com
　冒頭15分で話題になった紫色のギャプラン。みんな、新作映画に昔のモビルスーツが出ると喜ぶよな……。
　戦術的に大気圏上層から降りてくるスペース・シップのハウンゼンを襲うためにブースターを装着できるギャプランを用いるのはいい。論理的だ。
　しかしなあ…。多分2カットしか出てこないからだと思うんだけど、CGで描くにしても汚しが足りない。新品に見える。原作だと払い下げられたベースジャバー（モビルスーツを乗せることができる飛行機、くらいの意味のメカ）で錆びついていて（宇宙世紀の超合金メカがなんで錆びるんだって気もするが）、フロントガラスも薄汚れている中古品という描写なんですけど。
　ハイジャック犯が汚れた中古払い下げのアンダーグラウンド流通のボロいベースジャバーを使うか、それとも小ぎれいな可変MSを使うかで、その組織の経済力の描写がまるで違ってしまうでしょうが。（原作とは違って偽マフティー組織もアニメでは強化されるのかもしれんけど）
　うーん。ギャプラン。割とメンテナンスが難しい試作機なんだよなあ…。（ロザミア機は強化人間用で、ヤザン機は死角が弱点だったし）25年もメンテナンスできるんだろうか？まあ、Zガンダムでレコアさんが乗ったゲルググとか逆襲のシャアのホビー・ハイザックのように中身は新型のレプリカという可能性もあるんだけど。
　しかし、2カットだけのギャプランにこれだけ文句をつける俺も気持ち悪いな。

　色が紫に見えたのは照明の加減だったようだ。新品に見えたというのは当たっていたようだが。

原作世界線

　ハイジャック犯は腐敗した地球連邦軍による中古払い下げ軍事機械の闇市場から整備不良のベースジャバーを購入して使用した。
　現実のテロリストや民兵でもトヨタのトラックを装甲車に改造したりしているので、それはリアリティがある。
　レプリカのAK-47とか。

アニメ世界線

　ハイジャック犯を末端工作員に使う組織の情報部門は、マフティーの仕掛け人で軍籍を抹消された秘密基地などの情報を持つ、元連邦軍将軍のクワック・サルヴァーと同じく、放置されていた基地や組み立て途中で放棄されていたモビルスーツの場所や状態の情報を持っている。（闇市場で流通しているものではなく新品）
　25年前のグリプス戦役時代の量産数の少ない可変モビルスーツを組み立てて変形させる技術と設備を持つ。
　25年前の強化人間やヤザンなどのエースパイロットが使っていた可変モビルスーツを高高度まで飛行させ、ハウンゼンにハイジャック犯を収容したカプセルをドッキングさせる技術を持つパイロットを調達できる。（割と構造が単純な飛行機のベースジャバーより操縦は難しい）
　

　うん、確実に原作より技術もコネも情報能力も資金力も高度な組織になっているな！

　地球連邦軍は腐敗しているので中古払い下げが闇市場というのは割とあり得ると思いましたが。新品の組み立て途中の試作可変モビルスーツが放棄されていた場所を見つける情報能力はすごい。

　単純にオールドファンにサービスするためにモビルスーツを増やすっていうだけの動機なら萎えるけど、中巻で活躍するオエンベリの偽マフティー義勇軍と関連して、アニメでは偽マフティーの組織をアップグレードする、という戦う工夫があると面白いな。（寄生獣の後藤）

　一発屋で終わらないことを祈るぞ。ギャプラン。

※ツイッターで追記6/22

あきまんさんの新訳Ζ論の、
ギャプランより強いアッシマーより強い輸送機のアムロ、っていう強さの演出がガンダムで大事ですが。
閃光のハサウェイだと「中古のベースジャバーしか用意できない偽マフティーより、Ξガンダムを調達できるマフティーは強い」という構成だけど https://t.co/uLaDh0cB6s
— ヌ・リョウグ・ダちん (@nuryouguda) 2021年6月21日

偽マフティーもマフティーの仕掛け人のクワック・サルヴァーみたいに、放棄された基地の組み立て中の新品モビルスーツを調達する情報網と技術力を持ってるってなると、少しパワーバランスの演出がズレるよね。
男の子は強さの序列に敏感。キンプリとか。
— ヌ・リョウグ・ダちん (@nuryouguda) 2021年6月21日

怖いハイジャック犯を軍人のケネス（原作では手枷されてる）より手際良く制圧した植物観察官候補生のハサウェイの強さとは？何者？
って言うのが閃光のハサウェイの原作の序盤の引きなんだけどなー。（マフティーがハサウェイであると言うことは上巻の半ばまでぼかした文体
— ヌ・リョウグ・ダちん (@nuryouguda) 2021年6月21日

だからハサウェイは偽マフティーより強くないと構成が変わるんだけど、映画の次回作でも偽マフティーの強化はやるのかな？
— ヌ・リョウグ・ダちん (@nuryouguda) 2021年6月21日

あー、オエンベリの反乱分子がモビルスーツを持ってる可能性はあるなあ。その可能性が高いなあとさえ思える。ハイジャックにギャプランを使い、マンハンターや消防署がジェガンを使うパトレイバーみたいな世界で反地球連邦運動にモビルスーツを使わない、使えない理由はなさそう。
— もくば (@soratobu_uma) 2021年6月21日